「少年ジャンプ+」で累計閲覧数1億3千万回を突破した田中靖規原作の人気作品『サマータイムレンダ』。
シデ率いる「影」たちの総攻撃に耐え、無事生存できた慎平たち。
そんな中、澪は自身の「影」を仲間にすることを提案。
「潮」の力により、澪の「影」を引き入れることに成功します。
澪の「影」や朱鷺子の話を手掛かりに、菱形医院に向かう一行。
しかし、家の中は空っぽ状態で、あらゆるものがなくなっていました。
医院内のヒルコ洞へ続く参道へ進むと、窓の両親の姿があり……。
早速、アニメ『サマータイムレンダ』第16話をレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第15話のあらすじと振り返り
――7月22日(7週目)。
予期せぬタイミングでループした慎平は、再び体育館へ集合すると、前回と同様に結束を深めたのち、次のループが最後になってしまうことを明かします。
今回は特に後がないとわかっているので、予想外に狙撃されてしまった前回の反省と収穫を活かし、新たな作戦で挑むことに。
やがて、しおりの姿をしたハイネとシデ、そして「影」の軍団がやって来ます。
正面から戦う意思を見せた慎平に対し、「澪」が真っ先に攻撃を仕掛けてきますが、慎平たちの作戦は概ね順調に進んでいきます。
ハイネとシデを体育館に引き込んだ「潮」は、「影」の能力を使って彼らにガソリンを浴びせました。
そして、待ち構えていた慎平がそこに火をつけると、体育館内で爆発が起こります。
燃え盛る火の中で悲鳴を上げるハイネとシデですが、火中から飛び出したハイネは慎平のほうへ向き直りました。
慎平は銃口を向け、油断していたところに発砲しますが、傷を負いながらもハイネは向かってきます。
いつの間にか近くに来ていた「潮」がハイネを捕まえますが、その姿はしおりのもの。
彼女の涙に気を取られてしまい、長い腕を伸ばしたシデに、燃え盛る火の中へと引きずり込まれてしまいました。
一方、慎平はシデに何発も撃たれ、その場にしゃがみ込みます。
目の前ではシデが「潮」を捕らえ、慎平よりも先に「潮」が死んだ場合、記憶やループはどうなるのかと興味津々な様子です。
息も絶え絶えになりながら、「潮」の燃える様を見ているシデに、思わず慎平も叫び声を上げますが、シデの背後には今しがた燃えていたはずの「潮」がいました。
シデが燃やしてたのは、「潮」の髪の束を使ったダミーだったのです。
「潮」が攻撃したシデの腹部を中心に、少しずつ青い光が広がっていき、慎平はシデの中に人の腕が見えていることに気が付きます。
その時、ハイネも青く光りながら発狂し、体育館内は真空状態に。
一瞬の静寂のうちに炎が消え、窓が全壊したと同時に、ハイネとシデは姿を消していました。
力を使い果たして倒れた「潮」に駆け寄る慎平は、手作りの防弾チョッキを身に付けていたため、大事には至らず助かっていました。
グラウンドで一同は再集合し、作戦の一部について会話を交わします。
それは、捕らえた「澪」とハイネの繋がりを切り、仲間に引き込むということでした。
【ネタバレあり】アニメ『サマータイムレンダ』第16話あらすじ・感想
オリジナル
澪の提案で、「澪」を仲間に引き入れることにした慎平たち。
「澪」は潮の葬儀の際に、オカアサン=「しおり」=ハイネにコピーされ、夜更けに洞窟で生まれたそうです。
そして、澪の自転車に細工したことを認めると、それはハイネからの命令ではなく、自分のオリジナルを殺そうという本能だったことが判明します。
今の「澪」は、「潮」の力によってハイネとの繋がりが切れているため、オリジナルである澪を殺そうという気持ち自体がなくなっているようでした。
「影」たちの母であるハイネは、何度でも「影」=コドモを生み出すことができ、コドモは一度だけ「影」=マゴを生み出すことができるそうで、これらを”分娩”と呼んでいます。
一方で、「影」自身が別の人物や物体になることを”変身”と呼び、これはコドモでもマゴでも、何回も行うことができるようでした。
ただし、一週間以内にオリジナルを殺さなければ、「影」自身が消滅してしまいます。
青銅や朱鷺子は、弱っているハイネが大量の食餌を必要としており、そのために「影」の軍隊を集めることが目的だと思い、それぞれの利害関係のうえで協力していました。
しかし、これまでのハイネたちの行動や、「澪」の話を聞いていると、別の目的があるように思えてなりません。
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今晩22時に窓が青銅と会う約束をしていたこともあり、一行は菱形医院へ向かいます。
菱形医院へ
道中、慎平は「澪」に対し、本物の澪を守るよう頼みました。
