「少年ジャンプ+」で累計閲覧数1億3千万回を突破した田中靖規原作の人気作品『サマータイムレンダ』。
第6話では、慎平にとって4度目の7月22日が描かれます。
慎平とフェリーで出会い、彼に「南雲竜之介」の名を語った女性・南方ひづる。
彼女もまた日都ヶ島を故郷としており、携帯電話に残された謎のメッセージを解明するため、14年ぶりに帰郷していました。
「影」、そして「ハイネ」の存在を知るひづるは、猟師の根津と合流し、島民の多くが「影」と入れ替わっていることを知るのでした。
早速、アニメ『サマータイムレンダ』第6話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第5話あらすじ・感想
船で遭遇した女性――ひづるは、「澪」を倒し、窮地に陥った慎平を救います。
慎平に手当てを施す彼女は、幼少期を日都ヶ島で過ごしたらしく、慎平の好きな作家である「南雲竜之介」を名乗りました。
そのうえ、慎平の名前を知っており、「影」にも詳しいようでした。
「影」の本体は人間をコピーした実体ではなく、あくまでその影のほうだと話すひづるは、この3日間で「影」の数が増えていると語ります。
さらに、「影」たちは統率が取れていると指摘し、慎平は「影」たちに「オカアサン」なる筆頭者がいること、計画があるらしいことを思い出しました。
慎平とひづるが危険の迫る境内へ向かうと、そこには腕が4本生えた真っ黒な人型の「影」の姿が……。
そして、その「影」に殺される朱鷺子、澪を庇って自分自身の「影」に殺される窓、山のように積み上げられた島民や観光客の大量の死体が目に飛び込んできます。
人型の「影」は鞭のように伸びる腕で慎平を捕まえると、色の違う片目を「昔失われた母の右目、そのオリジナル」だと言いました。
かろうじて生き残っていた澪までもが巨大な影に飲まれて消えると、山のように積まれた死体も、「影」たちも、その巨大な影に触れて消えていきます。
すると、人型の「影」はそれらを天に捧げるようなポーズを取り、その上空には赤く光る物体――「母」と呼ばれる少女が浮かんでいました。
瀕死の状態で赤い光を見上げていたひづるは、驚いた様子で「ハイネ……」と呟き、自身の行動が遅かったことを後悔しながら慎平に謝罪します。
一方で、まだ後悔していないと宣言した慎平は、ひづるに自分を殺すよう頼みます。
ひづるは慎平の能力を知り、「本当に戻れたなら、私に君の名を名乗りたまえ。 必ず助ける」と言うと、慎平の頭を撃ち抜きました。
――7月22日。
何とか戻ってきた慎平は、時間がループするスタート地点が徐々に遅くなっていると気付き、今までの出来事や時間の流れをノートに書き留めることにします。
目覚める前に起こった出来事は変えられない事実になると確信したため、本当に手遅れになる前に、みんなを救うために……と慎平は決意を固めるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第6話あらすじ・感想
南方ひづるの22日
――7月22日。
日都ヶ島に上陸したひづるは、フェリー乗り場のスタッフが「影」であることに気付きます。
そして、自らひづるに頼んで殺されることで22日に戻ってきた慎平もまた、日都ヶ島に上陸していました。
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ひづるが潮の葬儀に顔を出すと、昔馴染みである雁切に声を掛けられます。
雁切の影を踏んで、彼が「影」ではなく本物の人間だとわかると、潮とは洋食コフネの娘かと尋ねました。
アランとも知り合いのひづるは、島にいた中学2年の頃、洋食コフネの常連客でした。
澪を産んだ後に亡くなったアランの妻、つまり潮と澪の母の代わりに、常連客たちが娘二人の面倒を見ていたのです。
アランや雁切との再会によって網代慎平という存在を認知したひづるは、今はまだ会うわけにはいかないと葬儀場を離れようとします。
しかし、アランに呼び止められ、潮の遺体に吉川線があったこと、それを警察が調べようとしないことを聞かされました。
そして、この事件が「14年前」「竜之介の時」と似ていないかと問われ、葬儀場に戻って潮の棺を開けると遺体を確認しました。
死に化粧をこすってよく見て見ると、首元には確かに吉川線がありました。
その死に化粧を施したという看護師が所属する菱形医院の院長・青銅は、棺を開けて遺体に触れたひづるを咎めます。
今度こそ葬儀場を離れようとしたひづるでしたが、今度はかつての友人である磯兼朝子(山本亜衣)に呼び止められました。
今は小早川朝子――つまり、しおりの母でもある朝子ですが、彼女ら一家がとっくに「影」であると見抜いたひづるは、友人のフリをして涙を流す「影」たちを睨みつけました。
