韓国では未だに財閥が存在するなど上流層の富・権力・名誉への執着がすごく、そ子どもへの期待もとんでもないようです。
3、4歳頃から英才教育を始め、毎日長時間の習い事や塾など「当たり前」の世界と聞いたことがあります。
そんな学歴社会・格差社会の韓国における実情をリアルに描いた『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』は一大ブームを巻き起こしました。
韓国の上流層のセレブたちの生活、また子どもたちの受験戦争、格差社会ゃを赤裸々に描く、ミステリーヒューマンドラマ『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』をネタバレありでレビューしていきます。
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『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』キャスト
ヨム・ジョンア / 役:ハン・ソジン
- 整形外科医の妻で専業主婦
- 親子3代続く医師家系の家に嫁いだため姑の期待を必死に背負う
- 長女イェソをソウル医大へ入学させるのが最大の目標
- 経歴・容姿ともに完璧だが、実は隠したい過去がある
イ・テラン / 役:イ・スイム
- ウジュの義母だが、ウジュの愛情深く育てる
- 素朴で気さくな性格で、キャッスルの子どもたちからも大人気
- 本業は童話作家
- ソジンとは高校時代の友人で、ソジンの過去を唯一知る
ユン・セア / 役:ノ・スンヘ
- 博士課程まで修了したことのある才女
- 利己主義な夫の教育方針に常に疑問を抱いている
オ・ナラ / 役:チン・ジニ
- セクシーで魅力溢れるユニークな性格
- 芸能人のなるのが夢だったが端役ばかりだったため断念
キム・ソヒョン / 役:キム・ジュヨン
- ごく少数の知る人ぞが知る入試コーディネーター
- 受け持つ生徒は年2人までという徹底っぷり
- 希望校に合格させるために手段は選ばない
- 彼女にも切ない過去と現状がある
【ネタバレ】『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』あらすじ・感想
とある家族の「妻の自殺」から始まる悲劇と新たな住人
韓国のとある場所にある、たった少数の上流層しか住むことのできない高級住宅街「SKYキャッスル」。
そこに住む韓国で有名な大学病院の「ジュナム大学病院」の整形外科医カン・ジュンサン一家の妻であり専業主婦のソジンは、長女イェソをソウル医大に合格させるため日々奮闘しています。
そんな中、隣の邸宅に住むミョンジュの家の息子がソウル医大に合格。
それを聞いたソジンは合格した方法が知りたくミョンジュに近づき、入試関係の情報や資料を手に入れようとしますが、ミョンジュには「公開しない」と言われてしまいます。
その後、運よくVIPの顧客だけしか招待されない「入試コーディネーター」の説明会の招待状をミョンジュから預かることになるソジン。
ですがそこには、同じ住宅街に住むスンヘも参加しており、コーディネーターがつくか不安になります。
スンヘと争った挙句、無事コーディネーターの権利を獲得し、誇らしげになるソジン。
そんな中、息子の受験が終わり一息つこうとクルーズの旅に出かけたミョンジュ。
ですが、なぜか早めにクルーズ旅行を切り上げ帰宅してきました。
そして悲劇が起こります。
真夜中、1人裸足で外に出たミョンジュは、住宅内にある池の前で夫スチャンの猟銃を使って自殺をしてしまいます。
SKYキャッスルの住人が騒然とする中、早々と空き家に次の家族が入居してきます。
それが、ソジンの高校時代の友人であり、ソジンの過去を唯一知るスイムの一家。
そしてコーディネーターのキム・ジュヨンに、「イェソの高校入学時に同得点だった男子が1人いる」と言われていたのがスイムの息子ウジュだったのです。
キャッスルに住む4家族はどんな家族?
