「少年ジャンプ+」で累計閲覧数1億3千万回を突破した田中靖規原作の人気作品『サマータイムレンダ』。
ヒルコに突き立てた潮の拳はハイネの叫びとともに岩壁を砕きました。
しかし、そこにはまだハイネの気配が漂っています。
共鳴する潮と慎平の右目。
確かに倒したはずのシデが不死身の如く再び目の前に現れました。
潮の持つ「観測者の目」の新たな覚醒を鋭く感じ取り、それを奪うべく決戦の地へと誘う雁切。
切り開かれた闇の先へと、慎平と潮は固く手を取り合って突き進みます。
早速、アニメ『サマータイムレンダ』第23話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第22話のあらすじと振り返り
完全復活を遂げた「潮」とともに、10週目のループに入った慎平。
作戦の目的は、記憶を取り戻した「潮」をハイネの喉元に差し出すことでした。
ギルの中にいる間は手形の信号が作動しないと読んだ慎平は、自分の居場所を曖昧にさせることで、ループのリスポーン地点をヒルコ洞にしようと考えたのです。
ヒルコの寝床に辿り着いた慎平は、頭が割れそうなほどの頭痛に襲われます。
それは「影」の気配を感じ取れるようになったことの弊害で、ハイネから発される信号を不快な状態で受け取ってしまうからでした。
「潮」は自身も発信することでハイネからの信号を打ち消し、慎平の頭痛を緩和します。
一方で「澪」は、「潮」とハイネが同じ信号を出せるからこそ中和できたのだと気付き、何故同じ波長なのかと不思議に思っていました。
境内からやって来た雁切と対峙する「潮」が髪の刃で素早く応戦する中、ハイネと慎平はお互いの動向を気にしています。
ハイネは慎平が2秒先を予知していると認識し、彼の中に竜之介の存在があることに気付きました。
さらに、背後から迫ってくる「澪」の気配を察知してかわし、岩陰に置いてあるネイルガンのコピーも先んじて攻撃しました。
しかし、それは「潮」がコピーした囮であり、実際にハイネへ攻撃を仕掛けてきたのは窓でした。
真人間の窓とネイルガンのオリジナル……本人と武器、どちらも「影」の気配などするはずがなく、ハイネの影を縫い留め、本体にダメージを負わせることに成功します。
激しい攻防の末、ハイネと二人の雁切にとどめを差すことができましたが、ハイネに最後の攻撃をする際、「潮」の脳内に小学生時代の恩師から言われた言葉が過ぎりました。
ハイネを倒しても尚、彼女から生まれた「影」である「潮」も「澪」も消えていないというおかしな状況に、「澪」は「潮」がハイネに手加減したのではないかと考えます。
やがて慎平の右目と「潮」の右目はハイネのように赤く光り、彼らの前にはシデが現れました。
シデの中身である雁切は、二人とも殺したはずなのに……。
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第23話あらすじ・感想
闇の向こう
慎平と「潮」の前に、確かに倒したはずのシデが再び現れます。
ハイネ=ヒルコは赤ん坊のような姿になり、両目を失っていました。
シデに切り裂かれたヒルコの悲鳴とともに岩壁が大きく開かれ、シデはその先の闇へと消えていきます。
吸い込まれそうになる慎平を引き止めた「潮」は、向こうに行けば人間は戻ってこられないので、「影」である自分に任せるよう言いました。
しかし、慎平は「好きなやつと一緒にいたい」と「潮」に告白し、二人で固く手を取り合って突き進むのでした。
目を覚ますと、慎平は一人になっていました。
そこはハイネが帰ろうとしていた故郷であり、時間が流れていない空間でした。
きつく手を繋いでいたはずの「潮」の姿はありませんが、彼女のプリントした武器が消滅していないため、同じ世界に来ていることは間違いないようです。
慎平の中にいる竜之介は、身体の制御を「影」である自分に明け渡すよう提案し、慎平の負担を減らそうとします。
しばらくすると歌が聞こえてきて、そこにはひづるの記憶で見たハイネの手毬が転がっていました。
