メル・ギブソン主演で描くアメリカの独立戦争のドラマ。
当時の残虐な戦い方に驚きと恐怖を覚える反面、家族はいつまでも変わらないものだと実感できました。
- 当時の様子を緻密に再現した作品
- 家族愛をはじめとした人間ドラマや復讐劇がたっぷり
- これから続いていくアメリカ
それでは感動の超大作『パトリオット』をネタバレありでレビューします。
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目次
『パトリオット』作品情報
作品名 | パトリオット |
公開日 | 2000年9月23日 |
上映時間 | 164分 |
監督 | ローランド・エメリッヒ |
脚本 | ロバート・ロダット |
出演者 | メル・ギブソン ヒース・レジャー ジョエリー・リチャードソン クリス・クーパー チェッキー・カリョ |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
【ネタバレ】『パトリオット』あらすじ・感想
国のため、自由のため、誰かのため
『パトリオット』はアメリカ独立戦争を描いた作品です。
独立戦争は大陸(アメリカ)軍とイギリス軍の戦いですが、主人公のベンジャミン率いる軍は正規軍ではありません。
とーる
ベンジャミンはかつての戦いで英雄とまで言われた人物でした。
でも今は家族を持ち、妻に先立たれたことで子どもたちと一緒に静かに暮らしています。
しかしイギリス軍のタビントン大佐に次男のトマスを、そして結婚したばかりで幸せだった長男のガブリエルを殺され、ベンジャミンは復讐を誓うのでした。
ベンジャミンたち民兵を軽視していたイギリス軍に対し、それを逆手にとった作戦は見事成功。
タビントンへの復讐も果たし、ベンジャミンの戦いは終わります。
ベンジャミンとガブリエルが集めた民兵たちは、飲んだくれや無法者、牧師や奴隷といった、様々な立場の人間たちでした。
決して交わることのない人たちが、自分の国を持つため、自分の自由のために協力して戦うのです。
とーる
当時の戦い方は「整列して交互に撃ち合う」
今では考えられないことですが、当時の戦い方は、向かい合った両軍が横に整列し、交互に撃ち合うというものでした。
先に陣形を崩した方が負けです。
当時の戦いを再現した制作スタッフは、この戦い方を「大規模なロシアンルーレット」と言っていました。
本当にそうです。
正面から銃弾が向かってくるのに避けられない。
正面から銃剣が向かってきても逃げられない。
残虐極まりない戦い方ですが、当時はこれが普通だったのです。
とーる
あの時代のアメリカに生まれなくて良かった。
そう思うと同時に、アメリカの独立が、いかに大勢の犠牲の上に成り立っているのかを感じられました。
また『パトリオット』は衣装にもこだわっています。
奴隷も自由のために
当時は家に黒人奴隷がいるのが普通でした。
イギリス軍はそこに目をつけ、イギリス軍に入れば自由を与えると言って兵士を増やしていきます。
大陸軍も、1年入隊すれば自由を与えると宣伝し、兵士争奪戦が始まります。
ベンジャミンの集めた民兵の中にも奴隷がいました。
主人が高齢で戦えないため、自分の奴隷をベンジャミンの民兵に入れたのです。
彼の名前はオッカム。
民兵とはいえ大陸軍であることに変わりはなく、兵隊として1年働けば自由が与えられます。
とーる
民兵は何度も危機に遭い、解散と結成を繰り返します。
オッカムは必ずベンジャミンの元に戻り、民兵として戦いました。
そしてイギリス軍と決戦の日。
大陸軍に入って1年2ヵ月が経過したにも関わらず、オッカムは民兵として戦場に立っていました。
仲間たちが「もうお前は自由なんだぞ」とオッカムに言うと、オッカムはわかっていると答えます。
そしてこう続けるのです。
「今ここにいるのは、自分の意思だ」
とーる
民兵に入った当初は周りの仲間たちから馬鹿にされ、きっと自分の自由のために戦っていたであろうオッカム。
それがいつしか自分だけの自由のためでなく、国の自由のために自分の意思で戦場に立っている。
とーる
そして戦いが終わったあと、オッカムは自分の意思で、イギリス軍に燃やされたベンジャミンの家を仲間たちと建て直そうとするのです。
とーる
若者のパワー
ベンジャミンの息子ガブリエルは、父親の反対を無視して正規軍に入り、最後は民兵として父親を支えます。
途中で恋に落ちたアンと結婚するものの、タビントンの策略によりアンを殺され、ガブリエルもまたタビントンによって命を落としてしまいます。
戦場で指揮するのは経験と年齢を積んだ者たちですが、銃弾を受け銃剣を振るうのは若者たちです。
とーる
ベンジャミン自身も英雄と呼ばれた頃の話をすると「若さゆえ」と言います。
若さゆえに何もわかっていなかった。
若さゆえに無鉄砲だった。
でも、若いからこそできることは無限にあるのです。
とーる
若いからこそ犠牲になりはしましたが、それでも若さゆえの力というのは輝いて見えます。
もちろんベンジャミンのように、年齢を重ねたからこそ出せる力や知恵もありますから、どちらが優れているというわけではありません。
とーる
メル・ギブソンとヒース・レジャー
『パトリオット』での父と息子役の共演を機に、メル・ギブソンとヒース・レジャーは親交を持つようになります。
しかしヒースが『ブロークバック・マウンテン』で同性愛者の役を演じたのをきっかけに、疎遠になってしまいました。
厳格なキリスト教徒であるメルは、ヒースが同性愛者の役を演じることに耐えられなかったのです。
メルはヒースにその役を演じないよう忠告しますが、ヒースはその忠告を無視したのでした。
とーる
その後共演の噂はありましたが、2008年にヒースは死去し、結局実現はしませんでした。
とーる
『パトリオット』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『パトリオット』をレビューしてきました。
- 当時の残虐な戦い方を再現している
- 自由のため奴隷も戦った
- 若者の力と大きな犠牲
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