定食屋の店主・坂浦(三浦貴大)がシ役所にやってきました。
彼は店で突然刺され死んでしまったので、自分の死を受け入れることができません。
成仏もせずシ役所をうろついているミチル(黒島結菜)は、坂浦の無念を目の当たりにしたことで『人殺し』である元死刑囚の職員たちに「殺された人の気持ちを考えたことはあるか」とやるせない気持ちをぶつけます。
そして、殺されたと主張していたミチルですが本当の死因を語り始めます。
目次
『死役所』第3話あらすじ
シ役所職員全員が死刑囚であることを知った三樹ミチル(黒島結菜)は、シ村(松岡昌宏)に「人殺し」と言い放つ。
その瞬間にシ村が見せた表情は、普段は見せない厳しいまなざしで、ミチルは思わず言葉を失う…。
そんな折、シ役所で男が暴れまわる騒ぎが発生。
ミチルとハヤシ(清原翔)が駆け付けると、坂浦眞澄(三浦貴大)が「店に戻してくれ」と叫び暴れていた。
自分の死を知り愕然とする眞澄。
「なんで俺まで殺されなきゃなんねぇんだよ」
――実は、12年前に父親が殺された自らが営む定食屋で、殺害されたのだ。
さらに、まもなく子供が生まれるといい、シ村に「何とかしてくれ」と懇願する。
だが他殺課で殺害されるまでの記憶をたどっていくうちに、あまりに哀しい事実と直面することに…。
さらに“他殺”と話していたミチルの死の真相が明らかとなる。
出典:『死役所』公式ページ
【ネタバレ】『死役所』第3話の感想
シ村(松岡昌宏)たちが死刑囚として軽蔑するミチル(黒島結菜)
「人殺し!」
シ村(松岡昌宏)を冷酷だと感じたミチル(黒島結菜)は、元死刑囚のシ村にそう言い放ちます。
シ村は一瞬表情をこわばらせますが、すぐにいつもの薄笑いに戻ります。
「まだいたの?そんなに気に入ったならここで働けば?」
ニシ川(松本まりか)がなかなか成仏しないミチルにそう言うと、ミチルはニシ川にストレートな質問を投げかけます。
「なんで人を殺したんですか?被害者の気持ちがわからないんですか?」
「そんなのわかる必要ある_大体あなたに話す義理ないし」
ミチルは、ハヤシ(清原翔)にはさらに強く出ます。
「何があったか知らないけど、頭おかしいんじゃないの?」
「それ、死刑になる前に散々言われた」
ミチルは正義感であふれています。
正論や正義感は、時に強い攻撃になります。
すると、待合室の方で大きな音がしました。男が暴れています。
俺、死んだのか?
シ役所では突然ここに来たことで驚いて、こうして暴れる人がたびたびいるそうです。
「もうすぐガキが生まれるんだよ!店に戻りたいだけなんだよ!」
「他のお客様もいますので、お静かに」
シ村が男をなだめます。
そして、ここが亡くなった人が成仏するために手続きをする場所だと説明すると、
「俺、死んだのか…?」
彼は突然刺されて殺されてしまったので、自分が死んだことに気がつかなかったのです。
しかも、12年前も同じ定食屋で父親が殺されているということです。
「だからなんとかしてくれよ!」
「もちろんです。誠心誠意対応させていただきます。お客様は仏様ですから」
男に対応するシ村の姿を見ながら、ミチルは笑顔の裏に何があるのか暴いてやろうと考えます。
男の名前は坂浦眞澄(三浦貴大)。
定食屋の店主で、もうすぐ子供が生まれるというところでした。
誰に殺されたか心当たりがなく、先代の父親も突然刺されて亡くなってしまったということです。
先代が亡くなった後も、常連さんが店を支えてくれていました。
最近では妻も手伝ってくれるようになって、自分の子供もできてこれからだという時に、突然人生を終わらされてしまいました。
「なんで殺されなきゃいけないんだよ!」
「お気持ち、大変よくわかります」
他殺課のイシ間さん(でんでん)が何か思い出すかもしれないから、申請書を最後まで書いてみるように促します。
犯人の気持ち
定食屋ではいつものように常連さんで賑わい、坂浦夫妻は忙しくしていました。
そこへ黒づくめの男が入ってきて、突然坂浦の腹に包丁を突き刺しました。
彼はわけもわからないまま泣き叫ぶ妻とお腹の子供のことを心配しながら意識が薄れて行き、気がつけばシ役所にいたのです。
イシ間さんはパソコンでデータを調べ、坂浦を殺したのはハラシマケンジという男だと彼に伝えます。
その名前を聞いた坂浦は血相を変えて部屋を飛び出していきました。
「あっさり教えちゃうんですね」
「坂浦さんの人生だからな。教えないわけにもいかないだろ」
坂浦は必死で出口を探しますが、出口は見つかりません。
「どこにもないよ。私も探したから」
ミチルは坂浦にハラシマのことについて聞きます。
なんと、ハラシマは坂浦の父親を殺した犯人だというのです。
彼は元従業員で、店の金を盗んだところを父親に見つかり、それをとがめられたことを逆恨みして父親を刺したということです。
坂浦は、その後の裁判で証言台に立っていたのでした。
被害者遺族である坂浦があだ討ちとしてハラシマを殺すならわかりますが、その逆というのは道理が通らないとイシ間さんは首をかしげます。
