『PUSH 光と闇の能力者』は、軍事実験を目的に超能力者を拘束する謎の組織「ディビジョン」との闘いを描いたクリス・エヴァンス、ダコタ・ファニング主演のSFアクションです。
- 特殊能力を持つ兵士を作る実験を続ける「ディビジョン」
- 最強の「ウォッチャー」の娘キャシー
- 超能力を増幅する薬の人体実験
- 香港の街を駆けめぐる主人公たち
- 敵の裏をかくニックの戦略
目次
映画『PUSH 光と闇の能力者』作品情報
作品名 | PUSH 光と闇の能力者 |
公開日 | 2009年11月7日 |
上映時間 | 111分 |
監督 | ポール・マクギガン |
脚本 | デヴィッド・ボーラ |
出演者 | クリス・エヴァンス ダコタ・ファニング カミーラ・ベル クリフ・カーティス ジャイモン・フンスー ジョエル・グレッチ ニール・ジャクソン コリー・ストール スコット・マイケル・キャンベル マギー・シフ ミン・ナ ネイト・ムーニー コリン・フォード |
音楽 | ニール・ダヴィッジ リザ・リチャードソン |
映画『PUSH 光と闇の能力者』あらすじ・感想【ネタバレなし】
逃げた超能力者
ナチス・ドイツが始めたとされる超能力者を兵士にする軍事実験が、今も続けられている「ディビジョン」の実験施設。
超能力には、未来を予知する「ウォッチャー」、念動力「ムーバー」、相手の頭に偽の記憶を押し込む「プッシャー」、物体についた記憶を読み取る「スニファー」、モノを疑似化する「シフター」が分類されます。
超能力者の兵器化を進めるために、世界中の政府が編成したディビジョンは、超能力者を探し出しては能力を増幅させる薬の投与をして人体実験を行っていました。
これまでの実験ではどの被験者も薬に耐えられずに死んでいく中、ついに増強剤への耐性をもつ被験者のプッシャーの1人キラ(カミラ・ベル)が生き延びて実験施設から薬の入ったシリンジを持ち出し逃げ出したことから、物語は幕を開けます。
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父の最期の言葉「花をもった女の子」
10年前に、目の前でディビションに父の命を奪われたニック(クリス・エヴァンス)は、ディビションの追跡から逃れ、香港の街にひっそりと身を隠しているムーバーの1人。
ムーバーといっても、ニックは念動力を制御すらできずにいる始末です。
そんなうだつのあがらないニックのもとに、謎のウォッチャー・キャシー(ダコタ・ファニング)が訪れます。
「スーツケースと女性を探さないと大変なことになる」というキャシーの、突拍子もない言葉を背に去ろうとするニック。
しかし、そんな時に中国のディビションがニックとキャシーを襲ってきます。
わけがわからないニックは、凶暴な超能力者に追われる中で覚醒させた念動力でキャシーを助け、自分は重傷を負ってしまうのでした。
「スティッチ」と呼ばれる治癒力を持つ超能力者のおかげで、ケガから回復したニックが目にしたのは、花をもったキャシー。
「いつか花を持った女の子が、お前のもとを訪れるはず。この子を助けるんだ。」
そう言い残して死んだウォッチャーの父の最期の言葉を思い出したニックは、その花を持った女の子がキャシーだと知り、助けることにしたのでした。
話を聞いてみると、キャシーの母はこれまでに類を見ない未来を見通す最強のウォッチャーで、キャシーの母を支配できないことを恐れたディビジョンが彼女を拘束しているというのです。
そしてキャシーの母は、超能力者武器化の覇権争いをするアメリカ・中国、両政府のディビジョンが探している「スーツケースと女性」がディビジョンを倒し、自身を救うカギとなると予知したというのです。
香港の騒々しい魚市場で食事をとるニックとキャシー、そこから一瞬にして始まるアクションは迫力満点です。
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念動力と予知能力の対決
アメリカ政府のディビジョンの実験施設から脱走したキラは、実はかつてニックと2人でコニーアイランドで観光客に偽の記憶を埋め込むプッシャーの能力を悪用して、お金を巻き上げていたペテン師。
ディビジョンが追っている女性がキラだと知ったニックは、彼女が持ち出したスーツケースに入ったシリンジの薬が、ディビジョンの組織をつぶす切り札だと知り、手助けすることにします。
特殊能力を増幅する薬に耐性のある患者0号のキラと、その薬を手に入れて開発データが欲しいアメリカと中国ディビジョンとニックたちの三つ巴の闘いの勢いは増すばかり。
ニックは、アメリカ側のムーバーのビクター(ニール・ジャクソン)と対決。
ウォッチャーであるキャシーは先手を打ってくる中国側ディビジョンの強力なウォッチャー(シャオル・リー)の魔の手から逃れるため、スニッファーのエミリー(ミンナ・ウェン)、シフターのフック(クリフ・カーティス)の協力を得て、キラの争奪戦を繰り広げるのでした。
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敵側にキラを渡したくないのはわかるんですが、薬のシリンジは具体的にはどう使えばいいのか…?
アメリカと中国のディビジョンが、それぞれの思惑も別な中でニックたちを追ってきます。
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敵の裏をかく戦略
投与された薬の副作用でキラの体調が悪くなり、アメリカのディビションが持つ治療薬を目的にキラをディビションに戻したニック。
しかし、それはキラの隠したシリンジの入ったスーツケースと引き換えに、キラの身柄を引き渡すための作戦でした。
ニックたちは、どうやっても逃げ切れないキャシーよりも強力な予知能力をもつ中国側のウォッチャーをどう出し抜くか考えます。
なんとか敵の裏をかく作戦で最終決戦の場となる建設中のビルにたどり着いたニックと、アメリカと中国のディビジョンとの闘いの結果はどうなるのでしょうか?
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ちなみに、エンディングで冒頭のビー玉を落とした患者が、実はキャシーの母だったということが観客にわかります。
「未来はいつも不透明、小さな変化が大きな変化をもたらす」
ニックとキャシーの闘いは、最強のウォッチャーにとっては最初から予知していた出来事だったという事実が明かされたのでした。
香港を見る楽しさもある映画
『PUSH 光と闇の能力者』は、香港の街を舞台に超能力者のニックとキャシーが、アメリカと中国2つの国のディビジョンと三つ巴の闘いを繰り広げるSFアクション。
組織の開発した特殊能力を増幅する薬に初めて耐えて生き延びた実験体として狙われるキラと、その切り札となる薬をめぐる争奪戦です。
香港の街をロケ地にクリス・エヴァンスとダコタ・ファニングが大活躍で、ゲリラ撮影と思われるシーンも多用されており、ハリウッドとは少しトーンの違うテイストの入った映画です。
エンディングでは、ニックのメッセージの手紙を読んだキラの目がクローズアップされ、エンドロールに突入。
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エンディングに若干の消化不良は残すものの、クリス・エヴァンス、ダコタ・ファニングと実力派俳優を起用した作品なので十分に楽しめます。
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映画『PUSH 光と闇の能力者』あらすじ・感想まとめ
以上、ここまで『PUSH 光と闇の能力者』をレビューしてきました。
- 超能力を武器化する人体実験を続ける「ディビジョン」
- 「ウォッチャー」のキャシーと「ムーバー」のニック
- 超能力を増幅する薬に初めて耐えた「プッシャー」のキラ
- 香港の街を駆けめぐる主人公たち
- 切り札を手に入れたニックとキャシー