「少年ジャンプ+」で累計閲覧数1億3千万回を突破した田中靖規原作の人気作品『サマータイムレンダ』。
ひづるの死に絶望する慎平の前に現れた菱形青銅。
青銅との会話の中で、慎平はシデに関する新たな手掛かりを得ます。
シデは、自らの死体を保管し、肉体のスペアにしていた可能性がありました。
さらに慎平は、日都ヶ島夏祭り当日――7月24日、まだ何も知らない潮が帰ってくることを思い出します。
潮復活の兆しが見えてきたものの、ハイネと雁切もまた潮をとらえようとしており……。
早速、アニメ『サマータイムレンダ』第21話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第20話のあらすじと振り返り
ひづるは雁切との戦いの中、できればハイネには見せたくなかった奥の手を使うことにします。
それは空っぽのシデの泥鎧の中へ竜之介のデータを送り込み、その素材を利用して竜之介の身体を生み出すことでした。
この考えは上手くいきますが、代わりにひづる自身は血を流して倒れてしまい、ロズとギルを連れて現れた朱鷺子がその身体を支えます。
一方、慎平と「澪」がアランの畑へ向かうと、もう一人の雁切――紙垂彦に一歩遅かったと告げられます。
「澪」は迷わず紙垂彦を刺殺しますが、同時に澪が亡くなった気配を感じ取りました。
新たな「影」の気配を感じ、それを頼りに移動した先では、血を流して倒れる朱鷺子の姿が。
「澪」の気配を追ってここまで来たという朱鷺子は、ひづるたちのもとへ向かうよう慎平に懇願すると、息絶えてしまいます。
「澪」の力によって朱鷺子の記憶を見た慎平は、虎島へ向かわずにループすることを選びました。
9週目スタートから28分後――10時39分。
アランの畑へ向かう澪と窓を引き止めることに成功した慎平と「澪」は、今度こそ虎島へ向かいます。
到着したのは、ちょうどシデの攻撃によってロズが爆散するところでした。
ギルに乗った朱鷺子、根津、凸村の前に着地した慎平と「澪」は、前回の戦いの顛末を知っているため、朱鷺子に手出し無用だと告げます。
その矢先、目に入ってきたのは、胸部に刃が突き刺さった状態でシデの足元に倒れている、ひづるの姿でした。
根津は慎平がループしてきたことを知り、ハイネに自分たちの手が読まれていたと気付きます。
そして、現場の状況を鑑みて、今の自分たちの戦力では太刀打ちできないと判断し、慎平にここは退くよう指示しました。
しかし、息も絶える寸前のひづるを放っておけない慎平は、根津の進言を聞き入れようとしません。
そうこうしているうちに、慎平から謎の光を感じたハイネは、多勢に無勢だと言ってシデとともに退散しました。
慎平は一目散にひづるへ駆け寄ると、彼女の制止の言葉も聞かず、デリンジャーを自身のこめかみに突き付けて引き金を引こうとしますが、「澪」がそのループをやめさせます。
「澪」と同じく慎平のループ回数が残り少なくなっていることを考慮していたひづるは、自分の命は手遅れだと悟っていました。
そして、黒幕はシデであり、利用されているハイネを解放してあげてほしいと慎平たちに伝えます。
「どれだけ長く生きたかじゃない。 いかに命を使い切ったかだ」
そう言って、竜之介を慎平に託すと、ひづるは息を引き取りました。
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第21話あらすじ・感想
ひづるの死後
――7月23日16時過ぎ。
ひづるの死に絶望する慎平は、雨が降る海岸で一人佇んでいました。
そこへ現れた青銅との会話の中で、シデに関する新たな手掛かりを得ます。
シデは、自らの死体を保管し、肉体のスペアにしていた可能性がありました。
それならば、シデが二人存在する理由にもなります。
やがてハッとした様子の慎平が「耳を塞いでください」と言うと、直後に雷鳴が轟きました。
青銅は目の前の海へ雷が落ちることを言い当てた慎平に驚きの声を上げますが、慎平は柔らかく微笑むだけでした。
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一方、根津は自責の念に駆られる窓を宥めていました。
窓はひづるの死を受けて、何でも一人で抱えてしまう慎平の力になりたいと思っているのにもかかわらず、上手くいかないもどかしさに涙を流します。
