【スチール哲平インタビュー】『シロクロ』の撮影裏話、俳優になるきっかけは千原せいじ?

スチール哲平インタビュー

(C)ミルトモ

2020年1月期、日曜よる10時30分から放送中のドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』にレギュラー出演中のスチール哲平さん。

囲碁カフェの常連客という役柄ながらも、独特のファッションと個性で思わず目が行ってしまいます。

今回は、そんなスチール哲平さんの単独インタビューとして、ドラマ『シロクロ』囲碁カフェシーンの撮影雰囲気や、共演キャストのお話に加えて、芸能界のデビューは芸人であることや、アフリカを中心に世界30カ国以上を回った経験の裏側などたっぷり語っていただきました。

スチール哲平インタビュー【ドラマ『シロクロ』レギュラー出演】

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スチール哲平さんが俳優として活動するまでのエピソード

−−今回はスチール哲平さんの俳優としての活動や、それまでの略歴、お人柄についてどんどんお伺いさせていただきます!

スチール哲平「いやぁ〜、本当ありがたいです。これドッキリじゃないですよね?(笑)」

−−あははっ。我々もドッキリをかけるような手腕はありませんので(笑)

スチール哲平「あははは!今日はよろしくお願いいたします。」

−−それではさっそくなのですが、スチール哲平さんがもともと芸能界に入られるきっかけはNSCに入り、芸人として最初はデビューされてらっしゃるんですよね?

スチール哲平「はい。NSC東京の10期生として入学したんですけど、吉本のデビューは華々しい人とふわっとしている人の二極化がはっきりしているんですよ。僕はもうふわっと組だったので(笑)NSCを卒業しちゃえばプロフィールはあります、っていう状態だったんです。」

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身振り手振りで語ってくれています。(C)ミルトモ

−−では、芸人としてのプロフィールはあるけれども、活動はそんなにされてないと。

スチール哲平「そうなんです。養成所の段階ですごく売れている同期がオリエンタルラジオとか。」

−−あっ、同期なんですか!

スチール哲平「同期なんですよ。僕、その時は高校卒業して18歳で入ってるんですけど、オリエンタルラジオとかは大学卒業してから入ってるので同期でもみんな結構年上の方たちで失敗したな〜って(笑)」

−−それでNSCを卒業後に世界を回られたわけですか?

スチール哲平「いえ、その前に新潟に1年間住んでいました。一応、吉本の仕事として行ったんですけど、ただホテルで暮らして、ホテルの人と“いらっしゃいませー!”ってしているだけで特に吉本っぽい“住んでみました芸人”のような仕事はなかったんですよ。そこで東京に戻らないとまずいなと思って、東京に戻ったら千原せいじさんに出会ったんです。」

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俳優になる転機は芸人・千原せいじとの出会い

−−「千原兄弟」の千原せいじさんですね。どういった経緯で会われたんですか?

スチール哲平「クリスマスの日に、先輩から千原せいじさん主催のクリスマスパーティーがあると誘われて、“人数が少ないと盛り上がらないから”ということで僕も行かせてもらったのがきっかけです。最初は怖い人なんだろうなぁと思ってたんですけど、せいじさんが参加者全員にプレゼントを用意してたんですよ。」

−−めっちゃいい人じゃないですか!

スチール哲平「“めっちゃいい人!”って思って、そこから仲良くさせていただくうちに、せいじさんが“アフリカに行く”ってなって…」

−−あー、よくロケで行かれてますよね!

スチール哲平「そうです!そのロケにご一緒していたんですよ。」

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−−なるほど!それが、アフリカを中心に世界30カ国以上を回ったという全貌なんですね!

スチール哲平「そうなんですよ。ただ、せいじさんは仕事として行かれていますけど、僕はアシスタントみたいな形でついて行くだけだったので、このままじゃダメだなと思い、せいじさんがやってる居酒屋さんでバイトをしました。そしたら一緒に働いていた先輩に“演劇をやるんだけどやってみない?”って誘っていただいたんです。その時はヒマでしたし、基本的になんでもやってみるタイプなのですぐに“はい!”って返事しました。」

−−それが演技の面白さを知ったきっかけだったということですね。

スチール哲平「舎弟みたいな役でセリフも「はい」と「へい」しか無かったんですけど(笑)ただ、それでお客さんが「すごく良かったです」って喜んでくれて。今までは芸人としてどうすれば笑ってもらえるかを考えてたのに、「はい」と「へい」だけで喜んでもらえるこの世界に衝撃を受けました。それで面白いなー!って感じて真剣に役者を目指し始めました。」

−−現在所属されているフリップアップに入られるきっかけはご自身からですか?

