『ペンギン・ハイウェイ』あらすじ・ネタバレ感想!少年が見つけた“世界の果て”とは?物語の謎を考察

『ペンギン・ハイウェイ』あらすじ・ネタバレ感想!少年が見つけた“世界の果て”とは?物語の謎を考察

出典:『ペンギン・ハイウェイ』公式ページ

森見登美彦の同名小説を原作としたアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』。

『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』、『有頂天家族』などアニメ化されたものも含め、多くの作品が注目を浴びる人気作家が描いた渾身のジュブナイル作品です。

ある日、住宅街に突然現れたペンギンたちの謎を解明すべく“ペンギン・ハイウェイ”と名付けた研究を始める小学4年生のアオヤマ君がひと夏の冒険に繰りだす物語。

憧れのミステリアスなお姉さんにも隠された謎がある様子で多忙になっていく研究熱心なアオヤマ君は、夏休みに一体何を見つけるのでしょうか。

今回はそんなアニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』をネタバレありでご紹介します。

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『ペンギン・ハイウェイ』作品情報

『ペンギン・ハイウェイ』

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

原作森見登美彦

作品名 ペンギン・ハイウェイ
公開日 2018年8月17日
上映時間 119分
監督 石田祐康
脚本 上田誠
原作 森見登美彦
出演者 北香那
蒼井優
釘宮理恵
潘めぐみ
福井美樹
能登麻美子
久野美咲
西島秀俊
竹中直人
音楽 阿部海太郎

【ネタバレ】『ペンギン・ハイウェイ』あらすじ


ペンギンが現れた!

郊外の住宅街に住むアオヤマ君(北香那)は、知的好奇心旺盛で研究者気質な小学4年生。

『ペンギン・ハイウェイ』

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

そんなアオヤマ君にとって一番の研究対象は、通っている歯医者で働いている憧れのお姉さん(蒼井優)でした。

夏休みを目前にしたある日、住宅街に突然ペンギンの群れが出現し、突然姿を消すという事件が発生。

『ペンギン・ハイウェイ』

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

アオヤマ君はクラスメイトのウチダ君(釘宮理恵)と共にこの謎を解明すべく、“ペンギン・ハイウェイ”と名付けた研究を始めます。

アオヤマ君とウチダ君は、学校裏の水路でペンギンたちを発見しましたが途中で見失ってしまい、さらにクラスのガキ大将であるスズキ君(福井美樹)に絡まれてしまいました。

アオヤマ君はバスターミナルの自動販売機に縛り付けられてしまいましたが、偶然バス停にいたお姉さんに助けてもらいます。

そして、お姉さんが放り投げた空き缶からペンギンが出現するのを目撃。

『ペンギン・ハイウェイ』

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

何故かペンギンを出すことができるようになってしまったというお姉さんは「この謎を解いてごらん」と微笑みました。

“海”の存在

アオヤマ君はお姉さんがペンギンを出すことができる仕組みを解き明かすため、お姉さんにいろいろなものを放り投げてもらいますがすべて失敗。

お姉さんは気分によってできない日もあるといいます。

一方、ウチダ君は見つけたペンギンを自宅でこっそり飼っていましたが、そのペンギンは食べ物を食べなくても元気でした。

後日、水族館に連れて行こうと電車に乗ると、町から離れるにつれて弱っていき、ペンギンはコーラの空き缶になってしまいました。

一部始終を目撃したアオヤマ君とウチダ君はペンギンのエネルギーは町にあるのではないかと考え、お姉さんの存在がエネルギー源ではないかと仮説を立てます。

『ペンギン・ハイウェイ』

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

その後、ひょんなことからクラスメイトのハマモトさん(潘めぐみ)が森の奥の草原で見つけたという巨大な透明の球体、通称・“海”を見せられます。

『ペンギン・ハイウェイ』

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

夏休みの共同研究

アオヤマ君、ウチダ君、ハマモトさんの3人は、ペンギンの謎と“海”の謎の解明を並行して行っていました。

夏休みに入ったある日、突如“海”が暴走し、“海”の中からいくつもの小さな“海”が飛び出してきました。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

