『スケアリーストーリーズ 怖い本』あらすじ・感想! デル・トロが禁断のホラー小説を映画化!【ネタバレなし】

『スケアリーストーリーズ 怖い本』あらすじ・感想! デル・トロが禁断のホラー小説を映画化!【ネタバレなし】

出典:『スケアリーストーリーズ 怖い本』公式Twitter

2020年2月28日に全国公開となったホラー映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』。

第90回アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』や、カンヌ国際映画祭で上映された『パンズ・ラビリンス』で知られるギレルモ・デル・トロが企画・製作、そしてストーリー原案を担当した作品です。

デル・トロが得意とする恐ろしく奇妙なクリーチャーたちが、少年少女たちを邪悪な世界に突き落とすジェットコースターのような展開になっています。

今回はそんな映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』のあらすじや見どころをネタバレなしでご紹介します。

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『スケアリーストーリーズ 怖い本』作品情報

『スケアリーストーリーズ 怖い本』

(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

作品名 スケアリーストーリーズ 怖い本
公開日 2020年2月28日
上映時間 108分
監督 アンドレ・ウーヴレダル
脚本 ダン・ハージュマン
ケビン・ハージュマン
ギレルモ・デル・トロ
出演者 ゾーイ・コレッティ
マイケル・ガーッサ
ガブリエル・ラッシュ
オースティン・ザユル
ディーン・ノリス
ギル・ベローズ
ロレイン・トゥーサント
音楽 マルコ・ベルトラミ
アナ・ドラビッチ

『スケアリーストーリーズ 怖い本』あらすじ・感想【ネタバレなし】


あらすじ

1968年、ハロウィンの夜。

ステラ(ゾーイ・コレッティ)、オギー(ガブリエル・ラッシュ)、チャック(オースティン・ザユル)の3人は、いじめっ子のトミー(オースティン・エイブラムズ)にいたずらを仕掛けます。

追いかけられて逃げ出した3人はラモン(マイケル・ガーザ)と出会い、共に幽霊屋敷を見に行くことに。

屋敷の中に隠し部屋を見つけた一行は、そこで怖い話がいくつか書かれた本を見つけます。

その昔、屋敷に住んでいたらしい少女が書いたものだと思われる本を、ステラはそっと持ち出しました。

その後、まっさらだったページに文字が浮かび上がり、新しい怖い話が綴られていることに気づきます。

『スケアリー・ストーリーズ 怖い本』

(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ステラたちが驚く間もなく、その話の通りに少年少女が行方不明になったり、襲われたりする事態が起こりました。

このままではいけないと思った一行は、屋敷に住んでいた家族の謎を解こうと奮闘しますが……。

怖すぎる児童文学とクリーチャーたち

『スケアリーストーリーズ 怖い本』の原作となったのはアルヴィン・シュワルツが書いた児童文学『誰かが墓地からやってくる』シリーズ。

ホラー好きな子供たちを恐怖の世界へ誘った物語と、物語に登場する怪物を描いた挿絵が怖すぎる!と保護者からクレームが入ったほどの作品です。

様々なクリーチャーが登場する映画を数多く手掛けてきたギレルモ・デル・トロは原作の大ファンだそうで、愛を持ってこの作品に取り組みました。

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監督には『トロール・ハンター』『ジェーン・ドゥの解剖』ホラー映画界の奇才と名高いアンドレ・ウーヴレダルが就任しましたが、当初はデル・トロ自らメガホンをとろうとしていたほどだとか。

劇中には、少年少女を恐怖に陥れるクリーチャーたちが登場します。

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さすがデル・トロが携わっているだけある……と納得してしまうほど不可思議で恐ろしいクリーチャーたちは極力CGに頼らず、特殊メイクや特殊技術を駆使して顔のシワや些細な動きまでこだわって演出されたそうです。

ちなみにデル・トロお気に入りのクリーチャーは”青白い女“。

『スケアリーストーリーズ 怖い本』

(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

その実に奇妙で不気味な姿を、ぜひ映像で観ていただきたいです。

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怖いけど切ない……その理由

『スケアリーストーリーズ 怖い本』の舞台は1968年のアメリカ。

キング牧師やロバート・ケネディ氏の暗殺、ベトナム戦争の泥沼化など、決して明るいニュースが多かったとはいえない時代

劇中では何度もテレビの画面が映し出されます。

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そこで流れているのは大統領選挙の動向についてです。

この年の11月5日に行われたのですが、リチャード・ニクソン氏が当選しました。

当時、泥沼化していたベトナム戦争からアメリカ軍を撤退させることになるのが、このニクソン元大統領です。

そして、この頃からアメリカの経済は落ち込んでいき、数年後にはウォータゲート事件などの”ニクソン・ショック”が起こります。

このような特殊な時代背景から感じられる鬱屈した雰囲気があり、さらに観客はその歴史を知っているからこそ胸が苦しくなる……そんな側面を持っています。

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これから明るい未来を生きていく、とは言い切れない少年少女が主人公だからこそ、他のホラー映画では感じないような切なさが滲みでていました。
『スケアリーストーリーズ 怖い本』

(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

また、屋敷に住んでいたとされる少女についても徐々に明らかになっていきますが、しっかりとその謎をステラたちと共に追ってほしいと思います。

物語が人に与えるもの

物語は人を癒やし、物語は人を傷つける。

『スケアリーストーリーズ 怖い本』において、重要になってくる言葉です。

主人公のステラは作家志望ですが、自分の文章に自信がないような素振りがよく見られます。

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誰しも好きなこと、やりたいことだからといって、自信満々で取り組むことはなかなか難しいですよね。

ステラは自らの境遇や置かれた環境によって、特に自信を失っているように感じられます。

創作は、思い描いたことを自分勝手に作るだけでは評価されにくいです。

その反面、誰かを想って、誰かのために作ることで厚みを増すことがあります。

作者のエゴが表れやすいことは確かですが、そのぶん気持ちがこもるのです。

また、現実では伝えられないこと、伝えづらいことを存分に主張できるパワーも持っています。

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自分が好きなように作ったものでも、そういった要素を含むか含まないかでは、作品自体が大きく変わってくるはずです。

だからこそ、自分自身を癒やすこと、ある特定の人に届けることを目的とした作品が第三者にも受け入れられる可能性がある創作の世界は、非常に奥深いものだと思います。

“物語は人を癒やし、物語は人を傷つける。“

劇中何度も繰り返されるこの言葉は、ステラにとって大切な言葉になることでしょう。


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この映画を観た人たちにとっても、心に残る言葉になるのではないでしょうか。

『スケアリーストーリーズ 怖い本』まとめ

要点まとめ
  • 不気味で奇妙なクリーチャーたちが襲い来る恐怖の世界
  • 恐ろしくも切ない少年少女たちの行く末
  • 諦めない心を思い出すことができる、みんなの“物語”

いかがだったでしょうか。

今やヒット・メイカーとなったギレルモ・デル・トロがホラー映画界の奇才であるアンドレ・ウーヴレダルとタッグを組んで作り上げた映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』は2020年2月28日から全国公開中。

ぜひ、劇場でご覧ください!

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