スチール哲平「せいじさんが出演している番組について行ってたときに紹介いただいたプロデューサーさんがドラマ班の方で、その方にフリップアップのマネージャーさんを紹介してもらったのがきっかけですね。」

−−もうストーリーが全てがつながってるんですね!千原せいじさんとの出会いから。

スチール哲平「千原せいじさんとの出会いがひとつのターニングポイントですね。すごく助けてくださる方で、感謝しています。」

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当時の思い出を感慨深げに話しているスチール哲平さん (C)ミルトモ

−−あと、スチール哲平さんにはちょっと変わった特技があると拝見したのですが。

スチール哲平「特技かは分からないですけど、懐に入って来られやすいんですよね。エチオピアのアファール族という民族を訪ねに行ったときに、現地の子供たちが“鬼ごっこしよう”と言って勝手に鬼にさせられたんです。で、なぜか棒で突っつかれたりして、アファール族は戦闘民族なので子供でも強いんですよね。他の方に見向きもせず、僕だけ集中狙いされるのでたぶん“やっていいんだ”っていう空気感が出ているんだと思います。」

−−あぁ、でも今こうしてお話させていただいて、なんとなくそれは分かります(笑)話しかけやすいんだと思います。

スチール哲平「自分では分からないんですけどねぇ…。スキが多いんでしょうね(笑)」

−−ちなみに、スチール哲平という芸名の由来は何でしょうか?

スチール哲平「本名はミサカ テッペイっていうんですけど、自分の本名に違和感しかなくて何か良い名前ないかなって考えたときに、子供の頃に科学の実験でスチールウールが出てきたときに“僕がスチールウールに似てる”とクラスがざわついたのを思い出しまして。ということは、スチールって名乗ると何かリンクしてもらえるんじゃないかと考えたんです。」

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エピソードが独特です (C)ミルトモ

−−芸名の由来はまさかのスチールウールでしたか(笑)

スチール哲平「はい、最初はもうストレートに“スチールウール”っていう芸名でした(笑)そうすると、自分で“スチールウールです”っていうのも恥ずかしくて…スチール哲平にしよう、と。役者に転向した後も、事務所はどちらでもいいということでスチール哲平のままでやらせてもらってます。」

出演した中で印象的なのは朝ドラ『まんぷく』の現場

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−−現在のフリップアップに入られて、俳優としての活動を本格的にスタートされていますが、ここまで朝ドラ『まんぷく』や『カンナさーん!』『コードネームミラージュ』『家売るオンナの逆襲』など、スポット出演とはいえ色々なヒット作にご出演されていらっしゃいます。今までで印象に残っている作品・現場はございますか?

スチール哲平「どの現場もとても素晴らしかったんですけど、朝ドラ『まんぷく』の撮影は準備期間から数えると半年くらい携わったので印象に残っていますね。そのうち3ヶ月くらいは大阪のホテルにみんなで生活しているという形で、人気の俳優さんもいらっしゃいましたが、僕と同じような俳優もたくさんいて、その人たちと“これからの俳優としての夢”を語り合ったのは刺激になりました。」

−−共有する時間が長いというのは、朝ドラならではですね。

スチール哲平「そうですね。ただ、東京の撮影ならそのまま帰宅ってなるんですけど、大阪のホテル住まいで食事もNHKの食堂で食べてたので本当にみんなで過ごす時間が長かったんです。これは本当に良い経験でした。」

−−あの、『まんぷく』に出てくるラーメンは食べれないんですね?

