DeNAとバンダイナムコアーツによるメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』から登場したアニメ『takt op.Destiny』。
音楽が失われた世界を舞台に、有名な歌劇や楽曲の力を宿した少女・“ムジカート”と、彼女たちを指揮する“コンダクター”が、ともに戦う姿を描きます。
旅の途中、とある町へと立ち寄ったタクトたち。
そこは若者たちがいなくなり、年老いた人々だけが住む町でした。
アンナと運命は、ひょんなことから彼らに助けを求められます。
一方、一人で町をぶらつくタクトは、古びたバーから隠れ響く音色を耳にします。
それは間違いなく“音楽”でした……。
早速、アニメ『takt op.Destiny』第6話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『takt op.Destiny』前回第5話あらすじと振り返り
次の目的地であるニューオーリンズへ向かっていたタクトたち一行。
その途中、D2の気配を察知した運命は、いつも通りD2殲滅のために駆け出していきます。
無事にD2を仕留めた運命でしたが、戦闘の余波で鉄道を急停止させてしまいました。
その鉄道から降りてきたのは、シンフォニカの“首席指揮官”だというシントラーと二人のムジカート――褐色の肌をした地獄と、生真面目なワルキューレでした。
元々タクトたちに目を付けていたシントラーは、ニューオーリンズを目指していることを知ると、鉄道に乗るよう勧めます。
そこで対話をする一同でしたが、ムジカートを「兵器」だと軽々しく告げたシントラーに対してタクトが反抗的な態度を取ったため、鉄道の客室に軟禁されることとなります。
その時、再びD2の群れが襲来し、運命らが戦った結果、線路の復旧が必要になってしまいました。
ようやく作業が終わろうとしていた頃、停車中の鉄道に今までとは比べ物にならないD2の大群が押し寄せてきます。
タクトの機転と運命、ワルキューレの共闘によって、大群を消滅させることに成功した矢先、一体の巨大なD2が出現。
タクトたちがどう出ようか思案しているところに嬉々として参戦した地獄は、シントラーから許可を得るなり、巨大なD2をあっという間に片付けてしまうのでした。
鉄道は無事に目的地へ辿り着き、タクトたちはニューオーリンズに向けて出発しようとしていましたが、「野良犬には首輪が必要だ」と判断したシントラーに声を掛けられます。
そして、シントラーのもとで戦うよう誘われますが、タクトは即座に断って彼の機嫌を損ね、完全に敵視されるようになりました。
【ネタバレあり】アニメ『takt op.Destiny』第6話あらすじ・感想
ジャズの聖地
旅の途中、とある町へと立ち寄ったタクトたち。
そこは若者たちがいなくなり、年老いた人々だけが住む町でした。
買い出しに出たアンナと運命は、ひょんなことから行く先々で出会う老人たちの手伝いをするようになっていきます。
一方、車に残ったタクトは、うたた寝をして子供の頃の夢を見ていました。
夢に出てきたのはボストンで惨劇が起きた日、目の前に現れた巨大なD2と、それを倒した二人のムジカートの姿でした。
タクトは目を覚ますと、アンナと運命が戻ってきていないことに気付き、一人でふらりと町へ出ます。
そこで見かけた町人のあとを追ってみると、カフェのような店の中から微かに“音楽”が聞こえてきました。
この町に到着した時は、ジャズの聖地も寂れてしまったものだと落胆していたタクトでしたが、店の地下にジャズが流れるバーを発見したことで、気分は高揚していきます。
壁一面に広がった棚に並ぶたくさんのCDやレコードの中から、真っ先に朝雛ケンジの作品を見つけ出したタクト。
そのことに驚いていると、バーのマスターらしき男性が近寄ってきて言いました。
「リクエストなら、ワンドリンクで受け付けるぜ?」
urara
“音楽”
普段はジャズが多いが、クラシックだって嫌いじゃないと話すマスターは、朝雛ケンジのことを「ケン」と呼び、彼の音楽に好意的な言葉を続けました。
店内にいる数人の客たちも、酒を楽しみながら朝雛の音楽を気持ちよさそうに聴いています。
タクトは、音楽を愛する人間たちにとって「朝雛」の名は嫌悪感を抱くものなのではないかと考えていました。