その頃、未だ海岸にいた慎平のもとに「澪」がやって来ます。
「澪」は慎平の服のポケットに入っていた潮の形見である貝殻を見て、そこに「潮」のデータが残っていることに気が付きました。
二度もハイネを退けた光……それは意識だけを残した「潮」の力によるもので、「影」だけが感じ取ることができるようです。
さらに、データ自体は本人以外の「影」ではスキャンできないようになっていました。
そこで慎平は、翌24日の花火が上がる頃に、まだ何も知らない最初の「潮」が海岸に現れることを思い出します。
告白
――7月23日21時過ぎ。
潮の仏壇に話し掛けている窓のもとに、慎平を探していた澪がやって来ます。
窓は改めて澪に告白しようとしましたが、澪は「澪」のフリをしてまで、その言葉を遮ろうとしました。
ところが、窓にその嘘が通用することはなく、再び告白され、きちんと断るのでした。
窓から慎平が屋上にいると聞いた澪は、今度は自分が告白しに行きます。
初めて慎平に「好き」と伝えた澪と同じく、頬を赤らめる慎平。
しかし、慎平は潮のことが好きで、澪のことは妹だと思っていると真摯に告げました。
振られてしまった澪は、慎平の前では気丈に振る舞ったものの、部屋に戻ると朱鷺子に抱きつき、涙を流します。
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一方その頃、車椅子に乗った千登勢は、ガソリンを撒いた通路で、マッチを手に佇んでいました。
新たな作戦
シデに「並行世界を観測する力」があると言われた慎平は、自分の死によって世界がいくつも生まれることを理解していました。
そして、その中の一つに意識だけが移動することでループが完成するという構造を仲間たちに説明していきます。
「潮」が実体を伴って慎平のループについてきたのは3週目以降であるため、最初からいた「潮」と、ループする「潮」――その二人が存在するはずなのです。
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潮の形見の貝殻は、今はまだ海中を漂っているはずの最初の「潮」に反応して、震えるように動きを見せます。
慎平はこれを頼りに海中を漂う「潮」を見つけ出し、貝殻のデータをスキャンさせ、これまでの記憶を持った「潮」を復活させようと考えていました。
――7月24日。
日都神社の境内には人が集まり、神輿が出発しようとしていました。
その場を取り仕切る雁切のもとに、「慎平」の姿をしたハイネが現れます。
ハイネは慎平につけた手形でわかるはずの位置が読めなくなったことを受け、信号を無視して行動する野良の「影」はいないかと問いました。
慎平たちに「潮」の場所がわかる何かがあるならば、先回りして「潮」を始末しないといけません。
こうして黒い泥を身に纏ったシデは、野良の「影」たちと海中に潜りました。
「潮」復活
野良の「影」たちとともに海中で「潮」を探すシデ。
ハイネのアドバイス通り、野良の群れから離れていく「影」がいました。
境内で祝詞を述べる雁切は、その瞬間「見つけた」と小さく呟きます。
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野良の「影」――ギルの中に潜んでいた慎平は、シデに追われていることに気付きますが、同時に「潮」の姿も見つけていました。
一方、海を漂う「潮」は、慎平が島を出て行くときの記憶を見ていました。
本当は行ってほしくなかったのに、見送りもしなかった自分を悔いるようにして彼の背中を思い浮かべていると、声が聞こえてきます。
それが慎平の声だと気付いた途端に意識を取り戻すと、目の前に現れたギルに抱き留められ、海上へ飛び出しました。
すると、ギルの中から慎平が出てきて、「潮」を抱きしめます。
貝殻をスキャンした「潮」はこれまでのことを思い出し、完全復活を遂げるのでした。
アニメ『サマータイムレンダ』第21話まとめ
いかがだったでしょうか。
「潮」が戻ってきたのも束の間、次週はバトルシーンから始まりそうな予感。
物語は最終局面へ突入していきます。
また、第21話のサブタイトル「網代慎平の一番長い日」は、映画『日本のいちばん長い日』のパロディかな、と思いましたが、何か関係あるのでしょうか。
次回、第22話も楽しみです。