直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和監督最新作『すばらしき世界』が2月11日(木)より全国ロードショーとなります。
西川美和監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑みました。
生きづらい社会の中で、1度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男と、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して「社会」と「人間」の「今」をえぐる問題作です。
主演は監督にとって長年憧れの存在でもあった当代随一の名優、役所広司。
その他共演に橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美ら名実共に豪華キャストが名を連ねます。
このたび、ガラリと変わった表情を見せる役所広司の新ビジュアル2種が解禁されました。
『すばらしき世界』新ビジュアル2種解禁
人生の大半を刑務所で過ごした男、三上正夫(役所広司)の新たな表情が確認できる2つの新ビジュアルが解禁となりました。
本作のポスタービジュアルでは前科者の三上が社会復帰に奮闘しもがく様子から現代社会の不寛容や、社会の生きづらさの一遍を表す“絶望とも希望とも取れる”複雑な表情でこちらを見つめる姿が印象的です。
一方で今回解禁された2種の新ビジュアルで見せる三上の表情は、これまでとは異なる表情をした三上を捉えており、本作の重厚なドラマの部分に焦点を当てたビジュアルとなっています。
三上は、見た目は強面でカッと頭に血がのぼりやすい性格だが真っすぐなくらい優しく、持ち前の人懐っこさと愛嬌で三上を密着するテレビディレクター津乃田(仲野太賀)やスーパーの店長(六角精児)とあっという間に心を通わせていきます。
この市井の人々の出会いによって三上も周りの人々も影響され、だんだんと変わっていくー。
社会に出た三上が何を感じ、何を見たのか。
タイトルの「すばらしき世界」とは、何を指しているのか?
新ビジュアル①は、大きな空を見上げながら穏やかな笑顔を見せる三上の柔和な表情を切り取っています。
新ビジュアル②でもまた、津乃田と子供たちと一緒に楽しそうにサッカーをしている三上の爛漫な姿が捉えられています。
あたたかい夕日に包まれ子供たちと戯れる様子は、まさに【この世界は 生きづらく あたたかい】のキャッチコピーの“あたたかさ”の部分を象徴するビジュアルとなっています。
1月21日(木)に開催された本作のプレミアイベント上映に登壇した役所広司は「この映画を観ていただくと、心のどこかでホッと晴れ晴れするような気持ちになるはず。気に入っていただけたら色々な方々に勧めてほしい」と語り、それに続き仲野太賀は「人間にはまだまだ善意はあるし、手を差し伸べることができる。今は不寛容な社会になってしまっていますが、自分たちの出来る限りの善意を感じてもらいたい」、長澤まさみは「この映画は観た人みんなに寄り添うあたたかさがあります」と、こんな時代だからこそこの映画を観てほしいという思いを観客に伝えました。
人と人とがつながり信頼関係を結ぶ。今までは当たり前のように出来ていた事ができにくくなってしまった現在―。
本作は社会と“人間の今をえぐる問題作”という側面と、人と人とが関わりあうことの愛おしさ、それによって明日への希望が感じられる作品。
社会のルールにとまどい、世間から冷たい目で見られながらも、懸命に人生をやり直そうとする三上に胸が熱くなるとともに、観客それぞれの胸に突きつけてくるような、ドラマ部分にもぜひ注目してください。
『すばらしき世界』作品情報
出演:役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美、梶芽衣子、橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:subarashikisekai-movie.jp
あらすじ
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所広司)は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎて困っている人を放っておけない男。
しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった。
一度社会のレールを外れるも何とか再生しようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさみ)がすり寄りネタにしようと目論むが…。
三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく――。
『すばらしき世界』は2021年2月11日(木・祝)より全国ロードショー
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