『サマーフィーリング』あらすじ・ネタバレ感想!ベルリン、パリ、ニューヨーク3都市の夏が美しく紡ぐ物語

映画『サマーフィーリング』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:『サマーフィーリング』公式ページ

『サマーフィーリング』はフランスの新鋭ミカエル・アースによる2作目の長編監督作品。

ベルリン、パリ、ニューヨークの3都市を舞台に、愛する人を失った悲しみと少しずつ悲しみを乗り越えていく心の機微を丁寧に描いたヒューマンドラマです。

ポイント
  • 圧巻の美しさの中に喪失感が漂う素晴らしい映像美
  • 悲しい夏を優しく彩るハイセンスな楽曲群

それではさっそくレビューしたいと思います。

『サマーフィーリング』作品情報

映画『サマーフィーリング』作品情報

出典:映画.com

作品名 サマーフィーリング
公開日 2019年7月6日
上映時間 106分
監督 ミカエル・アース
脚本 ミカエル・アース
マリエット・デセール
出演者 アンデルシュ・ダニエルセン・リー
ジュディット・シュムラ
音楽 タヒチ・ボーイ

『サマーフィーリング』あらすじ


夏のベルリン。

サシャは恋人のロレンス(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)をベッドに残し、仕事場のアトリエへ向かう。

彼女は淡々と仕事をこなし、同僚と会話を交わしてアトリエを出た後に突然倒れ、そのまま亡くなってしまう。

ロレンスも、フランスから急きょやって来た彼女の両親や妹のゾエ(ジュディット・シュムラ)もぼうぜんとする。
出典:シネマトゥデイ

『サマーフィーリング』みどころ

映画『サマーフィーリング』みどころ

『アマンダと僕』などのミカエル・アース監督がメガホンを取ったヒューマンドラマ。

ベルリン、パリ、ニューヨークを舞台に、愛する人を失った人々が再生する過程が描かれる。

『パーソナル・ショッパー』などのアンデルシュ・ダニエルセン・リー、『女の一生』などのジュディット・シュムラらが出演。

撮影は、16ミリフィルムで行われた。
出典:シネマトゥデイ

『サマーフィーリング』を視聴できる動画配信サービス

『サマーフィーリング』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

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注意点
  • 動画の配信情報は2019年7月25日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

ご覧のとおり、2019年7月25日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。

動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。

【ネタバレ】『サマーフィーリング』感想レビュー

喪失感が漂う美しい情景

本作『サマーフィーリング』は、ある夏の日に急逝したサシャという女性の恋人であるロレンス(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)と、サシャの妹のゾエ(ジュディット・シュムラ)を中心として、突然愛する人を失った悲しみとともに生きる日々を描いた作品です。

サシャが亡くなった年のベルリン、1年後のパリ、また1年後のニューヨークと舞台を移しながら3年間毎年の夏が切り取られ、美しく紡がれていきます。

何といっても各都市のもっとも美しい情景を抽出したような映像に、ため息がでるほどうっとりしました。

映画の時代設定は現代ですが、映像はあえて荒っぽくざらついた90年代風に処理されていて、ノスタルジックで感傷的な気持ちが加速していきます。

圧巻の美しさですが、ボヤけた映像からはどこか浮世離れしているような夢見心地な印象を受けました。

実社会と自分の心が乖離している感覚、夜の静寂、映像全体を漂う喪失感が胸を締めつけます。

物語に大きな起伏はなく、悲しみを抱えたまま静かに幕を閉じますが、3年間かけて少しずつ確実に光を取り戻してきたことが優しい余韻として残ります。

温かい光のように差し込む音楽

本作『サマーフィーリング』における大きなトピックスの1つが、卓越したセンスが光る楽曲群です。

タヒチ・ボーイによる劇伴は悲しみに寄り添い包み込むような優しい音色が心地よく、珠玉の挿入曲たちは喪失感が漂う映像に輝きをもたらします。

「ネオアコ」という音楽ジャンルをご存じですか?

「ネオアコ」は1980年代初頭のイギリスで登場した、清涼感のあるアコースティックサウンドを基調としたバンドサウンドの日本での呼称です。

ムーブメントとしては短い期間で下火となりましたが、日本でもフリッパーズ・ギターのデビューをきっかけに大きく盛り上がり、今でも根強い人気を誇る素敵な音楽たちです。

挿入曲のうち、何曲かはこの「ネオアコ」の名曲から選ばれています。

甘酸っぱく爽やかな風が吹き抜けるような音楽が、美しく喪失感漂う映像と見事にマッチして切なさが増幅されますね。

本作が悲しい物語なのに気持ちいい後味が残るのは、音楽の力によるところも大きいと感じました。

また、こちらも音楽ファンが喜ぶ小ネタですが、ミュージシャンのマック・デマルコが本人役で出演し、ライヴハウスで演奏するシーンがあります。

出演時間は短いですが、嬉しくなる演出でしたね。

『サマーフィーリング』まとめ

以上、ここまで映画『サマーフィーリング』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 悲しみを癒す3年間をノスタルジックな映像で丁寧に描く
  • 素晴らしい劇伴と挿入曲が爽やかな余韻を残す