2013年、アカデミー賞で作品賞など8部門にノミネートされた映画『世界にひとつのプレイブック』。
ジェニファー・ローレンスがアカデミー主演女優賞を受賞した出世作としても知られる作品です。
それぞれ心に傷を負った男女が出会い、支え合い模索しながら希望の光を探す物語。
ちょっとイカれた2人が前を向く姿にほっこりするコメディになっています。
- 抱えた問題と向き合うヒューマンドラマ
- クスっと笑えるロマンティックコメディ
- 演技派俳優たちの素晴らしいアンサンブル
今回はそんな映画『世界にひとつのプレイブック』をネタバレありでご紹介します。
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目次
『世界にひとつのプレイブック』作品情報
作品名 | 世界にひとつのプレイブック |
公開日 | 2013年2月22日 |
上映時間 | 122分 |
監督 | デヴィッド・O・ラッセル |
脚本 | デヴィッド・O・ラッセル |
出演者 | ブラッドリー・クーパー ジェニファー・ローレンス ロバート・デ・ニーロ クリス・タッカー ジャッキー・ウィーヴァー アヌパム・カーシェー・ウィガム ジュリア・スタイルズ ポール・ハーマン ダッシュ・マイホック ジョン・オーティス |
音楽 | ダニー・エルフマン |
【ネタバレ】『世界にひとつのプレイブック』あらすじ
問題を抱えた2人の出会い
主人公のパット(ブラッドリー・クーパー)は、元高校教師。
ある事件をきっかけに精神病院に8ヶ月入院し、現在は実家で暮らしています。
退院のために力添えしてくれた母のドロレス(ジャッキー・ウィーヴァー)に対して、父のパトリツィオ(ロバート・デ・ニーロ)はぎこちなくパットと接していました。
そんな両親の気持ちなど気にせず、パットの頭の中は元妻・ニッキー(ブレア・ビー)のことでいっぱいです。
実は、パットはニッキーの浮気現場に遭遇してしまい、相手の男に暴行を加えた過去がありました。
その件で躁うつ病と診断されたパットは、精神病院への入院を余儀なくされたのです。
パットは入院中からずっとニッキーとの復縁だけを考え、自分を変えようと努力していました。
自分のことを正常だと信じ、より高みを目指そうとするパットですが、実際にはちょっとしたことで興奮したり暴れたりと、情緒不安定な状態でした。
その症状はニッキーへの接近禁止命令が出ているにもかかわらず、元の職場や家に行ってしまうほど。
なかなかうまくいかない日々の中、パットは友人のロニー(ジョン・オーティス)から夕食に招待されます。
気が進まないパットが嫌々向かってみると、そこにはロニーの妻であるヴェロニカ(ジュリア・スタイルズ)の妹、ティファニー(ジェニファー・ローレンス)がいました。
ティファニーは夫を亡くしたばかりの未亡人で、心に傷を負っていました。
痛みがわかる者同士
実は、ティファニーはセックス依存症に悩まされていました。
夫の死がきっかけで情緒不安定になったティファニーは女性を含む職場の同僚全員と肉体関係を持ち、そのことが問題でクビになったのです。
現在はパットと同じく実家で暮らしていました。
ティファニーは本当にどうかしているうえに、パットに執拗につきまといます。
薬物療法の話で意気投合した2人は食事に出かけますが、徐々に雲行きが怪しくなり最後には大喧嘩をしてしまいました。
パットがティファニーを罵ったため、ティファニーは激昂し怒鳴りつけます。
すると、その場に偶然流れていたスティービー・ワンダーの“マイ・シェリー・アモール”に激しく動揺するパット。
その曲はニッキーとの結婚式で流した曲であり、さらに浮気に遭遇した時にも流れていた曲でした。
ティファニーはパニックに陥ったパットをなだめ、パットも素直に謝り感謝します。
一見、自由奔放でイカれた女性に見えるティファニーは心から優しく繊細な女性でした。
そんな繊細な面を持ったティファニーが他人から尻軽女と思われていることに深く傷ついていると知ったパットは、どんどんティファニーの素顔に気づいていきます。
前を向こうとする2人
パットはニッキー宛ての手紙をこっそり届けてほしいとティファニーに頼みます。
すると、ティファニーはダンス大会に出るためのペアになることを条件として提案してきました。
ティファニーはダンスが得意で、前を向くために何かを始めようと大会への出場を考えていたのです。
パットはダンスの経験がありませんでしたが、手紙を渡してもらう交換条件として仕方なく承諾します。
そして、2人は社交ダンスの特訓を始めました。
パットはなかなかうまく踊れず、ティファニーは根気強くサポートします。
何度も2人で練習を重ね少しずつ上達してきました。
そんな頃、ティファニーはパットに夫が死んだ理由を語ります。
ティファニーと夫の間にはセックスに関する悩みがありました。
状況を打破するために、夫はティファニーへランジェリーをプレゼントしようとします。
その買い物をした帰りに事故車を助けようとして交通事故に遭い、亡くなってしまったのでした。
ティファニーはそれからずっと悲しみを抱いており、心理療法を受けています。
パットは何度も2人で会っているうちにそんなティファニーのことが気になり始めました。
ある日、ティファニーはニッキーからの手紙をパットに見せます。
「今はまだ会えない」といった内容だったのでパットは落ち込みますが、ティファニーはそっと励まします。
やっと見つけた希望の光
パトリツィオはアメフトのノミ屋を営んでいて、イーグルスの勝利に大金を賭けていました。
しかし、イーグルスは大敗し、苛立ちを隠せないパトリツィオはそれをパットのせいにします。
