DeNAとバンダイナムコアーツによるメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』から登場したアニメ『takt op.Destiny』。
音楽が失われた世界を舞台に、有名な歌劇や楽曲の力を宿した少女・“ムジカート”と、彼女たちを指揮する“コンダクター”が、ともに戦う姿を描きます。
ザーガンの口ずさむ音色とともに、巨大な黒夜隕鉄が蠢動……。
大樹の如く成長し始めた黒夜隕鉄が、ニューヨーク・シンフォニカを呑み込んでいきます。
ついに、己が目的を叶えようと動き始めるザーガン。
その異様な光景を目にするタクトと運命は、アンナとシャルロッテが未だにシンフォニカの内部に取り残されていることを知り……。
最終回を目前に控え、真の黒幕が動きます。
ザーガンの目的とは果たして……?!
早速、アニメ『takt op.Destiny』第11話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『takt op.Destiny』前回第10話あらすじと振り返り
アンナに見送られたタクトと運命は、レニーたちとの待ち合わせ場所に向かいました。
レニーが話し出そうとした時、突然現れたのは英雄――ザーガンでした。
天国と地獄を引き連れてやって来たその姿を見て、シントラーを倒した今も音叉が鳴り続けているのはザーガンが元凶だと察したタクトと運命は、戦闘態勢に入ります。
すると、ザーガンはレニーがボストンの惨劇の現場にいたこと、その贖罪のためにコンダクターになったことを明かすのでした。
かつて朝雛ケンジの指揮に魅入られたレニーは弟子入りを志願し、二人は良い師弟関係を築いていきます。
そんな中、朝雛はD2に脅かされている世の中を案じて、音楽を通して希望の光を伝えるのだとツアーを行いました。
そうして行われたツアー中に、あのボストンの惨劇が起きたのです。
生き残ったレニーはザーガンにスカウトされ、絶望のうちにコンダクターとなります。
巨人と初めて顔を合わせた時にその笑顔を褒めると、巨人は自分とは逆にまったく笑わないレニーを思いやって言いました。
「タイタンがマエストロの分まで笑うよ!」
その言葉に救われたレニーは、彼女にこう返します。
「もしタイタンが悲しい思いをした時は、代わりに私が笑ってあげる」
こうして二人は約束を交わしたのでした。
――そして、今。
運命・巨人vs天国・地獄のバトルが繰り広げられる中、タクトに向けて構えられた銃の前にレニーが立ちはだかります。
タクトを庇って撃たれ、血を流しながらも巨人とともに戦い続けたレニーは、ザーガンたちが去った後、その場に倒れ込んでしまいました。
巨人は笑顔でレニーとの約束を果たし、タクトも彼の弟子であることを認め、作曲をしていると和やかに告げるのでした。
彼らに囲まれて目を閉じたレニーの脳裏には、タクトが作った曲を一緒に奏でる様子を見守る、在りし日の朝雛の姿が浮かんでいました。
【ネタバレあり】アニメ『takt op.Destiny』第11話あらすじ・感想
襲われるシンフォニカ
アンナはシャルロッテに呼ばれてニューヨーク・シンフォニカを訪れていました。
そこで告げられたのは、タクトの寿命が一ヶ月もない状態まで追い込まれていること。
そして、そんなタクトと運命を救うには、二人をコールドスリープさせて、解決策を生み出す時間を稼ぐくらいしか出来ないということ……。
アンナはショックを受けながらも、シャルロッテを信じて可能性に賭けてみようと頷きます。
一方その頃、ザーガンはシンフォニカの施設内で黒夜隕鉄に触れようとしていました。
ザーガンは指揮を振るように戯れ、尖りの部分が自身の手を貫通するほど勢いよく突き刺します。
すると、黒夜隕鉄は次第に蠢き始め、シンフォニカ一帯を突き破るように巨大化していきました。
そして、黒夜隕鉄に呼び起こされたD2たちが、どこからともなく姿を現します。
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ところ変わって、タクトは宿で目を覚まし、痛む身体を軋ませていました。
ザーガンたちとの戦いで侵食が進んでしまったようで、赤い痣は肩や腕だけでなく顔半分にまで達しています。
そんな中、テレビではアナウンサーが不穏なニュースを伝えていました。
巨大な物体に覆われたシンフォニカに、街は混乱しているとのこと。
困惑するタクトに運命と巨人が伝えたのは、シンフォニカへ向かったアンナがまだ帰っていないということでした。
臨戦
シンフォニカでは次々に現れるD2を倒すべく、たくさんのムジカートたちが戦っていました。
タクトと運命は施設内を知る巨人に先導してもらいながら、シャルロッテの研究室を目指します。
巨人はアンナとシャルロッテを救出して脱出するようタクトたちに告げますが、自身は一人でザーガンのもとへと向かうつもりでした。
この騒動を引き起こしているのもザーガンだと確信しているのです。
タクトと運命は、もちろん自分たちもザーガンのところへ向かうつもりでした。
先生――レニーがやり残したことをやり遂げるために。
