2020年に公開された、ジョン・トラボルタ主演のスリラー映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』。
推しに対する気持ちが暴走するファン心理を的確に描いたスリラーです。
- ジョン・トラボルタがホラー映画オタクのストーカーを熱演
- 『ミザリー』『ザ・ファン』に次ぐストーカー・スリラー
- 推しがいるファンは共感必至?それとも気持ち悪い!?見る人によって意見様々
マルコヤマモト
目次
『ファナティック ハリウッドの狂愛者』作品情報
作品名 | ファナティック ハリウッドの狂愛者 |
公開日 | 2020年9月4日 |
上映時間 | 88分 |
監督 | フレッド・ダースト |
脚本 | デイヴ・ビーカーマン フレッド・ダースト |
出演者 | ジョン・トラボルタ デヴォン・サワ アナ・ゴーリャ ジェイコブ・グロドニック ジェームズ・パクストン |
音楽 | ジョン・スウィハート |
【ネタバレ】『ファナティック ハリウッドの狂愛者』あらすじ
推しのサインが欲しいだけなのに…
舞台はアメリカのロサンゼルス。
ムース(ジョン・トラボルタ)はハリウッド大通りでイギリスなまりの警官のパフォーマンスをしながら生活している純粋な男です。
人気俳優のハンター・ダンバー(デヴォン・サワ)の大ファンであるムースは、彼の作品のVHSやDVDを全て所持しており、馴染みのコミックショップでダンバーが着ていた衣装まで購入します。
マルコヤマモト
さらに店でダンバーのサイン会があるという情報を得て大興奮して笑顔で帰路に着きます。
ムースは彼の唯一の親友である女性カメラマンのリア(アナ・ゴーリャ)とハンター・ダンバーやハリウッドのセレブたちが参加するパーティーに潜入します。
しかし、ダンバーは家族サービスのために出席しておらず、オタク丸出しのムースは怪しまれてすぐさま警備員に追い出されてしまいました。
マルコヤマモト
いよいよサイン会の日、ムースは憧れのハンター・ダンバーを目の前にして緊張していました。
そしていざムースの番!という時に急用でダンバーが立ち去ってしまったのです。
ムースはダンバーを追って購入したベストにサインを求めましたが、機嫌を悪くしたダンバーから酷く当たられてしまいそのままサイン会は急遽中止。
ムースは酷いショックを受けました。
マルコヤマモト
ムースのストーカー行為がエスカレート
落ち込むムースをリアは励まし、元気づけるためにハリウッドスターの自宅がわかるアプリを教えます。
アプリを使ったムースは大興奮!
マルコヤマモト
カメラマンのリアにはこのアプリが必需品というわけですが、きちんと「無理をしないように」とムースに注意もしています。
しかし、アプリでハンター・ダンバーの家を見つけたムースは彼の家に行き、手紙を渡そうと考えたのです。
ある日家の前でうろつく不審者(=ムース)を見つけたダンバーは、一緒にいた息子を家の中に避難させ、サインが欲しいとせがむムースのペンを取り上げ、彼の着ていたアロハシャツにペンを強く当ててサインを書き殴りました。
2度も酷い仕打ちを受けたにもかかわらず、ムースはダンバーの家に通うことをやめません。
次にムースがダンバーの自宅を訪れた時にはフェンスを乗り越えて庭に侵入したところを、家政婦に見つかり追い出されます。
ダンバーは家政婦と不倫関係にあり、不審者の報告を受けて再びムースが訪ねてきたことに気がつきます。
マルコヤマモト
それからもダンバーに何度冷たくあしらわれても手紙を渡すために家に通い続けるムース。
ある時、再びダンバー宅の庭に忍び込んだムースは家政婦に見つかり揉み合いになります。
そしてなんと家政婦が転倒し死亡してしまったのです!
『ファナティック ハリウッドの狂愛者』の結末
その後、ドアが開いていることに気づき、ついに念願のダンバーの家に忍び込んだムースは喜びに打ち震えていました。
ダンバーのトロフィーや私物を物色し喜ぶムースは、ダンバーが帰ってきてからも部屋に潜み、ダンバーの寝顔にキスをするところを自撮りしてSNSにアップします。
マルコヤマモト
さらにムースの行動は加速し、家の近くを歩いているところを怒り狂ったダンバーに追い詰められてついにダンバーが自分の理想の俳優ではないことに気づき、家に帰って泣きながらダンバーのグッズを燃やしました。
ムースの投稿を見て家を訪ねてきたリアは「犯罪行為を世界中に晒しているようなもの」と以前よりさらに怒って忠告しますが、ムースは逆上してリアを突き飛ばし、SNSでブロックした後に拒絶してしまいます。
マルコヤマモト
ダンバーが自宅にて目を覚ますと、ロープでベッドに縛りつけられていました。
ベッドの下ではムースが死んだふりをしており、驚いたダンバーに対して自分の演技でダンバーを騙せたことに喜びます。
その後もジェイソンの被り物をしてダンバーの腹を偽のナイフで刺したり、ガソリンに見せかけて水をかけたりと、ダンバーを驚かせるような行為が続きます。
しかし、ダンバーは俳優です。
ムースをファンとして特別扱いするという条件を出して喜ばせ、ロープを解かせたのです。
しかし、ダンバーの言葉は本物ではありませんでした。
解放されたムースの指を切り落とすと階段から蹴落とし、銃で脅した挙句ムースの目をナイフで刺して家から追い出したのです。
酷い怪我をしたムースが泣きながら歩いていると、偶然通りかかったリアに保護されました。
リアは傷だらけのムースを支えてロサンゼルスの街を歩きます。
ダンバーはというと、ムースが揉み合って死んだ家政婦殺しの容疑を着せられ、警察に逮捕されたのでした…。
マルコヤマモト
【ネタバレ】『ファナティック ハリウッドの狂愛者』感想
マナーを守って正しいオタ活を
ストーカーを描いた映画といえば、キャシー・ベイツが第63回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した『ミザリー』や、ロバート・デ・ニーロの怪演が話題になった『ザ・ファン』が有名です。
そしてジョン・トラボルタがストーカー役を演じると話題になったのが、今作『ファナティック ハリウッドの狂愛者』。
マルコヤマモト
👁👁怖い怖いってwwwww#ファナティック pic.twitter.com/o4bLXMHYKI
— マルコヤマモト・オブ・ザ・ギャラクシー (@maruko_yamamoto) September 2, 2020
ジョン・トラボルタが強烈なオタクを演じると知って劇場に駆けつけずにはいられなかった作品。
マルコヤマモト
この見た目が無理な人はもうこの作品は合わないと思っていてもいいでしょう。
マルコヤマモト
推しがいる現役オタクや、推しがいたことがある人ならば、ムースを自分に置き換えて見てしまうこと間違いなしです!
