【ネタバレあり】映画『ルー、パリで生まれた猫』あらすじ感想|ネコ飼いの間では賛否両論!?このラストをどう受け止める?

(C)2023 MC4–ORANGE STUDIO–JMH & FILO Films

(C)2023 MC4–ORANGE STUDIO–JMH & FILO Films ルー、パリで生まれた猫

けっこうポップなビジュアルに反して、なかなかハードな展開も観られる映画『ルー、パリで生まれた猫』。

2023年4月にフランスで公開されたネコ映画であり、CGやネコにセリフなどをあてていない、純度高めな作品です。
フランス発のネコ映画と聞いて、てっきり優雅でオシャレな作品かと思っていましたが…かなり考えさせられるラストが印象的でした。
「ネコは私たち人間の良きパートナーなのか?それとも…?」みたいな、究極の選択を迫るタイプの作品です!
「かわいいネコ映画だ!」と思ってみると、強烈なカウンター(ネコ)パンチを喰らうかもしれません…汗

ポイント
・前半は王道のネコ映画っぽくて楽しい
・賛否両論ありそうなラストに考えさせられる

『ルー、パリで生まれた猫』の監督を務めたのはギヨーム・メダチェフスキ。北欧ラップランドの厳しい冬に生まれた野生のトナカイ・アイロを追ったドキュメンタリー映画『アイロ ~北欧ラップランドの小さなトナカイ~』を制作。
動物を撮影することに定評のある監督で、『ルー、パリで生まれた猫』でも、ネコをはじめ様々な動物の生き生きとした姿が見られます!

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映画『ルー、パリで生まれた猫』あらすじ(ネタバレなし)


パリのとある場所。屋根裏で母や兄妹と暮らすキジトラの子ネコは好奇心旺盛。母ネコに怒られるほどやんちゃなキジトラだったが、母ネコがエサを取りに行ったまま戻ってこなくなってしまう。

数日後、アパルトマンで父と母と暮らす少女クレムは、屋根裏部屋でその子ネコを見つける。「ルー」と名付けられた子ネコを家へ連れて帰るが、家族は飼うことを反対。

それでもめげずに説得を続けることで、ルーはクレムのペットになった。クレムはもちろん、父や母もルーを可愛がるようになる。

数か月後、夏になるとクレムたちは毎年通う森の別荘へ、ルーも連れていくことに。大自然を前に野生の血が騒ぐルーは森の中へ脱走してしまう。

その途中、クレムが「魔女」と恐れる女性マドレーヌがルーを見つけて連れてきてくれた。元野良ネコのルーを家に縛り付けるのはルーのためではないとクレアに諭すも、幼いクレアにはまだうまく理解できない。

マドレーヌも「ランボー」と名付けた犬(ナポリタン・マスティフ)を飼っており、森で長く暮らす彼女は動物や自然界に対する理解の深い女性だった。

今度はルーがネズミを食べたことにショックを受けたクレムはルーを別荘に入れないようにしてしまう。ルーが森をさまよう中、そこで白い子ネコ(メス)と出会う。

クレムの知らないところで、どんどん森の魅力に見入られていくルーだが、別荘での時間は過ぎ、クレムとルーは再びパリに戻る。

しかしそれからしばらくして、クレムの両親は離婚。別荘も売りに出すことになってしまう。

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映画『ルー、パリで生まれた猫』あらすじ(ネタバレあり)

(C)2023 MC4–ORANGE STUDIO–JMH & FILO Films  ルー、パリで生まれた猫

(C)2023 MC4–ORANGE STUDIO–JMH & FILO Films ルー、パリで生まれた猫

※以下ネタバレ注意!
父親がアパルトマンを出て、クレムは母とルーと暮らすことになった。別荘の買い手も決まり、クレムたちは最後にもう一度だけ別荘を訪れる。
再び森を訪れたルーだか、今度ばかりはクレアのもとに戻ってこない。「野生に戻りたいならルーの気持ちを尊重すべき」 と話すマドレーヌだが、クレムは母の目を盗んで森に一人で入り込んでしまう。

