映画『セイント・モード/狂信』あらすじ、ネタバレ|これが私の天職です!

セイント・モード/狂信

出典:U-NEXT セイント・モード/狂信

突然ですが、「いっそ神様が”これがあなたの天職です”って教えてくれたらいいのになあ~」と考えたことはありませんか?

今回レビューする『セイント・モード/狂信』は「神様に最適なお仕事をお告げしてほしい」「「PSYCHO-PASS サイコパス」のシビュラシステムによる適職診断がうらやましい」という人を地獄に突き落とすような映画でした…(汗)

ポイント
・「素人が一番怖い」を体現したサイコホラー
・イギリスの看護師、仕事多すぎない?

『セイント・モード/狂信』キャスト

主人公・モードを演じるのはスウェーデン生まれのモーフィド・クラーク。日本ではまだあまり認知されていない気もしますが、ワニ映画『クロール -凶暴領域-』ではスマホのテレビ電話越しに、主人公の姉役で登場していました(『セイント・モード』で演じる主人公とは雰囲気がだいぶ違うので、言われないと気づけないレベル)

それでは、ここからは『セイント・モード/狂信』をネタバレありでレビューします。

\\『セイント・モード/狂信』を見るならここ!!//

31日間無料のU-NEXTで見る

『セイント・モード/狂信』あらすじ【ネタバレあり】


信仰心と売春婦

非常に信仰深い女性・モードは過去にある問題を起こし、孤独に暮らしていた。ある日、著名なダンサーであるアマンダの豪邸で住み込みの看護をすることになった。余命僅かなアマンダだが、信仰深いモードに興味を持ち、モードのことを「私の救世主」と言うようになる。これをきっかけに、モードの信仰心はより一層激しいものとなる。

モードはよりアマンダを精神的に高めようと、豪邸に呼んでいる売春婦との縁を切るよう訴える。アマンダが言う通りにして、うまくいったかに見えたモードの行動だが、アマンダの誕生日パーティーで問題が起きる。そこには縁を切らせたはずの売春婦がおり、アマンダはモードが売春婦を追い払いたいことを知った上での行動だった。アマンダはモードの信仰心を否定するような態度をとると、怒りを覚えたモードは思わずアマンダをぶってしまう。

ついにモードに神のお告げが…!

ここからは『セイント・モード/狂信』のネタバレがあります!ご注意ください。

アマンダをぶったことでモードは解雇されてしまった。「アマンダの魂を救済する」役目を失ったモードは神に失望し、酒に溺れ、男と行きずりの関係を結んでしまう。自分を見失うモードだが、やがて彼女に「神のお告げ」が訪れる…。神はモードに「最後の試練を越え、真に一体となろう」と語りかける。

モードは深夜にアマンダの豪邸を訪れる。そこには、モードが最後に会った時よりも衰弱するアマンダがベットで横たわっていた。アマンダはモードに「神は存在などしない」と突き放すと、まるで悪魔のような表情を見せ、モードを恐ろしい力で吹き飛ばす。モードは近くにあったはさみで何度もアマンダを刺し続ける…。

翌日。モードはローブをまとい、ひとり浜辺を訪れる。するとおもむろに過酸化水素水を頭からかぶり始める。周りの人が止めるよう訴えるが、モードは微笑みながら自分にライターで火をつける。瞬く間に火が燃え広がると、モードの背中には光る羽が生え、野次馬はモードにひれ伏す。恍惚の表情を浮かべるモードだが、現実のモード悲鳴を上げながら、全身は醜く黒焦げていくだけだった…。

\\『セイント・モード/狂信』を見るならここ!!//

31日間無料のU-NEXTで見る

『セイント・モード/狂信』感想

サイコホラーであり、「素人は怖い」を体現する狂気のストーリーでした…。

あとふと思ったのが、「モードはオーバーワーク過ぎておかしくなったのでは?説」というのがあります(個人の価値観です)

「素人が一番怖い」を体現したサイコホラー

あらすじだけ読むと、真面目で人よりちょっと宗教にのめりこみやすいタイプかな…?くらいのイメージで受けて止めてしまいそうですが、モードは良くも悪くも「行き過ぎたアマチュア感」があります。

特にモードが神に対して訴えかけるモノローグは、若干上から目線だったり、アマンダをぶって無職になったときは、まるで逆ギレともとれる意見を述べています。

それに冷静に彼女の生活をみてみると、教会に行くシーンもなければ、水道水を聖水に見立てるような場面も登場します。神に見放されたと逆ギレした後は、反抗心から酒を煽り、男性と一夜限りの関係に至るなど、およそ聖女とは程遠いふるまいを見せます。

こうして振り返ってみると、モードは「敬虔な信者」というより、現実逃避のために「独学でキリスト教にのめりこんだ人」というイメージが強くなっていきます。彼女の狂気は信仰心+現実逃避も混ざって、あんな結末になったんだろうな…。

よく「ケンカは素人とすると怖い」っていうじゃないですか。何度も喧嘩している人は程度が分かるけど、素人にはわからないから相手を死ぬまで殴ってた…。みたいな感じです。『セイント・モード/狂信』はまさにそれを体現するラストが見事でした。

イギリスの看護師、仕事多すぎない?

これは完全に個人の見解ですが、モードがおかしくなったのは、看護師としてのオーバーワークもあるのでは?という妄想です。

ここで住み込みの看護師として働く、モードの仕事内容をおさらいしてみます。

・アマンダの日常の世話(料理、買出し、掃除など)
・入浴介助
・運動療法
・投薬
・来客対応
・パーティーの用意(主に食事)
これ、日本だと「看護師の業務枠超えすぎじゃない?」ってなったのですが…。

上記だと投薬・運動療法(体位交換)あたりが看護師本来の業務に該当しそうですが、まず「パーティーの料理を大量に準備」は家政婦とかの仕事では…?汗

入浴介助や日常の世話も正確には介護士の仕事だし、運動療法は理学療法士向けでもある気がするし…。とにかく看護師としてオーバーワークになっていることは間違いないです。

実際、作中の後半ではモードが同業者の女性と会話をするシーンがあり、相手は「趣味(聖歌隊)の時間もキープできてる」とワーク・ライフ・バランスの実現をアピールしています。

同じ住み込みの看護師なのに業務に差ができているのは、モード必要以上にが仕事にのめりこんでしまっているからかも…。

仕事に忙殺されたら「看護師の仕事より、魂の救済こそ天職!」みたいな発想にもなるのかもしれません。全然関係ないのですが、(モードの仕事内容の一部であった)介護士の離職理由は、人間関係によるものがほとんどだそうです。

そもそも日本では訪問介護か施設に移すのがメジャーのような気もするし…。イギリスでは看護師の仕事はこれが割とメジャーなのでしょうか。

『セイント・モード/狂信』あらすじ・感想まとめ

・下手な狂人より素人の信者が一番怖い系サイコスリラー
・モード、オーバーワーク過ぎて狂信者になった説の解説

以上、ここまで『セイント・モード/狂信』をレビューしてきました。

…モードの勤め先は分業を取り入れよう!

\\『セイント・モード/狂信』を見るならここ!!//

31日間無料のU-NEXTで見る