『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』あらすじ・ネタバレ感想!ウディ・アレンのオシャレなラブコメ!

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』あらすじ・ネタバレ感想!ウディ・アレンのオシャレなラブコメ!

出典:ロングライド公式Facebook

80代を迎えてもなお意欲的に映画製作を続ける巨匠、ウディ・アレン。

そんなウディ・アレンの代表作『アニー・ホール』を彷彿とさせるようなロマンティック・ラブコメディが、2020年7月3日に公開された最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』です。

君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメと、『マレフィセント』のエル・ファニングという新進気鋭の二人がW主演を務め、共演には若者から絶大な支持を集めるセレーナ・ゴメスや、ベテラン俳優のジュード・ロウリーヴ・シュレイバーなどが顔を揃えました。

雨のニューヨークですれ違う男女の姿を追いながら、空模様とともに移ろいゆく恋模様をチャーミングに描いています。

ということで、今回は映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』をネタバレありでご紹介します。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』作品情報

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

(C)2019 Gravier Productions, Inc.

作品名 レイニーデイ・イン・ニューヨーク
公開日 2020年7月3日
上映時間 92分
監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン
出演者 ティモシー・シャラメ
エル・ファニング
セレーナ・ゴメス
ジュード・ロウ
ディエゴ・ルナ
リーヴ・シュレイバー
音楽 ダグラス・J・コーエン

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』あらすじ【ネタバレなし】


移り気な恋と雨のニューヨーク

田舎の大学に通うギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュレー(エル・ファニング)は恋人同士。

ある日、学生記者をしているアシュレーが有名な映画監督であるローランド・ポラード(リーヴ・シュレイバー)にインタビューする機会を得て、二人は週末をマンハッタンで過ごすことになりました。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

(C)2019 Gravier Productions, Inc.

ニューヨークに暮らしていたギャツビーは街を案内しようと様々な計画を立てていましたが、映画マニアでミーハーなアシュレーはどんどん取材にのめり込んでいき、二人は少しずつすれ違っていきます。

そうこうしているうちにニューヨークの街には雨が降り始め、二人の週末は思わぬ方向へ転がっていき…。

【ネタバレ】『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』感想

ニューヨーカーなギャツビー

タイトルにもある通り、ニューヨークが舞台となっている『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。

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劇中ではどんよりとした曇り空が続きますが、暗さを感じさせないのには音楽の効果がありそうです。

お洒落なジャズが軽やかに流れ続け、ティモシー・シャラメ演じる主人公のギャツビーは自らもジャズピアノを弾き、歌を口ずさんでいます。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

特に“Misty”はその名の通り「霧」を表していて、雨のニューヨークと相性の良い雰囲気ぴったりの選曲になっています。

ウディ・アレンらしいクラシカルなラブストーリーに、クラシカルなジャズミュージック。

その真ん中にいるギャツビーの猫背気味な立ち姿や歩き方は、若き日のアレンを彷彿とさせるもので、シャラメがその世界観と真摯に向き合っていることが伝わってきます。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

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昔ながらのニューヨークをこよなく愛し、映画とレコードとギャンブルを好む青年・ギャツビーを演じるには、過去のアレンから学ぶものが多かったのかもしれませんね。

そんなギャツビーがニューヨークで巡る場所といえば、定番中の定番ばかり。

宿泊は“ピエール”、“MoMA(ニューヨーク近代美術館)”での写真展、食事は“ダニエル”、食後は“カーライル”のバーでお酒を…。

さすが都会出身のシティボーイ、と言わざるを得ないハイソでお洒落なチョイスです。

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エル・ファニング演じる田舎のお嬢様・アシュレーにデートプランを語るシーンに、わくわくしてしまう人も多いのではないでしょうか。

さらに、ホテルの窓から見えるのは“セントラル・パーク”、時間つぶしにと向かうのは“メトロポリタン美術館”。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

アシュレーの代わりに自分が案内してもらっているのでは?

