日本を「アッ」と言わせる作品を次々と世に送り出している京アニ製作!それだけでも観る価値あり。
“たまや”の娘・たまこともち蔵の思春期を迎えた幼馴染2人のかわいい・切ない・苦しいが全部乗った初恋ラブストーリーです。
- 青春のほろ苦さと、甘酸っぱさの配合が絶妙!さすが京アニ…と感激しまくり
- 温かい目で見守って応援したくなる恋模様が堪らない、素敵ピュアラブコメ!
- 心臓バクバク、ラストで気持ち爆上がり!最高にテンション上がるアニメーション
- 舞台は古都・京都の「出町枡形商店街」。お店も街並みもそのままの世界観でみんなに愛されている作品
それではさっそく映画『たまこラブストーリー』のあらすじと感想を、ネタバレありでご紹介していきます。
目次
『たまこラブストーリー』作品情報
作品名 | たまこラブストーリー |
公開日 | 2014年4月26日 |
上映時間 | 83分 |
監督 | 山田尚子 |
脚本 | 吉田玲子 |
声優 | 洲崎綾 田丸篤志 金子有希 長妻樹里 山下百合恵 |
音楽 | 片岡知子 マニュアル・オブ・エラーズ |
『たまこラブストーリー』あらすじ
高校3年生になった北白川たまこ。
頭の中は商店街と家業である餅屋のことばかりだが、ある日、仲のいい友人たちが将来について真剣に考えていることを知る。
そのころ、たまこの家の向かいに住む同級生で幼なじみの大路もち蔵も、ある決意を固めていた。
周囲の人たちの変化を感じ、たまこもまた少しずつ心が揺れ始めていた。
出典:シネマトゥデイ
【ネタバレ】『たまこラブストーリー』感想レビュー
社会現象を巻き起こし、ブームを連発、時代を作り出した京都アニメーション作品
『たまこラブストーリー』は、『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『けいおん!』など日常系アニメで社会現象を巻き起こし、時代を作り出した京都アニメーションが製作した作品。
とにかく、世に送り出したのは名作尽くめというすごい会社です。
実はこの作品、『たまこまーけっと』という”ほのぼの商店街人情系テレビアニメ”の続編。
伝説的なあの『けいおん!』の山田監督の完全オリジナル!製作スタッフも『けいおん!』製作陣が名を連ねた意欲作です。
アニメ映画版は、テレビ版とはまた視点が異なり”恋愛”に重きを置いているのが特徴です。
『たまこラブストーリー』のテーマは「幼馴染との初恋」。家族みたいに近すぎて、毎日一緒にいるのが普通すぎて気がつかなかった恋のお話です。
想像しただけで胸の奥がキュッとなるようなシチュエーション、ベタな設定と思いがちでしょう…侮るなかれ。名作メーカー・京アニが、胸キュンとトキメキを増し増し増量で届けてくれます。
王道がゆえにガツンとくる!クッションを強く抱きしめながら、悶絶して観ました。ラストに悶えまくる最高のシーンがまっています。
演出がニクい…ニクすぎる、誰かに「キュンとするから見て!」とおすすめしたくなっちゃう映画です。
北白川たまこと大路もち蔵。同じ餅屋でお向かいさん、父親同士は犬猿の仲!?
”うさぎ山商店街”にある餅屋「たまや」の娘・北白川たまこ。
たまやの向かいに店を構える餅屋「RICECAKE Oh!ZEE」の一人息子・大路もち蔵。
2人は幼馴染、赤ちゃんの頃から一緒でした。
母と子どもたちはめちゃくちゃ仲良しですが、父同士は犬猿の仲。というのも、たまこの父・北白川豆大は伝統を重んじる餅屋で、もち蔵の父・大路吾平は先駆的考えを持っていて斬新な創作餅を生みだす進化系の餅屋。
父たちは職人堅気で互いを認めないスタンス、餅に対する愛情深きゆえにバッチバチ、いつも喧嘩が絶えないのです。
視聴者心をくすぐる禁断要素がたまらない!
しかも、もち蔵は自らの恋心に気づいていますが、たまこは全然気づいていないという焦らされる展開…たまこともち蔵の恋はいかに!?
最重要アイテム登場!もち蔵の作ってくれた糸電話
たまこはおっとりとした性格で明るく人懐っこい、でも恋には鈍感すぎる高校三年生。
妹の名前はあんこ。姉妹は小さい頃に母を亡くしています。
母を亡くしツラい時、手を差し伸べてくれたのはもち蔵でした。
たまこを気遣い、たまこの部屋からもち蔵の部屋まで届く糸電話を作ってくれます。
このもち蔵の作ってくれた「糸電話」が、この映画の超重要アイテム!
「わたし用」はお花のイラストを描いた可愛い紙コップ、「もち蔵用」もたまこが星柄のこれまたかわいいイラストを描いており…製作:もち蔵、字・イラスト:たまこという2人合作の糸電話。
近くにいるのに、2人の縮まらない距離のように長い長い糸電話の糸…糸電話を紹介するうえで、BGMと描写だけで「2人のこれまで」が自然に伝わる演出が素晴らしい。
開始7分で、生い立ちがすべて理解できます。さすが名作メーカー・京アニ。魅せてきます!