手毬を追って町に入ると、山中で見た風景と同じく日都ヶ島によく似ています。
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ふと気付けば周囲には「影」のような人型がたくさん歩いていましたが、攻撃してくる気配はありません。
ひとりでに転がっていく手毬を追いかければ、その先に「潮」の姿がありました。
本来のハイネ
地面にへたり込んだ「潮」は苦しそうに息を切らし、頭痛を訴えていました。
手毬は「潮」の影に到達すると、ハイネの姿を現します。
「潮」とハイネが混濁していく様子を見た竜之介は、ひづると「潮」との約束を思い出していました。
「潮」の自我が消滅し、ハイネに乗っ取られるようなことになれば、ひづるが「潮」を殺す……もしその時ひづるが生きていなければ、代わりに竜之介が遂行する、と。
竜之介は約束の通り、「潮」に銃口を向けます。
すると、慎平がそれを止め、「潮」が口を開きました。
ここにいるハイネは竜之介を殺したハイネではなく、ひづるの友人だったハイネだと言います。
竜之介が殺された時、人間の女の子である本来のハイネと、今まで慎平たちが戦ってきたヒルコに分裂。
ヒルコから千切れ出たのがひづるの友人だったハイネであり、「潮」でもありました。
この話を受け入れた慎平と竜之介は、「潮」の身体から出てきたハイネと対話することになります。
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常夜
「ここは常夜。 わしらの住む現世よりも、上にある世界じゃ」
ハイネに促されて「観測者の目」を凝らした慎平と「潮」は、竜之介の姿を見て驚きます。
常に2秒先を見ていた彼が、ズレることなく自分たちと同じ時を生きていたからです。
時間の前後のない世界――つまり、ループもできなければ、2秒先の未来もない世界。
常夜に慎平たちを連れ込んだシデの狙いはそこにありました。
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ハイネが語るシデの目的とは、現世すべての時間も空間も思いのままにすることでした。
例えば、三次元の人間が二次元のマンガ本を簡単にひっくり返したり、燃やしたりできるということです。
シデは世界を殺し、すべてを終わらせようとしていました。
その時、サイレンが鳴り響き、空にはたくさんの戦闘機が現れます。
「潮」は髪の刃でドーム状の盾を作り出し、降ってくる爆弾から自分たちの身を守りました。
声が聞こえてきたほうを見れば、上空の航空機にシデが立っています。
ハイネは、この空襲はシデとともにあるヒルコの中の記憶だと言いました。
空っぽの中身
常夜はヒルコの記憶と繋がっていて、この空襲の記憶はヒルコにとって思い出したくないもののはずでした。
つまり、シデが無理矢理に思い出させているのです。
ハイネの言葉を聞いて慎平が考えたシデを倒す方法は、まずハッキングで鎧を消し、次に中身を殺すことでした。
数秒が命取りになる作戦ですが、ハイネの力を借りた「潮」は迷わず突撃していきます。
「刺し違えてもお前を殺す!」
そう叫んだ「潮」でしたが、予想に反してシデの中身が空っぽだったことに気が付きます。
このままでは相打ちにもならず、ハッキングも返されてしまうため、「潮」はシデとヒルコから空襲の記憶を消すことを優先させました。
「潮」の狙い通り、空襲の記憶が消えたことで戦闘機も消えましたが、シデの本体は現世にいると判明します。
鎧をすべて消すことができれば勝算はあるのですが、唯一立ち向かう力を持つ「潮」が気を失ってしまいました。
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アニメ『サマータイムレンダ』第23話まとめ
いかがだったでしょうか。
あと一歩のところまでシデを追い詰めた「潮」でしたが、気を失った様子で落下してきます。
慎平は、竜之介は、ハイネは、一体どうするのでしょうか。
残すところ、あと2話!
次回、第24話も楽しみです。