DeNAとバンダイナムコアーツによるメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』から登場したアニメ『takt op.Destiny』。
音楽が失われた世界を舞台に、有名な歌劇や楽曲の力を宿した少女・“ムジカート”と、彼女たちを指揮する“コンダクター”が、ともに戦う姿を描きます。
レニーは思い出す、自らの過去を。
レニーは思い起こす、かけがえのない人の面影を。
全ては為すべきことを為すために積み上げてきた……。
巨人とともに待ち合わせ場所に向かったレニーは、タクトと運命に全ての真実を告げようとします。
しかし、そこには思わぬ人物が待っていて……。
物語も終盤に差し掛かり、さらなる真実が明かされるようです。
早速、アニメ『takt op.Destiny』第10話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『takt op.Destiny』前回第9話あらすじと振り返り
ついに目的の地・ニューヨークに辿り着いたタクトたち。
そこで待っていたのは、アンナとコゼットの姉であるシャルロッテでした。
シンフォニカの研究員をしているシャルロッテのもと、タクトと運命は調律に関わる検査を受けることに。
その結果は思わしくなく、二人は互いを喰らい合いながら支え合っているような、コンダクターとムジカートとしては歪な状態だと判明します。
そんな酷い様子を表すかのようにタクトの右腕の赤い痣は範囲を広げており、身体中が侵食されていることもわかりました。
戦いさえしなければ延命することもできるというシャルロッテの言葉を、タクトはグッと飲み込みます。
翌日、シャルロッテの案内で街に出掛けると、気を利かせたアンナの計らいでタクトと運命は二人の時間を過ごすことになります。
そして、互いの想いを打ち明け合い、戦う生き方を選ぶと、二人だけの約束を交わすのでした。
一方、研究所に戻ったシャルロッテに親しげに話しかけた天国は、例のムジカート――運命の調律の進捗を問います。
その表情は優しげな話し方とは真逆で冷え切っていましたが、シャルロッテはそのことに気付きません。
時を同じくして、D2の気配を感じ取ったタクトと運命が急いでアンナのもとへ帰ると、レニーから連絡が入り、ニューヨークを出るように告げられます。
タクトがそれを拒むと、レニーは真実を知る覚悟があるのかと問うのでした。
【ネタバレあり】アニメ『takt op.Destiny』第10話あらすじ・感想
師弟
――その指揮を見た人は、誰もが言うの。 音に光を見たって。
レニーはいつか見た朝雛ケンジ(三上哲)の姿を夢に見て目覚めました。
その後、巨人と食事を摂りながら、二人はかつて交わした約束に想いを馳せます。
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一方その頃、アンナに見送られたタクトと運命は、レニーたちとの待ち合わせ場所に向かいました。
彼らは落ち合うなり普段のような賑やかな会話を交わしますが、タクトは早速シンフォニカとボストンの惨劇との真実について聞きたいと話を切り出します。
レニーが話し出そうとしたその時、ある人物が現れました。
それは英雄と呼ばれる、ザーガンでした。
天国と地獄を引き連れてやって来たザーガンは、物腰穏やかな印象とは裏腹に不穏な言葉を投げかけてきます。
シントラーを倒した今も音叉が鳴り続けているのは、ザーガンが元凶……。
そう察したタクトはレニーとともに戦うことを決め、運命も戦闘態勢に入ります。
すると、早々に地獄が運命へと飛び掛かり、巨人もそこに加わる姿勢を取りました。
そんなムジカートたちの様子を見たレニーが師弟コンビの力を見せつけようとタクトに呼びかけると、タクトは勝手に弟子扱いするなと顔を背けます。
二人の会話を聞いたザーガンは、まだ罪滅ぼしを続けているのかとレニーに問いかけました。
そして、レニーがボストンの惨劇の現場にもいたこと、その贖罪のためにコンダクターになったことを明かします。
タクトは息を詰め、レニーはグッと言葉を飲み込みました。
レニー
かつて朝雛ケンジの指揮に魅入られたレニーは、弟子入りを志願。
互いが互いの師になろうとする朝雛とは、良い関係を築いていきます。
そんなある日、朝雛は世の中がD2に脅かされているのにもかかわらず、ツアーを行おうとしていました。
やめたほうがいいと説得するレニーに対し、朝雛は言います。
「……希望の光が人々には必要なんだ。 僕は音楽を通して、それを皆に伝えなければならない。 これからの未来のためにも」
