衝撃のラストシーンまで決して目が離せない作品。
J・K・シモンズ演じる鬼の演奏指揮者による鬼気迫る演技には圧巻の一言です。
- 第87回アカデミー賞助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズの演技は必見。
- ジャズが好きになる!素晴らしい挿入曲の数々に酔いしれること間違いなし。
- 主人公ニーマンの挫折と成長に胸が熱くなる。
それではさっそく映画『セッション』の作品情報・あらすじ・ネタバレ感想を書いていきたいと思います。
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目次
『セッション』作品情報
作品名 | セッション |
公開日 | 2015年4月17日 |
上映時間 | 106分 |
監督 | デミアン・チャゼル |
脚本 | デミアン・チャゼル |
出演者 | マイルズ・テラー J・K・シモンズ ポール・ライザー メリッサ・ブノワ オースティン・ストウェル クリス・マルケイ |
音楽 | ジャスティン・ハーウィッツ |
主演のマイルズ・テラーはジャズドラマーを演じるため、2か月間欠かさず1日に3~4時間ジャズドラムの練習を続けていました。
撮影では、すべて自らが演奏しており、作中に見える手からの出血はマイルズ・テラー本人のものなんです。
『セッション』は、第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされており、そのうちJ・K・シモンズの助演男優賞を含む3部門で受賞した名作です。
【ネタバレ】『セッション』あらすじ・感想
現代の教育に一石を投じる作品。劇中で描かれる超スパルタ教育に注目
映画『セッション』は、アメリカ最高峰の音楽学校に通う19歳のジャズドラマー、アンドリュー・ニーマンの挫折と成長を描いた作品です。
しかしこの挫折のさせ方がとにかくえげつないのです。
ニーマンを鍛え上げるジャズの演奏指揮者フレッチャーの教育に褒めるという行為は一切ありません。
激情に任せて生徒に手を上げるシーンもあれば、大勢の前で精神的に追い詰めるようなやり方をとる場合もあります。
パワーハラスメントや体罰に厳しくなった現代で発覚したら一発でアウトの行為ばかりですが、映画視聴後にこれらの行為は必要なものだったと思えてしまうところがこの映画のすごいところなのです。
そんな鬼の指導者フレッチャーを象徴するセリフがあります。
「英語でもっとも危険な言葉はこの二語だ、”グッド・ジョブ”」
このセリフについては、観る方によって賛否両論あると思いますが、深く考えさせられる印象的な言葉でした。
褒めるという行為から成長は生まれず、恥をかかせ二度と笑われまいと努力させることこそが成長を生むと彼は語っていました。
そのような信念を持って教育に臨んでいると知ってからは、彼の見方が大きく変わってくると思います。
現代教育から失われつつあるエッセンスが詰まっている作品です。
ゆとり世代の若者から団塊の世代まで様々な方に観てもらいたいと思いました。
背筋が凍ること間違いなし!J・K・シモンズが演じる鬼の演奏指揮者
J・K・シモンズ演じる演奏指揮者フレッチャーがとにかく怖いのです。
もう本当に圧力がハンパじゃありませんでした。
彼の特徴は、上述したように褒めることは一切せずに、とにかく貶して恥をかかせることですが、やりすぎて思わず目を逸らしてしまいたくなるシーンもありました。
メンタルがあまり強くない方は視聴に注意が必要かもしれません。
ハッキリ言ってそのへんのホラー映画を見るよりも、よっぽど恐怖体験ができると思います。
私も、学生時代にみんなに恐れられていた体育教師がフラッシュバックするほど恐ろしかったことを覚えています。
そして、視聴者にここまで思わせるJ・K・シモンズの鬼気迫る演技は本当に素晴らしいの一言。
彼がこの作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞しているのも納得しかないです。彼の演技は必見です。
作中の挿入曲が素晴らしい。ジャズの魅力にハマること間違いなし
私は、この映画を見るまでジャズは種類が豊富で歴史も深いため、敷居が高くてとっつきにくい音楽という先入観を持っていました。
ですが、視聴後にこの考えは180度変わることとなります。
とにかくジャズがかっこいいんです。
要所で流れる美しいジャズの演奏が、そのシーンをよく引き立てていると感じました。
種類や歴史といった難しい御託などは考えずに、とにかく曲に耳を傾けてほしいです。
管楽器の美しい音色に、しっとりとしたピアノや小気味よいドラムの音が合わさって、一体感のある素晴らしい演奏に聞き惚れてしまうこと必至でしょう。
私が視聴後に『セッション』のサウンドトラックを買いに走ったことは言うまでもありません。
この演奏のすばらしさが、アカデミー賞の録音賞を受賞した大きな要因のひとつになっていることは間違いないです。
俳優だけではなく、映画を支える製作人もすばらしい作品です。
とっつきにくいジャズを好きになるきっかけにもなると思うので、たくさんの人に観てもらってジャズの良さが広く伝わって欲しいと思える作品でした。
圧巻のラストシーン。魂が震える9分19秒を体感せよ。
『セッション』の最大の魅力は、なんと言っても圧巻すぎるラストの演奏シーンです。
ある事件が原因で学校を去ることになったニーマンとフレッチャーは、偶然街で再会して、ふたたび同じジャズバンドを組んで演奏会に出場することになります。
しかし演奏会当日、フレッチャーは巧妙な手口でニーマンを大観衆の前で地獄にたたき落とすのでした。
プロのスカウトがいる前で、無能の烙印を押されたニーマンの心は折れてしまい舞台袖に引っ込んでしまいます。
誰もが再起不能と思った直後、ニーマンは覚醒します。このシーンが最高に熱いのです。
覚悟を決めた表情のニーマンは、とても勇ましくかっこいいです。
舞台に戻った彼は、指揮者のフレッチャーを無視して、すさまじいドラムの演奏を披露します。
そのすさまじさに他の演奏者も感化され、ニーマンのドラムに合わせて演奏を始めます。
ニーマンがバンドを乗っ取る展開にはおもわず鳥肌がたちました。
この演奏シーンは、自分が今まで見てきた映画の中でも屈指のラストシーンでした。
演奏が終わってエンドロールが流れ始めても興奮で心臓が高鳴っていたのを覚えています。
ここまで多くの魅力について書いてきましたが、すべてはこの最後の演奏を引き立てるための伏線だったといっても過言ではありません。
ぜひ、みなさんにも圧巻のラストシーンを堪能してもらいたいですね。
『セッション』まとめ
映画『セッション』を見た。
いやぁ、面白い。
何かを追求する過酷さや、自分に妥協しない心強さ、求めるが故の葛藤。
すごくオシャレにかつ人間臭く表現されていたなぁ。
あとジャズってやっぱり、かっこいいなぁって改めて思うね。 pic.twitter.com/SHxOd35HCb— 井上裕介 (@inoueyusuke) 2015年9月19日
ノンスタイルの井上さんもTwitterで大絶賛していました。
教育ドラマでもあり、音楽ドラマの要素も入っており、どなたでも楽しめる映画だと思います。
- アカデミー賞助演男優賞を受賞したJ・Kシモンズの演技が素晴らしい。
- ジャズが好きになるきっかけになる作品。
- 圧巻のラストシーンに胸が熱くなる。
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