クリスマスの朝。雪の積もった校庭で藤野涼子(上白石萌歌)はクラスメイトの柏木卓也(野村祐基)の死体を発見します。
警察や学校が彼の死を自殺と断定する中、涼子の元に学校の問題児である大出俊次(坂東龍汰)らによる殺人だと記された告発状が届きます。
自殺か他殺か・・・柏木卓也の転落死をめぐって、騒ぎ出すSNSやマスコミ。
校長の津崎(小林薫)が事態の収束を図るものの、生徒に新たなトラブルが起きてしまいます。
目次
ドラマ『ソロモンの偽証』 見どころ
かつて映画化もされた宮部みゆきのミステリー巨編をWOWOWが上白石萌歌さん主演で連続ドラマ化しました。
同級生の転落死をめぐり、第一発見者でもある主人公・藤野涼子の発案で前代未聞の学校内裁判が行われます。
原作は90年代の公立中学校が舞台ですが、今作は私立高校に設定を変え、スマホやSNSが使用されるなどよりリアルなドラマに仕上がっています。
果たして、生徒たちは真実を見つけ出すことが出来るでしょうか?
【ネタバレ】ドラマ『ソロモンの偽証』第1話あらすじ・感想
クリスマスの朝
12月24日の夜。
一人の少年が、雪の降る学校の屋上に上がって来ました。少年は、暗い空を見つめています。
そして12月25日の朝。
二学期の終業式に遅刻しそうになった藤野涼子(上白石萌歌)は、裏口から教室へ向かおうとすると、積もった雪の中から手が出ているのを発見してしまいます。
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涼子が恐る恐る雪をかき分けて見ると、そこには目を開き空(くう)を見つめるクラスメイトの柏木卓也(野村祐基)の顔が出てきました。
葬儀では、卓也の両親は何故息子が自ら命を断ったのか分からず、憔悴しきっていました。
生徒たちは、卓也の死について、1ヶ月前に起きたある事件を思い出していました。
1ヶ月前、クラスの問題児である大出俊次(坂東龍汰)が、食堂で柏木に丼を頭からかけたというトラブルがありました。
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匿名の告発状
1月8日。
三学期の始業式を終え涼子が帰宅すると、涼子宛に一通の手紙が届いていました。
宛先はワープロ文字で、差出人は不明です。
中を見てみると、大出俊次とその仲間である井口充、橋田祐太郎が柏木卓也を突き落としたところを目撃したという告発状でした。
涼子はすぐに警視庁の刑事である父・剛(高嶋政宏)に相談。
父はすぐに校長(小林薫)に事情を説明しに行きました。
すると、その告発状は校長の元にも届いていたことがわかりました。
既に警察には届けているものの、質の悪いいたずらだろうと捜査に動く素振りはなく、卓也の転落死も、自殺で片付けるつもりのようでした。
校長は、カウンセリングと称してそれとなく生徒たちに事情を聴くつもりだと話したため、剛は涼子に学校に任せるように言いました。
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二人の少女
ある寒い日。
ニット帽を目深にかぶり、マフラーをしっかりと巻いた少女二人が、東京駅周辺に現れました。
三宅樹理(山本舞香)と浅井松子(富田望生)は、涼子らに宛てた告発状を、ポストに投函します。
「バレたら私達も殺されるよ。柏木みたいに」
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一方剛は、学校のある所轄警察署に告発状について話を聞いていました。
所轄警察は、やはり転落死や告発状について、調べる意思はなさそうでした。
生活安全課の警官に大出俊次のことについて尋ねると、大出は学校ではほとんど問題を起こさず、外で恐喝などのトラブルを繰り返している知能犯だと言います。
しかし、それらの事件は一度も立件されたことがありません。
何故なら、大出の父親は地元の名士で、学校の理事を務めている人物であるからです。
その父親が、息子の不祥事を全て隠ぺいしているのでした。
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涼子と柏木卓也
涼子は、大出に事件の真相を聞き出してみようかと考えていました。
必要以上に卓也の件に熱くなっている涼子を見て、涼子の幼馴染である野田健一(浮所飛貴)は心配顔で彼女を見つめます。
「柏木と何かあった?」
涼子は、思い当たる節がありましたが、健一には「何もない」と言って話しませんでした。
