1人の男がシ役所にやってきました。
彼は、『カニすべからく』という売れないお笑いコンビをやっていました。
高校の同級生で相方の高関(重岡大毅)と10年間活動してきて、やっと掴んだ大舞台の直前に病気を発症してしまいます。
本番当日、何も知らない高関は現場に来ない彼を探し、街を駆け巡ります。
今回は職員たちは完全に脇役に徹した芸人役の2人の演技が光る第6話です。
『死役所』第6話あらすじ
病院着姿の佐尾高茲(中島歩)が病死課にやってくる。
病死申請書に書かれた職業は「芸人」。
生前、佐尾は高関一文(重岡大毅)と「カニすべからく」というコンビを組んでいた。
なかなか芽が出なかった「カニすべ」に、結成10年でようやくチャンスが訪れる。
賞レース「デッドオアコント」の決勝戦出場が決まり、テレビでネタを披露することになったのだ。
「チャンスを掴んで絶対売れよう!」と高関は息を巻くが、佐尾の表情はどこか浮かない。
しかも帰り間際、佐尾が突然倒れこんでしまう。
高関が掴んだ佐尾の腕は、あまりに細くなっていて…。
「デドコン」決勝戦当日。
抽選の結果、「カニすべ」がトリを飾ることに。
ところがいくら待っても佐尾がスタジオに現れず、高関は何かあったのではと焦り出す。
出典:『死役所』公式ページ
【ネタバレ】『死役所』第6話の感想
カニすべからく
「私はある男の感情である。男は死んでしまったが、私だけはこのように残った。あの男は感情だけ置いて死んでしまった」
男(重岡大毅)は1人舞台に立ちます。
一方、シ役所には病院着を着た長身の男(中島歩)がやってきました。シ村(松岡昌宏)が対応すると、左尾と名乗る男は職業を『芸人』と書き込みました。
「1人でやってらしたんですか?」
「いえ、コンビです」
しかし、全く売れていなかったと言います。
「芽が出る前でしたか。それは悔しい思いをされたでしょうね。悔いがお残りなのでは?」
そのシ村の言葉で、無気力に見えた左尾の瞳に強い光が灯りました。
お笑いコンビ『カニすべからく』は、コントの金字塔『デッドオアコント』に出場することが決定しました。
左尾はその場で立ち尽くし、相方の高関は喜びを全身で表します。
コンビを結成して10年。ようやく希望が見えてきました。
このチャンスをものにして、2人で番組をやりたいと、高関は夢を語ります。
2人は『デドコン』でどんなネタをかけるか、ああでもないこうでもないと話し合います。
その間、左尾はたびたび長時間トイレにこもることがありました。
「また下痢?」
「死ぬかも」
「本番前に死なれたら困ります!」
「それはフリか?」
「違います!」
この日、左尾はバイトがあるからと打ち合わせはお開きになりました。
アパートの前で別れ、高関がふと振り向くと左尾が倒れていました。
慌てて駆け寄り左尾の腕を掴んだ時、高関は左尾が痩せていることに気がつきます。
「お前、痩せた?」
「大丈夫大丈夫。転んだ」
そう言って左尾はフラフラとしながらも出かけていきました。
運命の日
その後も2人はネタ作りに励みました。
左尾がネタを書き、高関がそれをチェックします。
その間ほとんど観客がいない舞台にも立ち続けます。
それでも2人はずっと笑っていました。
そして本番前日。
「じゃあ明日な。遅刻するなよ」
「なるべく頑張る」
「いや、絶対頑張れ!」
高関は、左尾を呼び止めます。
「絶対優勝しような!」
「おう」
高校時代、文化祭で左尾が作った自主映画『カニすべからく』に高関が惚れこんだところから『カニすべ』の歴史は始まりました。
先輩芸人には、愛想が悪く独特なネタを書く左尾となぜコンビを組んでいるのかと言われても、高関はずっと左尾のファンなのです。
本番当日。左尾は会場にやってきません。
『カニすべ』の出番は最後の8組目。
高関や事務所のスタッフがいくら電話をしてもつながりません。
自宅にもおらず、手分けをして探すことにしました。
高関はネタ合わせをした公園など心当たりを探して走り回りますが、左尾の姿はありません。
その頃、左尾は病院のベッドの上でした。
テレビでは生放送の『デッドオアコント』が流れています。
「デッドオアコントもいよいよ残すところ、あと4組となりました」
高関は会場に戻りますが、やはり左尾は来ていませんでした。
「なんでアイツは来ないんだよ!」
「どっかでのたれ死んでるんじゃねぇの?」
先輩芸人が冗談で言うと、高関は先輩に掴みかかります。
「左尾は死んでなんかいません!」
高関は、左尾がいなくなったら自分は芸人をやっている意味があるのかと考えます。
左尾のネタが好きで、一緒にコントをやるのが好きだからこの10年やってこられたのです。
しかし、左尾はやはり電話に出ません。
「ごめんなさい、カニすべ棄権します」
もしここで棄権したら、カニすべの未来はありません。
でも、左尾と一緒に出なければ意味がないのです。