その時、お姉さんが連れてきたペンギンの大群が小さな“海”に突進、そして破壊。

このことからペンギンは“海”を消滅できることが判明し、“海”の拡大・縮小とお姉さんの体調が深く関係していることがわかりました。

また、お姉さんもペンギンと同じように町から離れると衰弱してしまうことがわかり、エネルギー源が“海”であると認識するようになっていきます。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

研究が進まなくなってしまったアオヤマ君は父親(西島秀俊)から「世界の果ては外側ではなく内側に折りたたまれているのかも知れない」とアドバイスをもらい、“海”とは世界の歪みであり、お姉さんの出すペンギンはそれを修復しようとしているのかもしれないという仮説を立てました。

“海”と“ペンギン”、そして“お姉さん”

新学期が始まり、国立科学技術大学の教授であるハマモトさんの父親(竹中直人)たちが調査隊をつくり、“海”の謎の研究を始めました。

その頃、“海”は町を覆いつくすほど肥大化。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

調査隊を飲み込んでしまい、町には避難勧告が出され、アオヤマ君たちが通う小学校は避難所になりました。

アオヤマ君たちは調査隊を救うために学校を抜け出しますが、巡回中の警察官に取り押さえられてしまい、逃げることができたアオヤマ君だけで“海”に向かうことになります。

アオヤマ君はお姉さんに会いに行き、お姉さんの正体は「人間ではない」と告げます。

お姉さんとペンギンは世界の歪みである“海”からエネルギーを得ていて、世界の穴である“海”を修復しているのではないかと語りました。

しかし、“海”が修復されて消失することは、お姉さんが消えてしまうことも意味しています。

それでも、アオヤマ君とお姉さんは調査隊を助けるため、ペンギンの大群と共に“海”の中に飛び込みました。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

調査隊を発見すると、お姉さんはペンギンたちに指示を出して“海”を完全に破壊。

みんなで元の世界へ戻ることに成功しました。

“海”を消滅させたことでお姉さんはペンギンたちと一緒に消えてしまいましたが、アオヤマ君は「いつかこの謎を解明して、必ず会いに行く」と決意を新たにします。

アオヤマ君はひと夏の冒険を通して、素敵な大人になることを誓いました。

【ネタバレ】『ペンギン・ハイウェイ』感想・考察

“お姉さん”の正体とは

『ペンギン・ハイウェイ』にはアオヤマ君の研究対象となる様々な謎が登場しますが、一番気になるのはやはり“お姉さん”の存在だと思います。

お姉さんは町の歯医者で働く一見普通の若い女性ですが、ペンギンを生み出すことができる不思議な人物です。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

物語の後半では、何も食べなくても問題なく生活できることやペンギンを食べてしまう“ジャバウォック”という生き物まで生み出していることが判明し、ますます謎は深まります。

お姉さんが出すペンギンとお姉さんの体調は同じように変動し、栄養を取らなくても元気なことや町から離れると具合が悪くなる(ペンギンの場合は消失してしまった)ことも同様です。

これはアオヤマ君がクラスメイトのハマモトさん、ウチダ君と共同研究を行っていた“海”と深く関連していて、お姉さんとペンギンたちは海からエネルギーを得ているという仮説が立てられました。

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アオヤマ君がいうところの“ペンギン・エネルギー”です。

さらに、ペンギンはこの海を消滅させられることが判明しています。

劇中でも触れられている通り、わかったことをまとめていくと一つの大きな矛盾がありました。

海=世界の穴だとして、その穴を修復しようとしている(=海を破壊することで穴を塞いでいる)存在がペンギンなのだとしたら、お姉さんは何故ペンギンを食べてしまうジャバウォックをも生み出してしまうのでしょうか。

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この答えは劇中で明確にされていませんが、ジャバウォックはお姉さんの存在が消失しないようにするストッパーのようなものだと考えられます。
『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

世界の穴を修復するためにペンギンを出す→ペンギンが海を壊す→お姉さんとペンギンのエネルギー源がなくなる→エネルギー源を守るためにペンギンを食べるジャバウォックを出す、このような流れかと思うので、無意識のうちにペンギンを出すことができるようになってしまったお姉さんは、同じように無意識下で自分が消失してしまわないようにジャバウォックを出すようになったのでしょう。

