海外ドラマ『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』あらすじ・ネタバレ感想！疫病の蔓延する世界に生まれた人間と鹿のハイブリッド！少年ガスの冒険

『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』は、Netflixオリジナルのジェフ・レミア原作コミックスをもとにしたファンタジー作品。

人間と鹿のハイブリッドの少年ガスを演じるクリスチャン・コンベリーの可愛らしい姿に、シンプルな冒険物語を期待してしまいがちですが、実際はそうではありません。ファンタジーでありながら、世界観はかなりダークです。

今、私たちのいるパンデミックの世界と重なる部分もあり、むしろ気の滅入る展開も多く、驚くと思います。少年ガスとビッグマン、人間とブタのハイブリッドの娘ウェンディを育てるエイミーと、疫病にかかってしまった妻を持つシン医師の3つの物語が同時進行で、誰がどのように絡んでいくのかさっぱりわからないミステリー要素も多く、不可解さを抱きながら物語の展開を追うことになります。

そして、全く予想がつかなかった怒濤のラストにたどりつくのです。

【ネタバレ】『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』あらすじ・感想

鹿の角を持つハイブリッドの少年

史上最悪のウイルスH5G9の蔓延により、「大崩壊」を起こした世界。ウイルスや暴力、危険に満ち溢れた外界を離れ、イエローストーン国立公園の森の奥深くにパッバ(ウィル・フォルテ)は、人間と鹿のハイブリットの息子のガス(クリスチャン・コンベリー)とふたり居を構えていました。

自然の中で穏やかに自給自足の生活をするパッバは、ガスに「決して、柵の外には出てはいけない」と、息子を守る教えを繰り返していました。

ところが、外部からの侵入者との遭遇で、疫病に侵されパッバは死んでしまい、9歳になったガスひとりぼっちになってしまったのでした。

出典:IIMDB

パッバの言いつけを守り、柵の外に出ないでいたガスでしたが、パッバがいなくなって1年がたち、ガスのもとに現れたビッグマン(ノンソ・アノジー)との出会いが、ガスに外の世界に出ることを決心させるのでした。

ガスとビッグマンの冒険

ウイルスH5G9の感染拡大とほぼ同時期に生まれるようになった人間と動物のハイブリットの子供たちは、ウイルスとの因果関係があるに違いないと、忌み嫌われ存在で、ガスのいた森から一歩出た世界は、ハイブリッドを狩ることが日常化した狂った世界。

鹿の耳と角を持つガスにとって、世界は決して安心できるものではありません。

それでも、コロラドにいる母のバーディ(エイミー・サイメッツ)のもとへ行くと言ってきかないガスの無邪気な願いに聞き入れ、ビッグマンはコロラドまで一緒に旅を続けることにしたのです。

そして、ハイブリッド排除をする危険な人間に襲われたガスたちを助けたベア(ステファニア・ラヴィー・オーウェン)も道中に加わり、3人のコロラドへの旅は続くのでした。

出典:IMDB

エイミーの使命

ウイルスH5G9による世界の「大崩壊」前は、平凡な日常の籠の鳥だったセラピストのエイミー(デンマーク・ラミレス)。エセックス動物園の門の前に、捨てられていた人間とブタのハイブリッドの赤ん坊を拾ったことで、人生の意味を見出していました。

ハイブリッド排斥の動きで、狩られ、排除される罪のない子供たちを守る保護区を作り始めます。

赤ん坊だったハイブリッドのウェンディ(ナレディ・マレー)もすっかり成長し、エイミーと共に、動物園内での生活を密かに送っていたのでした。

しかし、ハイブリッドの保護区を執拗に探すアボット将軍(ニール・サンディランズ)を前に、エセックス動物園の存在は白日のもとに晒され、アボットの軍隊によって、子供たちは非情にも連れ去られてしまうのでした。

シン医師の秘密

ロックブリッジの診療所で医師として働くアディティア・シン(アディール・アフタール)の妻のラニ(アリザ・ヴェラニ)は、ウイルスH5G9の感染者。

でも、診療所のベル医師(サラ・パース)が秘密裏に作る治療薬によって周りに知られることなく10年もの間、症状を隠し続けてきました。

出典:IMDB

一見、穏やかに見えるロックブリッジの町は、住人に疫病の感染者が出ると、直ちに捕らえ、家ごと燃やしてしまう狂気と偽善に満ち溢れた、恐ろしいところ。妻のラニの病を隠すのにひやひやしているのでした。

ある日、ベル医師から疫病の治療薬の研究日誌を託されることになったシン医師は、ベル医師のこれまでの恐ろしい実験が裏にあったことを知り、途方にくれます。

治療薬の開発には、ハイブリッドの子供たちの人体実験の犠牲の上に成り立っており、その薬が妻のラニには必要であることから、モラルに反すると悩むことになるのでした。

そんな時、ついにロックブリッジの住人に妻のウイルス感染が、バレてしまい焼き殺されそうになるところを、治療薬の研究の日誌を狙うアボット将軍に助けられるのでした。

パッバとバーディとガス

コロラドのバーディの家にたどりついたガスとビッグマン、ベアの3人。

ところが、そこにいたのは、ガスの姿をみて驚く、かつてバーディとフォート・スミス科学研究所で同僚だったジュディ(ジョディ・リマー)だったのです。

バーディの残した研究資料を目にしたガスは、実は自分が研究所で作り出された実験プロジェクトで生まれたと知り、パッバとバーディは、両親ではすらなかったことにショックを受けるのでした。

やっとつながる3つの運命

バーディの家から飛び出してやけになったガス。行き場所を失い、保護区へ行こうと待っているところをアボット将軍につかまってしまいます。

フォート・スミス科学研究所の謎、ウイルスの感染拡大の謎、人間と動物のハイブリッドの子供たちの出生の謎と、アボットにウイルスの治療薬の研究を強要されるシン医師、エイミーの保護区からさらってきた子供たちとガス。

これまでばらばらに紡いできた物語は、ようやく重なるのでした。

『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

以上、ここまで『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』をレビューしてきました。

人間と鹿のハイブリッドの少年ガスが、疫病の蔓延で世紀末を迎える混沌とした世界で、澄んだ目で母を探す物語『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』。

異形のものを排除する狂った世界をビッグマンとベア、そして好奇心を味方に突き進むガスとの旅は、シーズン・ラストを迎えても、謎は残されたまま。

アボット将軍に、娘のウェンディとハイブリッドの子供たちを奪われたエイミーと、疫病の治療薬研究に従事させられることになったシン医師と、捕らわれの身となったガス、三者三様で進んできた道がようやく重なったところで、エンディング迎え視聴者は取り残されたままの完全なクリフハンガーです。

そんな『スイート・トゥース：鹿の角を持つ少年』ですが、もたげた謎に何一つ答えがないまま。

続くシーズンの更新が期待されるものの、次回作の配信予定の発表は、まだありません。

どうしても気になる続きは、シーズン2の配信発表を待つしかなさそうです。

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