またイチから頑張る、そう宣言した時に左尾が現れました。
彼は、パジャマ姿で車いすに乗っていました。
「ちょっと遅れた」
男の感情
カニすべの出番まであとわずかです。
高関は理由を聞く前に、車いすを押して舞台袖まで向かいます。
ネタは、車いす姿でも違和感がない『男の感情』というネタをかけることにしました。
舞台に出る直前、左尾は高関に遺書を渡します。
「後で読んでくれ。僕の病気のことが書いてある」
「ネタ中に死ぬなよ」
「それはフリか」
「違います!」
カニすべは優勝は逃したものの、無事『デドコン』に出場することができました。
番組終了後、高関は遺書を読みました。
「いつ命の火が消えるとも知れませんので、こうして遺書をしたためています」
遺書によれば、左尾の父は遺伝性の病気で亡くなっており、その病気が遺伝する確率は50%。
左尾は、いつ発症するともしれないやっかいな人生を歩んでいました。
その病気が、よりにもよって今発症してしまったのです。
左尾は、高関にネタと同じように遺書の感想を求めます。
高関はつまらなかったと答えます。
「お前らしくない!」
高関が特に納得がいかなかったのが、病気のことを隠していたことです。
「相方だろ。友達だろ。ちゃんと教えろよ!」
「病名が長すぎて君には覚えられないだろうと思った」
「なんじゃそらー!」
高関はそうツッコんだものの、それが左尾らしいとすぐに納得しました。
「やっぱ才能あるわ、高関には」
左尾は、笑顔を見せました。
高関は左尾の言う自分の才能というものにも納得がいっていません。
高関は、まだ死なないのならネタを書け、元気な時は舞台に出て死ぬまで芸人でいろと左尾に言いました。
「死ぬまで一緒にコントするぞ!」
左尾は、遺書で自分の人生はそう悪いものではなかったと振り返ります。
高関と一緒にコントを作ってきたことは、左尾にとって何よりの喜びでした。
高関は、左尾のいない舞台で1人『男の感情』を語ります。
「私は孤独になった私を受け入れることができない。だがあの男は孤独な自分もそうでない自分もすべて受け入れていました」
ですが、覚悟はしていたもの、1人で立つ舞台がこんなにも苦しいものだとは思いませんでした。
「私は本当に…あの男のことが好きでした」
高関の目から次から次へと涙があふれ出ます。
会場ももらい泣きをしています。
高関はなんとか声を振り絞って左尾の死は、いつの日かきっと笑いに変えて見せると決意を語ります。
「だからそれまでどうか見守っていてください!」
会場から大きな拍手が湧きました。
左尾は、高関はネタを書く才能はないけれど、人に愛される才能を持っていると思っていました。
だから、なんとかなると信じています。
「それでは、私はいきます。ごきげんよう」
遺書は、そうやって締めくくられていました。
シ役所では、成仏する前に芸能人のサインが欲しいという少年のために、芸人がいると聞いたハヤシ(清原翔)が左尾のことを探していました。
「その方でしたら、もう成仏していますね」
シ村にそう聞かされたハヤシはあまりの迅速さに驚きます。
若い人の場合、生前に想いを馳せる人は多いものですが。
「思い返すこともしたくなかったか、振り返る必要もないほど満足していたか…」
すると、サインが欲しい少年がカニすべからサインをもらったと喜んでいます。
生前にデドコンのネタを何度も観るほどのファンだったそうです。
その頃、ニシ川(松本まりか)は死刑課でシ村のファイルを開いていました。
冤罪なのに成仏する理由がわかるかもしれないからです。
そこで『宗教法人 加護の会』という文字を見つけます。
ニシ川にも聞き覚えのある団体名でした。
「なんかシ村さんの人生って…面倒くさそう」
ニシ川はファイルを閉じました。
『死役所』第6話まとめ
いよいよ!明日深夜「#死役所」第6話 放送❗️
芸人コンビ #カニすべからく 役を務めた #ジャニーズWEST #重岡大毅 さんと #中島歩 さんは、初共演ながら現場でも本物のコンビさながらに相性ぴったりのかけ合いを見せてくれました🦀✨
その2人のコンビ感は画面にも出ているはず…❗️ご期待ください❗️ pic.twitter.com/n2eQY4RRwT— 死役所【テレビ東京毎週水曜深夜!】 (@tx_shiyakusho) November 19, 2019
今回はシ役所の職員がほとんど登場せず、左尾の現世の思い出がフィーチャーされた回となりました。
コンテストに出場する芸人は全て実在の芸人さん達で、とても豪華なキャストになっており、制作陣の力の入れようが伺えました。
物語はベタな展開でしたが、間違いなく涙なしには見られないものでした。
第6話は、この『死役所』の中で神回と言って差し支えないと思います。
次回は、イシ間さん(でんでん)の過去が明らかになります。こちらも気になります!
▼次回第7話も続けて読む▼