『ラマになった王様』は2000年に公開されたディズニー長編アニメーション映画。
吹き替え声優に藤原竜也、劇中歌に西城秀樹を起用するもあまり注目されませんでしたが、紛れもなく傑作のコメディ作品です。
- ディズニーが経営不振に陥った2000年代に生まれた作品
- ある意味“迷走”?最後までギャグ全開で進む物語
- 豪華キャストなのに映画の知名度が低くてもったいない
それでは、さっそくレビューしていきたいと思います。
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目次
『ラマになった王様』作品情報
作品名 | ラマになった王様 |
公開日 | 2001年7月14日 |
上映時間 | 78分 |
監督 | マーク・ディンダル |
脚本 | デヴィッド・レイノルズ |
声優(日本語版) | デヴィッド・スペード(藤原竜也) ジョン・グッドマン(楠見尚己) アーサー・キット(京田尚子) パトリック・ウォーバートン(堀内賢雄) ウェンディ・マリック(一柳みる) |
音楽 | ジョン・デブニー デヴィッド・ハートリー |
【ネタバレ】『ラマになった王様』あらすじ・感想
2000年代ディズニー低迷期
意外と知られていませんが、天下のディズニーにも経営が傾いた時期があります。
ウォルト・ディズニーと兄のロイ・O・ディズニーの共同経営で1923年に設立したウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオは、1950年代に『シンデレラ』『不思議の国のアリス』『ピーター・パン』『眠れる森の美女』といった作品を生み出し、黄金期を迎えます。
しかし1966年にウォルトが亡くなり、その後1989年『リトル・マーメイド』のヒットまで暗黒期が続きます。
1990年代は『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』などディズニーを代表するヒット作を連発しますが、第2黄金期は短く、1990年代後半から興行収入は右肩下がり、2000年代に再び低迷期に突入してしまいます。
2000年代の作品は『リロ&スティッチ』を除いてほとんど日の目を見ていない印象がありますが、知名度が低いだけで質の高い作品がしっかりと生まれています。
今回はそんな“隠れた名作”から『ラマになった王様』を紹介したいと思います。
全編ギャグ全開!ある意味ディズニーの“迷走”
自分勝手な若き国王クスコが、気まぐれでクビにした相談役のイズマによって、ラマに姿を変えられてしまいます。
国を追い出されたクスコは、かつて自分がぞんざいに扱った農民パチャの力を借りて人間の姿へ戻るための旅に出ます。
パチャと時間を共にするうちに、友情や家族愛、人を思いやる気持ちを知り、改心していく物語です。
動物変身もので、最後は王が暖かい人間の心を取り戻すというのは、まるであの感動作『美女と野獣』のような設定ですが、本作『ラマになった王様』の魅力は「これ本当にディズニー映画…?」と疑いたくなるような、猛スピードで駆け抜けるギャグの応酬です。
大抵のディズニー映画にはヴィランズ側などにひょうきんなキャラクターが1人はいて、息抜き的に笑いを提供するパターンが多いように感じますが、本作は全キャラ最初から最後までフルスロットルでギャグ全開。
子どもなら抱腹絶倒間違いなし、大人も笑えるウィットに富んだギャグもあり、コメディでも“大人も子どもも楽しめる”を実現してしまうディズニーの強さを改めて実感します。
本作のスピード感を象徴するBGMをどうぞ!
もっと多くの人に観てほしい
ただでさえ知名度が低い作品ですが、2005年にはイズマの部下クロンクを主人公に据えた続編『ラマになった王様2 クロンクのノリノリ大作戦』が、そして2006年にはTVシリーズ『ラマだった王様 学校へ行こう!』が製作されており、根強い人気があることがわかります。
常時天然ボケ炸裂のクロンクは1作目から最高に面白いので、続編の存在を知ったときは飛び上がるほど喜びました…。
主人公クスコの吹き替え声優を担当している藤原竜也の演技も素晴らしいです。
普段の俳優としての印象(天才肌!狂気!)からは想像がつかない独特のすっとぼけた口調は中毒性が高くてめちゃくちゃ面白いです。
また、クスコのテーマソングとも言える、劇中でもっともアッパーな曲「LUCKY MUCHO」を歌うのは西城秀樹です。(英語版の曲名は「Perfect World」、歌はTom Jones)
なかなか大盤振る舞いなキャスティングですよね。
さらに衝撃的なことに、本作の主題歌はなんとStingの書き下ろしです。
しかもハイテンションな本編とは真逆で、『レオン』の「Shape Of My Heart」を彷彿とさせるしっとりと寂しく温かい曲。
最初は違和感がありましたが、何度も繰り返し観るとハイスピードコメディ映画の余韻として結構ぴったりハマる気がしてきます。
まぁStingの無駄遣い感は否めませんが…(笑)
埋もれてしまうのはもったいない要素がたっぷり詰まった“ディズニーらしからぬ”傑作コメディ映画『ラマになった王様』を、この機会にぜひ観てみてください!
『ラマになった王様』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『ラマになった王様』について紹介させていただきました。
- 知名度は低いが質は高い!日の目を見ていない“隠れた名作”
- ディズニー映画とは思えない!終始ハイスピードで畳み掛けるギャグの応酬
- 藤原竜也、西城秀樹、さらには伝説的ロックミュージシャンStingまで!無駄に豪華なキャスト陣
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