直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和監督最新作『すばらしき世界』が2021年2月11日(木・祝)より全国ロードショーとなります。
国内外からその新作が切望される西川美和監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ本作。
生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうと悪戦苦闘する実在の男を通して「社会」と「人間」の今をえぐる問題作です。
主演に、国内外でその演技力を高く評価され続ける名優の役所広司。
人生の大半を刑務所で過ごし、社会から“置いてけぼり”を食らいながらも、まっすぐ過ぎるその性格と、そのどこか憎めない人間味で周囲の人々とつながっていく三上正夫役を情感豊かに演じています。
そのほか、共演に仲野太賀、長澤まさみ、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美らが名を連ね、名実ともに豪華なキャスト陣が西川監督のもとに集結しました。
10月25日に終了した第56回シカゴ国際映画祭インターナショナル コンペティション部門に出品されている本作。
主演の役所広司が、最優秀演技賞にあたる〈ベストパフォーマンス賞〉を受賞するという快挙を成し遂げたばかりの本映画祭で、新たに観客賞を受賞、見事W受賞となりました!(10月28日(現地時間)発表済)
※本映画祭に出品されている全ての外国語映画作品の中での選出となります。
目次
『すばらしき世界』第56 回シカゴ国際映画祭「観客賞」受賞
今回の観客賞の受賞発表時には本作の“思いやり深くも鋭いストーリー”が絶賛されたことに触れ、西川監督が作り上げた役所広司演じる三上という人物が13年ぶりに出所し、久々の社会に悪戦苦闘し、挫折を味わいながらも懸命に生きようとする姿と丹念に練り上げられた脚本が海を越えた人々にも広く受け入れられ、大絶賛されました。
この度、この朗報を受けた西川美和監督の観客賞受賞の喜びのコメントが到着いたしました!
『ディア・ドクター』『夢売るふたり』『永い言い訳』最も優れた演技を披露した役者に贈られる最優秀演技賞〈役所広司〉と、最も称賛を浴びた作品に贈られる観客賞とのW受賞を果たした本作、これまでも国内外から熱視線を浴び続けていますが、この受賞をきっかけに一層の盛り上がりが期待できます。
引き続き『すばらしき世界』にご注目ください!
第56回シカゴ国際映画祭【観客賞】受賞作品一覧
- 『ノマドランド』(Audience Choice Award for the Best English-Language Feature)
- 『すばらしき世界』(Audience Award Best International Feature)
- 『The Road Up.』(Audience Award Best Documentary)
- 『To: Gerard』(Audience Award Best Short Film)
観客賞発表時の映画祭コメント
是枝裕和と師弟関係にある西川美和の「すばらしき世界」が、観客賞を受賞した。
彼女の思いやり深くも鋭いストーリーは、ある元犯罪者が再び社会でやり直そうとする困難を描いている。
幼年時代から児童養護施設、少年院、刑務所を出たり入ったりした後元ヤクザの三上が13年間の刑務所生活から解放された後、何が彼を待ち構えているのか?
予期せぬところで友人や仲間に支えられながら、三上は新たな仕事と自分らしさの両方を手にするべく奮闘しながら社会生活に適応しなければならないのだ。
Hirokazu Kore-eda protégée Miwa Nishikawa takes home the Best International Feature Audience Choice Award with Under the Open Sky (Subarashiki Sekai), her compassionate yet pointed tale chronicling an ex-con’s roughre-entry into civil society.
In and out of institutions—from orphanages to juvenile homes and penitentiaries—since childhood, former Yakuza Mikami is released from his most recent 13-year stint in prison.
But what comes next?
Bolstered by friends and allies in unexpected places, Mikami must adapt to life on the outside as he struggles tosecure both employment and a new sense of self.
西川美和監督の受賞コメントは以下の通りです。
西川美和監督 コメント
とても驚いています。
初めて海外の映画祭で賞をいただきました。
しかも観客賞。
嬉しいですねえ。
11年前にシカゴ映画祭でもらったマグカップを卓上で使い続けてきたご利益がありました。
今年はシカゴ市内の劇場での上映はなく、代わりに全米に住む人が自宅でオンライン鑑賞することができたと聞いています。
コロナや貧困や分断や自然災害など、さまざまに混乱するアメリカに住む人々が、社会の片隅で生きる人間の小さな「やり直し」の物語に、何かを感じて票を入れてくれたのだと思うと、感慨深いものがあります。
全ての俳優とスタッフとたくさんの取材協力者に、心からの感謝をしています。
『すばらしき世界』作品情報
出演:役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美、梶芽衣子、橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:subarashikisekai-movie.jp
あらすじ
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所広司)は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎて困っている人を放っておけない男。
しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった。
一度社会のレールを外れるも何とか再生しようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさみ)がすり寄りネタにしようと目論むが…。
三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく――。
『すばらしき世界』は2021年2月11日(木・祝)より全国ロードショー
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