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と、勘違いしてしまいそうになるほど。

まるでニューヨークに観光しに来たような気分を味わえます。

すれ違った先で出会った異性

ニューヨークでどんどんすれ違っていくギャツビーとアシュレーですが、それぞれが異性と出会い、行動をともにします。

ギャツビーは友人が自主製作映画を撮影していると聞き撮影現場に向かいます。

そこで飛び入り参加することになったギャツビーは、共演相手の姿を見てびっくり。

元恋人の妹・チャン(セレーナ・ゴメス)だったのです。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

チャンとキスすることになったギャツビーは「演技とはいえアシュレーがいるし…」と戸惑いますが、チャンに促されます。

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そのキスに文句をつけるチャン、言い返すギャツビー、さらに言い返して打ちのめすチャン、とテンポのいいやり取りが心地良いです。

ギャツビーは毒舌で落ち着いた雰囲気のチャンのことを億劫に思いますが、こんなに軽快な会話が続く時点で二人が結ばれる未来は見えてしまっていて、少女漫画のようなドキドキ感を味わえます。

そんな二人が距離を縮めるきっかけの一つとなったのは、ギャツビーがピアノを弾き語るシーン。

ギャツビーが歌った“Everything Happens To Me”はフランク・シナトラが歌ったことでも有名ですが、ツイていない人が自虐ネタを羅列したような歌詞になっています。

アシュレーに次から次へと約束を破られ、傷ついているこの時のギャツビーにぴったりの曲で、これを聴いたチャンは「いい曲ね」と微笑むのでした。

上流階級に属する家庭、とりわけ母親(チェリー・ジョーンズ)に反発し、自分というものに悩むギャツビーはありのままの自分を受け入れてくれるチャンに心惹かれていきます。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

一方、アシュレーは学生記者としての活動に奔走。

インタビュー相手の有名映画監督・ローランドと会えたことに大興奮です。

美人で明るくてちょっと天然、でもどこか野心的なアシュレーは、その不思議な魅力と溢れる若さで、内向的で内気なローランドを懐柔していきます。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

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懐柔といっても、ローランドの元妻と名前(綴りは違う)や出身が一緒だったことや、ローランド自身が癒しを求めていたことで自然と心を開いていったわけですが…。

そんなこんなでアシュレーは、ローランドに公開前の新作の試写へ誘われたり、脚本家のテッド(ジュード・ロウ)と妻の修羅場に巻き込まれたり、偶然出会ったスター俳優・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)から食事に誘われたりと、自らに舞い込んでくるラッキーなハプニングに舞い上がり、ギャツビーのことをおざなりにします。

ローランドにもテッドにも、そしてプレイボーイとして知られるヴェガにも好意を寄せられ、年上男性たちとのやり取りに浮かれているうちに、ギャツビーを傷つけてしまうのでした。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

アシュレーはヴェガの自宅に誘われていいムードになりますが、ヴェガの恋人が帰ってきてしまい、大雨のニューヨークの街へと放り出される結果に。

アリゾナの銀行家のお嬢様であるアシュレーにとっては痛い思い出となりましたが、アシュレーにはギャツビーという帰る場所があります。

そんな油断が招いたのが、帰る場所のはずだったギャツビーとの別れでした。

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これこそがアシュレーにとって一番の痛手となったことでしょう。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

ロマンに溢れていたのはニューヨークの夜を有名人と楽しんだアシュレーだったかもしれませんが、本当のロマンスを掴んだのは雨のニューヨークを制したギャツビーだったのですね。

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ただ、この一晩の出来事がアシュレーの中の何かを変えたことは、衣裳の変化から感じ取ることができます。

ニューヨークに来る前や、来たその日のアシュレーは、綺麗なパステルカラーのセーターや可愛らしいプリーツのミニスカートを身に付けていました。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

しかし、ニューヨークで夜を過ごした翌日のアシュレーは、グレーとオフホワイトで色味を合わせたニットやポンチョを身に纏い、ハリウッド女優のようなつば広の帽子をかぶっています。

天真爛漫な女子大生から、クールな雰囲気に変わったアシュレー。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