マルコヤマモト
もちろんストーカー行為や家を訪ねるやらかし行為などは絶対にしてはいけないものですが、自分の推しからあんな酷い扱いを受けたらとても悲しいよね…と割とムースに感情移入した形で見てしまいました。
そしてムースのファンとしての愛が暴走してダンバーをベッドに縛りつけてしまうわけですが、そこからラストまでの展開が意外。
ムースが自分を裏切ったダンバーに仕返しをするのかと思いきや、最終的に酷い目に遭ったのはムースでダンバーは家政婦殺しの容疑で逮捕されてしまうという、ある意味想像していたものよりはソフト目なストーリーでした。
マルコヤマモト
この物語はムースとダンバーの件を俯瞰する、リアという女性カメラマンの視点で語られていることも特徴の1つです。
どんなに過激になって推しに捨てられても、ムースには親友のリアという存在があって良かったと思います。
マルコヤマモト
リアがムースとどのような理由で親友として付き合っていたのかは不明ですが、多分深く考えても何も出てこないと思うので、この辺にしておきます。
マルコヤマモト
SNSでのみんなの感想・評判
『ファナティック ハリウッドの狂愛者』観ました
アロハシャツの人は無条件で良い人だと思ってたけど、もうそう思えない。
ジョン・トラボルタさん😭
私のイメージはグリースだから、こんな奇妙で純粋に狂ってるジョン・トラボルタさん、
主人公が映画ファンなだけに胸が痛いけど、どっちもマナー大事 pic.twitter.com/9LkjgIZeCx— 橘さり SariTachibana ミスiD2021 (@TachibanaSari) September 9, 2020
「ファナティック ハリウッドの狂愛者」
ファンとしての境界線を越えてはいけないと忠告されるもののトラボルタ演じる映画オタクの彼にその認識はなく好きすぎて暴走するストーカーっぷりがキツく嫌悪感がすごい。終始彼の演技に圧倒された。それだけに私にはラストがとても物足りなく感じて残念でした pic.twitter.com/J4HT8wJhHW— きっく (@kicktombraider) September 9, 2020
「ファナティック ハリウッドの狂愛者」
映画出るたびラジー賞候補にあがる…きっとみんな大好きだから…。そんなジョントラボルタのストーカー映画。
「好き」と「嫌い」は紙一重…。完全B級のカルト映画。
細かい話は無視…。どう考えたって辻褄合わないでしょ?な。でも僕は共感出来て満足…w pic.twitter.com/ZnEMyD6A8X
— しげとし (@kidman0811) September 9, 2020
ジョン・トラボルタは今作でムース役を演じ、最低の映画を決めるラジー賞にて同年に公開された『ワイルド・レース』とともに最低主演男優賞を受賞。
マルコヤマモト
見た目は確かに気持ち悪いですが、中身は本当に純粋な映画ファンであるムースを、私たち映画ファンも放っておけないんですよ。
だからこそ複雑な気持ちになるわけですが、おそらく普通に映画を見ている人はあまり見ない作品だと思うので、『ファナティック ハリウッドの狂愛者』は、映画好きな人やタイトルの「fanatic=熱狂」の通りに何かに熱狂的になったことがある人ならば楽しめる作品なのかな、とも思いました。
マルコヤマモト
『ファナティック ハリウッドの狂愛者』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
このリュックお気に入りなんだ….
どこにいくにも背負ってるよ👣大好きな映画のバッチもたくさん付けてるよ!
なんの映画かわかるかな🦈? pic.twitter.com/64fNWJhAF0— 映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』9月4日公開 (@FanaticTravolta) September 5, 2020
マルコヤマモト
- 正しい距離感と節度を持ったオタ活を
- ジョン・トラボルタの怪演は必見!ムースはなぜか引き込まれる不思議なキャラ
- 視点を置き換えることで感想も変わってくる面白い作品
『ファナティック ハリウッドの狂愛者』は誰に感情移入するかで、全く感じ方が変わってしまう興味深い作品でした。
一番大切なのはその人のファンとして自覚を持つことと、やはり一線は超えてはいけないということ。
「大好きな人には会わない方がいい」という考え方も非常にわかりますが、会えるうちに会っておこうという気持ちや会いたい気持ち、会ったら話したい気持ち、もっと近づきたい気持ちなどのオタク心理が段階を踏んで暴走して行ってしまう様子がうまく描かれていたと思います。
ファンによるマナー違反のニュースはいつ見ても心が苦しくなります。
マルコヤマモト