DeNAとバンダイナムコアーツによるメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』から登場したアニメ『takt op.Destiny』。
音楽が失われた世界を舞台に、有名な歌劇や楽曲の力を宿した少女・“ムジカート”と、彼女たちを指揮する“コンダクター”が、ともに戦う姿を描きます。
原作に『サクラ大戦』シリーズで知られる広井王子が参加した他、『呪術廻戦』などで近年注目を集めているMAPPAと『カードキャプターさくら』『DEATH NOTE』など数々の作品を送り出してきたマッドハウスがタッグを組んだことで、放送前から話題となっていました。
主人公・朝雛タクトを演じるのは、『機動戦士ガンダUC』のバナージ・リンクス役や『僕のヒーローアカデミア』の死柄木弔役で知られる演技派声優の内山昂輝。
そして、タクトが指揮するムジカート・“運命”を演じるのは、『SSSS.DYNAZENON』の南夢芽役で注目を集めた新進気鋭の声優・若山詩音。
脇を固める声優陣も、本渡楓や伊藤未来、日野聡など実力派が顔を揃えました。
さらに、オープニングテーマをryo(supercell)×まふまふ×gakuが、エンディングテーマを中島美嘉が担当し、期待が高まっています。
そんな今期大注目のアニメ『takt op.Destiny』第1話。
早速、レビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『takt op.Destiny』第1話あらすじ・感想
“ムジカート”と“コンダクター”
“音楽”は人の心を照らす光――。
突如として、その“光”が世界から奪われます。
空から黒い隕石・“黒夜隕鉄”が降った夜、世界は様変わりしました。
黒い隕石から生み出された異形の怪物・“D2”が、大地と人々を蹂躙し始めたのです。
D2は人の奏でる旋律に惹かれ、やがて音楽そのものが禁忌とされました。
しかし、その怪物に抗う者たちが現れます。
音楽を力とする少女たち――“ムジカート”。
彼女たちは、人類史に残る偉大な歌劇や楽曲の楽譜を身に宿し、D2を撃ち破る力としました。
そして、彼女たちを指揮し、導くのが“コンダクター”と呼ばれる存在でした。
――時は2047年。
D2との抗争によって荒廃したアメリカ。
ある日、音楽を知らずに育った少年がピアノの旋律を耳にします。
ひっそりと置かれていたアップライトピアノを奏でるのは、黒髪の青年――朝雛タクト(内山昂輝)。
そして、彼の音色に引き寄せられるように、D2と剣を手にした少女が現れました。
コンダクターであるタクトに導かれ、L.V.ベートーヴェン『交響曲第5番ハ短調Op.67』――『運命』をその身に宿したムジカート・“運命”(若山詩音)は、D2と戦います。
タクトが自身の右腕を指揮棒に変え、「開演!」と声を上げれば、運命は力の限りにD2に飛び込んで行き、見事に打ちのめすのでした。
右腕を元に戻し、満足気な表情を浮かべながらも、タクトは力尽きたように地面へ倒れ込みます。
どうやらムジカートの出力やエネルギーとコンダクターの体力や精神力はシンクロしているようで、タクトは先の戦いにおいて酷く消耗していました。
「マエストロ・タクト」と呼びかける運命の口ぶりは機械的でどこか生意気、それに「ポンコツムジカート!」と返すタクトは起き上がれないものの口は達者なようです。
そんな二人のやり取りを見た町の人々が呆気に取られていると、一台の車が猛スピードで走ってきました。
運転席から降りてきたアンナ・シュナイダー(本渡楓)は、言い合いをする二人を「シャラップ!」と黙らせると、撤収を呼びかけました。
アンナの言葉に従って、運命はタクトを車の中へ放り込みます。
そして、相変わらず呆気に取られている町の人々に向かって告げました。
「皆様、どうぞ日常にお戻りくださいませ」
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D2が巣食う町
異形の怪物・D2との停戦を告げた“ザーガン宣言”から、4年の月日が流れた2047年9月。
未だ世間では音楽がタブー視されており、旋律は途絶えたままでした。