ある夏の日。
涼子が柏木を呼び止めると、柏木を涼子を見てニヤリと笑う。
そのことが涼子の頭から離れませんでした。
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三通目の告発状
実は、告発状は涼子と校長に送られただけではありませんでした。
情報番組『ニュースアドベンチャー』の記者である茂木(橋本じゅん)の元にも届いていたのです。
番組が教育問題に力を入れていることもあり、茂木は卓也の転落死のことや、大出俊次について取材を始めました。
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松子の不安
松子は、取材が始まったことで、自分たちが告発状を出したと名乗り出た方がいいのではないかと心配していました。
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しかし、樹理はこのことがバレたら大出たちに何をされるかわからないと言います。
「あんたは私の言う通りにしていればいいの」
その頃、涼子は大出を図書館に呼び出し、柏木卓也を殺したのかと単刀直入に尋ねました。
「だったら?お前も殺されに来たの?」
大出の雰囲気に押された涼子は、それ以上は何も聞けずその場から逃げるように立ち去りました。
涼子が自宅に着くと、家の前に松子が立っていました。
何か言いたそうな顔をしていますが、松子は「何でもない、忘れて」と言って帰って行ってしまいました。
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他校の生徒
次の日、涼子が柏木家のお墓参りをしていると、茂木が話しかけてきました。
茂木は、涼子が告発状を受け取っていることを知っていました。
そのことについて、無理やり話を聞こうとする茂木に涼子が困っていると、他校の男子生徒(宮沢氷魚)が助けてくれました。
神原と名乗るその男子生徒は、柏木卓也のことを『卓也』と呼び、中学時代に塾で卓也と仲が良かったと話します。
そして、卓也の死の真相が知りたいと、涼子に連絡先を伝えてきました。
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涼子は神原に、卓也が自殺をするような人だと思うかと問います。
すると神原はこう答えました。
「絶望する気持ちはわかるよ」
新たな事故
数日後、『ニュースアドベンチャー』で柏木卓也の転落死のことが特集され、疑惑の少年として大出の存在も放送されました。
大出の父親は、校長に対して、息子の疑惑を晴らすために、さらなる協力を求めます。
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その夜。
テレビの放送を見た樹理は、自分に酷いことをした大出たちに一泡吹かせることが出来たと上機嫌でいました。
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ところが、松子が再び名乗り出ようと言ってきました。
実は、松子はその時既にテレビ局の人とは話をしていて、自分の代わりに松子が目撃者として話すと言い出したのです。
翌日、涼子は松子が交通事故に遭い、意識不明の重体であると聞かされました。
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私が調べる!
涼子は、あの時自分がちゃんと松子の話を聞いてあげていれば・・・と、責任を感じていました。
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両親は涼子のせいではないし、学校に任せろと言います。
しかし、涼子にしてみれば、自分は遺体の第一発見者で、告発状まで受け取っているのです。関係ないと見て見ぬ振りは出来ません。
「私が調べる。本当は何があったのか、私が突き止める!」
ドラマ『ソロモンの偽証』 第1話 感想&まとめ
とある私立高で、男子生徒の転落死があり、その死は同級生の殺人によるものだと告発状を受け取った涼子。
警察は捜査をするつもりはありません。その後新たな事故が起きたことで、涼子は自分で真相を調べることを決意しました。
超大作である原作では、これから行われる校内裁判の準備について丸々一冊を使って描かれています。
映画版ではその部分がだいぶ端折られていたので、全8回のこのドラマでどれだけ描かれるのか注目していきたいと思います!