アオヤマ君の研究の結果、お姉さんは「人間ではない」と結論づけられていて、お姉さんもそれを認めています。

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しかし、不可思議な点がたくさんあるとしても、実際に人間として生活を送っているし、過去の記憶もきちんと持っているんですよね。

つまり、お姉さんは世界の歪みを修復するための巫女のような存在であると同時に、人間としての自分を諦めていなかったのではないかと考えられます。

また、アオヤマ君がお姉さんのおっぱいに注目する場面が多々ありますが、これは単純に少年の思春期的な表現かと思っていました。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

ですが、そういった側面を描きながらも、大きな胸から自然の脅威を表しているように感じます。

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“母なる大地”、“母なる海”というように、生命を生み出す大自然を“母”と表現することがありますよね。

エネルギー源が海であること、お姉さんが過去に暮らしていたのが海辺の町だということを含めても、お姉さん自体が“世界”や“生命”のメタファーだったのかなと思います。

“世界の果て”にあったのは悲しみか、それとも

お姉さんが“生命”のメタファーだとするなら、海は“生死”のメタファーではないでしょうか。

「世界の果てには何があるのか」という命題に、「世界の果てで見つけたのが悲しみだとしても…」とアオヤマ君は語っています。

アオヤマ君にとって世界の歪みである海を修復することは、大好きなお姉さんとの別れを意味していました。

海の中は世界の果てのような場所でしたが、お姉さんにとっては行ってみたかった町であり、故郷の海辺の町でもあります。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

そんな世界の消失と共に消えたお姉さんは大好きな場所へ帰っていったとも考えられます。

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それは母なる海に還っていったともいえるし、役目を果たしたというポジティブなことなんですよね。

アオヤマ君も最後には、またお姉さんと出会えるように…と明るい気持ちで前を向きました。

将来にはまだまだ希望があって、夢があって、それこそ少年の世界は果てしなく広くて。

そんな賢い少年は自らが思い描くようにもっと偉くなって、お姉さんのような素敵な大人になることでしょう。

その土台に今回の“大切な人がいなくなってしまったという経験”があり、それが“エウレカ”につながっていくのです。

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エウレカとは、アオヤマ君が父親から教わったことの一つでもあるのですが、何かを発見したり気づいたりした時の喜びを表しています。

研究者気質のアオヤマ君は非常に合理的、数学的で、人の感情の機微や気持ちに鈍感なところが多々表現されていました。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

そんなアオヤマ君がラストでは、「どれだけの冒険をして、どれだけの出会いがあったかということ」をお姉さんに伝えたいと決意表明しています。

これはこの夏の経験を通して人間的に大きく成長したことを示しているし、アオヤマ君にとって新たなエウレカだったのではないかと思います。

また、劇中ではアオヤマ君の妹が夜中に突然「お母さんが死んじゃう」と泣きついてくるシーンがありました。

今、お母さんが死んじゃうのではなくて、人はいつか死んでしまうということを知りそれが悲しくて仕方ないからでした。

生き物はみんないつか死ぬ。

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わかっていることですが、とても悲しいことです。

子どもの頃に考える“生死”は、確かに不思議なものでした。

人は何故死ぬのか、死んだらどうなってしまうのか、そもそも死とは何か。

生死の巡りが世界や自然の巡りでもあることを示すように、アオヤマ君とウチダ君の“プロジェクト・アマゾン”では、町を流れている川に源泉がなく円になって循環していることがわかります。

『ペンギン・ハイウェイ』

出典:IMDB

『ペンギン・ハイウェイ』では子どもたちの研究や身近な謎、そして大きな冒険に隠れて、生と死が描かれていました。

『ペンギン・ハイウェイ』まとめ

いかがだったでしょうか。

少年が一夏の熱心な研究を通して成長するジュブナイルストーリー、『ペンギン・ハイウェイ』。

可愛いペンギンに癒やされながら、楽しい冒険に繰りだしましょう!

要点まとめ
  • 美しい映像で人気小説をアニメ映画化!
  • ジュブナイル作品でありながら自然の摂理を描いた壮大なストーリー
  • 大人も子どもも楽しめるファンタジー

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