幼いタクトの写真を見ながらそう語る姿が、そこにはありました。
そうして行われたツアー中、あのボストンの惨劇が起こります。
ボロボロになった街で倒れる朝雛と、朝雛を呼ぶ幼いタクトの声、そして、音叉の音。
薄れゆく意識の中で、レニーは思います。
――私も、誰かの光になれるのかしら。 あんな眩い光に。
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生き残ったレニーのもとに、ザーガンが現れます。
ザーガンはレニーがコンダクターとしての資質を持つことを知り、スカウトしに来たのです。
絶望の中でコンダクターになることを決めたレニーは、巨人と出会います。
レニーが巨人の笑顔を褒めると、巨人は自分とは逆にまったく笑わないレニーを思いやって言いました。
「タイタンがマエストロの分まで笑うよ!」
その言葉に救われたレニーは、彼女にこう返します。
「もしタイタンが悲しい思いをした時は、代わりに私が笑ってあげる」
こうして二人は約束を交わしたのでした。
やがてD2との戦いに終わりを見出した二人でしたが、その時、あの音叉の音を耳にします。
巨人の真髄
地獄と戦いを繰り広げる運命のもとに、巨人が参戦します。
すると、天国がそれを阻み、巨人を狙って攻撃を仕掛けました。
天国と地獄が揃うと厄介だとレニーは評しますが、タクトと運命は動じません。
この世界に音楽を取り戻すと、そのために戦うと、そう決めたから……。
「開演!」
タクトのその合図で飛び出す運命と、待ってましたと言わんばかりに戦いに身を投じる地獄。
一筋縄ではいかない天国と地獄に苦戦を強いられ、火力を出そうとしたその時、タクトは身を赤く染めて倒れてしまいました。
それに伴って、運命の武装も解除されてしまいます。
ザーガンが身動きの取れなくなったタクトに小さく拍手を送ると、地獄がとどめを刺そうとします。
それを巨人が止めようとするものの、今度は天国が銃を構えました。
間に合わない、と思った瞬間、銃声が響き渡ります。
しかし、その攻撃を受けたのはタクトではなく、レニーでした。
レニーはタクトを守って血を流しますが、それでも戦い続けようとします。
巨人は痛ましく思いながらも、彼の指揮に従って武器を手に立ち上がりました。
結ったツインテールを解き、今までに見たことのない表情で戦闘を開始します。
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最後の音色
レニーは血を流しながら戦い、ザーガンに問います。
あの惨劇の日のボストンにD2を呼んだのはザーガンなのかと。
ザーガンはそれをあっさりと認め、「僕を恨むかい、レニー」と笑ってみせました。
しかし、レニーは彼を哀れに思うと言いました。
光を見たことがないだろうと……。
そして、レニーの合図に合わせて巨人が強力な光線を発射しました。
その攻撃から地獄を守った天国は蹲ってしまい、地獄は呆気に取られてしまいます。
そんな酷い状態を前にしても尚、余裕そうなザーガンは、レニーの「最後の音色」に称賛を送りました。
その場に倒れるタクトに対しても、「君にはもっと素晴らしい音色を期待していますよ」と言いながら……。
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いよいよ身動きが取れなくなったレニーのそばに近寄った巨人は、涙を流しながら笑顔を見せます。
約束したからと、そう言って笑いました。
タクトも運命に身体を支えられながらレニーのもとへ行き、言葉を掛けます。
すると、レニーはボストンの惨劇の後に幼いタクトを見て誓ったのだと語りました。
タクトが心からの音色を奏でられる世界を、作ってみせると。
タクトは最後に、今まで出会ったすべてを詰め込んで曲を作ろうとしているとレニーに伝えます。
レニーはそれを受けて、すべてが終わったらまた音楽をやろうと思っていたと呟きました。
ピアノを弾くタクト、チェロを弾くレニー、それを聴いて称賛を送る朝雛。
レニーの脳裏にはそんな様子が浮かんでいたのでした。
アニメ『takt op.Destiny』第10話まとめ
いかがだったでしょうか。
レニーの過去、ザーガンの本性が見えた矢先に、こんな悲しい出来事が……。
最後にレニーを「先生」と認めたタクトに、目頭が熱くなってしまいました。
エンディングもレニーを追悼するような内容になっていて、切なさの残る第10話になりましたね。
一方で、タクトたちを見送ったアンナのもとに掛かってきていた電話がどういった内容なのか気になる部分もあります。
いよいよラストスパートを迎えている『takt op.Destiny』。
次回、第11話も楽しみです!