SKYキャッスルには、カン・ジュンサン一家(妻ソジン、娘イェソ、イェビン)、チャ・ミニョク一家(妻スンヘ、娘セリ、双子の息子ソジュン、ギジュン)、ウ・ヤンウ一家(妻ジニ、息子スハン)、そしてミョンジュ一家の空き家に引っ越してくるファン・チヨン一家(妻スイム、息子ウジュ)の4家族が住んでいます。
家長の仕事はいずれも、ジュナム大の大学病院に勤務する医師やそのロースクールの教授と、「上流層」の家族です。
カン家の主ジュンサンは親子3代続く医師家系の息子のため、祖母ユン女史の強烈なプレッシャーで、妻ソジンは長女イェソを幼い頃から英才教育してきました。
ソジンは貧しい家庭に育ったことを秘密にしています。
ジュンサンは自らの出世しか興味がなく、家族には全く見向きもせずすべて妻任せです。
チャ家の主ミニョクはとにかく自ら教育熱心、いやもはや教育異常と言ってもよく、娘・息子を監視。
その姿に妻スンヘは子どもたちのことを心配しながら日々夫ミニョクの助言を聞き行動しています。
スンヘは博士課程も終了した才女ですが、夫ミニョクとの教育方針があまりにも違いすぎ、日々悩んでいます。
ウ家の主ヤンウは妻ジニや職場の後輩医師と常に漫才をしているかのようにコミカルな人物ですが、自分の意見をなかなか言えず、さらに息子スハンも勉強が大嫌いという状況。
そして最後のファン家ですが、ファン家の主チヨンは、幼い頃両親を亡くし施設で育ち、施設の方々の精一杯の愛情を受けて育った人物。
さらに妻スイムは母親が施設を経営していた事もあり、幼い頃から愛情深く育てられたせいか、夫婦は一人息子ウジュにも細かいことは言わず、自由な感性で育てています。
それぞれ4家族とも、かなり個性的なのですが、このドラマで少し安心できたのは3家族の父親(ファン家以外の父親)が本当に頼りなさすぎなところです。
かとリーニョ
入試コーディネーター・ジュヨンとキム・ヘナの存在
とある事でコーディネーターのジュヨンを雇ったミョンジュの息子が精神障害になったのを知り、イェソの担当を辞めてもらう決心をしたソジンですが、「ミョンジュの息子とイェソは違う」と自分に言い聞かせ、結局ジュヨンに再度コーディネーターの依頼をします。
キャッスルの住人からも反感を買いますが、断固としてお願いしたというソジン。
ですが、ここからがソジンたち家族や、キャッスルの住人の悲劇の始まりでもありました。
さらにソジンの夫ジュンサンに1人の女性から電話が。
電話の主は、以前ソジンと出会う前にジュンサンが付き合っていた女性キム・ウネだったのです。
その電話を皮切りに、とある1人の少女が登場するのですが、それがイェソのライバルでもあるキム・ウネの娘ヘナなのです。
イェソはスイムの息子ウジュに淡い恋心を抱いていますが、ウジュはイェソに興味はなくヘナに好意があったのです。
イェソがヘナに嫉妬の炎を燃やす一方、ジュヨンは成績優秀なヘナをイェソの妹イェビンの家庭教師に推薦します。
ジュヨンの助言を信じヘナをイェビンの家庭教師に迎えたソジンですが、その後、ふとしたきっかけでヘナは愛する夫の昔の女性の子どもだと知り苦しみます。
そんな中、ウジュの誕生日会が行われ、4家族の子どもたちが揃ってウジュをお祝いしますが、イェソとヘナはここでも対立して空気を乱します。
かとリーニョ
ヘナがウジュの邸宅のベランダから落ちてしまい、亡くなってしまうのです。
「家族とは何か」を今一度考えるきっかけになった「ヘナの死」
キム・ヘナが亡くなったのは自殺か他殺か?
捜査の結果ウジュが逮捕されてしまいます。
実はここまでの出来事はイェソよりも成績がいいウジュを排除しようとするジュヨンの策略で、ヘナを殺害したのもジュヨンでした。
ソジンもイェソも、ジュヨンの策略に気づいているのですが、ソジンはイェソになんとかソウル医大に合格してもらいたいため隠し通そうとするのです。
ですが、イェソは隠そうとするほど精神状態が不安定になり、逮捕されたウジュ、そしてヘナへの謝罪の気持ちで苦しめられます。
さらに、ヘナが自分の娘だと後から知ったジュンサンは罪悪感を抱きます。
ジュンサンはこの時初めて自分の今までの行動・家族への接し方、そして母親の呪縛にとらわれていたことに気づき、「人として生きること、家族を大切にすること」を心に決めます。
そんなジュンサンの気持ちを知ったソジンは、今までイェソと2人3脚で頑張ってきた学歴への執着を全て捨てる決意をし、ウジュの無罪を証明でき証拠を警察に提出します。
かとリーニョ
そしてそれはジュンサンやイェソも同じ。
ヘナの死を本当に悲しむ人としての正しい気持ちを取り戻したカン家の決断によってウジュは無事釈放されます。
ウジュの釈放後、ジュンサンとソジンは謝罪をするためファン家を訪れます。
そして土下座までしてファン家に謝罪をします。
かとリーニョ
ジュヨンの悪行の裏にあるもの
ジュヨンが、入試コーディネーターを職業にする理由。
それは、彼女の愛する娘・ケイを天才にできなかったことでした。
かとリーニョ
なぜ、ジュヨンはケイを最高の天才にできなかったのか?