ボストンの惨劇をきっかけに、音楽を「こっそり」楽しむことすら出来ない世の中になってしまったから……。
しかし、マスターは「俺たちはこっそりと聴いてたけどな、ここでずっと」と言い、会話を聞いていた客たちも、笑顔でそれを認めます。
「音楽は人の心を照らす光、ってな」
朝雛の言葉を借りて、音楽への想いと、彼への想いを熱く語り始めたマスターに呆気に取られるタクトでしたが、客たちは皆、嬉しそうにしています。
タクトのような若者が朝雛の音楽を好むことを喜ぶマスターたちに、タクトは俯きながら本当のことを伝えます。
「ケンジ・アサヒナは、僕の父だ……」
店内は静まり返り、皆が驚愕の表情を見せるのでした。
一方、アンナと運命は町の老人たちを手伝いながら、買い物を済ませていました。
途中、子猫に触れた運命はとても好感を持ったようで、「お別れの時にふにふにしてくださいました」などと、無表情ながら嬉しそうに話しています。
urara
すると、道端にいた年配の女性に声を掛けられ、家へ連れ込まれます。
どうやら女性はアンナのことを娘のマリアと勘違いしているらしく、お友達と判断された運命もお茶に誘われました。
人違いだと伝えても話が通じない女性に対し、どうしようかと考えあぐねていた時、彼女の夫が帰宅します。
ルースター
朝雛ケンジの息子だと白状したタクトは、防音室のような場所へ案内されました。
そこにはグランドピアノとドラム、いくつかのテーブルとイスが配置されています。
昔はセッションが行われていたというこの場所で、タクトはピアノを弾くために調律を始めました。
タクトが最初に見かけた町人――ジョーは元チューバ奏者で、朝雛がこの町で催したコンサートにも演者として参加していたそうです。
朝雛への想いも強く、その頃が黄金時代だったという彼は、ここまで生きながらえてしまったとどこかネガティブな発言をします。
その言葉を聞いたタクトは、力強く言いました。
「生きてて良かったじゃないか。 今日、僕の演奏が聴ける」
urara
集まってきた客たちを前に、タクトは『ラプソディー・イン・ブルー』を披露します。
それは父である朝雛が、かつてこの町を熱狂させたという一曲でした。
朝陽
アンナは帰宅した女性の夫から既にマリアが亡くなっていることを聞き、心を痛めます。
その頃、女性と二人きりになった運命は、アンナとタクトへの想いを吐露していました。
「お姉ちゃんは戦う力はありませんが、私を守ってくれます。 お姉ちゃんがいてくれるから私たちは旅を続けていられる」
「D2を倒せば、マエストロは自由に音楽をできる。 それが私も嬉しいのです」
urara
その頃、タクトはかつての父と同じように、『ラプソディー・イン・ブルー』で客たちを熱狂させていました。
アンナと運命もその場を目撃し、ピアノあるところにタクトあり、と改めて実感させられます。
タクトの演奏に朝雛の血を感じたジョーは、握手を交わして感謝を伝えるのでした。
その後、再びニューヨークを目指して町を出たタクトたち。
タクトはお礼と言って渡された白紙の譜面を眺めながら、満足そうに指を動かしていました。
――ところ変わって、ニューヨーク・シンフォニカ。
漆黒の長い髪に色白な肌をしたムジカート・天国(水瀬いのり)は、地獄からの報告をザーガンと共有していました。
ザーガンは朝雛の息子であるタクトが生きていたこと、そして、コンダクターとして覚醒していたことに胸を躍らせます。
シントラーから何らかの提案を受けているようですが、自らタクトに接触すると嬉しそうにしていました。
タクトに何か大きな期待を抱いているザーガン。
温厚そうな彼は味方か、それとも……。
アニメ『takt op.Destiny』第6話まとめ
いかがだったでしょうか。
第6話はD2との戦闘シーンがなく、束の間の日常回となりました。
町人の優しさに触れたアンナと運命、父の面影と音楽に触れたタクト。
この先の旅路に不安は付き纏うものの、温かい気持ちと強い信念を確かなものにできたのではないでしょうか。
一方で、エンディング前のザーガンと天国が会話をするシーンは、どこか不穏さを感じさせるものでしたね。
温厚そうなザーガンですが、シントラーの上司ということもあるので、一概には信用できないような……。
タクトの夢に出てきたムジカートの姿が天国と地獄に酷似していたのも気になります。
次回、第7話も楽しみです!