そんな中、タクト、運命、アンナの三人はニューヨークを目指し、車を走らせて続けています。
アンナは自分の話を聞かないタクトと運命に文句を言いながらも、運命には甘い様子。
たった一人の妹であるという運命を「コゼット」と呼び、運命はアンナのことを「お姉ちゃん」と呼ぶのでした。
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音楽が失われた世界で、音楽を渇望するタクト。
D2の殲滅を望む運命。
それぞれの強い想いを胸に抱えたままで、旅は難航していました。
さらに、一行は途中立ち寄ったダイナーで、これから通ろうとしていた町がD2に占拠されていることを知ります。
甘いものに目がない運命はたっぷりと糖分を補給したのち、町を巣食うD2を殲滅しようと飛び出して行きました。
アンナは慌てて車に乗り込み、彼女を追いかけます。
運命を引き留めることもしなかったタクトは、アンナを見送った後、現場の様子を感知していました。
「ノイズがでかいな……いや、これは……ダメだな」
そう諦めたように独りごちて、気を失うようにその場へ倒れ込むのでした。
一方その頃、現場に辿り着いたアンナは無事に運命を発見。
しかし、ボロボロになった運命は「ダメでした」と呟き、タクトと同じようにその場へ倒れ込むのでした。
月光
翌日、アンナは相変わらず言うことを聞かないタクトと運命に、旅の目的を問うていました。
ニューヨークを目指している理由は、D2殲滅と人類の救済を目的とした組織・“シンフォニカ”へ赴き、運命を「治してもらう」ためです。
このままじゃいつまで経っても辿り着かないと嘆くアンナに追い打ちをかけるように、運命は言います。
「私もマエストロも力尽きて共倒れになるでしょう」
「それなら言うこと聞いて……」と涙を流すアンナをよそに、タクトと運命は昨日の敗因についてお互いを罵り合っていました。
その中で、今回の最大の敵は地下から離れようとしないということがわかり、タクトは音楽でおびき寄せようと考えます。
そして、先日D2と戦った町からアップライトピアノを拝借してくると、その夜には再び現場へと戻るのでした。
D2に占拠され、人がいなくなった廃れた町で、タクトは演奏を始めます。
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すると、思惑通りD2が現れ、運命を吹き飛ばしました。
D2の姿を確認したタクトは、黒夜隕鉄に惹かれてこの町に集まってきたのだと予想します。
そして、先程の衝撃によって倒れ込んでいる運命を呼び起こすと、「開演」を告げました。
指揮
運命はD2と激しい戦いを強いられます。
黒夜隕鉄によって力を増したD2は、強靭で凶暴です。
運命がダメージを負うごとにタクトの身体にも異常が見られますが、あくまで二人は強気。
「音を解き放て!」と叫び指揮を執るタクトと、D2へ突っ込んで行く運命。
死闘の末、D2は爆発とともに消滅します。
その場に倒れ込んだタクトは、自分を見つめる運命の姿に、よく似た別の誰かを重ねていました。
想いを馳せるように呼吸をすると、差し伸べられた運命の手を取り、「よくやった」と伝えます。
そして、再びアップライトピアノの前に座ると、ベートーヴェンの『悲愴』を奏でるのでした。
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翌日、再びニューヨークに向けて車を走らせ始めたアンナは、後部座席のタクトと運命がやはり自分の話を聞いていないことを嘆きます。
かくして、三人の旅路は続いていくのです。
アニメ『takt op.Destiny』第1話ネタバレ・感想まとめ
いかがだったでしょうか。
作画の素晴らしさとクラシック音楽によって増す独特の雰囲気、ロードムービーの要素も含まれているようで、何だか癖になりそうな第1話となりました。
まだまだストーリーの核には触れていないと思うので、今後どのような展開が待ち受けているのか、期待が高まる初回放送でしたね。
主人公・朝雛タクトを演じる内山昂輝の呼吸一つで様々なことを視聴者に感じさせる演技には、驚きとともに感動を覚えます。
第2話では過去のエピソードが描かれるようなので、改めて注目したいと思います。
次回、第2話も楽しみですね!