DeNAとバンダイナムコアーツによるメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』から登場したアニメ『takt op.Destiny』。
音楽が失われた世界を舞台に、有名な歌劇や楽曲の力を宿した少女・“ムジカート”と、彼女たちを指揮する“コンダクター”が、ともに戦う姿を描きます。
全ての始まりは10年前。
ボストンの街を襲うD2 と、血で染まったコンサートホール――それは“ボストンの惨劇”と呼ばれた事件。
その中で命を落とした名指揮者・朝雛ケンジこそ、タクトの実父でした。
父を失った少年は、一人ピアノに没頭します……己の怒りを音色に込めるように。
そんな彼を世話するのは、タクトと行動をともにするムジカートの運命と同じ顔をした少女・“コゼット”でした。
主人公たちのバックグラウンドが見え始めたアニメ『takt op.Destiny』第2話。
早速、レビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『takt op.Destiny』前回第1話あらすじと振り返り
“音楽”は人の心を照らす光――。
突如として、その“光”が世界から奪われます。
空から黒い隕石・“黒夜隕鉄”が降った夜、世界は様変わりしました。
黒い隕石から生み出された異形の怪物・“D2”が、大地と人々を蹂躙し始めたのです。
D2は人の奏でる旋律に惹かれ、やがて音楽そのものが禁忌とされました。
しかし、その怪物に抗う者たちが現れます。
音楽を力とする少女たち――“ムジカート”。
彼女たちは、人類史に残る偉大な歌劇や楽曲の楽譜を身に宿し、D2を撃ち破る力としました。
そして、彼女たちを指揮し、導くのが“コンダクター”と呼ばれる存在でした。
――時は2047年。
D2との停戦を告げた“ザーガン宣言”から4年。
未だ世間では音楽はタブー視されており、旋律は途絶えたままでした。
荒廃したアメリカで音楽を知らずに育った少年は、ある日ピアノの旋律を耳にします。
奏でるのは、黒髪の青年――朝雛タクト。
そして、彼の音色に引き寄せられるように現れたのは、異形の怪物・D2と、剣を手にした少女――ムジカートの“運命”。
タクトの幼馴染みで、運命の「お姉ちゃん」であるアンナ・シュナイダーを含め、三人はニューヨークを目指して旅をしているのでした。
【ネタバレあり】アニメ『takt op.Destiny』第2話あらすじ・感想
10年前の惨劇
――2037年10月。
突如現れたD2によって、ボストンの街、そしてコンサートホールが襲われる事件が発生。
惨憺たる様子から、のちに“ボストンの惨劇”と呼ばれるようになります。
そんな悲劇の中で命を落とした名指揮者・朝雛ケンジこそ、タクトの実父でした。
タクトは一人、己の怒りを音色に込めるようにして、ピアノに没頭していきます。
その後、対D2戦略拠点“ニューヨーク・シンフォニカ”の最高責任者――GM(グランドマエストロ)を務める“英雄”・ザーガン(花輪英司)によって、D2の侵攻は食い止められました。
D2が休眠状態に入ったことで出された停戦宣言――“ザーガン宣言”は、彼の名から付けられたものでした。
この際、二度と同じ悲劇を繰り返さぬようにと、音楽が禁忌とされたのです。
――時は過ぎ、2047年7月。
タクトは相変わらず自宅のガレージに籠り、グランドピアノを弾き倒す生活を送っていました。
そこへ一週間に一度やってくるのは、幼馴染みのアンナと、その妹・“コゼット”(若山詩音)でした。
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彼女たちは、ピアノを弾く以外に何もせず引き籠もっているタクトの身の回りの世話をしにきていました。
特にコゼットは甲斐甲斐しく世話を焼き、タクトをうんざりさせるほど。
二人は言い争いを繰り返してはアンナに叱られ、窘められながらも、そんな日常を送っていました。
外でピアノを弾きたくないか、みんなに音楽を聴いてほしくはないか、と明るく誘うコゼットに、タクトはここでしか弾けないのだと告げます。
そんな返答を聞いて少し暗い表情を浮かべたコゼットは、アンナの運転で帰宅する車内で、『悲愴』のメロディーを口ずさみながら、鍵盤を弾くように指を動かすのでした。
悲愴
とある雨の降る日。
タクトはピアノを弾きながら、父親の面影を追っていました。
コンサートホールで指揮を振る父親と、ピアノを弾く自分の姿。
そして、オーケストラと、観客からの大きな拍手。
ふと現実に意識が戻れば、拍手の音は窓を打つ雨音に変わります。
そこへコゼットがやって来ました。
彼女が持ってきたのは、シンフォニカのお祭りのポスターでした。
シンフォニカがあちこちの街を回って開催するお祭りで、この日ばかりは街の住人たちが楽しめるようにと、音楽などの娯楽が解禁されるのです。
コゼットはこのお祭りの日ならば、外で思い切り音楽を奏でられるとタクトを誘いました。
しかし、タクトは自分の音楽が「本当に人の心に届くレベルまで達しているのか」という確信がないから無理だと断ります。
