『ボクらを作った映画たち シーズン1』解説・感想!映画の神様は、いる!大ヒット映画の知られざる制作秘話

The Movies That Made Us

出典:IMDB

『ボクらを作った映画たち』でとりあげたのは、「ダーティ・ダンシング」「ホーム・アローン」「ゴースト・バスターズ」「ダイ・ハード」の4つの作品。

時代を超え世代を超え普遍的な人気を誇る映画たちは、今でこそ大ヒット映画として知られる名作ですが、30年前の制作当時には完成さえ危うくお蔵入りの可能性さえあったという制作秘話を語るドキュメンタリー。

誰もが知る4作品は、公開にこぎつけるまでの艱難辛苦、強運と幸運によって世に送り出された関係者のインタビューに驚きと感動が隠せません!

歴史が語る4つの作品の誕生にまつわる嘘みたいな本当の話が興味深いドキュメンタリーとなっております。

それでは『ボクらを作った映画たち』について解説していきます。

ポイント
・化けた低予算映画
・まさかの密約
・時間に追われる制作現場
・新しいアクション

『ボクらを作った映画たち』解説・感想

The Movies That Made Us

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ないないづくしの制作現場

脚本家のエレノア・バーグスティーンとプロデューサ―のリンダ・ゴッドリーブが、生み出したのは「ダーティ・ダンシング」。

パートナーと身体をくねらせ官能的に踊るダンスをタイトルとした映画は、1963年を舞台に女の子が愛に目覚め、勇気とリズムを発見する物語。

大手映画会社40社以上から制作を断れ、映画製作にこぎつけるまでが大変だった「ダーティ・ダンシング」。そんな状況で映画製作へ進出をもくろむビデオ会社のベストロンに脚本を拾われ、始まった超低予算作品の制作秘話がすごいのです。

映画業界になじみも知識も経験もない配給会社をバックに、監督、キャスト、スタッフをかき集めたはいいが、主演ジェニファー・グレイとパトリック・スウェイジのふたりは不和で、アカデミー賞受賞経験のある監督を起用したものの、その監督は長編映画の経験のないドキュメンタリー出身。

ダンス映画であるにも関わらず、使う音楽の集めることすらできず頭を抱える、何から何までないないづくしの制作現場で、順風満帆からはほど遠い混乱ぶりだったことがうかがえます。

それでも「ダーティ・ダンシング」が成功したのは、混乱する現場の怒りや苛立ちを、情熱に置き換えたシーンを切りとった監督の手腕や、作品のために妥協することなく踊り続けた主演俳優のたゆまぬ努力が、ないものづくしだった映画に輝きをあたえ後世に残る作品へと昇華させたのです。

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スタッフの織りなすハーモニーが「ダーティ・ダンシング」に永遠の命を与え、「あの時のどのスタッフ・キャストが欠けても、この作品は成立しなかった」と話す脚本家のエレノア・バーグスティーンとプロデューサ―のリンダ・ゴッドリーブが印象的でした。

かわる配給会社

歴代最高興行収入の記録をもつ「ホーム・アローン」。

少年だったマコーレー・カルキンを一躍スターダムに押し上げた作品は、配給会社との製作費でもめて制作中止の危機にさえあったといいます。

新しいタイプのクリスマス映画の撮影開始当初は、ワーナーブラザーズが配給会社。

制作費の金額でもめて撮影がとん挫するところ、脚本家のジョン・ヒューズと20世紀フォックスの密約によってプロジェクトは、とまることなく進んだというのだから驚きです。

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「この映画製作は中止だ!」と通達するワーナーブラザーズのスタッフの後ろから、「いや、いあ、続投だから!」と20世紀フォックスの参入が決まったと、制作指揮があとから訂正してまわるくだりには大爆笑。

制作費が、1470万ドルと予算が膨れ上がったとこにより、コストを抑えるのに新進気鋭の若手スタッフを雇い、五里霧中で進めた「ホーム・アローン」の撮影。

経験の浅いスタッフたちの苦し紛れの創意工夫がむしろ、作品に新風を吹き込み、きらめきを与えることになるとは、誰も予想をしていませんでした。

そしてマコーレー少年のまばゆいまでの演技と、スタントマンたちの命がけのマンガチックなスタントを合わせドタバタだった「ホーム・アローン」に、最後に気品と感動を与えたのは、なんとあの映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズだったのです。

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当時、ヒット作に恵まれずにいたクリス・コロンバス監督をはじめスタッフの面々。「ホーム・アローン」の撮影以後、その才能が認められ、それぞれの道でキャリアを築き、成功したことに納得です。

10か月後の公開

The Movies That Made Us

出典:IMDB

俳優でありコメディアンでもあるダン・エイクロイドの描いた超常現象調査と幽霊退治の物語「ゴースト・バスターズ」。1984年公開の「ゴースト・バスターズ」は、聞きしに勝る壮絶な制作スケジュールでした。

