『タトゥーお助け隊』は、軽い気持ちで深く考えずもせずに入れてしまった、とんでもないタトゥーを身体にもつ悩める依頼人たちを救済するリアリティ番組です。
日本と違い、手軽にタトゥーを入れてしまえるアメリカならではの、トホホなタトゥーの数々。
一生背負っていくには、あまりあるタトゥーから解放されるべく、一流のタトゥー・アーティストたちが立ち上がります。
この番組のポイントは、悩みのタネをやり直すデザインを決めるのは本人ではなく、同行してきたパートナーや友人、家族や同僚がするということ。
このユニークなルールのおかげで、番組はドラマチックに、ひねりのきいた内容となっております。見るに堪えないタトゥーは、一流の彫り師たちの手にかかれば、全くの別のものに!
ヘンテコなタトゥーが消え去り、新たなデザインを手にした依頼人たちのすっきりした笑顔が爽快で、画期的な番組です。
それでは『タトゥーお助け隊』について解説していきます。
・新しい図柄を考えるのは身近な存在
・相手をよく知るからこそ決められる新たなデザイン
・生まれ変わったタトゥー
目次
『タトゥーお助け隊』解説・感想
「どうしてこうなった?」タトゥーの数々
司会のコメディアンのジェシミー・ペルーソが、「悲惨なタトゥーにはおバカな理由がつきもの」と冒頭から辛口な『タトゥーお助け隊』。
過去に他愛のない理由で、とんでもないデザインのタトゥーを入れてしまい、お直しを待つ依頼人たちが続々と登場します。その依頼人の隣に座るのは、おかしなタトゥーに悩む本人の日々の弊害を知る依頼人にとって近しい存在にある人たちです。
そして大失敗のタトゥーが、これまたスゴイのです。なんだかわからないデザインに、不適切すぎる文章、素人がいれたヘンテコな図柄と想像をはるかに超えたものばかりで、司会のジェシミーも開いた口がふさがりません。
どのタトゥーも見た瞬間に唖然とするものばかりなのに、人の肌にのっかっているというのだから驚きです。
おバカなタトゥーには、それぞれにおバカなバック・ストーリーがあるのだけど、最後には「どうしてこうなった?」。
どうしようもないタトゥーに頭をかかえる本人とは、裏腹に視聴者は大爆笑。司会のジェシミーも「私にもそれがなんなのか、わかんないよ!」というのに激しく同意です!
お直しには、一流の彫り師たち
絶望的にダメなタトゥーに悩む依頼人を救うのは、その世界では名を馳せ、流の腕をもつタトゥー・アーティストのトミー、ミリアム、トウイッグ、ローズにマットの5人。
彼らが人の肌をキャンバスに描く世界はどれもち密で繊細、それぞれに得意な技法があり、5人の手掛けたかつてのタトゥーはどれも圧巻です。
ブラック・アンド・グレーや和彫りデザイン、カラフルでポップな作風とそれぞれに得意分野をもつ職人の彫り師たちは、依頼人たちの肌に残るヘンテコな図柄に、どのようなデザインやテクニックを施して、新たなタトゥーに仕上げるのか?
