『ダージリン急行』あらすじ・感想!予測不可能な旅を経てたどり着いた“自由”と“開放”の瞬間【ネタバレなし】

出典:discogs.com

父親の死をきっかけに心が離れてしまった3兄弟が、絆を取り戻すために列車に乗ってインドを旅するコメディチックなロードムービー。

家族の絆を取り戻すためにインドの秘境を列車で旅。

最後に待っていたのは、圧倒的な“自由”と“開放”でした!旅の醍醐味も味わえる傑作映画です。

それではさっそく『ダージリン急行』をレビューしていきたいと思います。

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『ダージリン急行』作品情報

作品名 ダージリン急行
公開日 2008年3月15日
上映時間 91分
監督 ウェス・アンダーソン
脚本 ウェス・アンダーソン
ロマン・コッポラ
ジェイソン・シュワルツマン
出演者 オーウェン・ウィルソン
エイドリアン・ブロディ
ジェイソン・シュワルツマン
アンジェリカ・ヒューストン
イルファーン・カーン
バーベット・シュローダー
ナタリー・ポートマン
クマール・パラーナ
ビル・マーレイ

『ダージリン急行』あらすじ・感想【ネタバレなし】


原色とパステルカラーの絶妙な塩梅!センスが光るおしゃれな色使い

本作『ダージリン急行』を観ていて、まず目を引くのは色彩豊かな映像ではないでしょうか?

ウェス・アンダーソン監督の十八番と言える、カラフルで鮮やかだけど温もりを感じる配色が冒頭から全開!

一瞬で映画の世界に惹き込まれます。シンメトリーを基調とした独特な構図も面白いですよね。

インドを走る列車が物語の舞台となりますが、車内の装飾や途中で立ち寄る街並み、登場人物たちが手にするアイテムひとつひとつがどれもがおしゃれに可愛らしく描かれています。

英バンドThe Kinksを中心とした牧歌的なBGMも粒ぞろいで、のどかな旅への憧憬を抱かずにはいられません!


ユーモア溢れる会話とテンポの良いストーリー展開

こちらもウェス・アンダーソン監督作品に共通する魅力ですが、本作『ダージリン急行』もユーモアに富んだ会話が楽しい映画です。

まったく噛み合っていないようで、でも不思議とピッタリ息が合っているような、3兄弟の会話のリズムが面白い!

個人的には、旅の途中に立ち寄った街でヘビを購入するシーンが好きです。

そのシーンでは、街中でヘビが売られている露店を発見し、次男のピーター(エイドリアン・ブロディ)が「いくらだ?」と値段を確認して、金属の容器に入れられた毒ヘビを即決で買います。

旅先だとつい気前良く高価なものを買ってしまう感覚が伝わってきて妙に親近感があるんですよね〜(笑)

その後、分かりやすくドクロマークが描かれた容器を大事そうに抱えている姿もシュールで面白いのですが、ヘビには特に触れずに兄弟の会話がスイスイ進んでいく空気がまた可笑しくてお気に入りです!

そのヘビが列車内で脱走して大騒ぎになったり、他にも突拍子もないことが次々と起こりますが、その軽快で勢いのあるストーリー展開も本作の魅力のひとつだと思います。

旅の終着点は?圧倒的な爽快感に吹っ飛ばされるラストシーン!

初めて観たとき、映画が終わる瞬間まで物語の結末がまったく想像できませんでした。

衝撃的な出来事が、唐突に、しかしあっけらかんと起き続ける一方、息抜きのように力の抜けた兄弟のやり取りが繰り返されて、終盤に差し掛かる頃には(このままフワフワと曖昧に終わるのかな)と思わされます。

たしかに、どんでん返しがあるわけではないし、決定的な何かが解決するような展開はありません。

でも私はこんなに胸がすくような、心に風が吹き抜けるような気持ちいいラストシーンを他に知りません。

旅の最後に待っているのは圧倒的な“自由”と“開放”です!

『ダージリン急行』まとめ


上品な笑いに包まれて、最後はスッキリと気分が晴れる本作『ダージリン急行』。

詳しい結末は、ぜひあなたの目で確かめてくださいね。

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