『天地明察』などで知られる作家・冲方丁のミステリー小説を映画化した『十二人の死にたい子どもたち』。
ネット上で知り合った十二人の少年少女が集団安楽死をするために廃病院へ集まりますが、そこに十三人目の存在となる謎の少年の死体が現れる…という魅力的なあらすじ、そしてショッキングなタイトルで注目を集めました。
『TRICK』シリーズや『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズ等、数々のヒット作を世に送り出してきた堤幸彦がメガホンを取り、新田真剣佑や杉咲花、北村匠海といった今注目の若手俳優たちが顔を揃えたことでも話題を集めた作品です。
十二人のキャストのうち、一人だけ公開まで顔が明かされなかった人物がいたため、ネット上ではその正体を探る推理合戦が行われ、公開前から多くの人を楽しませました。
今回はそんな映画『十二人の死にたい子どもたち』をネタバレありでご紹介します。
目次
『十二人の死にたい子どもたち』作品情報
作品名 | 十二人の死にたい子どもたち |
公開日 | 2019年1月25日 |
上映時間 | 118分 |
監督 | 堤幸彦 |
脚本 | 倉持裕 |
原作 | 冲方丁 |
出演者 | 杉咲花 新田真剣佑 北村匠海 高杉真宙 黒島結菜 橋本環奈 吉川愛 萩原利久 渕野右登 坂東龍汰 古川琴音 竹内愛紗 とまん |
原作 | 小林うてな |
『十二人の死にたい子どもたち』あらすじ【ネタバレなし】
十二人の未成年と十三番目の死体
廃病院に集まった十二人の少年少女たち。
彼らの目的は、安楽死をすることです。
しかし、彼らが地下の一室に集まると、いるはずのない十三人目の少年、通称:0番が先に眠りについていました。
自分たちの中に十三人目を殺した犯人がいる場合、このまま安楽死を実行してしまうと、ここにいる全員が犯人扱いされる可能性があります。
このまま安楽死を実行すべきか、中止するべきか…。
彼らはこの集いのルールである“全員一致”にのっとり、多数決をとりながら議論を進め、十三人目の謎を解き明かしていきます。
『十二人の死にたい子どもたち』キャスト・登場人物解説
十二人の少年少女には、この集いに参加した理由=死にたい理由がありました。
それぞれの理由、キャラクターとともに、期待の若手キャストたちをご紹介します。
高杉真宙 / 1番:サトシ
高校1年生、15歳のサトシ。
この安楽死の集いの主催者で、常に冷静沈着、落ち着いた話し方が印象的な少年です。
会場の廃病院は、かつてサトシの父親が経営していたものですが、うつ病などを抱えていた父親が自殺をしたことで廃業しました。
過去には母親と兄が無理心中を図っており、周囲で死が蔓延していたことから、自分は死に取り憑かれていると感じるようになります。
🗣️「集い」参加者の声 #1番 サトシ
「僕は死に、取り憑かれてしまったんです」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #高杉真宙 pic.twitter.com/ChWrxzxzIw— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 5, 2019
そんなサトシを演じたのは、高杉真宙。
2012年、映画『カルテット!』にて初主演を務め、注目を集めます。
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その後も、映画『渇き。』『虹色デイズ』、映画化もされたドラマ『賭ケグルイ』など、話題作に多数出演を続けています。
渕野右登 / 2番:ケンイチ
高校2年生、16歳のケンイチ。
空気が読めないタイプで、教師に目を付けられたことをきっかけに、生徒からいじめを受けるようになった少年です。
そのいじめが原因で安楽死の集いに参加しました。
🗣️「集い」参加者の声 #2番 ケンイチ
「なんだかめちゃくちゃになっちゃった」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #渕野右登 pic.twitter.com/6S6y2UmGvR— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 6, 2019
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そんなケンイチを演じたのは、渕野右登。
2015年に活動を開始し、連続テレビ小説『半分、青い。』や映画『センセイ君主』に出演し、注目を集めている期待の新人です。
古川琴音 / 3番:ミツエ
高校2年生、16歳のミツエ。
ゴスロリファッションに身を包んだ少女です。
大好きなバンドマンが若くして亡くなったため、彼の後を追おうと集いに参加しました。
自分が一番美しいと思う姿で死にたいと考えています。
🗣️「集い」参加者の声 #3番 ミツエ
「一番美しい姿で死にたいから」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #古川琴音 pic.twitter.com/gmoUvYDoMx— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 6, 2019
感情的な一面もありますが、その分他人の気持ちを自分のことのように考える繊細かつ優しい心を持っています。
そんなミツエを演じたのは、古川琴音。
沖縄市のPR動画『チムドンドンゴザ』のオーディションに合格しデビュー。
