「月刊コミックゼノン」で連載中の大人気同名作品を原作としたアニメの第2期『終末のワルキューレⅡ』。
両者ともに限界を超えた、壮絶な死闘を繰り広げるヘラクレスとジャック・ザ・リッパー。
第4回戦の勝敗が決するものの、その結末に神も人類も、歓喜や興奮の声を上げる者はいませんでした。
早速、第5話「鎮魂」をレビューしていきます。
目次
アニメ『終末のワルキューレⅡ』前回4話のあらすじと振り返り
左腕を失い追い詰められてもなお、ヘラクレスは恐怖の色を見せることなく闘志をみなぎらせます。
自らの正義を果たすべく、ヘラクレスはついに第十二の御業を解放しました。
激しさを増していく戦いの中、ヘラクレスの感情の色に真実の愛情を見出したジャックは、母からの愛情は偽りのものだったと知ります。
そうして本当の愛情を持ったヘラクレスの感情の色を、自分好みのものに染め上げたいと思うようになりました。
それに応えようとするヘラクレスもまた、全力で戦います。
【ネタバレあり】アニメ『終末のワルキューレⅡ』第5話あらすじ・感想
その悪意もまた、神の愛した人間
傷だらけのジャックは手袋に自らの血を纏わせ、両手を神器化します。
傷を庇っているだけだと思っていたヘラクレスはジャックに近付き、そのまま胸を貫かれてしまいました。
何度も騙し討ちのような攻撃を受けているのに、素直に負けを認めるヘラクレス。
ジャックの目に映る感情の色まで気にしながら……。
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結局、最後まで感情の色が変わらなかったヘラクレスは、そっとジャックを抱きしめて微笑みます。
そして、「いついかなる時も、人間を愛している」「いい戦いだったよ」と告げました。
さらに、この試合をセッティングしたブリュンヒルデに対し、「後は任せたぞ……この愚かしくも愛しい人類を救ってくれ」と言い残し、完全消滅します。
ヘラクレスに勝ったものの茫然自失な様子のジャックは、「私の感情は今、何色なんでしょうね」と呟きました。
ボロボロの身体をどうにか引きずって闘技場を出ると、本来なら味方であるはずの人類側の観客から石を投げられ、罵倒されます。
人類を愛し、人類に愛された神……そんなヘラクレスをも飲み込んだ底知れぬ悪意の塊であるジャックを、コナン・ドイルは化物だと評しました。
しかしシェイクスピアは、その悪意もまた、ヘラクレスの愛した人類なのだと窘めるのでした。
ワルキューレの感情
慕っていたヘラクレスの死を目の当たりにしたゲルは大泣きし、この試合をセッティングしたブリュンヒルデを責めます。
ゲルに背を向けたブリュンヒルデは、ワルキューレに感情など無意味だと言いながらも、流血するほど己の拳を握りしめていました。
淡々と語りながら、昂る感情を抑えつけようとしているブリュンヒルデに、ゲルは何も言えなくなってしまいます。
一人になったブリュンヒルデは、これまでの戦いで亡くなった人類側闘士たちとともにヘラクレスを弔いました。
そして、「すべてが終わったらそちらに参ります」と呟き、ひっそりと大粒の涙を流し続けるのでした。
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一方その頃、会場内で控えている新撰組の近藤勇(CV.高木渉)と沖田総司(CV.代永翼)は、試合を観戦しながら自分たちの番を今か今かと待ち侘びていました。
疑惑と裏切り
ヘラクレスとジャックの試合を見た神陣営は、いつも通りを装いながらも悲しんだり怒ったりしていました。
特にゼウスとロキは思うところがある様子で、それぞれ行動し始めます。
第5回戦の開始を目前に、ロキはある人物を待ち伏せしていました。
そこへ現れたのは、神側の闘士として控えている釈迦(CV.中村悠一)。
ワルキューレの神器錬成の能力が高すぎることに違和感を持っていたロキが疑ったのは、釈迦の仏界に存在する「一蓮托生」――お互いの生を賭けることで全身全霊を引き出す力です。
神器錬成に一蓮托生が噛んでいるのであれば、これまでの試合で見てきたような、人類が神に攻撃を与えたり、殺したりすることも可能なのではないかと考えました。
つまりロキは、釈迦が人類側に協力していることを疑っているのです。
「キミって裏切者?」
貼り付けたような恐ろしい笑みで問うたロキに、釈迦は「だったら何?」と答えます。
否定も肯定もしないその態度は、ほぼ肯定を意味しているようなものでした。
二人が睨み合う中、どこからともなくやって来たのは天界処刑人である「七福神」たち。
釈迦に天誅を下そうとしていた七福神とロキの利害は一致しており、釈迦が一人で全員の相手をしようというその時、人類側闘士としてポセイドンを倒した佐々木小次郎が現れます。
大勢に囲まれている釈迦を見て、助太刀をすると言いました。
さらに、早く戦いたくてうずうずしている沖田と近藤も釈迦側に加わり、まさに一発触発の状況が生まれるのでした。
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アニメ『終末のワルキューレⅡ』第5話まとめ
いかがだったでしょうか。
ヘラクレスとジャックの試合の重たい余韻が闘技場を包む中、裏でもバトル勃発の予感。
より一層、殺伐とした雰囲気になってきましたね。
釈迦、沖田総司、近藤勇など新キャラも登場し、ますます盛り上がりを見せる『終ワルⅡ』。
次回、第6話も楽しみです。