スチール哲平「いえ、食べれます食べれます!テストのときに食べちゃって怒られました。知らなくて(笑)」

レギュラー出演中の『シロクロ』撮影現場やちょっとした裏話

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−−それではここから現在レギュラー出演中のドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』についてお伺いいたします。率直に、初めて本作のオファーとともに脚本をご覧になったときの感想はいかがでしたか?

スチール哲平「率直に令和のドラマだなと思いました。ただただ主役の2人が事件を解決するバディものではなく、メンタリストと催眠にかかるという関係性が新しいですし、設定も含めてチャレンジしている作品だなと感じましたね。」

−−『シロクロ』は原作のないオリジナルドラマで、(本取材をした1月24日現在)リアルタイムでは第2話まで放送されています。スチール哲平さん、およびご出演者のみなさんは結末を分からない状態で演じてらっしゃるんですよね?

スチール哲平「そうですね。ただ、主演の清野菜名さんと横浜流星さんには“こういう感じになっていくよ”という共有はある程度されていると思います。僕たちの脚本では、もう本当に先のことは全然わからないです。」

−−原作のないオリジナルドラマの魅力のひとつはオチもネタバレも誰も調べられないという点だと思います。

スチール哲平「本当におっしゃる通りですね。僕らレベルと言ったら変ですけど、囲碁喫茶のシーンでさえもチェインストーリーで新たな事実を知ることがあるんです。チェインストーリーの台本を見て、“え?僕ってこういう人なの?”って初めて知るという(笑)喋っちゃって大丈夫ですかね?」

−−ぜひ!

スチール哲平「第4話終わりのチェインストーリーになるんですけど、僕は本来オタクキャラでやってるんですよ。実は4.5話のチェインストーリーではオタクではなくて、他の常連客に対抗して、少しでも目立つためにオタクキャラをやっているだけだったという設定が判明しまして(笑)」

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−−えー?でも、確かに公式のキャスト紹介には「オタク“風”の青年」ってありますね(笑)

スチール哲平「クランクインのときは一切そんなこと聞かされてなくて、オタクとしてやっていたんですけどね!僕レベルでこんな感じなので、『シロクロ』はまだまだ隠された事実がバンバン飛び出てくると思います。」

−−今のお話にもあったように、スチール哲平さんは囲碁喫茶の常連客として出演されているわけですが、セリフはあまり無いながらもあのシーンにおいて演技上で意識されていることや、要望されていることはありますか?

スチール哲平「やっぱり空気感はすごく大事にしていて、例えば囲碁喫茶の常連なのに囲碁をやったことないのは演じていて気持ち悪いですし、画面越しに伝わってしまうと思うので、囲碁を勉強させていただいたりはしています。」

−−Twitterを拝見して、囲碁勉強中とツイートされていましたよね!

スチール哲平「ありがとうございます(笑)やっぱり本当にその場を楽しんでいるということを自然に出すためには、まずは囲碁の楽しさや知ることは大切だと思っています。あっ、ちょっといいですか?碁石が小銭入れに入ってるんですけど…。」

(スチール哲平さん、ここで碁石を取り出す。)

スチール哲平「囲碁をやっている人って、碁石を指に挟みながら回して打つんですよ。このクルッとさせるのができるようになりたくて練習しました(笑)」

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碁石をかっこよく打つところを見せてくれました (C)ミルトモ

スチール哲平「ちょっとやってみてください。」

−−全然できないですね(笑)

スチール哲平「難しいですよね?これができるようになりたくて、ずっと碁石を触ってました。僕みたいな演技もまだまだな人間がどうすれば囲碁喫茶の常連として現場と一体化できるか?と考えると、体験するしかないというのが一番大きいですね。」

−−本当に素晴らしいです。

スチール哲平「ちょうど一昨日も撮影だったんですけど、そのとき監督からは「もっとウザくやってくれ」って言われました(笑)うっとうしいと思うくらいウザくやっていいからって言われたので、全面的にウザくやらせていただきました。」

−−今後の放送で、スチール哲平さんの表情やリアクションがどうウザくなってるかも見ものですね(笑)

スチール哲平「はい、第4話からですね。ウザくなってると思います(笑)」

清野菜名さんは結構いじってきます

−−今回、W主演されている清野菜名さんや升毅さん、椿鬼奴さんは囲碁喫茶のシーンで現場が一緒になることも多いですよね?雰囲気はいかがですか?

