「少年ジャンプ+」で累計閲覧数1億3千万回を突破した田中靖規原作の人気作品『サマータイムレンダ』。
慎平がまとめたループの記録を読み、彼の身に起こっていることが事実であると判断したひづる。
かつて彼女は、慎平の話を信じる根拠となる経験をしていました。
「影」に姿を知られるリスクを冒さないよう多くを語らないひづるですが、慎平に力を貸すといいます。
小早川一家の「影」を倒すため、小早川家に向かった慎平、ひづる、根津の三人は、しおりの「影」の捕獲に成功しますが……。
早速、アニメ『サマータイムレンダ』第7話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第6話あらすじ・感想
――7月22日。
日都ヶ島に上陸したひづるは潮の葬儀に顔を出し、昔馴染みである雁切に声を掛けられます。
雁切の影を踏んで、彼が「影」ではなく本物の人間だとわかると、潮とは洋食コフネの娘かと尋ねました。
島にいた中学2年の頃、洋食コフネの常連客だったひづるは、アランや雁切との再会によって網代慎平という存在を認知し、今はまだ会うわけにはいかないと葬儀場を離れようとします。
しかし、アランに呼び止められ、潮の遺体に吉川線があったこと、それを警察が調べようとしないことを聞かされました。
そして、この事件が「14年前」「竜之介の時」と似ていないかと問われます。
今度こそ葬儀場を離れようとしたひづるは、かつての友人で小早川しおりの母でもある朝子に声を掛けられますが、彼女ら一家がとっくに「影」であると見抜き、睨みつけました。
その後、山中で根津と落ち合うと、「影」の中に「影」を生み出す者がいると聞かされます。
それは自分の知る「影」の情報とは違うと思いながらも、潮が亡くなったのはしおりの「影」が引き起こしたものだと推測しました。
ひづるは自身の2代目の携帯電話を根津に託し、そこに電話がかかってきたら知らせてほしいと言って、とある頼み事をします。
一方、記憶だけを頼りに前回の葬儀をリピートしていた慎平は、小早川一家が「影」だと気が付き、早くひづるに会わなくてはならないと焦っていました。
そして、ひづるの名前と、彼女がかつてコフネの常連客だったという情報、暗号化された連絡先を入手します。
暗号は南雲竜之介の作品に出てくるものと同じ解き方ができたので、導き出した番号に電話を掛けると、聞こえてきたのは予想していたひづるの声ではなく、根津のものでした。
その頃、トイレに立ったアランを襲うため、アランの「影」が姿を現していました。
ひづるは個室に潜み、その「影」を返り討ちにすると破壊、消滅させます。
根津はというと、指定した場所へやって来た慎平の影を遠距離射撃で撃ち抜き、慎平が「影」ではなく本物であると確認します。
その報告を受けて慎平と会うことにしたひづるは、慎平が「影」なのではないかと疑っていました。
しかし、慎平は紛れもなく本物で、ひづるを見ると開口一番、南雲竜之介のファンだと言ってサインを要求します。
前回のリピートでひづるから言われた通りに、丁寧に名乗った慎平を「普通じゃない」と評したひづるは、慎平が時間を繰り返す「タイムトラベラー」だと言い当てたのでした。
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第7話あらすじ・感想
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――7月22日。
慎平を「タイムトラベラー」だと言い当てたひづるは、「君は弟に会ったのか」と問いかけました。
そして、慎平がまとめたループの記録を読むと、彼の身に起こっていることが事実であると判断します。
ひづるがそれらの話を信じる根拠は、南雲竜之介の著書である『沼男』にあると慎平は考えていましたが、予想に反して彼女の実体験であることがわかります。
「影」に家族を殺された過去を持つひづるは、家族を狙う習性を持つ「影」たちに狙われる運命にありました。
そこで慎平は、だから自分や澪も狙われるのだと理解し、それならばアランはどうかと思い至ります。
アランの「影」はひづるが駆除したと知り驚く慎平ですが、ひづると根津から次々に新たな情報を聞かされます。
「影」は一度倒してしまえば同じ人間のコピーができないらしく、自分の「影」を消滅させた根津は「影」の病に免疫があり、もうコピーされることはないと言います。
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「影」に姿を知られるリスクを冒さないよう多くを語らないひづるですが、慎平に力を貸すと約束するのでした。
二重人格
慎平の辿ってきた記憶によれば、ひづるはこの日、小早川家に「影」を倒しに向かって「しおり」だけ逃してしまうことがわかっていました。
