ブラッド・ピットはいつだってカッコいいと言わざるをえない映画です。
監督は『セブン』や『ファイト・クラブ』でブラット・ピットのルックスだけじゃない抜群の演技を引き出すことも得意なデヴィッドフィンチャーだけあって、ベタなラブストーリーになっていないところも魅力です。
2時間47分の長編でもググッと引き込まれて、あっという間に見ることができる新感覚ファンタジームービーです。
- ブラッド・ピットのひたすらかっこいい様子を堪能
- 時代の変化を色濃く表す登場人物のファッションにも注目!
- ただの純愛ストーリーではない女性としての生き方にも共感できる
それでは、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』をネタバレありでレビューします。
目次
映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』作品情報
作品名 | ベンジャミン・バトン 数奇な人生 |
公開日 | 2009年2月7日 |
上映時間 | 167分 |
監督 | デビッド・フィンチャー |
脚本 | エリック・ロス |
原作 | F・スコット・フィッツジェラルド |
出演者 | ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット ティルダ・スウィントン ジェイソン・フレミング イライアス・コティーズ ジュリア・オーモンド エル・ファニング タラジ・P・ヘンソン フォーン・A・チェンバーズ ジョーアンナ・セイラー マハーシャラ・アリ ジャレッド・ハリス デヴィッド・ジェンセン テッド・マンソン トム・エヴェレット フィリス・サマーヴィル ドン・クリーチ ジョシュア・デローシュ リッチモンド・アークエット ジョシュ・スチュワート イリア・ヴォロック ジョエル・ビソネット チャールズ・ヘンリー・ワイソン マディセン・ベイティ |
音楽 | アレクサンドル・デスプラ |
【ネタバレ】映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』あらすじ
年をとるごとに若返っていく男ベンジャミン…
老人施設を経営する若い黒人夫婦の下に、老人のような姿で生まれてしまったがゆえに置き去りにされてしまった赤ん坊がやってきます。
夫婦は少し変わった奇跡を受け入れ、姿は醜くても同じ神の子だとして、この赤ん坊を育てることとし、ベンジャミンと名付けます。
ベンジャミンは長くは生きられないと思われていましたが、無事に成長し車椅子生活が始まるも、周りは自分と同じような老人ばかり…。
ある意味何の違和感もなく暮らしていくのでした。
運命的なデイジーとの出会い
見た目は老人でも心は少年のベンジャミンは、ある日の感謝祭でデイジーという少女に出逢います。
のベンジャミンは外見に偏見を持たず、自分の心を見て接してくれるデイジーに惹かれ、デイジーもまた同じくベンジャミンに惹かれていきますが、お互いの見た目のギャップとまだ若い2人はお互いのやりたいことに向かっていきます。
ベンジャミンは世界を知るために航海に出て船乗りとして働き、色々な人々と出逢い苦い恋や航海中で戦火に身を投じ、大切な人を失うなど色々な経験を重ねていきました。
その一方、デイジーもニューヨークのバレエ学校でオーディションを受けるなど、夢に向かっていきます。
会えない中でも、2人は“葉書”を通してお互いを忘れずにいました。
素敵な女性になったデイジーに出会うが…
ベンジャミンは26歳になって家に戻り、しばらくしてデイジーと再会することになりました。
少し若返ったけど見た目はまだまだおじさんのベンジャミンと、女性として美しさを増すデイジー、素敵な再会と思いきや若さを楽しんでいる眩いばかりに魅力的なデイジーにちょっと気後れしてしまうベンジャミン。
地元に戻ると、いつも自分に優しくしてくれていたバトン氏とも再会し、バトン氏から思いがけない真実を知ることになります。
自分のキャリアや人生が1番楽しい時に再会してしまったデイジーに気を遣い、地元で自分の生活を楽しんでいたベンジャミン…2人は離れていても想い合うことは忘れませんでした。
そこへデイジーから1通の手紙が届きます。
とある場所へ駆けつけ、アクシンデントによりバレエダンサーの夢を断たれてしまったデイジーに寄り添おうとするベンジャミン…。
