『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』あらすじ・ネタバレ感想!キュートなワンコ・コーギーの恋と友情物語

映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』公式ページ

わがままセレブ、ロイヤルコーギー・レックスの成長と冒険、そして恋と友情を描いたキュートすぎるワンコムービー誕生。

ポイント
  • コーギー好きなら見て損なし。とにかくワンコたちがとびきり可愛いです!
  • 英国風ブラックジョークが、大人でも楽しめるスパイスになっています。
  • 日本語吹き替え版の声優陣が、何気に豪華キャストだったりします。

それではさっそく映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』をネタバレありでレビューしたいと思います。

『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』作品情報

映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』作品情報

出典:映画.com

作品名 ロイヤルコーギー レックスの大冒険
公開日 2019年10月25日
上映時間 85分
監督 ビンセント・ケステルート
ベン・スタッセン
脚本 ロブ・スプラックリング
ジョン・R・スミス
声優 中村悠一
沢城みゆき
落合弘治
岩崎ひろし
清水はる香
たかはし智秋
佐藤せつじ
後藤光祐
菊池通武

『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』あらすじ


英国のエリザベス女王に最も気に入られているコーギー犬レックスは、大切に育てられてきた。

ある日、レックスは宮殿を飛び出し、生まれて初めて外の世界に触れる。

そんなレックスにさまざまな試練が降り掛かる。
出典:シネマトゥデイ

【ネタバレあり』映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』感想レビュー

エリザベス女王とロイヤルコーギーの絆。

エリザベス女王とコーギーといえば、ロンドンオリンピックの開会式で流れた映像が思い浮かぶ方も多いのでは?

『007』ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)とヘリで飛び立つエリザベス女王を見送っていたコーギーの姿は本当にキュートでした。

ピンと尖った立ち耳と、はっきりとした愛らしい顔立ち、胴長で短い足が特徴の「コーギー」には「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類が存在します。

エリザベス女王の愛犬たちは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」の方。

ウェールズ地方原産の品種でもともとは牧羊犬として活躍していたコーギー。

生まれたら尻尾を短くする(断尾)のも家畜に尻尾を踏まれなくするためと言われています。

もっとも断尾すると徴税を免れたという話や、狐と間違われて撃たれない、などなど諸説はありますが。

他にもコーギーは元気一杯、牧羊犬の歴史と持つだけあり俊敏で、吠え声も大きく、寒さにも強いといった特徴もあります。

そんなコーギーをエリザベス女王が「家族」として愛するようになるのは、幼い頃に父親のヨーク公爵(後のジョージ6世)にプレゼントされてから。

ちなみにジョージ6世は映画『英国王のスピーチ』で、日本でもよく知られているはず。

今から何十年も昔のある日のこと。

そんなヨーク公の車が幼い少女の飼っていた犬を轢いてしまいます。

ヨーク公は少女に新しい犬をプレゼント。

少女テルマはやがて大人になり、犬のブリーダーになります。

そして特に飼育に力を入れたのがコーギーでした。

著名なブリーダーになったテルマが、とある英国貴族に提供したコーギーをこの貴族の屋敷を訪れたエリザベス王女(当時)とマーガレット王女が気に入ります。

ヨーク公はその貴族の紹介を受けて、テルマにコーギーを連れてきてくれるよう依頼します。

そうしてテルマが連れてきた数匹のコーギーの中から選んだ1匹のコーギーが、エリザベス女王が初めて飼うコーギーになったのです。

テルマは後に国王になる公爵に、自らが過去に犬をプレゼントされた少女であることを告げなかったそうです。

事実が公になるのはジョージ6世の死後の話。

エリザベス女王のコーギー好きは、年齢と共にますます加速していきます。

18歳の誕生日に父親からプレゼントされた「スーザン」は、女王にとって親友とも言える存在になります。

何せ21歳で結婚したフィリップ殿下との新婚旅行にまで、連れて行くほどの溺愛ぶり。

女王が現在まで飼育してきた30匹以上のコーギーは、みんこのスーザンの子孫。

宮殿内で暮らしていたコーギーは、専用ルームや専門のスタッフお抱えシェフの作るご馳走が与えられ、まさにVIP待遇でした。

風に当たらないようにと、休憩するのは地面から少し高い場所に置かれたかごの中だったコーギーたち。

元気が良すぎて、宮廷で働く人たちを困らせることもしばしばだったようです。

一時はコーギーを13匹も飼育し、一斉に移動する様子を故ダイアナ妃に「動くじゅうたん」などと言われていましたが、女王陛下もご自身の年齢のことを考え、新しいコーギーはもう飼育なされないとのこと。

スーザンの血を引く最後のコーギー・ウィローが2018年の春に、引き取って育てていたウィスパーも同年の秋に旅立ってしまいロイヤルコーギーの血統も伝統も途絶えてしまいましたが、今もウィンザー城の犬舎には二匹のワンコが残っています。

コーギーとダックスフンドのミックス、ドーギーです。

愛するコーギーたちを失ったエリザベス女王の悲しみを、仲間であったドーギーたちが癒しているのでしょうね。

可愛いロイヤルコーギーの成長物語は、テンポもよくて笑いも一杯。

現実ではもう見られなくなったエリザベス女王とロイヤルコーギーの戯れる姿が見られるのが、この「ベルギー産」アニメ映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』です。

