運命の一夜、接点のない11人が4つの部屋で繰り広げるキケンな夜。
恋や愛、金や仕事、人生の駆け引き…最低なシチュエーションでこそ引き出される最高の人間らしさをハイテンションに描いた作品!
- 顔は良いのにヘタレな主人公を生田斗真が演じ、コケティッシュなコールガールを麻生久美子が演じる…もうこれだけで気になりませんか?
- 残り9人も個性的で強烈なキャラクター揃い!
- テンション高めで息つく暇もないくらいの物語が好きな人におすすめです!
それでは『シーサイドモーテル』をネタバレありでレビューしていきます。
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目次
『シーサイドモーテル』作品情報
作品名 | シーサイドモーテル |
公開日 | 2010年6月5日 |
上映時間 | 103分 |
監督 | 守屋健太郎 |
脚本 | 柿本流 守屋健太郎 |
原作 | 岡田ユキオ |
出演者 | 生田斗真 麻生久美子 山田孝之 玉山鉄二 成海璃子 古田新太 温水洋一 小島聖 池田鉄洋 柄本時生 山崎真実 赤堀雅秋 ノゾエ征爾 |
音楽 | YOUR SONG IS GOOD |
【ネタバレ】『シーサイドモーテル』あらすじ
モーテルの4つの部屋
山に囲まれた田舎のなかにある“シーサイドモーテル”103号室、けたたましい電話の音で目を覚ましたのは詐欺まがいのスキンクリームの営業マン・亀田雅之(生田斗真)。
上司からノルマ50人と告げられ、じゃあもう売り切るまで帰らないと開き直って電話を切りました。
その直後やってきたのは呼んだ覚えのないコールガール、キャンディ(麻生久美子)。
亀田は覚えがないと追い返しましたが、これも何かの縁だからと強引に戻ってきました。
そこで閃く亀田、スキンクリームを取り出してハリウッドセレブ御用達だとか何とか売りつけようと思い立ちますが、失敗。
逆にうまいこと言いくるめられてイイ雰囲気になりキスしそうになったところで「続きは有料だから」とかわされてしまいました。
同じ頃、202号室。
安いからという理由だけで水もろくに出ない部屋に滞在しているのはギャンブラーの朝倉陽介(山田孝之)と朝倉の彼女である二宮留衣(成海璃子)。
2人はピザ屋が6時ちょうどにやってくるかどうか賭けをしていました。
時間ちょうどにやってきたピザを受け取ろうとしたところでピザ屋の背後からニコニコ金融の借金取り・相田敏夫(玉山鉄二)と相田の舎弟・チー坊(柄本時生)が現れます。
また同じ頃、203号室。
モーテルらしく変態的なプレイに興じる夫婦がいました。
夫はスーパー太田の社長である太田勝俊(古田新太)、妻は随分と若く綺麗な美咲(小島聖)。
何もない田舎で暇だ退屈だと大騒ぎする美咲に、太田はそれならパチンコ屋にでも行って来たら良いと言い出します。
数日前に「スロットに行き過ぎだ」と咎めた太田がそう言い出したのはまぎれもなく、美咲を追い出し自分はコールガールを呼ぼうと目論んでいたからです。
しかし女の勘は侮りがたし。
美咲は変態的なプレイに使おうとしていた金髪のウィッグを太田に被せて化粧を施し「帰ってくるまでに化粧を落としていたらどうなるかわかってるわよね」と笑顔でパチンコ屋に向かいました。
そしてまた同じ頃。
モーテルの側ではエンストした車の側で言い争う男女がいました。
キャバクラ嬢のマリン(山崎真実)と、マリンの常連客の石塚達也(池田鉄洋)です。
彼らは温泉旅行に行こうという話になっていたはずが、立ち行かなくなってしまったのです。
修理を呼ぼうにも車は旧車で部品も古く、すぐにはどうにもならない状態。
ということで、すぐそばにあるモーテルに一泊しようという話になります。
午後6時30分
太田が203号室のベランダで一服していると好みのコールガールらしき女性がやってくるのが見えました。
しかし彼女が入って行ったのは一階下の103号室。
妻の美咲は社長夫人といえども激安スーパーの、という冠がついてしまうことや子宝に恵まれないばかりか最近は自分のモノが使い物にならないことまで反省しながらも太田はコールガールが来るのを待ち侘びていました。
しかし、そこにやってきたのは可愛い女の子ではなく、警察官2人でした。
そして美咲が大型トラックに衝突されて即死だったと告げられます。
