あなたの毎日に潤いを与えてくれるひとはいますか?
ドラマ「スロウトレイン」の序盤、
主人公がこう問いかけられるシーンがあります。
2025年新春にTBSで放送され話題となったこのスペシャルドラマのなかには、心にそっとタッチしてくる台詞が数多く登場します。
主演は、松たか子さん。
脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」「MIU404」「海に眠るダイヤモンド」などのヒット作を手がけた野木亜紀子さん。
これは、鎌倉に住む渋谷三姉弟が、
いつもとはちょっと違う“特別なお正月”を迎えるまでの物語。
家族にだってちょっとしたヒミツはある…法に触れるような事件は起きないけれど、家族のカタチが変わる2つの大事(おおごと)が発覚します。
家族の危機に直面した渋谷家長女の葉子(松たか子)は、子供のように純粋な心持ちで向き合いながら、大人として事を納めます。
心地よいテンポで、ほどよく感情をゆさぶられながら、
最後には素敵な余韻を残してくれます。
それでは、これからに悩んでいる大人に刺さるドラマ「スロウトレイン」を紹介していきます。
・人生の潤いについて穏やかに考えさせてくれる贅沢な135分!
・鎌倉と韓国・釜山…素敵な2つの都市がロケ地。
ドラマ『スロウトレイン』の主演・注目キャスト
鎌倉に住んでるけど渋谷さんちの三姉弟
松 たか子/役:渋谷葉子
日々茶書房を辞め、いまはフリーの編集者。
鎌倉の実家に暮らしている。
渋谷家の長女。
都子&潮は、葉子を“はこ姉”と呼ぶ。
多部未華子/役:渋谷都子
葉子の妹。
葉子&潮は、みゃーこと呼ぶ。
松坂桃李/役:渋谷 潮
渋谷家の末っ子。
姉たちは、潮のことをうーちゃんと呼ぶ。
江ノ島電鉄の保線員。
3人の大切なひとたち
星野 源/役:百目鬼見
人気作家。
元担当編集者の葉子に対し、踏み込んだ世話を焼く。
チュ・ジョンヒョク/役:オ・ユンス
飲食関連の投資会社で働く青年。
日本語が堪能。
井浦 新/役:目黒時生
葉子の元彼。
四季出版の営業部長。
【ネタバレあり】ドラマ『スロウトレイン』あらすじ・感想
渋谷さんちの次女(多部未華子)、突然の移住発言!
車の事故で亡くなった両親と祖母の二十三回忌の日。
江ノ電に乗って移動する渋谷さん家の三姉弟。
車内にて、長女の“はこ姉”こと葉子(松たか子)のプチダメ出しがはじまります。
次女である“みゃーこ”こと都子(多部未華子)の服装や持ち物がなってない件について。
「十七回忌のときと同じやりとり。成長しませんねえ。」
末っ子の“うーちゃん”こと潮(松坂桃李)が、フッと笑いながら指摘します。
すると、姉たちは黙って聞いていられなかった潮をそういうとこがダメと残念がります。
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電車の扉が閉まる直前を見計らって、都子が満面の笑みを称えながら衝撃的な発言をします。
「私、韓国に行く…住むの、釜山に引っ越す!」
ホームに残されたふたりは、目を丸くして顔を見合わせます。
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そう決めた都子には交際中の韓国人男性がいて…
担当作家(星野源)が、なぜかしきりに潤いをおすすめしてくる件
「毎日に潤いを与えてくれるひとはいますか?」
フリーの編集者をしている葉子は、担当の作家と食事中にこう問われます。
この日の百目鬼見(星野源)は、全然引かない。
歯切れの悪い返事をすると、マッチングアプリをおすすめしてきます。
百目鬼に押し負け、葉子はアプリ登録するハメに。
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実は彼にはある思惑があって…
ある意味遠慮のない葉子と百目鬼のやりとりに、ぐっときます。
ずっと親代わりになって育ててくれたはこ姉へ…
潮はずっと言い出せないことがあります。
渋谷さんちの末っ子(松坂桃李)ののっぴきならない事情…
ある日、姉の1泊出張を見計らって大事な人を家に招く潮。
ところが、留守だったはずの葉子がなぜか家に!
こっそりデート作戦失敗!!
末っ子の恋人を見ようとドキドキしながら玄関扉を開けた葉子。
なんと目の前には、あの百目鬼がいました。
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「潮くんを自由にしてやってください」
弟と担当作家が隠れて1年も交際していたことがショックでならない!
そして、妹は恋人のオ・ユンス(チュ・ジョンヒョク)と釜山で飲食店を出店するらしい!
