アニメ『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は、楽に視聴することも、深く考えながら視聴することもできる作品です。
当時TV放映されたのは全12話ですが、7.5話と13話が存在するため、本編だけだと話の繋がりや世界の構造に不明な点が多いです。
- 深い世界観
- 軍事ものだが戦闘シーンはほとんどない
- 音楽がテーマ
それではさっそく『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』をレビューしたいと思います。
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目次
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』作品情報
作品名 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト |
放送年 | 2010年1月〜2010年3月 |
話数 | 全12話+2話 |
原作 | Paradores |
監督 | 神戸守 |
声優 | 金元寿子 小林ゆう 喜多村英梨 悠木碧 遠藤綾 悠木碧 |
音楽 | 大島ミチル |
主題歌 | オープニング「光の旋律」 エンディング「Girls, Be Ambitious.」 |
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』声優・キャラクター紹介
空深 彼方/カナタ(声優:金元寿子)
- 本作の主人公で15歳
- ラッパ手兼通信士(見習い)兼装填手の二等兵
- 聴覚に優れ、絶対音感を持っている
- 明るく元気で素直、ちょっとドジ
和宮 梨旺/リオ(声優:小林ゆう)
- ラッパ手兼通信士の曹長、17歳
- カナタの直属の上司兼指導役で、声も態度も男っぽく、表面的にはクール
- 怪談話や料理が苦手で、偏食気味
- アイマスの千早に激似だが、胸の谷間で区別できる
墨埜谷 暮羽/クレハ(声優:喜多村英梨)
- 砲手担当の二等兵、14歳
- 黒髪ツインテール
- ツンデレ気質
寒凪 乃絵留/ノエル(声優:悠木碧)
- 整備士兼操縦士の伍長、15歳
- 無口で無表情、常に寝不足
- 感情表現が乏しいだけで、中身は優しくて素直
- ボクっ娘
フィリシア・ハイデマン(声優:遠藤綾)
- カナタが着任する「第1121小隊」の小隊長、18歳、階級は少尉
- 「あらあらまあまあ」とか言いそうなおっとりとした言動
- 金髪ロングのメガネ美人
- 裏でいろいろと画策しがち
【ネタバレ】『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』あらすじ・感想
見た目はカワイイ
コメディタッチな話が多いですし、メインは10代のカワイイ女の子5人。
キャラデザインも、同じ「A-1 Pictures」制作の『アイドルマスター THE IDOLM@STER』系。
ぱっと見は、ほのぼのした日常系です。
しかし、物語の端々に、戦争や兵器、兵隊など、物騒なものが散りばめられていますし、重いトラウマ話も出てきます。
ただ、この見た目と雰囲気なら悲劇にはならないだろう、という安心感があり、わりと安心して見ていられました。
初っ端から軍服着て貨物列車で移動しているので、ほのぼのしているのは見た目だけなのは、気づく人はすぐに気づくと思います。
第2話からは、ジブリの『風の谷のナウシカ』のような、壁画やタペストリーっぽいオープニングが入るので、分かりやすくテーマや表現したいものは伝えてくれていますね。
ちなみに、監督は現在『約束のネバーランド』で監督をされている、神戸守さんです。
断片的に見えてくる世界
可愛らしいキャラクター、生活感がある優しい街の人たち、現代的な軍隊生活、オーバーテクノロジーな兵器など、ひき付けられる要素はいくつもありますが、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の最大の特徴は、間違いなく「世界観」です。
良いファンタジーは「世界」が主役です。
- 通貨が江戸時代の古銭
- 名前は日本名が多い
- 漢字とアルファベットが混ざっている文字体系で、漢字はイデア文字というらしい
- 印鑑文化があり、そこにはイデア文字が使われている
- 甲殻機動隊に出てきそうな戦車