一定の距離を保って「澪」と接する慎平に、「澪」は澪の気持ちさえ漏らそうとします。
そんな「澪」を止めるのは、澪本人。
自分の恋心をバラされそうになり、赤面します。
そこへ根津の軽トラックが迎えに来て、先に乗り込んでいた窓たちと合流。
一行は菱形医院へ到着しました。
玄関の鍵は開いていましたが、家中の家財道具がなくなっており、「影」となった証拠でもある黒いシミが残されています。
ひづるはそれらを見て、隠滅すべき何かがあることはわかっているけれど、それがどこにあるのかわからなかったのではないかと推測しました。
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すると、慎平の腕時計に変身している「潮」が、「影」の気配を感じたことを知らせます。
慎平、ひづる、窓、朱鷺子は、エレベーターホールで争った形跡を見つけて下の階へ向かいますが、窓たちの母・千登勢の車椅子がエレベーターの扉に挟まっているだけでした。
霊安室のほうへ「影」が向かった気配はあったものの、慎平たちが部屋に入ると、そこには何もありません。
しかし、朱鷺子が隠し扉の存在を知っていたため、一行は先へと進むことに。
隠し部屋にあるはずの潮の遺体はなくなっており、「潮」のオリジナルを取り戻すという作戦の一つは諦めるざるを得なくなってしまいました。
朱鷺子の案内もあり、ヒルコ洞へ続く通路へと歩みを進めた一行は、そこで驚くべき場面に出くわします。
青銅の首を絞める千登勢の姿があったのです。
隠し事
「潮」の力で千登勢の「影」とハイネの繋がりを切り、一命を取り留めたかのように思えた青銅でしたが、すでに息はなく、朱鷺子が応急処置を始めます。
憤りを露わにしながらも朱鷺子と交替した窓は、心臓マッサージを施しながら青銅に呼び掛け続けました。
すると、青銅が息を吹き返し、窓は銃口を向けます。
青銅はそれに怯むことなく、朱鷺子に窓たちを殺すよう指示しますが、朱鷺子はそれを拒否しました。
その瞬間、青銅は窓の拳銃を奪い、朱鷺子に向かって発砲します。
続いて青銅は「潮」に銃口を向けましたが、血を流して倒れたはずの朱鷺子によって阻止されました。
朱鷺子の中身は最初から「澪」だったのです。
その頃、根津、凸村とともに軽トラで待機していた本物の朱鷺子は、もう隠し事はなしにするから、と澪に宣言するのでした。
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シデの正体
朱鷺子を撃った青銅に激怒する窓ですが、青銅は「殺せ」としか言わず何も話す気はないようでした。
そこで窓は「澪」に青銅をコピーするよう頼みましたが、「澪」はコピーすることができず、青銅には「影」の免疫があると発覚しました。
コピーして中身を覗けないとなると、どうにかして知っていることを話してもらうしかありませんが、そこで青銅は驚いたように口を開きます。
青銅は自分の「影」が作られ、その「影」が殺されている……つまり、自分の「影」が二度と生成されないという事実を知りませんでした。
そして、そのことに絶望しています。
すると、菱形医院の看護師であり、青銅の部下である根来が潮の遺体を抱えて現れ、シデからの伝言を告げました。
シデに裏切られたことを悟った青銅は、本物の朱鷺子を呼んでくれと頼み、沈黙を破ります。
青銅と目を覚ました「千登勢」に、「潮」の力で記憶を共有すると、「千登勢」は自分が「影」だったことを知らず、そういう風に作られていたことが判明。
さらに、ハイネは「影」にしか辿り着けない自分の故郷へ、自分と自分が選んだ家族だけで帰ろうとしていることがわかりました。
青銅は、そこへ「影」となった自分、千登勢、朱鷺子で同伴し、「影」として永遠に生きていこうと考え、ハイネたちに協力していたのです。
話を聞いた千登勢の説得もあり、事情を明かすことにした青銅は、朱鷺子に隠させていた菱形医院の裏カルテを慎平に渡しました。
そこには慎平の両親の名前もあり、彼らはヒルコ洞を発見して発表しようとしたため、事故に見せかけて殺されたことが明らかになります。
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そして、青銅の知るシデの正体とは、青銅の先祖で、菱形医院の創始者である菱形紙垂彦でした。
アニメ『サマータイムレンダ』第16話まとめ
いかがだったでしょうか。
ついに青銅の行動が明らかになり、ハイネたちの目的が判明しました。
シデの正体も明かされましたが、ただ菱形医院の創設者、青銅の祖先……というだけでは、この現代に力を持って存在している理由にはならないように思えます。
シデの本当の姿が気になるところです。
次回第17話も楽しみですね。