DeNAとバンダイナムコアーツによるメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』から登場したアニメ『takt op.Destiny』。
音楽が失われた世界を舞台に、有名な歌劇や楽曲の力を宿した少女・“ムジカート”と、彼女たちを指揮する“コンダクター”が、ともに戦う姿を描きます。
第2話で、ムジカート・“運命”へとその身を変えたコゼット。
運命は自分を「D2を倒すための存在」と語りました。
運命から指揮棒を託されたタクトは、“コンダクター”として初めてその力を振るいます。
そんなタクトたちの前に現れる二人の人物――“レニー”と“巨人”。
彼らは対D2戦略拠点・“ニューヨーク・シンフォニカ”に所属する正式なコンダクターとムジカートでした。
早速、アニメ『takt op.Destiny』第3話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『takt op.Destiny』前回第2話あらすじと振り返り
――2037年10月。
突如現れたD2によって、ボストンの街、そしてコンサートホールが襲われる事件が発生。
惨憺たる様子から、のちに“ボストンの惨劇”と呼ばれるようになります。
そんな悲劇の中で命を落とした名指揮者・朝雛ケンジこそ、タクトの実父でした。
タクトは一人、己の怒りを音色に込めるようにして、ピアノに没頭していきます。
その後、対D2戦略拠点“ニューヨーク・シンフォニカ”の最高責任者・GM(グランドマエストロ)を務める“英雄”・ザーガンによって、D2の侵攻は食い止められました。
D2が休眠状態に入ったことで出された停戦宣言――“ザーガン宣言”は、彼の名から付けられたものでした。
この際、二度と同じ悲劇を繰り返さぬようにと、音楽が禁忌とされたのです。
――時は過ぎ、2047年7月。
タクトは相変わらず自宅のガレージに籠り、グランドピアノを弾き倒す生活を送っていました。
そこへ一週間に一度やってくる幼馴染みのアンナと、その妹・“コゼット”は、ピアノを弾く以外に何もせず引き籠もっているタクトの身の回りの世話をしにきています。
特にコゼットは甲斐甲斐しく世話を焼き、タクトをうんざりさせるほど。
そんなある日、コゼットはシンフォニカのお祭りの日だけは街で音楽が解禁になると知り、タクトにピアノを弾くよう提案します。
乗り気じゃないタクトでしたが、アンナとコゼットの策に嵌まったこともあり、コゼットとの連弾を披露しました。
無事に演奏が終わり、観客たちも盛り上がっていたその時、突如としてD2が現れます。
街が襲われる中、気を失っていたタクトが目を覚ますと、そこには血まみれでボロボロになった自身の右腕と、上半身に覆いかぶさるようにして倒れているコゼットの姿が。
意識を取り戻さなくなってしまったコゼットに、タクトが涙を流しながら語りかけると、彼女がいつも首にかけていたペンダントが光を放ち、身体が宙に浮かび上がりました。
すると、風貌を変えたコゼットだったはずの少女が目覚め、タクトを「マエストロ」と呼んで指揮棒を渡します。
そして、D2の殲滅を開始する旨と、指示を仰ぐ言葉を口にしました。
タクトは悔しさとも怒りとも取れる表情を浮かべると、指揮棒を手に取り、目を見開くのでした。
【ネタバレあり】アニメ『takt op.Destiny』第3話あらすじ・感想
初めての戦い
街がD2に襲われる中、ただならぬ様子だったタクトとコゼットの身を案じるアンナ。
アンナの視線の遥か先では、コンダクターとムジカートとして初めてD2に立ち向かう二人の姿がありました。
タクトが「容赦するな!」と声を掛ければ、コゼット――もとい“運命”は、辺り一帯のD2を強力なエネルギーで吹き飛ばします。
しかし、次から次へとD2が湧いてくるというのに、運命はその場に倒れてしまいました。
タクトも腕のない右半身を赤く染め、力尽きて倒れてしまいます。
そこへ駆けつけたバイクには、大柄な男性と小柄な少女が乗っていました。
彼らがD2と戦う後ろ姿を視界に入れながら、そして、運命に手を伸ばしながら、タクトは意識を失ってしまいます。
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――『悲愴』を弾き奏でるタクトと、ピアノのそばに座ってそれを聴くコゼット。
そんな夢を見て目覚めたタクトがガレージへ行くと、祭当日の朝と同じくグランドピアノがなくなったままの状態でした。
違うのは、自身の右手に傷跡があることと、コゼットの姿をした少女が自身を「ムジカート」だと名乗ることだけです。
心配そうなアンナがやって来て一緒にダイニングへ向かうと、テーブルにはパーティーでも開けそうなほどの料理が並んでいました。
それをよそにタクトの体調を気にかけるアンナですが、タクトはコゼットではなくなってしまった少女のことが気になって仕方ありません。
そこで「タクトが起きたら説明してくれるって……」とアンナが紹介したのは、あの大柄な男性――レニー(日野聡)でした。
覚醒
テーブルに並んだ料理を作っていた人物はレニーでした。
彼はシンフォニカのコンダクターだそうで、小柄な少女――“巨人”(伊藤未来)というムジカートを連れています。
この二人が倒れてしまったタクトと運命を助けてくれたようです。
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食事をしながら、レニーは約20年前にD2が現れた経緯について知っているか尋ねます。
タクトは淡々と黒い隕石――黒夜隕鉄がきっかけだろうと答えました。
レニーによるとムジカートたちの源は“ハルモニア鉱石”という石で、それは黒夜隕鉄と相反するエネルギーを持ち、音楽に反応する不思議な石……。
そんな力を持ったムジカートたちとシンフォニカによってD2を休眠状態まで追い込むことができたのですが、何故か再びD2が現れているというのが現状です。
