『リチャード・ジュエル』あらすじ・感想!世界中どこでも起きると思って観るべき映画【ネタバレなし】

『リチャード・ジュエル』あらすじ・ネタバレ感想!世界中どこでも起きると思って観るべき映画

出典:ワーナーブラザース・ジャパン公式Facebbok

名匠クリント・イーストウッドが最新作『リチャード・ジュエル』で描くのは1996年アトランタオリンピックでの爆破テロを最小限に防いだものの、容疑者にされてしまった実在の人物の物語。

メディアの暴走の恐ろしさを実力派キャストたちを揃えて描きます。

ポイント
  • 華々しいスポーツの祭典、オリンピックで実際に起きたテロ事件を防いだ男の身に起きた悲劇の映画化
  • キャシー・ベイツの演技力には説得力があり、感動を呼びます
  • どこか遠い国の話かと思わず、どこでも起きる可能性のある事象と考えて欲しいです

それでは『リチャード・ジュエル』をネタバレなしでレビューしていきます。

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『リチャード・ジュエル』作品情報

『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

作品名 リチャード・ジュエル
公開日 2020年1月17日
上映時間 131分
監督 クリント・イーストウッド
脚本 ビリー・レイ
出演者 サム・ロックウェル
キャシー・ベイツ
ジョン・ハム
オリヴィア・ワイルド
ポール・ウォルター・ハウザー
音楽 アルトゥロ・サンドバル

『リチャード・ジュエル』あらすじ・感想【ネタバレなし】


1996年アトランタオリンピックで実際に起きた事件の映画化

『リチャード・ジュエル』は、1996年のアメリカ合衆国で実際に起こったアトランタ五輪公園爆弾事件を細かい部分まで描写した映画です。

華々しいスポーツの式典の裏側で、恐ろしいテロを未然に食い止めたある人物の栄光と没落を描いています。

彼の名はリチャード・ジュエルと言い、オリンピック開催当時は会場の警備員として勤務していました。

『リチャード・ジュエル』のあらすじは実際の事件とほぼ同じです。

1996年7月27日、ジュエルは誰よりも先に会場に設置された爆弾の存在に気付き、多くの市民を救うことに成功しました。

『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

鈴木友哉

日常に潜むあらゆる脅威から市民を守ると言うリチャードの願いが、成就した瞬間でもあります。

彼の勇気ある行動が、テロの恐怖から人々を守り、自身もまたマスコミの報道でヒーローとして注目を浴びます。

しかしそこから事態は一転し、ジュエルは事件の第一容疑者としてFBIから目をつけられてしまいます。

英雄として報道していたマスメディアも、手の平を返したように彼を犯罪者に仕立てあげようとします。

一瞬にして英雄から容疑者になってしまったジュエル

『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

本作『リチャード・ジュエル』は家族以外の人間が敵となってしまった社会で、自らの無実、正義を証明するために争い苦悩した、実在の人物に焦点を当てています。

女優キャシー・ベイツの名演技が、作品をより感動的に仕上げています

『リチャード・ジュエル』最大の見どころは、物語に登場する人物を迫真の演技で表現した役者たちです。

鈴木友哉

特に、リチャード・ジュエルの母親ボビ役を演じたキャシー・ベイツの存在感には、拍手喝采です。でも、彼女だけでなく、主人公のジュエルを演じたポール・ウォルター・ハウザーや彼に寄り添う弁護士ワトソン・ブライアント役を演じたサム・ロックウェルの両者にも、彼女同様に称賛の声をあげたいです。
『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

私たち観客を魅力させてくれる彼ら3名の役者として実力は本物です。

この主要人物を支え脇を固めるジャーナリスト役のオリヴィア・ワイルドやジョン・ハムと言った助演者たちの演技力にも、目を奪われます。

鈴木友哉

でも一番はやはり、キャシー・ベイツの真に迫った熱演で、感動させられっぱなしです。

特に、マスコミに囲まれて涙ながらに無実の息子を庇う記者会見を開く場面の彼女の演技力には、胸が締め付けられそうになります。

『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

40年と言う長きにわたるキャリアで、数多くの作品に出演してきたキャシー・ベイツにとっての集大成的な作品でしょう。

彼女の演技力が作品をより感動的に仕上げています。

他人事とは思わず、ここ日本でも起こりうる事件だと思わないといけない

『リチャード・ジュエル』は英雄から容疑者に仕立てあげられた男の話だけでなく、事実をリサーチしようともせず、自らの昇進や視聴率ばかりを気にするメディアの人間やマスコミの加熱報道の在り方について一石を投じている作品でもあります。

『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

鈴木友哉

これはどこの国でも起こりうるトラブルで、ここ日本でも全く他人事ではありません。

明確な証拠がないにも関わらず、1人の人物を犯人として吊し上げようとする報道の問題が描かれます。

本作の主人公リチャード・ジュエルと同様に、過去には日本でも無関係の市民が容疑者にされてしまう事件がいくつも起きています。

すぐ目の前にある事実を精査せず、放送媒体が我先にと飛びついて加熱報道することで、真実もすべて握り潰され、ありもしないニュースが出回り、最終的に冤罪事件が生まれてしまうのです。

本作『リチャード・ジュエル』がメインに描いているテーマは、スポーツの祭典オリンピックでの未曾有のテロを防いだにも拘わらず、あらぬ疑いをかけられた人物に起きたメディアスクラムの不条理さです。

鈴木友哉

これらの出来事は他国の話、他人事のように感じるかも知れませんが、舞台となったアメリカに限らずここ日本でも起きる危険性のある事件ということを忘れてはいけません。

『リチャード・ジュエル』まとめ

以上、ここまで『リチャード・ジュエル』についてレビューしてきました。

要点まとめ
  • アメリカで起きた実話を基にした作品
  • ハリウッドを代表する大女優キャシー・ベイツの演技が光る。ここが特にポイント。
  • 国外、国内関係なく起こりうる大事件

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