突然ニューヨークに残ることを表明して去っていくギャツビーに困惑しながらも、降ってきた雨に濡れることのほうが気になる…そんな女性になったのでした。

対して、ギャツビーとチャンは前日と同じ雰囲気のファッションで再会し、雨の中でキスを交わします。

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そんな終盤の彼らの対比が印象深い作品になっています。

どんな大人と話をしたか

ギャツビーとアシュレーのそれぞれに心境の変化が起き、ラストでギャツビーは別れを選びますが、すれ違った先での異性との出会いが影響していることはまず一つ間違いないと思います。

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そして、もう一つ、どんな大人とどんな話をしたかというのも重要だったと思います。

アシュレーは前項の通り、三人の年上男性に好意を寄せられ、舞い上がっていました。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

有名な映画監督にミューズとしてそばにいてほしいと頼まれたり、妻と親友が不倫していたことを嘆く脚本家から告白されたり、女性に大人気のセクシーなスター俳優とキスを交わしたり…。

アシュレーの魅力に引き込まれた男性たちは急激に心を開き、距離を縮めていきます。

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しかし、三人とも自分のためにアシュレーをそばに置こうとしていました。

創作意欲が湧くとか、素直だとか、情熱的なところが良いとか、フレッシュだとか、理由は様々だと思いますが、アシュレーを必要とするばかりで、彼女自身の気持ちは考えていません。

そういった状態だからか、アシュレーも彼らの表面ばかりを見て、パーソナルな質問をされたり、自分の意見を求められたりするだけで喜びを感じてしまいます。

よって、憧れの映画人たちに好意を持たれたこと自体に満足しているようでしたが、彼らは年上の大人でありながら自己中心的で身勝手な男性たちでした。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

一方で、ギャツビーが話をしたのは自分の母親。

社交嫌いのギャツビーをハイソなパーティーに参加させたがったり、好みじゃない文学作品を読むように押し付けたりする、そんな教養マニアな母親です。

ギャツビーはそんな母親に反抗的で、ニューヨークに来ていることも秘密にしていましたが、ひょんなことから母親主催のパーティーに顔を出すことになります。

母親にはアシュレーと参加すると言ってしまったものの、アシュレーとは連絡がつかず、どこにいるかもわかりません。

代わりにバーで知り合った娼婦に同伴を頼み、パーティーへと出向きます。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

別人を連れてきたとバレてしまいそうなヒヤッとする瞬間はありましたが、そう簡単に見抜く人がいるはずもなく、年上の落ち着いた雰囲気を醸しだしている偽物のアシュレーを褒める人さえいました。

そんな中で、たった一人、見抜いたうえに娼婦を追い出した人物がいました。

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それがギャツビーの母親です。

偽物のアシュレーを連れてきたことをきっかけに、母親と二人で話すことになったギャツビー。

普段から抱いている不満や葛藤が爆発し、激しい言い合いになります。

しかし、そこで観念したように語り始めたのは、いつも一枚上手な母親のほうでした。

母親が偽物のアシュレーを娼婦だと見抜けたのは、自身も過去に娼婦をしていたからなのです。

初めて明かされた母親の秘密に驚くギャツビーでしたが、成り上がりの両親だからこそ社交や教養に厳しいのだと知り、少し自分自身を解き放つことができました。

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ギャツビーが社交嫌い、ハイソサエティ嫌いで、アンダーグラウンドな世界に興味を示すのは母親の遺伝なのだと、母親の口から聞けたという点もギャツビーにとって救いだったように思います。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

Photography by Jessica Miglio (C)2019 Gravier Productions, Inc.

このように、どんな大人とどんな話をしたかというのが、ギャツビーとアシュレーの明暗を分けたニューヨークの夜なのでした。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』あらすじ・ネタバレ感想:まとめ

いかがだったでしょうか。

ようやく日本公開されたウディ・アレンの最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。

ティモシー・シャラメ×エル・ファニング×セレーナ・ゴメスという期待の若手俳優が顔を揃えた素敵なラブコメディです。

雨のニューヨークをギャツビーと観光しているような、そんな気分になれる作品です。