何も続いたことがない妹の都子が、計画性がないと嘆く姉にこう言います。
「いくら計画したって明日死んじゃうかもしれない…私たち経験したじゃん。」
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かつて結婚を諦めていた渋谷さんちの長女(松たか子)。
妹と弟のことでまだ脳内が騒がしいのに、百目鬼から予想外の刺客が送られてきます。
「俺に会いたかった?」
元彼の目黒(井浦新)が、作家の百目鬼から渋谷葉子に連絡をと言われて訪ねてきました。
葉子にお相手がいないのは、かつて目黒との結婚がダメになったせいではないかと考えたようです。
「決めた…あいつ殺す。」
葉子がボソッとつぶやきます。
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葉子にはお相手が必要だと考える百目鬼はよけいなことを…
葉子、映画「シャイニング」風に百目鬼宅へ突撃!
百目鬼に、葉子はどうして目黒と別れることになったかを伝えます。
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人といる孤独がなによりもつらい
妹と弟が小さいのに結婚できないと、当時は周りに伝えていました。
美しい言い訳でごまかしたせいで、いま私はあのこたちのかせになってしまっている…葉子は反省します。
葉子のすべてを聞いた百目鬼は、自分の誰にも言っていない話を伝えます。
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百目鬼が潮への恋心を語るこの素敵な瞬間はぜひ本編で!
つい先日、百目鬼は自分と暮らすことに後ろ向きな潮に別れを告げていました。
これならば独りでいるほうがマシだと。
それを受け、潮は悩んでいました。
独りじゃないから「ひとりでも生きていける」って言えるんです
アプリでマッチングした3名の男性と会ってみることにした葉子。
「どうしてみんな“つがい”にしたがる?ひとりの何がいけないのか…」
美顔器の営業で来たエイジ(飯塚悟志 東京03)に、葉子は百目鬼の欲望のダシにされていたことを嘆きます。
2時間後に会ったマルチ商法の勧誘者・B作(有田久徳)にも、同じことを愚痴ります。
夕食をともにした正真正銘の婚活独身男子・シーマン(宇野祥平)にも思いのたけを語っていたら言われます。
「どうしてあなたは私と会っているんでしょう?」
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弟とふたり暮らしで孤独ではない葉子に彼は…
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この出来事がきっかけで、葉子は「寂しい」について考えることに。
悩めるなか、“盆石”で潤う
「どういうときに寂しい?」
葉子は、長年の仕事仲間(池谷のぶえ)や元職場の後輩(松本穂香)に聞いてみます。
みんなどこか“寂しい”を抱えて生きていることにホッとしました。
そんな中、仕事でであった盆石にハマる葉子。
その盆石仲間(中村優子)は、盆石のために一人旅をして気づいたことを教えてくれました。
「それまで一人旅なんて寂しいと思っていたけど、自然と一対一だと寂しくないんです。」
盆石に向き合うと寂しくなく、すがすがしい気持ちになれると。
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次の時代に残る本が作りたいと、編集者を続けてきた葉子。
そんな彼女がまた1冊、ラストで素敵な盆石の本を編み上げます。
突然のプロポーズに彼女は…
「結婚はしない…できない。」
都子が釜山に移住し、ダシカフェの開店準備も整ってきたある日。
大きな花束を用意して求婚してくれたユンス。
はこ姉がまだ結婚していないからと都子は断ります。
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ふたりは、ユンスとコンタクトをとります。
そして、ユンスからプロポーズが失敗した理由を聞きました。
彼の穏やかで優しい人柄に触れ、葉子と潮は安心します。
悩める都子は、どこか鎌倉の街に似ている海沿いの駅・松亭駅に佇んでいました。
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鎌倉に住んでるけど渋谷家、次の駅へ。
松亭駅に突然現れたふたりにビックリする都子。
海沿いのカフェで渋谷家姉弟の会議スタート。
ここにいていいの?と自信がもてず、明日に不安を抱えて前に踏み出せない妹と弟。
「お姉ちゃんのせいにしないでくれる?」
葉子は、大昔、自分自身の問題をすり替えたことを謝りながら諭します。
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そう諭す姿にじーんとしました。
「ゴールが分らなくても、次の駅は見えています。」
葉子が冒険の始まりだと言って、江ノ電の駅名をひとつひとつあげながら…これからを不安がって泣く妹弟を励ましたあの日のことを。
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潮の次の駅は百目鬼の家。
こう潮から聞かれ、葉子はただほほ笑みます。
家族が増え、それぞれの駅で暮らしはじめた渋谷家…
今年はいつもと違うお正月を迎えます。
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そんな彼女が天国の両親にあてた手紙の文章が沁みました…
このドラマ、ここからのラスト10分がとてもイイんです!
ドラマ『スロウトレイン』キャスト・あらすじ・ネタバレまとめ
日々を営み…ただ生きて小さな時間を過ごす。
これがどんなに幸せなことなのかを、時々私たちは忘れがちです。
いまたどり着いたこの駅、この場所の尊さを教えてくれる…
そんなドラマ「スロウトレイン」を紹介しました。