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その後、映画『春』で初主演、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『チワワちゃん』などに出演し、頭角を現している若手女優です。
橋本環奈 / 4番:リョウコ
高校2年生、17歳のリョウコ。
深く被った帽子とマスクで顔を隠した少女です。
その正体は、天才子役から人気女優となった有名人・秋川莉胡でした。
大人がお金と時間をかけて作り上げたもう一人の自分である莉胡という存在を、ただの商品だと嫌っており、死ぬ時まで誰かに利用されたくはないと安楽死の集いに参加しました。
🗣️「集い」参加者の声 #4番 リョウコ
「死ぬ時まで利用されたくありません」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #橋本環奈 pic.twitter.com/PETZ0xuFeZ— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 7, 2019
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そんなリョウコを演じたのは、橋本環奈。
アイドルグループ・“Rev.from DVL”時代に国宝級の美少女と称され話題になり、2011年に『奇跡』で映画初出演。
その後、映画『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』、ドラマ『今日から俺は‼』などでコメディエンヌの才能を開花させます。
『十二人の死にたい子どもたち』ではシリアスな役柄を好演し、今後も幅広い活躍が期待される女優です。
新田真剣佑 / 5番:シンジロウ
高校3年生、17歳のシンジロウ。
末期がんを患っており、抗がん剤の影響からか髪が抜け落ちているため、常にカツラと帽子を被っています。
病が進行し、近いうちに身体が動かなくなるそうで、自分の死は自分の意思で決めたいと集いに参加しました。
両親が警察だということや、病気で体が動かせないため思考が趣味だということから推理力に長け、自然と0番の謎を解く先頭に立ちます。
🗣️「集い」参加者の声#5番 シンジロウ
「思考が唯一の楽しみだから」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #新田真剣佑 pic.twitter.com/Lwo2eYuCxc— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 7, 2019
そんなシンジロウを演じたのは、新田真剣佑。
アメリカでの映画出演を経て、2016年に日本で活動開始。
映画『ちはやふる』シリーズやドラマ『僕たちがやりました』に出演し、知名度とともに人気を獲得していきます。
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黒島結菜 / 6番:メイコ
高校3年生、18歳のメイコ。
大人しそうな外見、当初のおどおどした態度からは想像が付かないほど安楽死に積極的で、常に実行を急ぐ様子を見せる少女です。
倒産寸前の父親の会社を救うべく自らに保険金をかけ、安楽死の集いに参加しました。
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自分を生んだ母親と離婚した後も再婚を繰り返す父親に歪んだ愛情を抱いており、議論の中でも自分勝手な行動が多く見られるエキセントリックな存在です。
🗣️「集い」参加者の声 #6番 メイコ
「ろくでもない女が多すぎるんです」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #黒島結菜 pic.twitter.com/qENDnGvXdf— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 8, 2019
そんなメイコを演じたのは、黒島結菜。
2012年に活動を開始し、翌13年に『ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~』で映画デビュー。
テレビドラマ『アオイホノオ』や、連続テレビ小説『マッサン』などでの演技が評価され、様々な作品に出演を続けています。
『十二人の死にたい子どもたち』では、議論をかき乱す重要な役どころを演じています。
杉咲花 / 7番:アンリ
高校3年生、17歳のアンリ。
全身真っ黒の服装に真っ黒なロングヘアで、どこか威圧的な雰囲気の少女です。
幼少期の経験から自分は生まれてこないほうが良かったと感じており、安楽死の集いに参加しました。
🗣️「集い」参加者の声#7番 アンリ
「生まれてくるべきじゃなかった!」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #杉咲花 pic.twitter.com/1MtfHZvOKP— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 8, 2019
自身の意見を発するだけでなく、みんなの意見を取りまとめる議長のような存在で、かなり高度な知性を持っていることがわかります。
そんなアンリを演じたのは、杉咲花。
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その後、ドラマ『夜行観覧車』や連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』など話題作に多数出演し、その高い演技力が評価されます。
