女性差別の色濃かった時代から、女性の権利やマイノリティのために戦ってきた女性弁護士にして、現在は最高裁判所判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ通称“RGB”を追ったドキュメンタリーです。
- ユーモアとチャームにあふれたルース本人の魅力
- 彼女を支えた夫の素晴らしさも見れる
- 人生を楽しく生きる術も学べる
それではさっそく『RBG 最強の85才』をレビューしていきます。
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目次
『RBG 最強の85才』作品情報
作品名 | RBG 最強の85才 |
公開日 | 2019年5月10日 |
上映時間 | 99分 |
監督 | ジュリー・コーエン ベッツィ・ウェスト |
制作 | ジュリー・コーエン ベッツィ・ウェスト |
出演者 | ルース・ベイダー・ギンズバーグ ジェーン・ギンズバーグ ジェームズ・スティーヴン・ギンズバーグ ニナ・トテンバーグ クララ・スペラ グロリア・スタイネム |
音楽 | ミリアム・カトラー |
【ネタバレ】『RBG 最強の85才』あらすじ・感想
映画『ビリーブ 未来への大逆転』とのシンクロ
2019年3月に公開された『ビリーブ 未来への大逆転』という作品は、フェリシティ・ジョーンズがルース・ベイダー・ギンズバーグを演じた伝記映画でした。
感動的な作品でとても楽しめたのですが、フェリシティ・ジョーンズがあまりにも美人なので「だいぶ美化してるんじゃないか」と思っていたのも事実。
そしたら、本作『RBG 最強の85才』というドキュメンタリーも公開されることがわかり、予告編で85歳のルース本人が出てきた時「な、なんてかっこいいおばあちゃんなんだ…」と衝撃を受けました。
鋭い眼光に知性を感じる表情や喋り方、さすが85歳で現役最高裁判事をやっているだけあるなと思い、公開初日でこのドキュメンタリーを見てきました。
結論から言うと、まずこのルース・ベイダー・ギンズバーグという人の魅力だけで、十分に見る価値のある作品になっていました。
そして『ビリーブ 未来への大逆転』で起きていたことや、彼女の人物像も誇張ではないと分かります。
まず表面的なところですが、ルースさんめちゃくちゃ美人です。
85歳でもお綺麗なんですが、時折60年前の法曹生時代の写真などが出てくると「女優か?」と思ってしまうレベルで美人な若き日のルースの姿が映ってびっくりします。
こりゃフェリシティ・ジョーンズ級の美人女優にやらせなきゃ再現できないわ…と思ってしまうレベルです。
もちろんフェリシティ・ジョーンズは美貌だけじゃなく、信念や知性まで見事にルースを体現していましたが。
『ビリーブ 未来への大逆転』では、ルースも含めた法学部の新入生が学長のパーティーに呼ばれた際に、女生徒だけ立たされて、いきなり学長から「君たちは男子学生の枠を奪って入学したんだ」と言われるシーンがあります。
正直、私は「男尊女卑の時代だからってこんな直接的な嫌がらせするか?」とちょっと疑問に思ったのですが、本作のドキュメンタリーを見る限りだと、そのエピソードも本当にあったようです。
男子学生何十人の中に一人だけルースがいる写真もあり、「うわ、こりゃキツイな」と思ってしまったのですが、そんな中でも彼女は必死に学び、最高裁判事になって世の中を変えてきたのだと考えると本当に頭が下がります。
偉大な女性ルース・ベイダー・ギンズバーグ
それにしても、伝記映画とドキュメンタリー映画が両方とも作られるような判事がかつていたでしょうか。
しかも85歳にして、彼女の過去を振り返るだけの内容になっておらず、現在の仕事ぶり(なんと今でも徹夜で仕事することが多いとか…)や、これからの展望まで語られていて勇気をもらえます。
ルースはずっとアメリカの女性やリベラル層の中ではヒーローのような扱いで、女性やその他のマイノリティ、ひいてはすべての人間が暮らしやすい世界は彼女が守って作ってきたと思われているようです。
しかし、決してきつい性格だったり口うるさい人ではなく、物腰穏やかで、おしゃれで、休日には趣味を楽しみ、子供たちや孫にも親しまれる優しいおばあさんでもあるルース。
なんとなくイメージしがちな、いわゆるあからさまに強い女性という風には見えません。
だからこそ物凄く偉い立場のはずなのに、みんなから親しみを持って“RBG”や、ラッパーのノートリアスB.I.Gにちなんで“ノートリアスR.B.G”などと呼ばれたりしています。
個人的に感動したのは、ルースが自分とは意見が正反対の右翼の保守的な裁判官の男性と、プライベートでは深い友情を持っているというエピソードです。
主義主張では対立してもあくまでそれはそれとして、個人としては分け隔てなく一緒に象に乗ったりオペラを見たりしている様は本当に感動的で、ルースも相手の裁判官の人も見習わなくてはと思わされます。
そんな優しい彼女ですが、女性の権利やマイノリティや社会的弱者のためなら昔から徹底的に戦ってきました。
彼女は弁護士時代、男性判事たちが積極的に差別をしているわけではなく、差別があるとも思っていない、何が差別化も分かっていないということに気づき、幼稚園の先生のように彼らを教育してきたと言います。
言葉ではさらっと言いますが、それがどれだけ大変だったか想像もつきません。
それまでルースが担当してきた判例も劇中で紹介されるので、ぜひ見ていただきたいです。
彼女が女性だけでなく、男性に対しても差別的で不利な社会的問題と戦ってきたのがわかります。
夫マーティンとの感動的エピソード
そんなルースですが、一人で立派な人物になったわけではありません。
彼女には伴侶にして最大の理解者であるマーティンがいました。
50年代の男性の中では非常にリベラルで進んだ考えを持った彼は、自身も弁護士でありながらルースの夢を支え、一緒に仕事のことも家庭のことも頑張ってきました。
彼は2010年に他界してしまいましたが、それまでのルースとの泣けるエピソードもたくさん語られるので必見です。
2人とも「人間こうありたいな」と思わされる凄い夫婦です。
最後は現在アメリカを牛耳っているトランプ政権に対しての彼女なりの苦言も出てきます。
それを見る限り、彼女が引退する日はまだまだ遠そうです。
ルース・ベイダー・ギンズバーグに親しみと敬意を覚え、これからも応援したくなる素晴らしいドキュメンタリー映画です。
彼女と言う題材を選んだ時点で、本作の勝ちは決まっていたのかもしれません。
『RBG 最強の85才』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
1980年、ジミー・カーター大統領にD.C.巡回区控訴裁判所の裁判官に指名されたルース。こちらも女性で2人目となる抜擢でした。夫マーティンは彼女を支えるため仕事を辞してワシントンに移住、最高裁判事への道のりは早くも始まっていたとも言えそうです。#RBG最強の85才 pic.twitter.com/HGAzG5FDZm
— 映画『RBG 最強の85才』大ヒット公開中 (@RBGinjapan) 2019年5月14日
以上、ここまで映画『RBG 最強の85才』を紹介させていただきました。
- とにかくルース本人が魅力
- 信念を曲げない姿を学べます
- 主義だけで人を判断しないことが大事とわかります
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