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一方、アンナとシャルロッテは研究室を離れ、脱出経路を探していました。
しかし、施設内は巨大な黒夜隕鉄に覆われてところどころ道が閉ざされており、通れる道にもD2が待ち構えていて、なかなか進路が見出せません。
そんな中、進む先で悲鳴が聞こえ、D2がいることを察したアンナは、近くに見つけた通気口から逃げ出そうと考えます。
足が悪いシャルロッテを車椅子から降ろし、おんぶをして移動を始めたアンナでしたが、いよいよD2に見つかってしまいます。
その頃、タクトたちも施設内のD2と対峙していました。
タクトと行ったポップコーン屋で食べたポップコーンの種類を一つ呟くごとに、一体のD2を倒していく運命。
巨人は茶化すように彼らが二人きりで過ごした時間について尋ねながら、やはりD2を倒していきます。
無駄口を叩くなと言いながら火力を強めたタクトは、力の使い過ぎでその場に倒れ込んでしまいました。
再会と別れ
D2に襲われたアンナは、そばで倒れているシャルロッテを心配そうに見遣ります。
しかし、助ける間もなく再びD2が向かってきました。
まずい、と思った瞬間にアンナを庇って飛び込んできたのは、ワルキューレでした。
そこから行動をともにしていたワルキューレですが、いよいよD2の前で膝をついてしまいます。
とどめを刺される、と思った瞬間、今度は巨人が助太刀に入りました。
いつの間にかタクトたちとアンナたちは同じ場所に辿り着いていたのです。
再会を喜ぶのも束の間、タクトの侵食が進んでいることに気付いたアンナたちは絶句します。
それでもタクトは、アンナたちを連れて逃げるよう巨人に頼みました。
タクトと運命は二人でザーガンのもとへ向かおうとしていたのです。
タクトの身体を想って必死に止めるアンナでしたが、タクトは自分がもう長くないことを理解したうえで決断していました。
それでも音楽を守りたいのだと。
「アンナ、今まで本当にありがとう」
そう言って微笑んだタクトに、アンナは思わず近寄ってキスをします。
そして、運命にタクトを必ず連れて帰ってくるよう頼むと、涙を流しながらも見送ることを決めるのでした。
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オルフェ
静かすぎる通路を進んで行くタクトと運命。
運命はタクトがあまりにも静かなことが気になったのか、淡々と声を掛けます。
タクトは察することをしない運命に対し、何でも言語化しないとわからないのかと文句を言いますが、運命から思わぬ反撃を受けます。
それならば言語化しようと話し始めた運命が、先ほどのアンナからのキスで動揺しているのでは、と言いかけたところでタクトからストップがかかりました。
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二人がいつものように痴話喧嘩を繰り広げていると、巨大なD2が現れます。
静かな広い空間に群れているD2と、鳴り響く音叉の音。
目を閉じた天国を横抱きにして立っている地獄の姿。
タクトと運命は彼女たちがいるということはこの先にザーガンがいるのだと思い、戦闘態勢に入ります。
地獄がそっと声を掛けると、天国が目を開け、二人は顔を見合わせて笑みを浮かべました。
その瞬間、音叉が鋭い剣のように変化し、天国と地獄の身体を突き刺します。
すると、二人はドロリと溶け出し、黒い液体のようになって音叉ごと床に流れ落ちてしまいました。
タクトと運命が驚いて目を見開いたのも束の間、黒い液体からミサイルのようなものが飛び出して爆発したかと思えば、次に現れたのは天国でも地獄でもない、別のムジカートでした。
オルフェ(三石琴乃)と名乗ったそのムジカートは、こう呟きます。
「さぁ、武器を取れ。 そして、決して振り返るな」
アニメ『takt op.Destiny』第11話まとめ
いかがだったでしょうか。
ザーガンが取った行動の意味とは?
天国と地獄の存在とは一体何だったのか?
最終回を目前に気になることは明かされず、また一週間お預けを食らうこととなりました。
ここに来て新たに登場したムジカート・オルフェは、ジャック・オッフェンバック作曲のオペレッタ『地獄のオルフェ』を身に宿しています。
『天国と地獄』は『地獄のオルフェ』の別題であり、特に序曲の第3部を表すそうですが、日本では運動会などでよく流れるBGMとして知られていますよね。
ムジカートの天国・地獄とオルフェもイコールの存在ということなのでしょうか。
何はともあれ、オルフェを演じる三石琴乃の低めの声がラスボス感を醸し出していて痺れました。
さらに、シンフォニカで戦うムジカートたちを描写するシーンでは、ゲーム「takt op. 運命は真紅き旋律の街を」にて発表されているムジカートが登場しています。
台詞が付いていたのは洲崎綾が演じるくるみ割り人形だけでしたが、月光(黒沢ともよ)、G戦場のアリア(金元寿子)も姿を見せており、ゲームもやってみたい! と思わせるシーンになっていました。
ますます楽しみになった第12話。
次回に期待が高まります!