その怒りはティファニーにも飛び火し、もうティファニーと会うなとまで言い出しました。
ティファニーは憤りを感じ自分がどれほどイーグルスにとってゲン担ぎになる存在かを語ると、ダンス大会の当日にまた賭けをするようパトリツィオに言います。
ティファニーの言葉に乗せられたパトリツィオは、2人のダンス大会の得点まで賭けの対象にしました。
イーグルスの勝利とダンス大会での得点5点以上を条件とする二重賭けをしたのです。
周囲の人々は反対しますが、パトリツィオはその賭けに全財産をつぎ込みました。
パットはプレッシャーから出場を拒否しますが、ティファニーが必死に説得します。
その時、ティファニーが放った言葉はニッキーからの手紙に書いてあった言葉と同じでした。
パットはあの手紙を書いたのがティファニーだと気づき、出場を決めます。
ダンス大会当日、友人のヴェロニカに誘われ、ニッキーも見に来ていました。
ティファニーはニッキーの姿を見て動揺しますが、何とかフロアへ。
音楽が流れ始め、2人は息の合ったダンスを披露します。
うまいわけではないので会場は不思議な空気に包まれますが、他のペアにはない魅力がありました。
得点はぴったり5点。
イーグルスも勝利し、パトリツィオの二重賭けは見事に成功します。
ニッキーの元へ向かうパットを見ていたたまれなくなったティファニーは、思わず外に飛び出しました。
しかし、後からパットが追いかけてきて手紙を渡します。
そこにはティファニーへの愛の告白が綴られていました。
お互いの希望の光となった2人は、夜の路上で抱き合うのでした。
【ネタバレ】『世界にひとつのプレイブック』感想
実力派のキャストと喜怒哀楽の激しいキャラクター
情緒不安定な2人の主人公の他にも、感情表現豊かなキャラクターが多い『世界にひとつのプレイブック』。
主人公・パットを演じたのは、ブラッドリー・クーパー。
大人気テレビドラマシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』でデビューした後、徐々にフィールドを広げ映画や舞台にも進出しました。
映画『ハングオーバー』シリーズや『リミットレス』での演技が評価され、『世界にひとつのプレイブック』でさらに知名度を獲得します。
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笑いに振り切った役を得意とする一方で、シリアスな作品やクールなキャラクターまで幅広く演じる器用さは、製作に携わるようになってからさらに磨かれています。
『世界にひとつのプレイブック』で演じたパットは、妻の浮気を目撃してから情緒不安定になり、躁うつ病と診断された元高校教師という難しい役柄。
自分が正常だと信じる頑固さや妻とヨリを戻したいと願う真っ直ぐな気持ちの裏には、過去への執着や未来への不安が渦巻いているという心の不安定さを演じ切っていました。
俳優業だけでなく、監督業にも注目が集まるブラッドリー・クーパー。
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もう1人の主人公・ティファニーを演じたのは、ジェニファー・ローレンス。
19歳の頃に主演した映画『ウィンターズ・ボーン』での演技が評価され、アカデミー主演女優賞など数々の賞にノミネート、または受賞しています。
『世界にひとつのプレイブック』では念願のアカデミー主演女優賞を受賞し、『ハンガー・ゲーム』シリーズや『X-MEN』シリーズで世界的に知名度を上げていきました。
メリル・ストリープの再来ともいわれる高い演技力と表現力で、一躍人気女優の階段を昇り詰めます。
『世界にひとつのプレイブック』ではセックス依存症に悩む未亡人・ティファニーを演じ、激しく揺れ動く感情を抑えきれない自分と、繊細で傷つきやすい心を守ろうとする自分という二面性を見事に演じ分けていました。
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様々なタイプの役柄を見事にこなすジェニファー・ローレンス。
セクシーでキュートな表情と明るくはっきりした性格で、ファンを増やし続けています。
パットの父・パトリツィオを演じたのは、ロバート・デ・ニーロ。
『ゴッド・ファーザー PARTⅡ』をはじめ、『タクシードライバー』や『カジノ』など数多くのクライム映画に出演しています。
そんなデ・ニーロは、『キング・オブ・コメディ』でコメディアンを演じたり、『マイ・インターン』でアン・ハサウェイ扮する若手女社長の部下であるシニア・インターン生を演じたりと、コメディチックな役柄も得意としています。
『世界にひとつのプレイブック』では、賭け事のことになると豹変してしまう父親をユーモアたっぷりに演じていました。
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パットの母・ドロレスを演じたのは、ジャッキー・ウィーヴァー。
1970年代から映画や舞台で活躍し、代表作となった『アニマル・キングダム』ではアカデミー助演女優賞など数々の賞にノミネート、または受賞しています。
『世界にひとつのプレイブック』では、息子の心配をするちょっとおせっかいで優しい母親を演じました。
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キャラクターの個性を彩り豊かに演じた俳優たちのアンサンブルが素晴らしい作品。
アカデミー賞で多数部門にノミネートされたのも納得の一作です。
『世界にひとつのプレイブック』まとめ
いかがだったでしょうか。
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