そこで子を育てる母イノシシに遭遇し襲われそうになったところを、マドレーヌが猟銃でイノシシを仕留める。クレムに怪我はなかったが、ルーは見つからず、自分のせいでイノシシが死んだことをクレムは悲しむのだった。
さらに数カ月後。季節は冬になり、ルーは野生で自由に暮らしているが、フクロウなどの天敵に追われる身になっていた。
ある時、マドレーヌが鉄条網にからまって瀕死の状態のルーを見つける。獣医からも助かる見込みは殆どないと言われ、マドレーヌはクレムには伝えず、彼女の母にだけこの話をする。
しかし察しの良いクレムは無理を言って、マドレーヌのもとに泊まり込んでルーを見守ることを決意する。
しかしマドレーヌはこれ以上人間の都合でルーを苦しませないようにするため、3日という期間を設ける。それまでにルーが回復しなければ、安楽死させるのだ。
クレムはルーが治ると信じて、その条件を飲む。最初は「魔女」と恐れていたマドレーヌに、クレムは友情に近いものを覚え、マドレーヌから自然と向き合うことの大切さも学んでいく…。
そして3日後。だめかと思われたルーが奇跡的に回復する。回復したルーのもとに、森で出会った白ネコが窓越しにやってくる。
クレムはルーにとって、パリのアパルトマンに留めるより、森で仲間と暮らす方が幸せなのだと悟ると、元気になったルーを森へと送り出すのだった。

『ルー、パリで生まれた猫』感想

前半は王道のネコ映画っぽくて楽しい

前半は比較的王道なネコと子どもの友情が育まれる様子が丁寧に描かれています。

変なナレーションや動物が喋るような演出もないので、ネコ好きガチ勢も心ゆくまで映画を楽しめます。
ドラマパートと同じくらいルーのネコとしての活動や目線も描いているので、家でネコを飼っている人が見ると「あるあるwそういうの」「元野良ネコだと、意外とそんなことするのか…!」といった気づきや発見もあります。
ただ、ボタンを押すと餌が出る自動餌機を転がして中身を出そうとするシーンは「そんなバカな!笑」とはなりました。なかなかデカいぞ、その自動餌やり機!
特に森へ飛び出していくルーの姿は、私たちが普段街で見かける野良ネコとはまた違った姿であり、これが真の野生のネコかあ…と感慨深い気持ちになりました。

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賛否両論ありそうなラスト

もうこの文章を書いてると、あのラストシーンをどうしても思い出して涙が溢れそうです。この手のストーリーをネコでやるとは、監督もなかなかに鬼ですね…。
人間と生き物の出会いと別れを描くとなると、ペットとして王道な動物より、本来野生で暮らすはずの生き物が期間限定で一緒に暮らす…みたいなのが普通だと思うんです。
それこそ最近の作品だと『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』(18)がそれに該当すると思います。
どうしてもネコを飼っている身として「ネコだって野生で生きたいと思うなら、その権利はある!」というメッセージ性を頭では分かっているのですが、気持ちがなかなかついていかない…。
多分、目の前にマドレーヌが現れて「 お前のネコは野生に帰りたがっている!」とか言われても「うるせー!お前に何が分かるんじゃー!」と殴り合いの大喧嘩になると思います。
それくらい、我々ネコ飼いにとってネコは「生涯を共にするのが当たり前」 の存在なのではないでしょうか。
監督がこの映画で伝えたいこと(ネコもれっきとしたひとつの生き物であり、人間の都合に縛られず、自由に生きることの素晴らしさや、それを理解し尊重する少女の尊さ)はめっちゃよく分かる…。
ですがそこに感情移入すると、どうしても自分のネコと重ねてしまい、マジで心身を引き裂かれんばかりの想いに苦悩するのです。
そういう意味でも、この映画のラストはネコなどのペットを飼っている人にとって賛否が別れるんじゃないかと思いました。
賛否というより、映画のようなシチュエーションが自分にもあったらと考えると、精神的な負担が凄まじすぎて、正常な判断ができないというか…。
なんか感想書けば書くほど、良くも悪くも問題作みたいになってきてしまいました…。フランス初のネコ映画問題作。

『ルー、パリで生まれた猫』あらすじ・感想まとめ

以上、ここまで『ルー、パリで生まれた猫』をレビューしてきました。

まとめると…

要点まとめ
・これからネコなど、生き物を飼う予定のある人はぜひ見た方がいい良作!
・すでに生き物を飼っている人が見ると、メンタルを引き裂かれんばかりの思いをするかもしれない…。

もちろん、ペットを飼っていない人が見ても、ネコの可愛い仕草や少女とネコの絆に感動できる、見応えある作品になっていると思います!

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