『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』偉大な音楽家の真実

映画『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』偉大な音楽家の真実

出典:Netflix

2016年にはノーベル“文学賞”を受賞、2018年にはFUJI ROCK FESTIVALに初出演、と近年日本でも話題にのぼることが多い“生きる伝説”ボブ・ディラン。

本作は1975年10月から1976年5月にかけて敢行されたボブ・ディランによるキャリア屈指のライヴツアー「ローリング・サンダー・レヴュー」を追ったドキュメンタリー作品です。

ポイント
  • ボブ・ディランを知らない人にこそ気軽に観てほしいドキュメンタリー
  • ステージに集う、そうそうたるレジェンドアーティストたち
  • 言葉を紡ぎ、音に乗せ、社会に対するメッセージを訴える、音楽の根源的な力

それでは、さっそくレビューしたいと思います。

『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』作品情報

作品名 ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説
公開日 2019年6月12日
上映時間 142分
監督 マーティン・スコセッシ
出演者 ボブ・ディラン
アレン・ギンズバーグ
パティ・スミス
スカーレット・リベラ
ジョーン・バエズ
ロジャー・マッギン

『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』あらすじ


1975年に行ったボブ・ディランのツアーを過渡期にあった当時の米国の様子とともに振り返り、その現実と幻想をマーティン・スコセッシ監督が神秘的に紡ぎ出す。
出典:Netflix

『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』を視聴できる動画配信サービス

『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

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注意点
  • 動画の配信情報は2019年6月21日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

無料期間中の解約も可能ですので、本作が少しでも気になっている方は、ぜひ無料期間を上手にご利用ください。(※他にも面白いコンテンツが豊富で、ほとんどの方がご継続されるほど満足度の高いサービスです!)

1. 歴史的なライヴツアーを追う

本作『ローリング・サンダー・レヴュー』とは、アメリカ建国200周年にあたる1975年にボブ・ディランが敢行した、アメリカのルーツを辿りながらライヴを行うツアーのタイトルです。

由来はネイティブ・アメリカンにおいて祈祷、呪術など特殊な能力を有する人物ローリング・サンダー。

予算度外視でアメリカ東海岸とカナダを周り、会場は現地で押さえるため告知もほとんどなし。

親交のあるミュージシャンを引き連れ、即興的なパフォーマンスを重視した異色のライヴツアーは、商業化を優先し巨大化する“ロックビジネス”に対するアンチテーゼとして、今なお伝説として語り継がれています。

ノスタルジックなライヴ風景やレジェンドミュージシャンたちが放つ、音楽に対する熱意と緊張感をリアルに感じ取ることができて興奮しました。ドキュメンタリー映画の醍醐味ですね。

筆者も含め、リアルタイムで知らない世代でボブ・ディランの曲もキャリアも全然わからない!という人でも楽しめる内容ですので、少しでもロックミュージックに興味があれば、ぜひ気軽に観てみてほしい作品です。

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2. ステージに集うレジェンド

このツアーに参加したアーティストは、

  • デヴィッド・ボウイのサポートギタリストとして知られるミック・ロンソン
  • “フォーク・ソングの女王”ジョーン・バエズ
  • ビートルズにも影響を与えたサイケデリック・ロックの先駆者にしてフォーク・ロック界最重要バンドThe Byrdsのロジャー・マッギン
  • 詩人で活動家のアレン・ギンズバーグ

など、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。

それぞれ独立した強力なアーティストたちが同じステージでプレイし、仕上げにボブ・ディランの熱気を帯びた歌声が加わる圧巻のライヴは毎夜熱狂の渦を巻き起こしたことも納得のかっこよさです。

ステージ上での共演シーンはありませんでしたが、ボブ・ディラン以外で特に印象に残ったミュージシャンはパティ・スミスジョニ・ミッチェルです。

若きパティ・スミスの語りから始まり、徐々にリズムをとってボーカルパートに向かって温度を上げていく鮮烈なパフォーマンスは画面越しでも釘づけでした。

ジョニ・ミッチェルもまた著名なシンガーソングライターですが、音楽業界のジェンダーバイアスに鋭く切り込む様子や、曲作りに対する姿勢などに音楽家としての矜持が溢れていて改めて惚れ直しました。

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3. ボブ・ディランが紡ぐ言葉

ノーベル“文学賞”の受賞は、ボブ・ディランが偉大なミュージシャンであると同時に、詩人として高く評価されたことを示すものですが、このドキュメンタリー作品を観て高く評価された所以を理解できました。

日本において、音楽が政治や社会問題の領域に踏み込むことは好まれない風潮がありますが、海外ではミュージシャンが支持政党を表明することが珍しくありません。

ボブ・ディランも音楽を通じて社会に対してメッセージを発したミュージシャンです。

ルービン・カーターという人物のことを本作ではじめて知りました。

ルービン・カーターは殺人の冤罪で19年間刑務所に入れられた黒人のボクサーです。

1966年に逮捕され、証拠不十分にも関わらず黒人であることなどから裁判が不利に働き終身刑を言い渡されます。

1974年に無実を訴える自伝が出版され、市民デモにまで発展しました。

ボブ・ディランは独自に取材し、1975年に「Hurricane」というプロテストソングを制作、「ローリング・サンダー・レヴュー」でも演奏しました。

本作ではルービン・カーター本人とボブ・ディランの面会の様子や、「Hurricane」のライヴ映像も観ることができます。

ルービン・カーターは1988年に無罪を勝ち取り自由の身となりますが、「Hurricane」という曲が多くの人を勇気づけたことは無関係ではないはずです。

社会を動かす一助となる音楽だけが持つエネルギーをひしひしと感じました。

また、カバー曲ではありますが、ボブ・ディランが作中で「The Ballad of Ira Hayes」という曲を歌う映像にも胸を打たれます。

アイラ・ヘイズという人物についての歌です。

恥ずかしながらアイラ・ヘイズも今回はじめて知りましたが、第二次世界大戦の硫黄島の戦いで星条旗を掲げた兵士の1人で、英雄として祭り上げられたアメリカン・インディアンの青年です。

アイラ・ヘイズは一時的にもてはやされたのち、アメリカ社会から見捨てられ、酒浸りとなって32歳でその生涯を終えます。

アメリカの戦争や人種の歴史を語る上で、とても重要なアイラ・ヘイズの物語をボブ・ディランは歌を通して語り継ぎました。

さらに本作では代表曲の1つである「Hard Rain」の叙情的で暗黒な詩世界も体感できます。

1つのツアードキュメンタリーに過ぎないとはいえ、ボブ・ディランという音楽家の魅力の一端を知るには十分すぎるほど充実した内容の作品でした。

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『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』まとめ


以上、ここまで偉大なるボブ・ディランのドキュメンタリー映画『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 商業的な目的から解放されて自由に進む音楽の旅を追うドキュメンタリー
  • パティ・スミスとジョニ・ミッチェルがとてもかっこいい
  • 社会を動かす名曲の数々からボブ・ディランの魅力の一端を知る

『ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』をフルで見れるVOD一覧

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出典:Netflix

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