はい、英国製作ではないんです。ベルギーなんです。

もっともベルギーは連邦・立憲君主制国家、英国も立憲君主制の連合王国なので、共通点はあるのかも。

ともあれ、舞台は英国バッキンガムです。

エリザベス女王はプレゼントされたまだ小さなコーギー、レックスをいたく気に入り、溺愛するようになります。

それはもう可愛がって世話をしたせいで、レックスはまさに「わがままセレブ」に育ってしまいます。

つまりは高慢で、ちょっとおバカさん。陛下のトップドッグという地位を、鼻にかけるような。

そんなある日。レックスは大事な国賓(アメリカ大統領夫妻)を招いた晩餐の場で、とんでもない大失敗をしてしまいます。

愛する女王陛下に合わす顔がないと、レックスは同じく陛下のコーギーで友人のチャーリーの誘いに乗って、バッキンガム宮殿から抜け出します。

しかしそれは卑劣な罠で、レックスはチャーリーに凍った河へ落とされてしまいます。

死にかけていたレックスを救ったのは、犬たちを保護するシェルターの職員でした。

「箱入り息子」だったレックスは、そこで新しい友人を得て、シェルターのボス犬タイソンの彼女ワンダに恋もしてしまいます。

歌ったり踊ったりして、何とかワンダの気を引こうとするレックス。

ワンダもレックスがロイヤルコーギーだと気付いたことで、反対に近付いてくるのですが、そのことでタイソンを怒らせてしまいます。

その頃バッキンガムは、レックスが消えたことで大騒ぎになっていました。

またもやチャーリーの策略で、レックスは狐に襲われて死んだことにされてしまい、上手く女王に取り入ったチャーリーはレックスの後を継いでトップドッグの座に就くことを約束されます。

レックスは仲間たちの協力を得て特訓を開始、タイソンとの対決に挑みますが、そんなに上手くはいきません。

一度は逃げ出そうとしますが、愛するワンダのために勇気を振りしぼります。

そうしてワンダと一緒にバッキンガムに戻ったレックスですが、まさかの門前払いをくらってしまいます。

そこでやっと自分は死んだと思われていることを知るレックス。

果たしてレックスは愛する女王陛下の元に戻りチャーリーの野望を阻止できるのか―。

ストーリーはざっとこんな感じです。

お金持ちの根は素直だけれどわがままお坊ちゃまが、外の世界に出たことで色々な経験を積み、学んで、成長していくという王道です。

もちろん素敵な彼女もゲット。

仲間もできて、めでたしめでたし。

小さなお子様にも安心して、おすすめできます。

下ネタ、ちょっとありますけども。

ロイヤルコーギーたちが専用ベッドではなく専用のかごで眠ったり(もちろん床に直に置いてません)、豪華なエサをもらっていたり、小さな身体で走り回って宮殿内にいる人間たちに迷惑をかけまくったりするところは思わずにやりとしてしまいます。

何せ実際のロイヤルコーギーたちも、そんな生活をしていましたしね。

レックスが最初はかなり「鼻持ちならない」面があったのも、可愛がられすぎたからなんですが、レックスがだんだんと精神的にも成長していく姿は、劇的でなくても微笑ましいものです。

だからこそ、シェルターで出会ったワンコたちも、レックスに力を貸してくれるようになり、みんなで宮殿に暮らせるようになるエンディングを迎えるんですから。

もちろんレックスを殺そうとしたチャーリーにも、ちゃんとした罰(これはある意味キツイ)も与えられます。

人間たちにとってはそこまで、悪気はないラストなんですけどね。

レックスがシェルターで出会う仲間たちも、個性豊かで可愛いキャラクターばかり。

犬好きさん必見です。

ブラックジョークや人気映画のパロディもあり。日本語吹き替え担当の声優陣も豪華で大人も充分楽しめます。

コーギーを溺愛するエリザベス女王が面白くない、夫であるフィリップ殿下(要はコーギーへの嫉妬)。

女王陛下のトップドッグで甘えまくりのレックスを苦々しく思っている姿は、ついつい笑ってしまいます。

ご夫婦の仲がよろしくて何よりなシーンもありますしね。

トランプ大統領とメラニア夫人も登場しますが、描き方はまあ大方の予想通りでした。ここはひねりが欲しかった。

しかし何より面白いのは大統領夫妻の愛犬ミッツィです。

レックスが粗相をする原因になったのはこのミッツィのせいなんですが、キャラクターがとにかく濃い、濃すぎるほど濃い。

ついでにメイクも濃い(笑)

トップドッグのレックスをモノにしようと迫るミッツィは、軽くホラーの領域です。

大人が楽しめる要素は、宮殿から逃げ出してしまったレックスが保護されたシェルターで多くあります。

シェルターの地下には人間が知らないだけで、まさかのファイトクラブが存在していたり、レックスのトレーニングは完全に『ロッキー』へのオマージュだったり。

子供さんたちにはわからないネタでしょうが、大人は思わず笑ってしまうはず。

日本語吹き替え版の声優陣もなかなか豪華な顔触れです。

主人公のレックスに中村悠一、レックスが恋するワンダに沢城みゆき。

裏切り者チャーリーは落合弘治、アメリカ娘のミッツィに、たかはし智秋。

アニメーションだからという理由もありますが、違和感なく物語に入り込みやすいクオリティの高さなのでいつもは字幕でという方にもオススメですよ。

『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』まとめ

以上、ここまで映画『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』についてネタバレありで紹介させていただきました。

要点まとめ
  • ワンコ好き、とりわけコーギー好きは観るべし。とにかく癒やされます。
  • 子供向けな描写はありますが、大人も充分楽しめます。ただしケチャップの件だけは、いくら何でも無理がある(笑)
  • 大冒険、はちょっと盛り過ぎですが、ラストまであきずに楽しめるキュートなアニメです。