構想がユニークで斬新な「ゴースト・バスターズ」は、10ケ月で大雑把にまとめた作品でありながら、興行成績は大成功した、伝説の作品だったのです。

理論的につじつまが合わない荒唐無稽なストーリーと絶えず変わる脚本に、タイトの制作スケジュールを映画公開に合わせるのにスタッフは必死。

特撮も多く制作陣はてんてこ舞い、タイトルの「ゴースト・バスターズ」に至っては当時アニメ会社が著作権を持っていて使えるかどうかもわからず、制作現場は障壁だらけだったといいます。

それでも、監督のアイヴァイン・ライトマンと主演のビル・マーレイ、ハロルド・レイモス、ダン・エイクロイドと伝説的なコメディのセンスを持つメンバーの集結、スタッフのなりふりかまわない姿勢と数々の幸運が、この作品には働いたというのです。

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「この作品には映画の神様がついている!」と関係者が口々にいうのだから、作品に宿る命は相当なものだったのでしょう。

撮影シーンの8割以上が1発テイクというのも、キャスト・スタッフのプロ根性にも感服です!

新しいアクション映画

大爆発と銃撃戦、目覚ましいスタントの連続で、究極のアクション映画と言われ、大ヒットとなった「ダイ・ハード」。

それまでのタフでマッチョなヒーロー像から一線を画した主人公のジョン・マクレーンは、以後のアクション映画のジャンルを変えたとまで言われる存在。

しかし、制作当時、ひとり裸足でビル逃げ惑い助けを呼ぶ主人公に、興味を示すアクション俳優は誰一人いなかったといいます。当時のマンネリ化したアクション映画の製作にひるがえしたいと、人間味あふれるヒーロー像を作り上げ、コメディ要素も盛り込んだ「ダイ・ハード」。

監督、脚本家、スタント・コーディネーター、役者の対話の中で作り上げていった力作でした。そして、「ダイ・ハード」も撮影と脚本執筆が同時進行に行われ、作品を生み出すのに大きな苦しみを味わった作品だったと言います。

紆余曲折を経て公開した映画は、歴史が語る伝説の作品となり、ブルース・ウィリスの代表作となったことはいうまでもありません。

『ボクらを作った映画たち』解説・感想まとめ

以上、ここまで『ボクらを作った映画たち』をレビューしてきました。

映画ファンなら誰もが知る大ヒット映画の「ダーティ・ダンシング」「ホーム・アローン」「ゴースト・バスターズ」「ダイ・ハード」。

制作から30年たっても、新鮮な輝きを続ける作品にこんな裏話があったとは!「こんな映画燃やしてしまえ」と言われた「ダーティ・ダンシング」。

配給会社の変更に翻弄された「ホーム・アローン」とタイトな制作期間にスケジュールがぎちぎちだった「ゴースト・バスターズ」。

「ダイ・ハード」にいたっては、主人公が、テロリストから逃げまどう弱っちい男とさえ言われていたというのだから驚きです。

要点まとめ
・新しいジャンルが生み出されるとき
・制作陣の情熱と強運
・映画の神様は存在する

誰もみたことがない作品

『ボクらを作った映画たち』で取り上げられた4作品は、今では誰もが知る大ヒットの名作ばかり。

どの作品も公開にこぎつけるまでは、トラブル続きで、予想外の迷走ばかりでした。

そして私たち視聴者が感じた公開当時の、作品の斬新さは、制作側にとっての、リスクとチャレンジだったと気づくのです。

まだ誰もみたことがない作品を世に送りだしたのは、当時の新進気鋭の監督や俳優、関係者で、その誰もがその作品が出世作となったのも納得です。

苦し紛れに作った「ダーティ・ダンシング」や「ゴースト・バスターズ」の挿入曲の誕生秘話、何気なくつぶやいたひとことで「ホーム・アローン」には映画音楽の大御所ジョン・ウィリアムズの作曲が実現したと、数々の神がかりなエピソードに、どの作品以上の面白さを含むドキュメンタリーとなっております。

若き映画製作者たちの生みの苦しみを体現した4つの作品が、時代をけん引する新しいジャンルとして世界へと羽ばたいていったのは、ひとえに制作陣の熱い想い。

制作当時の世相と時代を見事にマッチさせ、以後に通用する新鮮さ失わない、時代を超えた普遍的なテーマをきりとり、作品に命を吹き込んだ制作陣の先見の明だと、舌を巻くのです。

蔵商店

どの映画の制作秘話は、文句なしに面白い!幸運を引き寄せ、強運をもつ映画には「映画の神様」がついていると口々にする関係者たちにも納得できます。ぜひ、ご覧ください。
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