転落死の当日、5カ所の公衆電話から柏木(野村祐基)の自宅に電話していたのは神原(宮沢氷魚)でした。
神原が柏木を殺した可能性が出てきたことに動揺する涼子は神原のことを調べます。
そして迎える学校内裁判の最終日。静まり返る法廷で、涼子は弁護人の神原を最後の証人と指名し、柏木との知られざる過去を尋問するのでした。
⼀体、誰が真実を話し、誰が嘘をついているのか。謎に満ちた転落死の衝撃の真相とは︖
目次
ドラマ『ソロモンの偽証』 前回振り返り
次々と証言台に立つ証人たちに尋問を繰り返す検事の涼子(上白石萌歌)と弁護人の神原(宮沢氷魚)。
学校内裁判は証言台に立つ人間の本性をもあぶり出し、不穏な空気に包まれていきます。
俊次(坂東龍汰)が有罪の可能性が高くなるにつれて、涼子は自分が主導する裁判の怖さを痛感し始めていました。
そんな中、津崎校長(小林薫)は、保身のために理事長の大出勝(田中哲司)の指示に従っていた行動に後悔し、裁判に出廷する決断をします。
その日の裁判後、傍聴に来ていた電機店の店主が「電話をしていたのはあの子だよ」と、神原を指差したのでした。
【ネタバレ】ドラマ『ソロモンの偽証』第8話あらすじ・感想
裁判は終われない
クリスマスイブの夜、柏木卓也(野村祐基)の自宅に電話をかけていたのは、なんと神原(宮沢氷魚)でした。
もしかしたら、神原が卓也を殺したのかもしれないー。
そう不安に駆られた涼子(上白石萌歌)は、「このままじゃ裁判は終われない」と、神原の過去を知る人物に会いに行きます。
卓也と神原が出会った塾の講師は、神原は大人しい子で、後から入ってきた卓也と仲良くなってから明るくなったと話していました。
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神原の家を尋ねると、本人は留守でしたが、母親は快く招き入れてくれました。
しかし、神原の母親は、裁判のことはおろか、卓也が亡くなったことさえ知りませんでした。
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大事な友達
そこへ、神原が帰ってきました。
裁判のことを言わなかったのは、本当の親ではないから余計な心配をかけたくなかったと言います。
「柏木くんのことどう思ってた?」
「大事な友達だよ」
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涼子は、今までの裁判を振り返ってみました。
そこで、最初に柏木家に行った時に、卓也が子どもの頃、自分が銀行で融資の仕事をしていて、家庭を顧みなかったことを悔やんでいると話していたことを思い出します。
涼子は、急いで柏木家に向かい、卓也の部屋を今一度見せて欲しいと頼みました。
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自分の罪は自分で背負う
涼子は、神原のことを調べるために判決の日を一日延期しました。
でも、恐ろしい結末が待っているかもしれない裁判を続けることが辛くなり、初心を思い出すために、法廷である体育館に行くと、そこには津崎校長(小林薫)がいました。
校長は、涼子たち生徒の勇気のおかげで教師のまま学校を辞められるのだと言います。
そして、涼子の勇敢さと思いは、他の生徒たちにも届いていると伝えました。
一方、大出俊次(坂東龍汰)も、父親に面会し「もう自分の罪は自分で背負う」と決別宣言をします。
その後、涼子のもとに樹理(山本舞香)の母親から樹理がいなくなったと連絡が入ります。
涼子は、そのまま屋上に上がって行くと、案の定樹理は屋上の柵の前に立っていました。
唯一の味方だった松子(富田望生)もいなくなり、「生きていてもしょうがない」と絶望する樹理に、涼子は大出に恨みがあるなら、自分の手で正面から戦うべきだと伝えます。
「私も裁判を最後まで戦うから」
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裁判最終日
いよいよ裁判最終日。
裁判長は判決の前に審理を続行すると宣言します。
涼子は、健一(浮所飛貴)に頼み証拠品を手に入れ、証人を呼び入れます。
最初の証人は、電機店の店主でした。
涼子があの夜電話をしていたのは誰かと尋ねると、店主は「あの子だよ」と神原を指さします。
法廷は一気にどよめきます。
涼子は、電話ボックスの近くには珍しいタイプの水銀灯があり、その光によって赤いものが黒く見えるようになっていると説明します。
そして、神原がいつも着ているえんじ色のコートを取り出します。
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「このコートは弁護人のものですね」
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神原の仇
次に証言台に立ったのは、卓也の父親です。
卓也の父は、かつて神原の実父と関係があったことを明かしました。
神原の父親が営む工場の資金繰りが苦しくなった時、融資担当者だったのが卓也の父親でした。
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「じゃあ柏木の親父はお前の親父の仇ってことじゃねぇか!」