2020年後期放送の連続テレビ小説『おちょやん』の主演を務めることが決まっており、今後の活躍からも目が離せない演技派女優です。
萩原利久 / 8番:タカヒロ
高校1年生、16歳のタカヒロ。
吃音症で、薬を常用している少年です。
落ち着きがない子どもだったそうで、幼少期から母親に薬漬けにされており、吃音はその薬のせいではないかと劇中で指摘されます。
とにかく深く眠りにつきたいという考えを持ち、この集いに参加しました。
🗣️「集い」参加者の声#8番 タカヒロ
「君が、殺したの?」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #萩原利久 pic.twitter.com/P4MYuqRp3s— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 9, 2019
そんなタカヒロを演じたのは、萩原利久。
2008年に子役としてデビュー。
映画『暗殺教室』や『ちはやふる』シリーズ、『帝一の國』などに出演し、注目度が上昇中の俳優です。
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『十二人の死にたい子どもたち』では難しい役どころを演じ、監督の堤幸彦からも評価されています。
北村匠海 / 9番:ノブオ
高校3年生、18歳のノブオ。
爽やかな雰囲気を纏った人当たりの良い少年です。
🗣️「集い」参加者の声#9番 ノブオ
「みんな同じ気持ちだよ」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #北村匠海 pic.twitter.com/PgKkELlfIo— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 9, 2019
大抵のことは人並み以上にこなせてしまう点が鼻についたのか、ある日いじめを受けるようになりいじめの主犯格に手をかけてしまいますが、事故死扱いされてしまったため、償いの意味を込めて安楽死の集いに参加しました。
病院に到着した時、やけに汗をかいており、その時にタカヒロに発した言葉も相まって犯人だと疑われます。
そんなノブオを演じたのは、北村匠海。
子役として活動した後、2008年に映画『DIVE!!』で映画デビュー。
ダンスロックバンド・“DISH//”のメンバーとして活動しながら、ドラマ『仰げば尊し』や映画『君の膵臓をたべたい』に出演し、同世代を中心に人気を集めています。
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坂東龍汰 / 10番:セイゴ
高校1年生、15歳のセイゴ。
見るからに悪そうな不良ですが、弱い者には優しい親分肌の少年です。
母親との関係が最悪で、自らにかけられた保険金が母親のものにならない方法を考えた結果自殺しようと思い至り、この集いに参加しました。
そのため、議論の中では自殺にこだわり、0番の正体がわかるまで安楽死を実行しない反対派に回ります。
🗣️「集い」参加者の声#10番 セイゴ
「自殺じゃなきゃいけねぇんだよ俺は!」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #坂東龍汰 pic.twitter.com/4jxzzEeJgv— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 10, 2019
そんなセイゴを演じたのは、坂東龍汰。
2017年にデビューし、2018年に『花へんろ 特別編 「春子の人形」~脚本家・早坂暁がうつくしむ人~』の主役に抜擢され、注目を集めます。
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吉川愛 / 11番:マイ
高校3年生、17歳のマイ。
難しい話が苦手なギャルで時に空気の読めない発言をしますが、明るく優しい性格の少女です。
🗣️「集い」参加者の声 #11番 マイ
「11番マイでーす!」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #吉川愛 pic.twitter.com/9LAKZDIlaN— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 10, 2019
援助交際をする中でヘルペスに感染し、一生治らない病気だと思い込んで自殺を決意。
安楽死の集いに参加しました。
そんなマイを演じたのは、吉川愛。
吉川里琴の名前で子役として活躍し、『メイちゃんの執事』や『リーガル・ハイ』に出演。
一時芸能界を引退していましたが、吉川里琴だと知らずに声をかけた芸能関係者からスカウトされ、現在の吉川愛に名義を変更して活動を再開させました。
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子役から若手女優へと立場を改め、ますます活躍が期待される実力派女優です。
竹内愛紗 / 12番:ユキ
高校1年生、15歳のユキ。
大人しい性格で、議論の中でもほとんど発言しない少女です。
過去に交通事故に遭っており、その後遺症で左手が不自由になりました。
以降、たくさん苦しんできたため、もう楽になってもいいはずだと安楽死の集いに参加しました。
🗣️「集い」参加者の声#12番 ユキ