「弾きたくない」
極め付けにそう告げたタクトを見て、コゼットは少し傷ついたような表情を浮かべた後、タクトの音楽が好きだと伝えるのでした。
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タクトが部屋から離れた一瞬の隙に、コゼットはピアノを弾き始めます。
その音色に気付いて一目散に部屋へ戻ってきたタクトは、彼女がピアノを弾けたことを知らず、驚かされました。
『悲愴』を奏でるコゼットに、タクトはどうしてその曲なのか問います。
コゼットはおもむろに『運命』の頭だけを弾くと、今ならベートーヴェンの気持ちがわかるなどと言いながら、再びシンフォニカのお祭りにタクトを誘います。
「『悲愴』の第一楽章は絶望の今、微かな希望の明日を見出す第三楽章、その間を繋ぐ第二楽章は愛なの」
母親の受け売りだという言葉を紡ぐと、コゼットはいつも首にかけているペンダントを見つめます。
そして、「次は連弾してあげてもいいよ」と言って部屋を出て行きました。
タクトはそれを「ふざけるな」といなしながら、すれ違いで入ってきたアンナに声を掛けます。
すると、アンナはコゼットが自然な笑顔を向けるのはタクトだけだと伝えるのでした。
音楽
お祭り当日。
タクトはガレージからグランドピアノがなくなっていることに気が付き、驚愕します。
それもそのはず。
コゼットとアンナがお祭りの会場に持ち出していたのです。
彼女たちはタクトがやって来ることを信じて待つことにしました。
一方その頃、会場には英雄であるザーガンと、その右腕である主席指揮官・シントラー(浪川大輔)が訪れていました。
人々が英雄の登場にざわつく中、コゼットとアンナのもとには未だタクトがやって来る気配はありません。
それでも絶対に来ると信じるコゼットは、彼が来るまでは自分が繋ぐと『悲愴』を弾き始めます。
すると、後ろから伸びてきた手が『運命』の頭を弾いて、中断を促しました。
その手の主は、タクト。
「祭にその曲は違うだろ」と呆れるタクトに、コゼットは笑顔で席を譲ります。
そして、タクトが『Take the A Train』を弾き始めると、観客たちも盛り上がり始めました。
タクトはコゼットのほうを見遣り、隣に座るよう促します。
二人はそうして約束通り、連弾を果たすのでした。
二曲目の『Sing,Sing,Sing』を弾き始める頃には観客たちからの手拍子や歓声が飛び交い、タクトとコゼットも笑顔を浮かべます。
通りがかりの車両の中にいたザーガンも、聴こえてくる音楽と観客の声に穏やかな表情を浮かべ、去って行きました。
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演奏を終えたコゼットの微笑みにタクトが思わず頬を染めたことに気付かず、彼女は手を取って立ち上がります。
観客の歓声に笑顔で応えていたその時、二人のもとに何かが降ってきました。
ミサイルのように、爆弾のような、何かが。
運命
街がD2に襲われる中、気を失っていたタクトは意識を取り戻します。
目に飛び込んできたのは、血まみれでボロボロになった自身の右腕と、上半身に覆いかぶさるようにして倒れているコゼットの姿でした。
自分と同じように血を流している彼女を抱き起こし、懸命にその名を呼ぶと、コゼットはゆっくりと目を開けて朦朧とした状態で呟きます。
「やっぱり、あたし、タクトのピアノ、好き」
薄らと微笑んで再び目を閉じてしまったコゼットに、タクトは涙を流しながら語りかけました。
「コゼット、こうじゃないだろ。 音楽はもっと心地良くて、喜びに溢れてて……終わらせない……目を開けろ、コゼット!」
タクトがコゼットの名前を叫んだ瞬間、彼女がいつも首にかけていたペンダントが光を放ち、コゼットの身体が宙に浮かび上がりました。
ペンダントには薔薇の花が咲き、勢いよく茨が伸びると、タクトの傷ついた右腕に巻き付きます。
次の瞬間、少女の亡霊のような姿をした光が現れ、その右腕に噛みつきました。
すると、風貌を変えたコゼットだったはずの少女が目覚め、タクトを「マエストロ」と呼んで指揮棒を渡します。
そして、D2の殲滅を開始する旨と、指示を仰ぐ言葉を口にしました。
タクトは悔しさとも怒りとも取れる表情を浮かべると、指揮棒を手に取り、目を見開くのでした。
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アニメ『takt op.Destiny』第2話ネタバレ・感想まとめ
いかがだったでしょうか。
タクトの父親が亡くなった惨憺たる事件の概要と、彼らの旅が始まる少し前の出来事が描かれた第2話でした。
コゼットが持っていたペンダントの秘密や、コンダクターとムジカートの関係性なども、今後明らかになっていきそうですね。
初登場の“英雄”・ザーガンと、その右腕であるシントラーも要注目人物。
次回以降、登場人物が増えていきそうなので、それぞれがどのようにタクトたちと関わってくるのか、期待でいっぱいです。
第3話も楽しみですね!