スチール哲平「めちゃくちゃ明るいです。本当にアットホームな感じで撮影しています。千葉県の商店街にセットが組まれていて、このまま営業できるんじゃない?っていうくらい囲碁喫茶としての雰囲気が出てます。」

−−そんな雰囲気は見ていても伝わってきます。共演者さんとはお話されることも多いですか?

スチール哲平「清野菜名ちゃんとかは結構いじって来られるような感じですね。本編でカットはされちゃったんですけど、第2話のセリフで「天才美少女、囲碁少女、東山楓」っていう早口言葉みたいなセリフがあって、本番前に僕が小さい声でセリフをつぶやいてたら、清野菜名ちゃんが「間に超を入れて言って」とか僕が間違えるようにイタズラっぽく突っついてくるんですよ。」

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−−イメージ通りの方ですね。人なつっこいと言いますか。

スチール哲平「すごく明るい方ですね。ポップな方だなぁって思いました。」

−−『シロクロ』のドラマでは、実際にリアルでもこんなグレーゾーンありそうだよね?ということを取り上げていますが、スチール哲平さんが清野菜名さん演じるミスパンダに解決してもらいたいグレーゾーンはございますか?

スチール哲平「すごくくだらないんですが、いつも僕が疑問に思ってることいいですか?」

−−はい。ぜひ!

スチール哲平「トイレなんですけど、小で並んでる人と大で並んでる人の列が一緒じゃないですか。あれ何でだ?って思うんですよ。大が開いたと思ったら、小の人がそこに入っちゃうってことありません?」

−−あります。

スチール哲平「あれを解決してほしいです。ムダでしょって。」

−−さすがにそれではミスパンダは出動しないかと…(笑)

スチール哲平「あははは(笑)」

−−それでは最後に『シロクロ』の今後の見どころと、今後スチール哲平さんが俳優活動でチャレンジしたいことや目標などをファンの方へ向けて、ぜひメッセージをいただけたらと思います!

スチール哲平「ありがとうございます!『シロクロ』は本当に誰がどうなっていくのか、色々な謎が絡み合ってるので一緒に考察しながら楽みましょう。僕も囲碁喫茶のシーンなので、外のシーンのことはほとんど分からないので皆さんと同じような感覚で楽しんでいます。僕はあんまりファンという感じの方はいないと思うので、適宜友だちのようなノリで接してくれたら嬉しいなと。街で見かけたら飲もうぜ!って言われるくらいがちょうどいいと思っているので、ぜひフランクに接してもらえれば幸いです。」

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−−スチール哲平さんの人柄が全面に出るメッセージですね!本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

スチール哲平「こちらこそ、ありがとうございました!」

スチール哲平プロフィール

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名前 スチール哲平
生年月日 1986年1月17日
出身地 福岡県
身長 180cm
血液型 AB型
主なドラマ出演作 『カンナさーん!』『コードネームミラージュ』『99.9 -刑事専門弁護士- シーズン2』『まんぷく』『家売るオンナの逆襲』『ストロベリーナイト・サーガ』『Iターン』『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』
主な映画出演作 『スマホを落としただけなのに』『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』
Twitter @steelteppei

終始、笑顔で対応してくださったスチール哲平さん。

とても気さくな方で、子どもたちから絡まれやすいという特技も納得のお人柄でした。

もともとNSCご出身で芸人デビューをされているだけあって非常にお話が面白く、ずっと聞いていたいエピソードが盛りだくさんでした。

さぁ、そんなスチール哲平さんが出演中のドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』

横浜流星さんの父親問題や、清野菜名さんの家庭問題もまだまだ謎だらけで注目ですが、第4話から囲碁喫茶の常連客の一人であるスチール哲平さんがどれだけウザい変化をしているのかにも、ぜひ注目して見てみましょう!

※ドラマ『シロクロ』の全キャストや各話ストーリーは以下でチェック!

→ドラマ『シロクロ』出演キャストや各話ストーリーのあらすじ!

インタビュー・構成 / 佐藤 渉
撮影 / 梁瀬 玉実