『ポテチ』は伊坂幸太郎の原作小説を、中村義洋監督がお世話になった東日本大震災の被災地・仙台への恩返しとして2012年に公開された映画です。
主演は濱田岳、ヒロインは木村文乃。さらに主題歌は斎藤和義という豪華さ!
- 笑福亭鶴瓶がA-studioという番組で「あの映画えぇな~」絶賛していた映画!
- 遊び心満載!隠しエキストラですっぴんの竹内結子が出ている!
- 天才・伊坂幸太郎の素晴らしさ!「なるほど~」と思わず唸るストーリー展開
- 最後の最後、粋な終わり方に感動!
1本のホームランがたくさんの人の心を救う…とてもとても素敵な物語。
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目次
『ポテチ』作品情報
作品名 | ポテチ |
公開日 | 2012年5月12日 |
上映時間 | 68分 |
監督 | 中村義洋 |
脚本 | 中村義洋 |
原作 | 伊坂幸太郎 |
出演者 | 濱田岳 木村文乃 大森南朋 石田えり 松岡茉優 |
音楽 | 斉藤和義 |
主題歌 | 斉藤和義「今夜、リンゴの木の下で」 |
『ポテチ』あらすじ・感想【ネタバレなし】
「ポテチ」何味派ですか?
題名になるくらいですから、このストーリーにおけるポテトチップスの役割は大きいです。
主人公・今村忠司(濱田岳)が、恋人の大西若葉(木村文乃)に買ってくるように頼まれたコンソメ味のポテチ。
忠司は戻ってくると、間違ってしお味を若葉に渡してしまいます。
一旦は忠司の持っているコンソメと交換してもらおうと「しお」を差し出す若葉でしたが、なぜか思いとどまります。
若葉「あっ!これコンソメじゃないじゃん!」
忠司「あー、ごめん。こっちがコンソメだ…」
若葉「あっやっぱ(交換するの)やめた!しお味も食べてみたら意外においしいかも!…ウソじゃないって~コンソメ食べたい気分だったけど、
しおは「しお」で食べてみるといいもんだねぇ~って。間違えてくれてかえって良かったかも!」
このやりとりをした直後、今村忠司は泣いてしまいます…。
泣くのには心に秘めた切ない理由があり、「これ泣いちゃうよな~」って理解できるんです。
きっと忠司に沁みた言葉だったんですよね。
ラストまで観てから、もう一度観たシーンです。
忠司の心情を知った後に観るこの場面、ジーンときます。
謎を解くカギは「忠司の受けた健康診断」と「同郷で同じ誕生日のプロ野球スター尾崎」
主人公・今村忠司(濱田岳)は、空き巣泥棒を生業としています。
ろくに学校にも行かず…辿りついた先が現在です。
ところが忠司、半年前に健康診断を受けたことによって知った事実にショックを受けます。
その後の忠司は、母・弓子(石田えり)に健康診断を勧めたり、2ヶ月前にはわざわざ健康チェックする人を母の元へ派遣したり…行動が著しく変化します。
さすが伏線の魔術師・伊坂幸太郎。これらは全部ラストに繋がっています。
母・弓子は、プロ野球「仙醍キングス」の尾崎選手のお母さんと地元が同じです。
尾崎選手(阿部亮平)は同郷のスター、なんと忠司はその尾崎選手と同じ年の同じ日に産まれていました。
運命的な同じ生年月日のプロ野球選手、何かと忠司は意識しています。
それは、憧れというのか、他人とは思えない感じというのか、そういう肩入れした感情のように見えます。
「忠司の受けた健康診断」と「同郷で同じ誕生日のプロ野球スター尾崎」。
この2つの事柄は密接に関係しています!
次第に明らかになる真相を知ったとき、忠司の純粋さに心打たれることでしょう。
大森南朋の何を考えているかわからないポーカーフェイスがたまらない
今村忠司の尊敬する先輩・黒沢(大森南朋)は空き巣のプロで、他人と群れない一匹狼タイプの人間。
物語の中では、はじめから「忠司の隠している秘密」について相談され、事実を知っている人物です。
そんな黒澤の口癖は「人の気持ちが分からない」。
感情というものに無頓着な感じで、そこに居るだけで佇まいから伝わってくる「凄味」みたいのがあり、言い知れぬ闇を持った感じにゾクゾクします。
この物語の中でも、黒澤の持つ狂気性が発揮される部分が多数あり、いいスパイスになっていました。
緩急がうまくついていたのも、予測できない黒澤の考えが面白かったからです。
黒澤は人の気持ちには疎いですが、人情が薄いわけではないんです。
そこも魅力で、後輩である忠司のために策を練り、忠司のための奇跡を起こす姿はかっこよかった!
この役をこなせる大森南朋さんは、とてつもない俳優です。
ヒロイン木村文乃という絶妙な配役
忠司の恋人・大西若葉を演じるのは木村文乃さんです。
若葉の口癖は「ぼーっとしてたらぶっ飛ばすよ!」です。
品のある木村さんが、こんな粗めの言葉をいうと、スカッとするんですよね。
この2人、恋人になったキッカケが「空き巣」という異色のカップル。
上品な役ばかりの木村文乃さんを観ていたので、キリッと睨みつけて強いセリフを言う若葉は新鮮でした。
優しそうな顔の人ほど、ギャップがいいですよね!
新たな木村文乃さんを発見できました!
スター選手・尾崎(阿部亮平)を取り巻く人物
尾崎にしつこく付きまとう男性から助けてもらった女性・ミユ(松岡茉優)。
忠司と若葉は、尾崎の家に空き巣に入ったとき、彼女からの「また付きまとわれてる、その男と今から待ち合わせしている」というSOSの留守電を偶然聞いてしまいます。
尾崎のこととなると肩入れしがちな忠司は、この女性のことが放っておけず、若葉と一緒にミユが言っていた待ち合わせ場所のカフェに助けに行きます。
実はこのミユという女性、かなり曲者なんです!
ミユの本当の目的を知った忠司と若葉はある行動に出ます。
ミユを演じる松岡茉優さん。あどけない可愛らしい顔、小悪魔的な顔と変幻自在な女優さんですよね。
『ポテチ』の中でも、二面性のある役を見事に演じています!
つきまとう男・落合修輔は、中林大樹さん。
都会だけど田舎の仙台で粋がる金パツのちょいヤンキー男を上手く表現、絶妙に田舎によくいるワルの感じなんです。
もうひとり、大事なキャラクターが仙醍キングス・堂島監督。
桜金造さんが演じているこの人物が、最後の奇跡を起こすために重要なんです。
彼の「女好き」がなければ奇跡は起こりません。堂島監督のクズっぷりはクスッと笑えます!
『ポテチ』あらすじ・感想まとめ
いよいよ『ポテチ』全国公開月の5月に突入~感動のラストシーンに繋がる大切な球場の場面写真です。もう観た方はこの写真から伝わる熱気がおわかりになるのでは?何度観てもいいですよね。(うすしお)#potechi_movie pic.twitter.com/5JYqPgDP
— 映画『ポテチ』 (@potechi_movie) 2012年5月1日
以上、ここまで『ポテチ』について紹介させていただきました。
- 東日本大震災後の被災地・仙台への恩返しの意味を込めた仙台オールロケ。仙台出身、伊坂幸太郎の郷土愛が溢れている。
- ずっとフライがとれなくて野球が嫌いだった男の手に優しく入り込んできたホームランボール
- 大きな事件は起きない…でも観るの心を掴んで離さない
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