太田の知らないところで不倫していた美咲は不倫相手であるスーパーの従業員・中村の車に同乗していたという事実まで知らされ女装姿のまま泣くことしかできませんでした。
202号室ではポーカー、バカラなどギャンブルで借金を重ねた朝倉が手足を拘束されてペペという業界で有名な拷問職人を待っていました。
ペペは業界で有名とはいえ相田も会ったことがないほど謎に包まれた人でした。
その非道と噂される拷問にビビった朝倉は留衣を売ろうとまで言い出しますが、咄嗟に相田に勝負を仕掛けます。
「今からペペが来るまでの間に窓の外を男が連続で5人通ったら俺の勝ち、1人でも女が通ったら相田の勝ち」という勝負です。
まずは警察官の男が2人。
続いて戻ってきた同じ警察官が、男2人としてカウントされます。
あと1人というところで通ったのは女装姿の男。
朝倉は女だったと言い張り、相田は誰が見たって女だったと言い張り、結果は留衣にゆだねられます。
瑠衣は先ほど売られそうになったことが許せず「最後の1人はどう見たって女だった」と言いました。
そこに伝説の拷問職人ペペ(温水洋一)がやってきました。
ネックレスが結ぶ亀田とキャンディ
さて103号室では亀田がキャンディのことを忘れられずに名刺を眺めていました。
そして部屋の床にキャンディが落として行ったと思われるネックレスを見つけます。
同じ頃、102号室。
石塚はピザを注文していました。
しかし202号室での出来事がトラウマになっているピザ屋は届け先を言われた途端に電話を切ってしまいました。
一見なんの接点もなさそうなこの2人の出会いはマリンの勤めているキャバクラでした。
身長170センチで体が柔らかいマリンは石塚の好みドンピシャだったのです。
それから石塚はキャバクラに半年通い続け200万をつぎ込み、やっとのことで旅行に誘い今にいたるといったところでした。
そして103号室では亀田がネックレスを理由にキャンディを呼び出していました。
亀田はしっとりとした声色でインチキなクリームを売る自分と、インチキな愛を売るキャンディが似ていると言いました。
違うのは自分が無能なセールスマンで、キャンディは有能であることだとも言いました。
1回目にキャンディが間違って入ってきた時の、コールガールとしての商売上手なところが悔しかった亀田は今回はギャフンと言わせてやろうと思っていたのです。
それなのに100%嘘だとわかっているはずのキャンディの言葉を信じてみたくなってしまい結局簡単に騙されそうになってしまいます。
しかし危ないところで“わざと忘れて帰った”と言うネックレスの置き場所を問い詰めて嘘を暴き、インチキな2人は笑い合いました。
午前2時40分
202号室では中指1本“削られた”朝倉にペペが致死量の毒薬を注射しようとしているところでした。
朝倉は毒薬を注入される寸前にトイレに行きたいと言ってどうにか拘束を解いてもらい駆け込みます。
朝倉が外している間、朝倉と相田は子供の頃からの友達であるということが明らかになります。
トイレでは朝倉が隠し持っていた携帯でどこかに連絡をしたところでした。
かけた先は警察ではなく、田舎の母親だと言い張り、これまで散々やって生きてきたことを詫びたと言います。
しかしモーテルの外から聞こえてきたのはパトカーのサイレン。
自分の身の危険を案じた相田は自らの手で朝倉に注射器の毒薬を注入しました。
…が、パトカーだと思ったその音は、102号室でいざ行為に及ぼうというところで石塚がギックリ腰になってしまい呼ばれた救急車のサイレンでした。
明け方、4時
その頃、103号室ではかたくなにセックスはしないと言う亀田に対して、キャンディが何のために自分は呼ばれたのかという話になっていました。
亀田は結構マジでキャンディに惚れてしまっていました。
しかし「女は未来を見るけれど、男は過去を見る。4ケタの数の男と経験がある自分を愛せるのか」というキャンディの言葉にハッとします。
キャンディがコールガールを始めたのは、昔付き合った男性から「セックスは100点だけど女としては65点だ」と言われたことがきっかけでした。
そして100点のセックスをしてお金を貯めようと思った、と言いますがお金を貯めてどうするのかまでは考えていませんでした。
とりあえずモーテルのすべての部屋に飾ってある写真の南の島にモーテルでも作ろうかなと言うと、亀田はクロークでも何でも言いから手伝わせてほしいと言いました。