「影」を生み出す存在
山中で根津と落ち合ったひづるは、小早川一家が「影」であると伝えると、「影」の中に「影」を生み出す者がいると聞かされます。
それは自分の知っている「影」の情報とは違うと思いながらも、潮が亡くなった事故はしおりの「影」が引き起こしたものだと推測されました。
ひづるが静かに涙を流すと、根津は雪が降るのではと茶化します。
そんな根津に、ひづるは自身の2代目の携帯電話を託し、そこに電話がかかってきたら知らせてほしいと言って、とある頼み事をしました。
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一方その頃、潮の「影」と思われる存在は、海岸で目を覚まし、行く宛てもなく歩いていました。
再現と新情報
記憶だけを頼りに前回の葬儀をリピートしていた慎平は、小早川一家が「影」だと気が付きます。
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その事実から、早くひづるに会わなくてはならないと焦り、澪のパンツの色を聞いてヒントを得ようとしました。
気が気でない様子の慎平に、澪はドン引きしながらも素直に色を教えます。
その色から澪が「影」にコピーされたのは昨日だとわかり、コピー自体の阻止は不可能だと判明しました。
その後、潮の棺が炉に入ってから収骨までの昼食の席で、慎平は気になる人物たち――凸村、雁切、アラン、青銅に二つの質問を投げかけます。
問一、「影の病」を知っているか。
問二、胸の大きい女性を見たか。
彼らの返答から情報を得ようとしていた慎平は、アランの口からひづるの名前と、かつての常連客だったということ、そして暗号化された連絡先を入手します。
暗号は南雲竜之介の作品に出てくるものと同じ解き方ができそうです。
慎平は作品で見た通りに暗号を解き、導き出した番号に電話を掛けますが、電話に出たのは予想していたひづるではなく、根津でした。
根津はどうやって暗号を解いたのか尋ねた後、葬儀会場の外に一人で来るように告げて一方的に通話を切るのでした。
「事実は小説より奇なり」
慎平との会話中にトイレへ向かったアランが個室に入ると、その後すぐにやってきた何者かがアランの入っている個室に「故障中」の札を貼ります。
やがて、トイレにアランの「影」が現れ、「故障中」が貼られていないもう一つの個室の扉をノックしました。
水の流れる音がしたはずの個室の扉には鍵がかかっておらず、そのまま開けてみると、中には大きなハンマーを構えたひづるがいました。
「アラン」が驚いたのも束の間、ひづるは「アラン」の影が落ちる地面をハンマーで叩きます。
すると、実体を破壊された「アラン」は消滅しました。
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その頃、根津に指定された場所へやって来た慎平は、通話越しにじっとしているよう告げられます。
そして、遠距離射撃で慎平の影を撃ち抜いた根津は、慎平が「影」ではなく本物であると確認します。
その報告を受けて慎平と会うことにしたひづるのもとへ向かうと、根津が待ち受けていました。
慎平が解いた暗号は、南雲竜之介とひづる、両方の名前を知っていて、同一人物だと知らなければ解けないはずのものでした。
つまり、南雲竜之介=ひづるだという事実を知っているとすれば、本人から明かされている根津か、ひづるをコピーした「影」しかありえないため、慎平は疑われていたのです。
しかし、慎平は紛れもなく本物で、ひづるを見ると開口一番、南雲竜之介のファンだと言ってサインを要求します。
「網脂の“網”に、依り代の“代”、“慎む平”で網代慎平くんへ、ってお願いします」
前回のリピートでひづるから言われた通り、慎平は丁寧に名を名乗りました。
そんな慎平を「普通じゃない」と評したひづるは、こう言います。
「君は今日……“7月22日”を体験するのが初めてではない。 ……つまり君は、タイムトラベラーだ」
慎平は目に涙を溜めながら、「はい」と答えるのでした。
アニメ『サマータイムレンダ』第6話まとめ
いかがだったでしょうか。
リピートのスタート地点である7月22日に、ひづると出会うことに成功した慎平。
こうして協力者が出来たことで、今回はまた違った時間を送れるようになりそうです。
小早川一家が「影」だと判明するシーンや、ひづるがアランの「影」を倒すシーン、そして根津が慎平をひづるのもとへ連れて行くシーンなど、印象的な場面が多かった第6話。
ひづる目線の物語が語られたことで、さらに大きな展開を見せていきそうですね。
次回第7話も楽しみです。