このままだと失敗する、と慎平は忠告しましたが、ひづるは一人で小早川家に乗り込みます。
少し離れた場所に慎平と根津を待機させたひづるは、小早川家の前に立って髪をひとつに結ぶと、スマホで何かを聞いています。
その様子を見ていた慎平が彼女の行動を不思議に思っていると、根津は「あいつにはひづるの時の記憶がない」と呟きました。
慎平は、彼女が”ひづる”と”竜之介”という二つの人格を持つ、二重人格者だと気が付きます。
ひづる――もとい竜之介は、ひづるに成り切って小早川家を訪ねました。
扉を開けた「朝子」は室内にいる「しおり」からテレパシーを受信し、言われた通りに竜之介を家の中へ招き入れます。
荷物を開けていいか尋ねた竜之介は、トランクからおもむろにハンマーを取り出すと、「朝子」とその夫・「達夫」の影を殴り、消滅させました。
「影」の殺し方を知っているとわかれば警戒して近づいてこなくなる、という考えをよそに、「しおり」は予想と違った行動を取ります。
その頃、慎平は根津から”竜之介”がひづるの双子の弟であること、14年前に亡くなったことを聞き出していました。
その遺体は食いちぎられた跡だらけだったことから野犬の仕業とされましたが、首元の吉川線を見つけたひづるは殺人だと疑わなかったといいます。
たいして調べないうちに遺体が焼かれてしまったという状況は、潮のものと似ていました。
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仇敵
影に致命傷を与えても消滅しない「しおり」に、隙を突かれ首を絞められてしまった竜之介。
自分の身体ごと「しおり」の影にダメージを与えますが、やはり消滅せず、上階へ逃げられてしまいます。
「しおり」を追って上階へ移動し、子供部屋に入った竜之介は、根津に「3階、北側の窓」とメッセージを送りました。
竜之介の後ろに立った「しおり」は、そこにいるとバレたことや、「影」が人間をコピーするのに時間がかかると言い当てられたことで、「つまらん」と言い捨てて逃げていきます。
「3階、北側の窓」から出ていく「しおり」を外で待ち受けていた根津は、ネイルガンで「しおり」の影を撃ち抜いていきました。
喰らったり、躱したりしながら、影に潜り込んでは通り抜けていく「しおり」でしたが、死角から飛び出してきた慎平に取り押さえられます。
慎平は腕に噛みつかれ傷を負いながらも押さえつけ、その隙に根津は「しおり」の影――足の部分を3カ所、ネイルガンで撃つのでした。
「影」は3カ所同時に刺されると、その場に縫い留められて動けなくなるそうです。
根津の言葉通り、「しおり」は地面に這いつくばって身動きを取れなくなっていました。
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竜之介は「しおり」に、潮を殺して「影」を生み出したのは「しおり」かと尋ねます。
すると、それまで気味悪く笑っていた「しおり」は、潮に手をかけたことを認めました。
”観測者”
「しおり」への怒りをどうにか抑えながら、潮を殺した理由、そして「影」たちの目的を尋ねる慎平。
「しおり」は、「この夏でもうおしまい」なのだと言うと、また気味悪く笑いながら「家族で帰るんです」と話し始めました。
人間の自分は「影」に殺されたけど、「影」に完全にコピーされ、「しおり」として生まれ変わったのだと。
そして、慎平も早く「影」になり、自分のお兄ちゃんになって、と笑いました。
慎平が「しおり」に向かって拳を振り上げたところで、竜之介が「しおり」をハンマーで殴り、消滅させます。
あまり「影」と長く話すと惑わされてしまう……そう言って。
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完璧なコピーはオリジナルと何が違うのか、これは『沼男』のテーマでしたが、髪がほどけて竜之介と交代したひづるが言います。
「コピーとオリジナルの同一性について哲学するのは、すべてが終わってからでよい……君は本当に影澪を殺せるか」
「澪」が現れる時間まで、外でひづると根津が武装待機していること以外は、今まで通り過ごして事態を見極めるよう指示された慎平。
しかし、家に帰ると澪が料理をしているという、これまでにはなかった展開が起きていました。
さらに、澪が台所から離れているうちに、なぜか「潮」が部屋に現れ、慎平は動揺させられます。
アニメ『サマータイムレンダ』第7話まとめ
いかがだったでしょうか。
ループを繰り返すことで起きてしまった慎平の変化。
それに伴って澪の行動も変化してしまい、”観測者”たる慎平の見てきた未来が役に立たなくなってしまう恐れが……。
次々に巻き起こる展開は衝撃的なものばかりで、不安と興奮が止まりません。
次回、第8話も楽しみです。