ジュヨンも、夫と娘と3人で家庭を持っていましたが、ジュヨンの英才教育があまりにも厳しく、見るに堪えなくなった夫がケイを連れて離婚すると言い出したのです。
ケイは、一桁代の年齢で名門大学へ進学し世間を騒がせたのですが、それもジュヨンの無理やりな英才教育によるもの。
夫はケイに子どもらしく、人間らしく生きて欲しかったのですが、ジュヨンはそうではありませんでした。
ケイを夫に取られないために無理やり連れだした結果、交通事故に巻き込まれ、ケイは脳に損傷を負ってしまいます。
そのことがきっかけでジュヨンは各家庭の子どもの人生をかき回し、挙句の果てには殺人まで犯すようになってしまいました。
脳に障害が残り、部屋の中に閉じ込められているケイにたまに会いに行くジュヨンでしたが、殺人で自分が逮捕されるだろうと思った時にケイのところを訪れます。
そこにあるのは娘を愛する母の姿でした。
ただ、『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』では最後にジュヨンがまた登場するのですが、表情はまたかつての険しいものになっていました。
かとリーニョ
子どもたちが安らげる場所とは!?
ヘナを失った悲しさからなかなか立ち直れないジュンサンは、家族を守るため、子どもたちが安らげるためにと大学病院を辞める決意をします。
そして、イェソは今回のことで自主退学となり、高校の卒検を受けることに。
そして、カン家はSKYキャッスルを出ることにします。
一方、離婚届けを出され行方の分からなくなったスンヘとキャッスルに1人残されるミニョクはスンヘと子どもたちのいない寂しさに耐えれず、スンヘの「子どもたちを干渉しない約束」を受け入れます。
そしてファン家はウジュが世界を一人旅することになり、スイムとチヨンは息子を心底心配します。
キャッスルの子どもたちや家族がそれぞれの安らげる場所を目指して動き始めました。
かとリーニョ
「我が家とは、子どもたちが安全でくつろげる温かい場所」だと。
ジュンサンはこのチヨンの言葉を身に染みて感じたようですが、まだミニョクはどこか否定的。
かとリーニョ
また母たちもランチをする中でふとソジンが、「イェソの方が断然育てやすいと思ったけど、イェビンの方が実はしっかりしていてよくできるの」と語ったり、母たちの子どもたちに対する目線も変わってきたようです。
かとリーニョ
『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』まとめ
『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』で表現される「SKY」とは、高級住宅街の名前で使われていますが、本当は
- 「S」はソウル大学
- 「K」は高麗大学
- 「Y」は延世大学
の3つの大学の頭の文字を表現するもので、韓国の上流層にはこの3つの大学でないと認められないという風潮が未だにあるようです。
また、入試コーディネーターという職業も本当に存在するらしいです。
韓国では未だ財閥も存在し、、上流層の富・権力・名誉への執着や、幼い頃から親たちの期待と欲望を背負わせられている子どもたちへの圧力な教育などの問題がこのドラマで浮き彫りにされています。
過剰な学歴、競争社会に歯止めがかけられるようにという演出家の想いが込められています。
子どもを思う親の気持ちや愛情は誰もが同じだと思うのですが、その想いをどう表現するかの違いがあると思います。
かとリーニョ
かなりリアルな韓国のお受験事情に心苦しくなり、「最後まで見続けられるだろうか?」と思いましたが、最後に救われたドラマでした。
一大ブームを巻き起こした話題作『SKYキャッスル-上流階級の妻たち-』、ぜひご覧になって頂きたいです。
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