「月刊コミックゼノン」で連載中の大人気同名作品を原作としたアニメの第2期『終末のワルキューレⅡ』。
かつて苦難にあえぐ人間の姿に心を痛めた零福は、人々が抱える不幸を吸って代わりに背負おうと決意します。
しかし、零福がどれほど不幸を吸おうとも、人々は幸福にはなりませんでした。
早速、第12話「零」をレビューしていきます。
目次
アニメ『終末のワルキューレⅡ』前回11話のあらすじと振り返り
人類と神々は紙一重の激しい死闘を続け、ここまでの戦績はほぼ互角。
次なる戦いに向けて姿を現した釈迦は、神側でエントリーされていたにもかかわらず、人類側闘士として出場すると宣言します。
そんな釈迦の対戦相手として呼び出されたのは、七福神一柱・毘沙門天……ではなく、七福神が合体した本来の姿――伝説の凶神・零福でした。
【ネタバレあり】アニメ『終末のワルキューレⅡ』第12話あらすじ・感想
善の神・零福
――まだ人と神が近しき古代アジア。
人々を見守るため、俗世に身を置いていた零福は、当たり前にハトの親子を救うような、誰よりも心優しき神でした。
そんな零福は、苦難にあえぐ人間たちの姿に心を痛めます。
そこで零福が考えた救済は、人々が抱える不幸を吸って、代わりに背負うことでした。
幾歳月が経ち、人間の不幸を吸い続けた零福は、心身ともにボロボロになっていきます。
そんな中、かつて救った村の様子を見に行くと、見事に堕落した光景が広がっており、愕然とさせられました。
零福は、人間の本質を知らなかったのです。
一方的に不幸を吸い取れば吸い取るほど、人々は幸福を見失い、どこまでも落ちていくということを……。
「どうして幸せになってくれないんだ」と絶望した矢先、人間だけでなく動物も引き連れた大行列が通りかかります。
先頭を立つ男・釈迦を慕い、行列を成す人々はみすぼらしく見えるのに、とても幸せそうでした。
驚いた零福は釈迦を呼び止め、自分が必死に不幸を吸い取った人々は幸福にならず、どんどん不幸になっていくのに、どうして釈迦の周りの人々は幸せそうなのかと問い詰めます。
すると釈迦は、「幸福ってさ、与えられるもんじゃないんだよ。 自分で、至るもんだから」「”影あるところに光あり”だよ」と返しました。
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屈辱と絶望の果て
「君も一緒に悟らないか?」と声を掛けられた零福は、耐えられなくなって逃げ去ります。
神である零福が、人である釈迦に嫉妬する……。
それは、あってはならない屈辱でした。
これを機に、神の愛は容易く憎悪へと反転し、幾度も人類を滅ぼさんとしてきたのです。
赤子を守る母親すらも殺戮対象とした瞬間、零福は思いとどまり……自ら七つの神・七福神へと分裂しました。
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今もなお、釈迦への憎しみを忘れていない零福は、彼に天誅を下せることを喜び、意気揚々と現れます。
そんな零福に不意打ちで先制攻撃した釈迦は、零福を煽りました。
躍起になった零福の攻撃は釈迦に避けられ続け、武器がかすりもしないことに苛立った零福は不幸を感じます。
その不幸を吸い取って、零福の武器は肥大化していきました。
つまり、釈迦が攻撃を避ければ避けるほど、零福の攻撃力が上がるということを知ったゲルは、驚いて「無理ゲー」だと評します。
天災級の一撃
零福の武器の特性に気付いてもなお、余裕のある様子の釈迦。
ブリュンヒルデは、釈迦の動きをよく見てみるようゲルに言いました。
するとゲルは、攻撃よりも早く釈迦が避ける動きをしていることに気が付きます。
そう、釈迦は「未来視」によって、寸秒先の零福の動きを知っているのです。
避けてばかりの釈迦に零福が苛立ったその時、「いく時はいくよ」と呟きながら攻撃を仕掛ける釈迦。
零福は釈迦の「未来視」を知り、「ずるい」と癇癪を起こします。
人々を救ったのに誰からも感謝されなかった過去や、釈迦に嫉妬してしまった自分自身を思い出し、最大限に不幸を感じた零福。
禍々しい気配を増幅させ、相手側のフィールドを埋め尽くすほど武器を肥大化させた零福を見て、今度は釈迦が「ずるい」と焦る番でした。
動きを止めてしまった釈迦を見たブリュンヒルデは、「未来視」で何を見たのかと困惑します。
そして、「避け切れない」という寸秒先の未来を見てしまった場合、それはただ絶望が迫りくるだけであり、だからこそ動きを止めたのではと考えました。
ブリュンヒルデの思った通り、避け切れない未来を見た釈迦は、「廻れ六道」と唱えて棍棒を差し出します。
そんな彼の真上に降りかかる天災級の一撃……。
釈迦が殺られたと誰もが思ったその瞬間、声が聞こえてきます。
「お前の思春期、受け止めてやる」
想像を絶する攻撃を真正面から退けた釈迦は、そう告げました。
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アニメ『終末のワルキューレⅡ』第12話まとめ
いかがだったでしょうか。
零福の過去が明らかになり、釈迦との邂逅も描かれた第12話。
憎しみの果てに禍々しき神となった零福の「思春期」を、釈迦はどう受け止めていくのでしょうか?
次回、第13話も楽しみです。