神原のせいであらぬ疑いをかけられたと考えた大出は怒りだします。
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涼子は動じることなく、裁判長に呼びかけます。
「弁護人を最後の証人としてお願いします」
神原は、ゆっくり立ち上がりました。
最後の証人
「あの電話はゲームでした」
神原が、ゆっくりと口を開きます。
「柏木卓也は自殺したんじゃない。僕が殺しました」
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塾で出会った神原と卓也。
神原が人殺しの子だと知っても気にせず向き合ってくれた卓也に、神原は心を開いていました。
しかし、高校1年の頃から卓也は世を儚み、どんどん情緒不安定になっていきました。
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ある時卓也は神原に言いました。
「人殺しの子にされて、よく普通に生きていられるよね」
実は、卓也は自分の父親が担当した会社が倒産し、事件が起きたことを知り、人殺しの息子がどんな風に生きているのか知りたくて塾に入ったのだというのです。
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クリスマスイブ
「カズは逃げている」「死んだ方が良かった」などと暴言を吐き続け、この世を憎む卓也のそばにいることが辛くなった神原は、卓也と距離を置き始めます。
すると、クリスマスの一週間前に卓也から「死ぬことにした」と連絡が来ました。
神原は、自分は過去に折り合いをつけているし、生きることに意味など求めないと話すと、卓也はゲームをしようと持ちかけてきました。
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クリスマスイブの日。
神原は、卓也が指定してきた場所から公衆電話で卓也へ電話をかけました。
指定された5ヵ所は、神原が産まれた病院に始まり、かつて両親との思い出がある場所でした。
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憎たらしいことをしますね・・・。
ゲームを始める前は、生きることが嫌になるのではないかと怖かった神原ですが、思い出の場所をめぐるうち、悪いことばかりではなかったことを思い出すことが出来ました。
革表紙のノート
最後の電話をかけた後、神原は卓也と屋上で落ち合いました。
神原を絶望させようとした卓也の目論見は見事に外れ、そのことに納得できない卓也は、カズがこの世に見切りをつけないのなら飛び降りるとフェンスを乗り越えます。
「死にたいなら勝手に死ねばいい」
呆れた神原はそのまま屋上を出ていきました。
「カズ、待って!」
屋上から校門に向かう神原の姿を見た卓也は、当てつけるかのように飛び降りたのです。
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でも、卓也はゲームの勝敗に関わらず死ぬつもりでした。
神原が、最初に卓也の部屋に入った時隠した革表紙のノートに、「僕は死ぬことに決めた」と書いてあるのを、涼子が見つけていました。
他人には裁けない
神原は自分が帰れば卓也が飛び降りるとわかっていたと言います。
卓也が苦しんでいるのを知っていたのに、フォローすることなく見殺しにした。
「俺が卓也を殺したんだよ!」
涼子は、そっと神原に近寄り語りかけます。
「でも、それは他人には裁けないよ。自分で背負っていかないと」
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神原は裁判を続けるうちに自分のせいで関係ない人を巻き込んでしまったことを後悔し、自分が裁かれるように涼子を誘導していました。
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評決
陪審員の審議の間、樹理は少年課の刑事に大出のことを告発し、校長は学校を去りました。
そして評決の時。
被告人・大出俊次は無罪。
そして、この件は「柏木卓也が柏木卓也を殺した」殺人事件だとされました。
よって、神原が追う責任はなく、卓也のそばにいたクラスメイト達が何か出来なかったのかと残念に思う。
という評価で、裁判は閉じられました。
その後、大出は樹理を暴行した疑いで仲間2人と共に警察に連行されていきました。
後日、涼子は神原と2人で柏木家の墓参りをします。
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神原は「ありがとう」と言って涼子に手を差し出しました。
2人は、笑顔で握手をしました。
ドラマ『ソロモンの偽証』 第8話 感想&まとめ
柏木卓也の転落死による大出俊次の裁判。
その結末は思いもよらないものでした。
暗い過去を受け入れた神原が、世を儚む厨二病の卓也に絡まれた末に自殺されるという、高校生が背負うにはあまりに重い真実がそこにありました。
この設定は原作通りで、原作では中学生がこれを背負うのです。
現実でなくて良かったです。
WOWOWドラマだけに50分超ノンストップで放送され、大変見ごたえのあるドラマでした!全8回お疲れさまでした!