アニメの名作『あの日見た花の名前を僕達は知らない』『心が叫びたがってるんだ』の原作でおなじみの「超平和バスターズ」が送る新作長編アニメーションがついに公開!
メインキャラクターが織りなす恋と夢のお話に心が温まり、少し晴れやかな気分になれる作品です。
- 名作を生んだアニメスタッフが織りなすオリジナルストーリー
- 主演声優には吉沢亮、吉岡里帆
- あいみょんによる主題歌「空の青さを知る人よ」が名曲!
それではさっそく映画『空の青さを知る人よ』をネタバレありでレビューしたいと思います。
目次
『空の青さを知る人よ』作品情報
作品名 | 空の青さを知る人よ |
公開日 | 2019年10月11日 |
上映時間 | 108分 |
監督 | 長井龍雪 |
脚本 | 岡田麿里 |
原作 | 超平和バスターズ |
声優 | 吉沢亮 吉岡里帆 若山詩音 松平健 大地葉 落合福嗣 種﨑敦美 |
音楽 | 横山克 |
主題歌 | あいみょん「空の青さを知る人よ」 |
『空の青さを知る人よ』キャラクター/声優キャスト
金室 慎之介 / 声優:吉沢亮
- 相生あかねの元カレ
- 高校卒業と同時にプロのミュージシャンになるという夢を追いかけ、あかねと離れる
- ある日、町おこしのイベントのゲスト歌手のバックバンドとして帰郷しあかねと再会
- あかねとの意図しない再会に微妙な距離が生まれるが…
相生 あかね / 声優:吉岡里帆
- 無謀な夢を追う妹あかねとは真逆の性格で、現実的に役所で働く姉
- 家事に洗濯も完璧にこなし、近所の評判も良い
- 30歳になるが恋愛とは無縁で、元カレとの恋を引きずっている…?
相生 あおい / 声優:若山詩音
- 高校卒業後は東京に行きバンドで天下を取る!と一見無謀な夢を宣言する女の子
- しかしバンドメンバーはおらず、クラスの子とはバンドを組む気なし
- あおいの胸には実は隠れたある想いがあった
しんの / 声優:吉沢亮
- 13年前からやってきた、18歳の慎之介
- あかねにフラれた日からタイムスリップしてやってきた
- あおいは目の前に現れた過去の慎之介を「しんの」と呼ぶことに
- あおいと共に楽器を練習しながら会話を重ねて…
主題歌はあいみょん「空の青さを知る人よ」
今や誰もが認めるトップミュージャンのあいみょん。
そんな天才シンガーソングライターのあいみょんが、本作『空の青さを知る人よ』のために書き下ろした一曲です。
すでにミュージックビデオは2019年10月30日現在で770万回再生を超えており、話題沸騰です!
『空の青さを知る人よ』あらすじ
ミュージシャン志望で17歳の高校生あおいは、両親を亡くして以来、恋人との上京を断念し親代わりに自分を育ててきた姉のあかねに負い目を感じていた。
あるとき、あかねの元恋人で上京してから音信不通になっていた金室慎之介が、音楽祭のために町へ戻ってくる。
同じころ、13年前の過去から時間を超えてきた18歳の慎之介があおいの前に現れる。
出典:シネマトゥデイ
【ネタバレ】『空の青さを知る人よ』感想レビュー
あかね、元カレ慎之介との意図しない再会
天真爛漫でバンドに夢中な妹あおいと、家事を完璧にこなすしっかり者の姉あかね。
しかし、あかねには高校時代に付き合っていた忘れられない元カレがいました。
ある日、あかねが働く役所で主催の町おこしイベントに呼んだ大物演歌歌手のバックバンドに見知った顔が。
何を隠そうギターを弾いているこの男こそ、あかねの元カレである慎之介だったのです。
あかねと慎之介は高校時代に付き合っていたのですが、あかねの親の不幸もあり、慎之介も高校卒業と同時にプロのミュージシャンになるため離れ離れになっていた2人。
それからお互い連絡も取っておらず、今回の意図しない再会に微妙な距離感が出てしまいます。
そして、慎之介本人も別に望んだ帰郷ではないようです。
あおいの前に現れたもう1人の慎之介?
あかねと慎之介の意図しない再会の夜。
いつものお堂でベースの練習を始めるあおいに、突然「うるせえ」と一喝する声が!