「もう楽になっていいはずだって」#廃病院集合🏥 #しにたい12 #竹内愛紗 pic.twitter.com/XbWcl5IaFD— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) February 11, 2019
そんなユキを演じたのは、竹内愛紗。
2017年に活動を開始し、映画『リベンジgirl』にてスクリーンデビュー。
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とまん / 0番
0番を演じたのは、とまん。
俳優だけでなくモデルやタレントとして活動し、過去には音楽活動も行っていたマルチな才能を持っています。
『十二人の死にたい子どもたち』ではストーリーの中心となる十三人目の存在を演じ、ただ横たわっているだけではない、生身の人間を感じるような“死体”を演じました。
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【ネタバレ】『十二人の死にたい子どもたち』ストーリー解説・結末
11時に会場の鍵を開けた主催者のサトシは、部屋には入らず病院内の巡回に向かいました。
よって、2番目に到着したケンイチが最初に部屋に入り、ベッドで眠っている0番を発見します。
つまり、何者かがサトシよりも先に来て、誰にも気づかれずに0番を部屋に連れ込んだ可能性があるのです。
集合前に屋上にいたタカヒロは、自分よりも後に来たはずのノブオが「屋上、広くていいよね」と屋上の様子を知っているような発言したことから、到着順を偽っているのではないかと疑います。
犯人なのかと問われたノブオは、あっさり自分が嘘の証言をしていたことを認めますが、0番のことを殺したわけではないといいます。
みんなの前でちゃんと説明したいというノブオでしたが、直後にその場から立ち去ると、誰かに背中を押されて階段から転げ落ちてしまいました。
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中でもどこか焦っている様子のメイコは、ノブオは逃げたのだと決めつけて実行を急ぎます。
メイコが一人で勝手に部屋の入口を塞ごうとした時、額と鼻を血だらけにしたノブオが戻ってきました。
一方、推理力と観察力に長けたシンジロウは、この時アンリが何者かと連絡を取り合っているのを見ていました。
誰よりも早く、部屋で眠りについていた0番。
0番のそばに置かれた車椅子と錠剤。
0番のものと思われる、バラバラに捨てられた靴。
何者かが捨て去った帽子とマスク。
煙草の吸殻。
…様々な証拠品が見つかり、憶測が飛び交う中、0番の謎を解くためには十二人の“到着順”が鍵となっていました。
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1番:アンリ
最初に会場である廃病院に到着したアンリは、屋上から他の参加者が来るのを監視していました。
2番目に到着したノブオが屋上にやって来て、ともに監視を続けていると、3番目の参加者が車椅子で来たこと、車椅子を押している人も身体が不自由そうなことに気づき、手伝うために下の階に降りていきます。
受付で車椅子に乗った人物を発見しますが呼吸がなく、車椅子を押していた人物の姿がありませんでした。
このことが安楽死の集いの妨げになるのではないかと危惧したアンリは、ノブオに協力を仰ぎ、最初にやって来て先に自殺してしまった人物=0番だと思わせることを計画します。
その後、アンリは屋上で参加者が揃うのを監視しながら、ノブオに指示を出します。
2番:ノブオ
2番目に到着したノブオは、屋上にいたアンリと出会いました。
その後、アンリの計画を手伝うことになり、誰にも気づかれないように0番を移動させるため、病院内を駆け回ります。
0番を運んでいる途中で床に落としてしまったり、車椅子では通れない場所を通過するために受付の椅子に乗せなおしたり、その椅子で屋上に人が来られないようエレベーターを止めたりと、大変な思いをしていました。
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3番:ユキ、0番
アンリとノブオが屋上から見た3番目の参加者のうち、車椅子を押していたのはユキでした。
自分のせいで起こった交通事故により植物状態となった兄=0番を連れてやって来て、ともに死のうと思い、集いに参加。
受付の入口が狭く車椅子が通れなかったため、兄を置いて他の通り道を探しているうちに、アンリとノブオに発見されてしまいます。
自身が連れてきたと発覚するのを恐れて、アンリとノブオの様子を陰に隠れて見ていました。
その後、最後にやって来たふりをして会場へ向かいます。
4番:リョウコ
芸能人として忙しい生活を送っているリョウコは、抜け出せるタイミングが限られていたこともあり、集合時間より少し早く到着してしまいます。
外のベンチで煙草を吸って時間を潰していたため、その際に出た吸殻を発見されたことから、一時は犯人と疑われていました。
トイレに寄った際に大きな物音を聞いたと証言していましたが、これはノブオが0番を椅子から落としてしまった時の音でした。
5番:サトシ
11時に病院へ到着し、会場の鍵を開けに行きますが、何者かによって電源が入れられていたことが気になったため、部屋には入らず巡回に向かいました。
サトシが部屋を離れた隙に、ノブオが0番を連れ込みます。
電源を入れたのは、誰よりも早く0番を部屋に入れようとしていたアンリでした。
6番:ケンイチ
病院に到着して、会場に向かう前に受付で雑誌を読んで時間を潰していました。
そこでユキが被ってきた帽子とマスクを発見。
その後、会場である部屋に到着し、最初に0番が横たわっていることに気づきます。