そんな会話のあとキャンディは「朝日が昇るころ戻ってくるわ。水着と日焼け止めを持って」と言ってモーテルを後にしました。
同じ頃、202号室。
朝倉がギャンブルの借金だけではなく組のお金にも手を出していたことが判明します。
その額2億。
しかし朝倉はもう死んでしまっている上に、証拠は髪の毛1本たりとも残さず処分するということで有名なペペが車に乗せて“処分”すると出て行ったところです。
実際のところ注入されたのは毒薬ではなく麻酔薬、組から盗んだ2億はペペと朝倉の乗る車のトランクに。
つまりペペと朝倉が手を組んで一芝居打っただけのことでした。
真相は知らないまでも罪の意識に襲われた相田はチー坊を解雇し、留衣を連れてモーテルを後にします。
モーテルに飾られている写真の正体
朝日が昇り切った頃、201号室。
目を覚ました亀田のもとにキャンディはやってきませんでした。
明け方のキャンディの言葉に浮かれて勢いで捨てたスキンクリームを取りにゴミ箱に向かうと、さっき相田から解雇されたばかりのチー坊と出会いました。
ところ変わってレストラン、相田と留衣が食事をしているところに朝倉が生きていたという連絡が入ります。
しかし、車の中で朝倉は拷問された時の中指が痛むと暴れ出して、痛み止めを探していたペペの首を絞め、もがいたペペがアクセルを踏んだことで車は暴走。
別の道からはキャンディが助手席に浮き輪を乗せて鼻歌を歌いながらシーサイドモーテルへと向かっていましたが、2台の車は衝突。
朝倉とペペは全身を強く打って死亡、キャンディは重症でした。
事故のニュースが流れるカーステレオを聞き流し、亀田とチー坊は2人であてのない旅に出ます。
そして4週間後。
本物のシーサイド、どこかの島の砂浜でスキンクリームを広げて一応商売をしている亀田とチー坊のロマンチックの欠片もない会話をする後ろ姿はモーテルに飾られていた写真のカップルそのものでした。
【ネタバレ】『シーサイドモーテル』感想
おしゃれでおもしろい映画
なんかおしゃれなMVが始まったのかなと思うような始まり方の『シーサイドモーテル』は、やっぱり終始おしゃれです。
始まりと終わりのカットが同じ写真っていうのもおしゃれ。
それでいてストーリーはおもしろい。
vito
本当に生田斗真はこういうちょっとヘタレな役が似合うよなぁ…。
とんでもなく優秀で警察の特別な課に所属しながらも過去に縛られている影のある役とか、社会科の優しくてちょっとずるい先生の役とか、世間を揺るがす事件の犯人でありながら最終的に自分だけが罪を被って死んじゃう役とかも好きなんですけど。
vito
『シーサイドモーテル』のオマケ的要素
vito
個人的に103号室の亀田とキャンディにはくっついて欲しかったんですけど、そこは直接的な描写はなく…でも最後の最後、車の事故から復活したキャンディが少しだけ描かれています。
202号室は唯一出てくる人数が多めだったわけですが朝倉とペペはあらすじにも書いたように事故で死亡、チー坊は亀田と南の島。
留衣と相田がレストランで食事した後…というのも、ちゃんとあります。
203号室は美咲が不倫相手と事故にあって死亡、残された太田は「妻がやきもちを焼くから」と女装したまま警察署まで行ってそのままモーテルに戻ってきます。
で、もう化粧落としてもいいかな?なんてもういない美咲に話しかけながら洗面所で水を出そうとするんですけど…モーテルが断水していて落とせないんですよね。
でもそれまで203号室は水を出すことがなかったから断水しているなんてことも知らず、美咲が落とさせてくれないんだと思い込んだ太田は笑いながら泣くっていう。
vito
マリンちゃんが働いているキャバクラが主題歌のタイトルと同じ「ランナウェイ」だったり、そこにやってくるお客さんとしてモーテルに出動していた警察官2人が現れたり。
石塚はギックリ腰になってから出てこないので、そこでフェードアウトでした。
vito
『シーサイドモーテル』まとめ
以上、ここまで『シーサイドモーテル』をレビューしてきました。
- モーテルの4つの部屋それぞれの事情が絡み合うストーリーだけど小難しいことはないのですっきり見られます
- あれこれ考えながら見るよりも目から入ってくる情報だけで楽しめる作品!
- 個性豊かな登場人物みんなどこか憎めなくて愛おしくなる…はず。
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