- 海は生物が住めなくなっている
- カナタの郷土料理には味噌汁がある
- マイスターと大公様
- 正統ローマ帝国との戦争中(作中では停戦中)
- キリスト教っぽい教会で神道的な宗教が信仰されている
暮らしや言葉の端々に滲む情報。
そこから、世界を推理していくのがとても楽しかったですね。
「お風呂ごちそうさまでした」
「おそまつさま」
ヘルベチア共和国という名前は、かつてスイスに実際に存在した国のものですが、作中ではこういった会話が日常的に交わされています。
地理的には日本なのですが、この辺の説明は第13話でされています。
推理の答え合わせである、第13話が番外編扱いになっているのは、ちょっとモヤモヤしますね。
ドラマとしてはハッピーエンドできちんと終わってはいるのですが、私の中で、この物語の本当の主役は「世界」だったので。
台詞やシーンにはきちんと意味がある
- 唐突に現れリオの持つ鈴を盗んでいったフクロウのシュロ。
- そのシュロがあっさりと砦に住み着き人に慣れている。
- あまり豊かな国ではないのに、パンの耳を残したりピーマンが食べられないリオ。
なんか違和感あるな、と思ったことには、ほとんど理由が存在していました。
それを登場人物たちに説明させないところが、視聴者を信頼している感じで好きですね。
じっくり見ないと気づけない可能性も高いのですが、繰り返し視聴に耐えられるつくりだと考えれば、いい点だと思います。
メインの4人には、しっかりとバックボーンがあるため、ところどころ台詞や仕草に現れていました。
ただ、主人公のカナタだけは、あまり情報が無く、かなりストレートで、どこか影がある他の隊員に比べてちょっと浮いています。
リオが言うには、「想いを言葉にすることを恐れない」のがカナタの資質らしいです。
まさに主人公の資質ですねえ。
漏れちゃう
重い話もありますが、基本的には、ほのぼのしたコメディの話が多いです。
コメディの中で、特にお勧めしたいのが第8話「電話番・緊急事態ヲ宣言ス」です。
待機任務中のカナタが、いろいろあってトイレを我慢しなければいけない状況に追い込まれるお話です。
カナタ役の金元寿子さんの「漏れちゃう」。
ぜひ聞いてほしいです。最高です。
アメイジング・グレイス
イギリスの牧師ジョン・ニュートン作詞による賛美歌で、いろんなアーティストにカバーされてきた曲です。
いまだカバーされ続けている曲だけあって、メロディだけでもしっかりと胸に来ますね。
カナタがラッパ手を目指すきっかけとなった曲も、言葉の通じないローマ兵と気持ちを通わせたのも、最後にローマとの戦闘を止めたのも、この「アメイジング・グレイス」です。
第12話「蒼穹ニ響ケ」
何十台もの戦車、何人もの兵士が対峙した、激突寸前の戦場に降り注ぐアメイジング・グレイス。
この曲の下で殺し合いなんてできるはずがない。
そう思わせる説得力のある曲だと思います。
オープニング・エンディング
オープニングの「光の旋律」は、どこか世界名作劇場っぽい雰囲気のいい曲だと思います。
個人的には、戸松遥さんが歌うエンディング「Girls, Be Ambitious.」が、特にお気に入りです。
ボーカルと、キャラが笑って肩を上下させるのを、シンクロさせている部分が、めっちゃ好きなので、常に映像つきで見たい曲ですね。
でも、「Girls, Be Ambitious.」っていうなら、やはり第13話は放映しないとダメだよなあ、と感じます。
第13話は、メイン5人の夢がテーマの話なので。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』まとめ
ぎりぎり間に合いました!3月22日です!今夜はソ・ラ・ノ・ヲ・ト最終話『蒼穹ニ響ケ』の放送から9周年♪
クライマックスです…。 pic.twitter.com/401wK88371— ソ・ラ・ノ・ヲ・ト情報局【非公式】 (@soranowoto_SotS) 2019年3月22日
以上、ここまで『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』について感想と解説をさせていただきました。
- 可愛いメインキャラ
- 兵士のお仕事もよくわかる
- コメディテイスト
- アメイジング・グレイス
- なるべく第13話を見てほしい
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