7番:ミツエ
病院に到着後、女子トイレで煙草を吸って時間を潰していました。
ここで0番のものと思われる靴の片方を見つけます。
これは一時的に女子トイレに0番が隠されており、ノブオが連れ出す時に落としていってしまったものです。
8番:シンジロウ
病院に到着した直後、自動ドアの電源が入っていることを不審に思い、正面玄関を観察していました。
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9番:タカヒロ
病院に到着し、気持ちを落ち着けるために屋上へ上がりました。
その後、エレベーターが止まっている6階の様子を見に来たセイゴとノブオに出会い、ともに会場に向かいます。
10番:セイゴ
病院に到着すると、受付のそばに立っていたノブオを見かけて声をかけます。
すぐ会場に向かおうとしますが、ノブオからエレベーターが6階で止まっていると聞かされ、ともに様子を見に行きます。
そこでエレベーターに挟まっていた椅子を取り除き、合流したタカヒロと、ノブオと3人で会場へ向かいました。
11番:マイ
病院に到着後、外のベンチで時間を潰していました。
屋上から監視していたアンリは、マイがすぐに病院内に入ったものと思っていましたが、ベンチが死角になっていて外にいることに気づきませんでした。
そのため、アンリが外に捨てたユキのマスクと帽子を見かけています。
12番:メイコ
最後に会場入りしたメイコ。
屋上にいたアンリは0番を含めて人数を数えていたため、13番目にやって来た参加者となりました。
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最後の決断
0番を連れてきた犯人はユキでした。
同時に、0番はまだ死んでおらず、植物状態だということが判明します。
つまり、このまま予定通りに練炭自殺を実行すると、十二人が0番を殺したことになってしまいます。
そのうえ、それぞれの死にたい理由が明かされた今、0番の謎を解いたシンジロウは、全員に生きていてほしいと感じるようになっていました。
その想いは他の参加者たちも同じで、0番が生きているとわかった時も、救いたいと思った者が多かったのです。
お互いの気持ちをぶつけ合い、迎えた最後の採決。
集いのルールにのっとり、“全員一致”で安楽死の実行を中止することになりました。
彼らは笑顔を見せ、晴れやかな空の下、解散します。
一方、まだ部屋に残って片付けをしていたサトシは、同じく部屋に残っていたアンリに問われます。
この集いを主催するのは何回目かと。
サトシは素直に、3回目だと答えました。
実は、サトシが集いを開催するのは初めてではないのですが、毎回最後には自然とこのような結果になるのだといいます。
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今後も続けていくというサトシに、アンリはいいます。
次回からも参加すると。
再会の香りを漂わせて、二人は別れるのでした。
【ネタバレ】『十二人の死にたい子どもたち』感想
ミステリーかと思いきや青春ドラマだった
一見すると、ミステリーやサスペンス映画である『十二人の死にたい子どもたち』。
蓋を開けてみると、悩みや苦しみを抱えた若者たちの青春ドラマでした。
もちろんミステリー要素はありますし、誰が犯人かわからないドキドキハラハラしたサスペンス要素もあります。
しかし、後半に進んで行くにつれて、普段だったら話したり、かかわったりしないタイプの若者たちが、語り合い、ぶつかり合う機会を手に入れ、最後には希望を手に入れるという、青春ドラマの典型のような展開が用意されています。
これは、1985年に公開され、初めてスクール・カーストの存在を暴いた映画といわれている『ブレックファスト・クラブ』を思わせるものです。
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『十二人の死にたい子どもたち』は、前半の推理フェーズで観る者を取り込み、そのうえでこの普遍的なテーマを突き付けてくる作品なのです。
他のミステリー作品や青春ドラマにはない、ある種斬新な楽しみ方ができる物語といえます。
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一方で、タイトルからも想像がつく通り、『十二人の怒れる男』や、そのオマージュ作品である『12人の優しい日本人』のような、一つの部屋で議論を繰り広げ、物語が展開されるという楽しみもあります。
そして、その部屋から出始めると、登場人物たちの距離が縮まっていく…というのは、また前述の『ブレックファスト・クラブ』と同じ構図になっています。
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『十二人の死にたい子どもたち』あらすじ・解説・ネタバレ感想:まとめ
【まとめを更新しました📝】
究極のリアタイ型密室ゲームがついに開幕❗️ 映画『#十二人の死にたい子どもたち』感想まとめhttps://t.co/H3uNB3YYHt#廃病院集合🏥 #しにたい12#しぬほど言いたい pic.twitter.com/2E2Ueqpdhq
— 映画『十二人の死にたい子どもたち』 (@shinitai12movie) January 31, 2019
いかがだったでしょうか。
ミステリー、サスペンス、そして青春ドラマとしても楽しめる映画『十二人の死にたい子どもたち』。
物語の謎を解き進めながら、ドキドキハラハラするようなスリルを味わってみては?
今後の活躍が期待される若手キャストたちの豪華共演にも注目です!