クオリティがマイナスレベルのタトゥーが、一流の手にかかってどこまで昇華できるのか?それが『タトゥーお助け隊』の見どころです。
新たなデザインは、見てのお楽しみ
おバカなタトゥー入れたいきさつを本人が語るのを聞いても、その無責任な判断に、まったく賛同できないのが『タトゥーお助け隊』。
彫り師に言われるがまま、彫らせてしまったとか、賭けに負けて親友の名前をお尻に入れてしまった…と理由はさまざまであっても、その軽率すぎる本人の答えに、この番組ではひねりのきいたルールが用意されているのです。
ダメなタトゥーを直すのに、新たなデザインを決めるは、番組に連れてきた依頼人の同行者。
どんなに近しい存在の同行者であっても、一生身体に残り、やり直しのきかないタトゥーを、本人に代わって決めるのは責任重大です。
それでもこの番組が面白いのは、デザインを決めるのが、本人ではないと宣告されたときの依頼人と同行者の反応です。
依頼者本人は、一生ものの判断をできないとがっかりするだけでなく不安に陥り、同行者たちは大喜び。ふたりの友情や愛情が試される展開が残酷でもあり、愉快です。
ヘンテコなタトゥーのせいで、日々の生活に小さなストレスを抱える依頼者を目にしている依頼人の同行者たち。責任重大といいながら、優位になった立場からちくちくと軽口をたたいては、依頼人を不安にさせる展開にはユーモアを感じます。
すっきり晴れやかな表情
不適切な文章、間違った翻訳文、ヘタクソな絵と、ダメなタトゥーのせいで、いらぬ苦労をする依頼人たちを近くで見てきた番組に同行した、それぞれのパートナーや友人、家族や同僚たち。
依頼人たちの一生を左右する新たなタトゥーを考えるプロセスが、実に真面目でした。本人の好きま興味のあること、主義・主張などを思い出しては、タトゥー・アーティストたちと対話をします。
新しいデザインに迷いながらも、大胆なデザインを選んで、一見一か八かのデザインかもと思えるものも登場します。
まっさらな肌の上に施すタトゥーと違い、どうしようもない図柄も隠さなければならないミッションまであるプロジェクトに、アーティストたちも苦労があったはずです。
それでも、ダメなタトゥーから、本人にとって意味のあるデザインを、タトゥー・アーティストに伝えきった同行者に垣間みえたのは、依頼人に対する友情や愛情の深さ。
同行者たちが、タトゥーのお直しを受ける本人よりも、その人となりを理解して思いやる姿勢に驚きました。そして最後には、本人も喜ぶ繊細で美しい「自分」を表現する新たなタトゥーが身体に描かれるのです。
『タトゥーお助け隊』解説・感想まとめ
以上、ここまで『タトゥーお助け隊』をレビューしてきました。
・ストレスから解放される不思議な番組
・パートナーとの関係性が浮き彫りになる
・一流のタトゥー・アーティストたちの見事な作品
・誰もが晴れやかな表情
気軽な気持ちで入れたタトゥー
タトゥーに対するイメージは変わってきているといっても、日本では、まだまだ保守的な考え方が主流で市民権を得ていないタトゥー。
ネガティブなイメージがついてまわり、社会的にも周囲の目が厳しく、気軽にタトゥーをいれるという感覚が日本人にはありません。
日本でとことんタブー視されているタトゥーも、アメリカでは寛容に受け入れられているせいか『タトゥーお助け隊』ではとんでもないタトゥーが登場します。
気軽にタトゥーを身体に入れられる環境にあるからこそ生まれた不幸が、この番組ではポイント。
とんでもないタトゥー身体にもつ依頼者たちのタトゥーを入れたきっかけエピソードが、どれも軽率なのが、なによりの証拠です。その時のノリで、後先考えずに軽い気持ちで入れたタトゥーに悩む依頼者たちに同情をしつつ、人の不幸は蜜の味。どうしても笑ってしまうのです。
一生、つき合っていくもの
『タトゥーお助け隊』で面白かったのが、イタいタトゥーに悩む依頼者が、そのタトゥーのお直しをするのに、自分でその図柄が決められないこと。
同じ軽はずみの判断をしないように、同行した家族や友人、パートナーといった本人にとって大事な存在が、本人に代わって、新しいデザインを決めるという番組コンセプトが非常に斬新でした。
やり直しのきかないタトゥーが、人生にどれだけの影響をもたらすが一番にわかっている本人たちは本気で怯え、その新しいタトゥーを決める同行者たちは大喜び。
親友同士、恋人同士、夫婦、親子と関係はさまざまでも、「一生、つき合っていくタトゥー」を決めるプロセスに、依頼人と同行者との関係性が、浮き彫りになるのが、見事でした。
どのエピソードも、最後には素晴らしいタトゥーのお直しを受けて、依頼人たちは大喜び、視聴者もホッと胸をなでおろす、気軽で楽しいで番組です。
『タトゥーお助け隊』は、30分、6話構成のミニ・シリーズ。毎エピソード冒頭に登場するとんでもないタトゥーたちには、大笑い。それを見るだけでも楽しいです。にぜひご覧ください。
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