「イシ間さんは道理の通った殺人ですからね」
と、シ村は切り出します。
確かに、イシ間さんは姪っ子のために人を殺しました。
その時はそうするしかないと思っていましたが、姪っ子のためを思うと自分は生きてそばにいてやるべきだったんじゃないかとずっと考えているのですが、その答えは一向に見つからないとイシ間さんは言います。
「そのエプロン、素敵だね」
坂浦の手には常連さんからもらったというエプロンが握られていました。
父親の跡を継いで不安に思っていた坂浦を激励するために、常連さんが贈ってくれたものです。
坂浦はふと思いました。
「俺のガキ、大丈夫かな…」
ハラシマに父も殺され、自分も殺され、次は自分の子供を殺しに来るんじゃないかという不安がよぎってしまいました。
「こんなことなら本当に殺しておけばよかった」
「そうですね。殺せる機会があれば殺してましたか?」
遅れてやってきたシ村が坂浦に問います。
坂浦は何度も殺したいと思ったし、死ぬことを望んでいたけれど、生きて償って欲しいとも思っていたと言います。
「あいつ、なんのために刑務所に入ってたんだよ。反省して罪を償うためじゃないのかよ!」
「殺人犯の考え方なんてわかりません。犯人の気持ちと動機も犯人にしかわかりえないのですから」
シ村は無情な正論で返します。
これでは死に損だという坂浦に、優しいイシ間さんは気休めにしかならないけどと前置きをして、坂浦がお客さんに助けられたように残された奥さんも子供も助けられる人生になるんじゃないかと慰めます。
「本当にこれからだったんだよ。クソ!なんで俺が…クソ!」
坂浦の悔しさは、察するにあまりあります。
ミチル(黒島結菜)の死因
坂浦は自分の死に納得していないものの、なんとか成仏してくれました。
ミチルは坂浦の無念さに同情していました。
突然殺されて未練なく終われる人はいません。
「死というのは突然やってきますからね」
そんなシ村の言葉が腑に落ちないミチル。
そこへ、ニシ川がミチルに言います。
「まだ成仏してないの?人のことを詮索する前に自分のこと話したら?」
殺されたと主張していたものの他殺課にデータがないため、成仏の手続きができずにいたミチルでしたが、ニシ川に突っ込まれたミチルは渋々自分のことを語り始めます。
二十歳の誕生日にサークルの仲間がミチルのために飲み会を開いてくれました。
彼女には気になる男子がいたのですが、その隣にはアヤさんという先輩がべったりくっついていたので、むしゃくしゃしてたくさんお酒を飲み、周りからもたくさん飲まされました。
そして、気がついたらシ役所にいたのです。
「ただの急性アルコール中毒じゃない。聞くだけ無駄だったわ」
「わかってますよ!」
ミチルも、こんなくだらないことで死ぬとは思ってもみませんでした。
これまでの20年間はなんだったのか、なんのために生きてきたんだろうと自分に問い続けてきました。
「まだまだやりたいことたくさんあったのに、なんで私はこんなことで…」
だからアヤさんにたくさんお酒を飲まされて殺されたと思えば少しは納得できるかと思いましたが、やはり納得できるわけはありませんでした。
なぜなら自分で自分を殺したということを、ミチルが一番よくわかっているからです。
「お気持ち、大変よーくわかります」
シ村がいつもの言葉を言うと、ミチルはわかってるなら人なんて殺すはずがないとシ村たち職員に噛みつきます。
「突然死ぬことのやるせなさがわかりますか?」
ミチルは自分でシ役所に来ましたが、職員たちに殺された人たちは彼らのせいで死んだのです。
「あのお兄さんを殺したハラシマと同じ殺人鬼なんです!」
ミチルは職員たちはみんな優しく罪を犯すような人には見えないのに、なぜ人を殺したのかわかりません。
「ねぇ、シ村さんは一体何をしたの?」
「個人的なことはお答えできかねます」
それでも教えてくれと食い下がるミチル。
「シ村さんは自分の娘を殺して死刑になった。これで納得して成仏できる?」
ニシ川が伝えた衝撃の事実にショックを受けるミチル。
シ村の表情が動くことはありませんでした。
『死役所』第3話まとめ
明日深夜、#死役所 第3話❗️
シ役所を訪れる死者、特に老衰などのように死を受け入れるまでの時間が与えられなかった「他殺」や「事故死」の場合、シ役所での手続きで「自分の死を受け入れる」という課題があります。
他殺により突然シ役所を訪れた坂浦(#三浦貴大)は、自分の死を受け入れられるのか? pic.twitter.com/MqHjQyq27t— 死役所【テレビ東京毎週水曜深夜!】 (@tx_shiyakusho) October 29, 2019
今回は、理不尽すぎる死を迎えた人が描かれ、前回と違った切なさがある物語でした。
事情があれば人を殺していいわけではありませんが、坂浦のような死に方はやるせないにもほどがあります。
そして、ニシ川がシ村についての衝撃の事実を語りました。
シ村が娘を殺した理由は道理が通っているのでしょうか?とても気になります。
▼次回第4話も続けて読む▼