そして、通常ムジカートというのは元々資質を持った人物がシンフォニカの施設で複雑な工程を踏んで覚醒するそうですが、運命は自然発生的に覚醒した妙な存在でした。
運命自身は、どういった経緯であれ自分が覚醒したおかげであの場にいたD2を殲滅することができたのだと冷静に豪語します。
レニーは彼女を「立派なムジカートに生まれ変わった」と褒めますが、コゼットの意志と関係なく覚醒してしまったことを嘆くアンナは複雑な心境でいました。
ムジカートになった者は以前の人格とは別の存在、記憶がないのではなく元からない、しかし、コゼットは覚醒していなければあのまま死んでいた……。
次々に交わされるタクトとレニーの会話に、アンナは耐え切れず顔を覆います。
それでも事実を把握して整理し、行動に移そうとするタクトに、レニーは続けました。
正しいプロセスを踏んでいないがために不安定な状態だと思われる運命は、このままだとムジカートとしても生きていられないかもしれないと。
旅程
タクトたちは運命を少しでも回復させようとニューヨークのシンフォニカを目指すことに。
アンナとコゼットの家族もシンフォニカに勤めているため、そこまで辿り着くことができれば一安心です。
しかし、未だ残る立ち入り禁止区域や封鎖されている地域、復興中の場所が多く、旅路は険しいものになると容易に想像できました。
「何もせずにここでこのままなんて絶対ご免だ。 これ以上、僕から何も奪わせない」
タクトのその言葉を聞いて、レニーは自分たちも途中まで一緒に行くことを告げました。
そして、タクトにコンダクターとしての知識も与えてくれるといいます。
「頼む」と力強く応えたタクトに、アンナは少し驚いた表情を見せました。
そのアンナは、運命がコゼットだった頃と同じように自身が作ったタルトタタンを好んでいる様子を見て、コゼットに戻れるのではないかと希望を抱いていました。
望んでムジカートになったわけではないのだから、と。
「あの子はただ、あんたを守ろうとしただけだったんじゃないかな」
アンナがタクトに向けてそう呟いた時、タクトの右腕があの時のようにヒラリとなくなりました。
それと同時に巨人が部屋に飛び込んできて、運命が突然駆け出して行ったことを伝えます。
運命は巨人よりも早くD2の気配を感じ取って、一人で殲滅に向かってしまったようです。
その事実を知るや否や、タクトも運命を追って駆け出して行きました。
運命は不安定ながら能力がずば抜けているようで、レニーに規格外だと言わしめるほど。
思わず二人のことを「まるで野生の獣だわ」と評したので、アンナは少し不安そうな表情を見せます。
そんな彼女を落ち着かせると、レニーも巨人を連れて運命の後を追いました。
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レニーとタイタン
運命は一人でD2に挑んでいました。
大きな銃を振り回し、とにかくD2へ向けて撃ちまくっています。
駆けつけたタクトは運命が銃を撃つたびに苦しいのだと伝えますが、彼女は気にもかけず、ただ指揮棒を手渡しました。
タクトは仕方なくそれを受け取って指揮棒を振りますが、レニーと巨人が来るまで待つように言います。
しかし、言いかけたところで運命はまた何度も銃を撃ち、ようやく一体のD2を殲滅しました。
その代わり、タクトの右半身は赤く染まり、地面に膝をついてしまうような状態です。
それでも湧いてくるD2に囲まれそうになった時、レニーと巨人がやって来ました。
巨人は運命と違い、一撃で多くのD2を仕留めていきます。
一方、タクトの身体の異変に気付き、驚愕した様子のレニーは、運命がタクトの生命力を食べてエネルギーにしているのではないかと推測しました。
そして、息も絶え絶えなタクトに代わり、巨人を指揮して戦います。
巨人が次々にD2を仕留めていく中、最後の一体を倒す直前に運命が割り込み、逃してしまいました。
D2が走っていった先は、アンナが一人待つタクトの家……。
アンナがD2の姿を目にして怯えた瞬間、運命が駆けつけてアンナから引き離します。
そうしてD2を家の中まで追い詰めると、タクトに問いました。
「マエストロ、家屋を巻き込みますが、よろしいでしょうか」
タクトは迷うことなく答えます。
「気にするな、吹き飛ばせ」
その言葉通り、運命は家ごとD2を吹き飛ばしました。
ほとんどまっさらになってしまった土地を見たアンナは「加減しなさい!」と運命を叱りつけますが、タクトはどこか吹っ切れたような表情を見せます。
そして、「どうせここには、もう何もない」と告げるのでした。
その頃、レニーは深刻な表情を浮かべていました。
嫌な予感が当たってしまった、何か意図的なタイミングでD2が動き出した、と呟くように巨人と言葉を交わします。
「やっぱり10年前、ボストンでマエストロは……」
そう言いかけたレニーの暗い顔を、巨人は心配そうに見上げていました。
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いよいよアンナの車で出発した一行。
タクトが指を動かしていると、運命が興味を示します。
「ピアノが弾きたいんだ」と答えたタクトに、機会があれば聴かせてほしいという運命。
音楽から生まれた存在なのだから当然だろうという態度に、タクトとアンナは少し驚かされます。
こうして、彼らの旅が始まったのでした。
アニメ『takt op.Destiny』第3話まとめ
いかがだったでしょうか。
新たに登場したレニーと巨人のコンビは、キャラクターが立っていて、良い味方になってくれそうです。
しかし、何かを知っているようなレニーの様子は気になりますね。
10年前のボストンといえば、タクトにとっても重要なワード。
今後どのように関係してくるのか、期待が高まります。
次回、第4話も楽しみですね!