高校三年生、人生の岐路である進路決定の時期。
ただでさえ心揺れ動くこの時期に、2人の恋は少しずつ前進しようとしていました。
恋愛系に疎く鈍感なたまこ、もち蔵の気持ちに気づかされたときはかわいく…ちょっと変になっちゃいます(笑)
もち蔵、想い溢れてたまこに告白!
高校三年生、たまこの進路は一択!家業を継ぐこと。
たまこの友だちもそれぞれの道を考えていることをは知ります。
「私ももう高校三年生なんだなって。いろんなことが変わっていくんだなって思うよ。」
たまこは人生の分岐点をしみじみ感じている様子。
一方、映画研究会に所属しているもち蔵は、将来映像系の道に進むため、東京の美術大学を受験したいと考えていました。
でも、ここは京都。大好きなたまことお向かいさんでいられる時間はあと少し…だからこぞ、告白を決意します。
京都らしく夕暮れの鴨川の亀形の飛び石のところで「たまこ。俺、たまこが好きだ。俺、めちゃくちゃたまこが好きだっ!」と男らしくかっこいい告白。胸がズキュンとなりました!
不意打ちの告白に顔を真っ赤にして動揺しまくりのたまこ。超かわいい!
所属しているバトン部ではバトンのキャッチが苦手、もち蔵が窓越しに優しく投げてくれる糸電話もキャッチが上手くできない…何事にも受け下手なたまこは、もちろん「告白」も受けるのが不得手なようで。
もち蔵に決死の告白をされたこのときも、驚きすぎてずっこけてしまい…川に尻もちダイブをしてしまいます。
助け出してくれたもち蔵に「かたじけねぇ。先に失礼するでござんす…」となぜか武士みたいなカッチカチの言葉でしゃべっちゃうたまこ(笑)その場から急いで逃げ出します。
「好き」って言われた…たまこの心の震えを音楽と街のネオンと疾走感ある鮮やかな色を散りばめた映像で描きます。
発する「もち」という単語が全部「もち蔵」になっちゃったり…もうたまこの頭はもち蔵でいっぱいになっていました。
「好きって言ってくれてうれしかった!」ともち蔵に言いたい
もち蔵を避けてしまっている自分が駄目だってわかっているんだけど、意識してうまくできない。
どうにかしたいと奮起し、もち蔵に「こないだはありがとう!うれしかった!」って、あの手この手で言おうとするたまこがいじらしくて可愛すぎ!何度かチャレンジするも、失敗続き…。
もち蔵に告白されてから変な態度を取ってしまっていることに後悔しているたまこの背中を押してくれたのは、カセットテープから流れてきた「亡くなったお母さんが歌う、へたっぴな歌」でした。
たまこの父・豆大からの告白ソングに答えるために、亡き母が上手じゃない歌を一生懸命歌っている声に励まされます。
「たまこがんばって」とお母さんからのエール。
たまこ、初めて自分の気持ちに向き合います。
もち蔵が東京に行くのを寂しく感じたのは好きだからだって気づきます。
意を決して「もち蔵に返事する!」って決めた日、驚く展開がたまこを待っていました。
親友で本当は恋敵の常盤みどりがついた嘘。跳ね上がるラストは必見!
インフルエンザ休校になった誰もいない学校。
たまこは糸電話を握りしめて、もち蔵をひとり待っていました。
でも、そこに来たのは親友のみどりちゃん…彼女はたまこに言います。
「大路(もち蔵)、今日来ないよ。東京に行くって言ってた…急に決めたんだって。思い切ったことするよね、いきなり転校だなんて。東京の大学目指すなら今から行った方がいいのかもしれないけど…9時すぎの新幹線だって。急げば間に合うかも。」
みどりちゃんも、たぶんもち蔵が好き。でも、誰にもそれを言わず秘めることにします…。
しかも「もち蔵が転校する」という部分は嘘…実際は東京へ大学見学に行くのです。
たまこを後押しするためについた優しい嘘でした。
みどりの話を信じたたまこは、糸電話を持って駆け出します。もち蔵に会いに行くために。
京都駅の新幹線ホーム、乗車ベルが鳴る中…たまこはもち蔵を見つけました。必死に何度も呼びます。
それに気付いたもち蔵は、たまこを見て驚き立ち止まります。
「ずっと近くにいたのになんで離れちゃうの…私まだ、もち蔵になにも…」
たまこは持っていた糸電話をもち蔵に投げますが、慌てて2個とも投げてしまいますw
受け取ったもち蔵は「わたし用」のコップだけたまこに投げ返してくれるのです。
いつもはキャッチできないたまこが、両手で見事にキャッチ!
口に当てて言った言葉は…
「もち蔵、大好き!どうぞっ」
これが、ラストカット!「ギャー」と跳ね上がって喜んでしまいました。
沸点が急上昇するラストに痺れました。キュンの質が高すぎですよね!
心が弾んで嬉しくなる、そんなアニメ映画です。
『たまこラブストーリー』まとめ
以上、ここまで映画『たまこラブストーリー』について紹介させていただきました。
- 心細いときに助けてくれたのはいつも彼…幼馴染ならではの重ねてきた歴史に胸詰まる
- たまこが悩んでいるときに助けてくれたのは、亡くなったママのへたっぴでステキな歌でした
- 恋のもじもじ度の高さに悶絶必至