声の方を向くと、そこにはなんと高校時代の若い慎之介の姿があったのです。
あおいは最初、幽霊かと思いましたが慎之介はご存知のとおり健在です。
どうやらこの若返った慎之介は、あかねにフラれた日からタイムスリップしてきたと言います。
お堂から出すわけにはいかない若返った慎之介を、あおいは「しんの」と呼ぶことにし、楽器を練習しながら会話をします。
すると、しんのは本当に夢と希望に満ち溢れた人物であることが分かり、バンドメンバーを探しているあおいは少しずつ惹かれていきます。
慎之介とあおいの共演
翌日、地域のイベントのゲストで来ていた演歌歌手のバックバンドメンバーが体調不良に陥ります。
カラオケ音源なんかでは歌えない!と豪語する大物演歌歌手。
あかねは打開策として、メンバーに自分の妹あおいを推薦します。
話を聞いた慎之介は、プロの世界の素人が入ってくるんじゃねえと激怒。
慎之介の態度に少しイラっとしたあおいは演奏を披露し、他の出演者を納得させることに成功します。
結局、慎之介も渋々納得し、あおいはプロの世界に急に飛び入り参加することになりました。
しかし…練習のたびに、嫌味ったらしく小言を言う慎之介にあおいは激怒しますが、慎之介の言ってることも正しいので少し自信をなくしてしまうのでした。
そんな様子を知ったしんのは、未来の自分(慎之介)に対し怒り心頭。
一方で、しっかりとプロのミュージシャンになっていたので安心します。
慎之介に責められて落ち込むあおいを見たしんのは励ましの言葉をかけます。
そして、徐々にあおいはしんのに恋をしていくのです。
あおい、しんのへの恋心に気づき悩む
あおいがしんのを好きになるということは、姉・あかねの元カレ(今もたぶん好き)を好きになることを意味します。
しかし、高校時代のしんのの夢は、BIGになって姉のあかねを迎えに行くことでした。
あおいは、自分の気持ちと姉の幸せ、そしてしんのの夢の間で揺れ始めます。
答えがはっきりと出ないままコンサートの日取りが近づき、リハーサルの合間であおいは思わぬ光景を目にします。
それは、久々に見た姉あかねの笑顔。楽しそうに笑っています。
そしてあかねの隣には、ギターを弾きながら歌う現在の慎之介の姿がありました。
あおいはその光景を見て、姉をあそこまで笑顔にできるのは、やっぱり慎之介しかいない!と気づいてしまったのでした。
慎之介は、あかねとの居心地の良さが愛おしく感じ、志半ばで実家に帰ろうかと語ります。
しかし、あかねは「30なら全然若い」とエールを送るのでした。
姉・あかねのために、あおいが出した答えとは?
さて、迷惑ばかりかけてくる演歌歌手が、また事件を起こしてきます。
それは、お気に入りのネックレスがないから歌えない!という幼稚なワガママ…。
あかねはネックレスをなくしたと思われるトンネルへ探しに行くですが…突然の地震によってトンネルの出入り口が封鎖されてしまいます。
地震の知らせを聞き、あかねの安否が心配になるあおいは居ても立ってもいられず、お堂のしんのの元へ急ぐのでした!
そして、しんのに助けを求めようと慌ててお堂に着いたあおいは、ここで驚きの光景を目にします。
なんと現在の慎之介としんのが対面していたのです。
驚きと焦りを隠せないあおいですが、気をしっかり保ちあかねのピンチを2人の慎之介に伝えます。
話を聞いても微動だにしない慎之介の態度を見て、過去のしんのが大激怒します。
「なぜすぐに助けに行かない?」
しんの、まさかの未来の自分へ説教。
そして、言いたいことを言ったしんのはお堂から出ようと必死に頑張ります。
あおいもしんのを手助けし、ついにお堂から出ることに成功!
あかねのいる方へ急ぎますが、ここであおいは自分の気持ちと自分がどうしたいのかという想いをしんのに伝えます。
このあおいの決断が非常に大人なんです。
最初はあれだけ自分の我を通していたあおいが、クライマックスで見つけた答えが人として尊敬できる答えでした。
トンネルに閉じ込められたあかねに会いに来たしんの。
あかねに想いを伝える慎之介、あおいの切ない初恋の結末
あかねは、目の前の出来事をすんなり受け入れ、しんのとの会話を楽しんでいます。
無事にあかねを救出した一行は4人でコンサート会場へ帰ろうとしますが、あおいは気を使って3人で帰るように言います。
慎之介、しんの、あかねの車中で助手席に座った慎之介は、あかねに自身が見栄を張って言えなかったことをあかねに伝えるのでした。
後部座席に座ったしんのは、それを見て安心したように笑います。
慎之介が後ろを向くと、そこにはもうしんのはいませんでした。
秋風が吹き、あおいはしんのがいなくなったことを直感しました。
溢れ出そうな涙を抑えて、泣いてなんかねえからと歩を強く進めるあおい。
彼女の初恋は切ないけど、とても温かくなるお話でした。
『空の青さを知る人よ』まとめ
大人になることは、成長することではない。それを受け入れなければならないのに、時折反発したくなる時があって、苦しいです。その苦しみを作品が代弁してくれました。涙が溢れ続けました。ありがとうございました。#高山一実 #乃木坂46 #空の青さを知る人よ #空青 #空青感想 pic.twitter.com/UiqsMtw1PS
— 映画『空の青さを知る人よ』 (@soraaoproject) October 22, 2019
改めてよかった点を最後に語っていこうと思います。
まずはじめに、演者陣がすごく魅力的でした。
私が一番よかったと思ったのは、姉あかね役を演じた吉岡里帆さん。
あかねから母性が溢れ出てるんですよね。全てを許してくれるような優しい声色。
これがゆらぎのボイスなんでしょうか?落ち着くし、ずっと聞いていたいとも思えました。
慎之介としんのを演じた吉沢亮さんもお見事!
特に現在の慎之介の演じ方が好きで、ギターの仕事で食っているんだけども自分はもっとできるのに!感が伝わるんです。
クライマックスのしんのと慎之介の喧嘩シーンは見てて痛々しくも感じました。
物語としても、ちょっぴり切ない初恋というテーマの今作『空の青さを知る人よ』。
見ればきっと4人の誰かに感情移入していきます。
あいみょんの主題歌「空の青さを知る人よ」も絶妙に感情に刺さり、ずっと口ずさみたくなることでしょう。
とても素敵な映画でした。