しかし、デイジーはいて欲しくないと冷たい言葉をかけてしまい、ベンジャミンは静かに立ち去ってしまいます。
時が2人の距離を近づけて…
デイジーのことを忘れることはなくとも、ベンジャミンも年を取ればとるほどに若返り、自分にできることが増え、恋愛もしながら人生を楽しんでいると、ひょっこりデイジーが現れます。
再会に言葉はいらないと今までの自分たちを見つめ合う2人はようやく結ばれ、今までの空白の時間を取り戻すかのように2人だけの時間を大切に過ごしていきます。
そんな中、デイジーはもう踊れず全てを諦めてしまった年老いていく自分の姿を、憐れみながらも今を一生懸命生きようとします。
そして2人の間には子供が生まれ、2人にとって1番幸せな時間が続いていくと思われました。
しかし、ベンジャミンは子供と共に若返っていく自分では大切な2人を守れないと感じ、そっと姿を消してしまいます。
終わることのないラブストーリー
2人の前から消えてしまったベンジャミンは、世界各地を旅しながらも自分の娘に毎年手紙を書き留めておくなど、2人のことを忘れることはありませんでした。
そしてしばらくすると、デイジーの元に10代になったベンジャミンが現れます。
すでに新しい夫と新しい生活を始めていたデイジーは若くなったベンジャミンを見て戸惑いますが、お互いのことをずっと想い合っていた2人は一夜だけまた結ばれます。
しばらくすると、少年になったベンジャミンの元へ老婆になったデイジーが現れます。
見た目は少年でも、すでに認知症になってしまっていたベンジャミンをデイジーは暖かく見守り、やがて一緒に暮らし、ついにベンジャミンは赤ん坊の姿となってデイジーの腕の中で永遠の眠りにつきました。
そして、ベンジャミンのストーリーが終わったと同時にまた、デイジーも自分の人生を静かに閉じ、本編は終わります。
【ネタバレ】映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』感想
美しくロマンチックなベンジャミンとデイジー
そばにいなくても、心は想い合っているベンジャミンとデイジーが離れていても寝るときに「おやすみ、デイジー」「おやすみ、ベンジャミン」と言い合って1日を終えるシーンは、とてもロマンティックに描かれています。
会えない時間が愛を育てると言いますが、まさに2人はそういう関係性でした。
Rummy
時代と共に変わる特殊メイクは必見!
ブラッド・ピットはもちろん、ケイト・ブランシェットの年齢に合わせた特殊メイクは必見です。
Rummy
デヴィッド・フィンチャー監督は最先端技術を駆使してブラッド・ピットの顔型を取って粘土で整形し…と細かいことはともかく、実は80歳から60歳あたりのベンジャミンの場面は加工なしのブラッド・ピットは一切映っておらず、CGを織り交ぜながら作ったということが驚きです。
特殊メイクに最新のCG技術を使った、真に迫った年齢経過の映像は圧巻です!
Rummy
ブラッド・ピットとケイト・ブランシェット、この2人でなければだめだった
人と真逆の時間の人生を歩むことで味わう出会いと別れ、嬉しさや悲しみを、そのルックスだけでなく見事な演技力で見せたブラッド・ピットは、本作で第81回アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされています。
ヒロインであるケイト・ブランシェットも、映画『エリザベス』や『ロード・オブ・ザ・リング』などその透明感と隠れた強い演技力が魅力です。
映画はほとんどこの2人の回想シーンなので、この2人の語り口調や目線の動き、仕草でシーンの意味合いが一気に変わるのにも注目です。
Rummy
映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
- とにかく主人公が美しい、ピュアな気持ちに戻れるラブストーリー
- 女性としての新しい生き方を垣間見ることができる
- 特殊メイクは必見!
主人公はベンジャミン・バトンという男性ですが、彼が一生を通して愛した女性デイジーの視点で見ると、美しさとは、キャリアとは、老いとは、と女性としての人生の歩み方に共感できることもたくさんあるはずです。
ひたすらブラッド・ピットがカッコいい、でもそれだけじゃない。
1度目はかっこよさを味わい、2度目は自分がデイジーになったつもりでストーリーに浸り、3度目は2人の人生を見る、何度も見たくなる映画だということは間違いありません。