avexとGCRESTが送るHIPHOPメディアミックスプロジェクト『Paradox Live』がついにアニメ化!
楽曲とボイスドラマを中心に展開されてきた同コンテンツは、キャスト陣によるリアルライブなども開催され、大きな盛り上がりを見せてきました。
物語の舞台は、”ファントメタル”という特殊な金属の発見により、HIPHOPシーンが新たな潮流を迎えた近未来。
悪漢奴等との一戦の前に緊張が高まるBAE。
これに勝てば、決勝への道が見えてきます。
そんな中、夏準はスラムの一角で依織と遭遇し、夏準が抱える”ある事情”を見抜かれていることを知りました。
しかし、どうしても勝利したい理由がある夏準は、依織の忠告をはねつけます。
そして、舞台の幕が開き……。
早速、第8話「VIBES」をレビューしていきます。
目次
アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』前回第7話あらすじと振り返り
「The Cat’s Whiskers」の闇堂四季には、誰にも言えない秘密――独りで抱えるには大きすぎる闇がありました。
しかし、Paradox Liveで矢戸乃上那由汰と再会したことにより、それと向き合う決意をします。
廃ビルの屋上へやって来た四季は、友達である那由汰と過ごした日々のことを思い出していました。
当時の那由汰はアルバイトとしてファントメタルに関する実験に携わっており、少しずつ身体を蝕まれていました。
やがて限界を迎えた那由汰は、珂波汰に心配や迷惑をかけたくないと自死を選び、四季の目の前で屋上から飛び降りてしまったのです。
そんな那由汰を助けられなかったことこそ、四季の抱える秘密であり、忘れられないトラウマでした。
一方、熱を出した珂波汰は奇妙な悪夢に襲われ、那由汰は具合の悪い珂波汰のために薬を買いに出かけます。
そこで四季と遭遇し、親しげに話しかけられますが、那由汰は四季のことを知らず、冷たくあしらいました。
四季は、目の前で死んだはずの那由汰が生きていたものの、四季のことを覚えていないという状況から、那由汰は記憶喪失になっているのではないかと考えます。
【ネタバレあり】アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第8話あらすじ・感想
絆のかたち
ライブをこなした翌朝、BAEの面々はトラップ反応による不調を引きずっていました。
アレンとアンが身体の調子を報告し合っていると、遅れてリビングに現れた夏準は普段通りの涼しい表情を浮かべています。
「僕はいつも完璧ですから」と微笑む夏準に感心するアレンとアンでしたが、実は、夏準は深刻な体調不良に襲われていました。
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大学に通う三人は講義室で西門を捕まえ、悪漢奴等とのバトルについて尋ねます。
BAEが次のバトルで戦う悪漢奴等に、西門率いるTCWは敗北していましたが、親身になって悪漢奴等のことを教えてくれました。
西門は、家族のような強い信頼関係で結ばれている彼らがステージで一丸となった時のバイブスは圧倒的で、ただのお祭り騒ぎだとは思わないほうがいいと告げます。
夏準が心配には及ばないというような態度を取ると、西門は一瞬ハッとして「君は少し変わったね」と不敵に笑って見せました。
「お互いの命を預け合えるような関係性」の悪漢奴等は、確かに強敵だと認めるアレンとアン。
しかし、夏準は絆のかたちはそれだけではないと言います。
「家族という関係が何のアテにもならないことを僕たちは知っているはずです」
そして、「家族に自分を認めさせる」という同じ目的を持ったBAEのかたちも、ひとつの絆だと思うと続けるのでした。
命を懸けて
時折、アレンとアンに行き先を告げないまま出掛けていく夏準。
彼が秘密にしている行き先とは、スラムの闇医者のところです。
夏準はファントメタルに侵食され、すでに身体を蝕まれており、右腕には黒いアザのような模様が出始めていました。
以前と同じく、医者から「これ以上は無理を続ければ……」と釘を刺された夏準は、大金を手渡すことで薬をもらい、その場を後にします。
病院を出たところで声を掛けてきたのは、次の対戦相手である悪漢奴等のリーダー・依織でした。
依織は、夏準が闇医者に通っていることだけでなく、抱えているトラウマについても気付いているようで、夏準の戦う理由はつまらないと言い放ちます。
そのうえで「何のために戦う?」と改めて問われた夏準は、アレンとアンのことを思い浮かべていました。
しかし、「得られる利益のため」だと言い張ることで言葉を濁し、本心を明かすことはありませんでした。
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――そうして迎えたBAEと悪漢奴等のバトル当日。
先攻のBAEはステージに上がり、大きな歓声を浴びます。
ところが、夏準はパフォーマンスの途中でめまいに襲われ、その場に倒れてしまいました。
楽屋に夏準を運んだアレンとアンは、そこで夏準の身体が黒いアザの模様に侵食されていることを知ります。
様子を見に来た依織は意識のない夏準を前に、ファントメタルによる急性侵食だと言いました。
メタルとの親和性が高いほど幻影を生む力は強くなりますが、それと比例して耐性は弱くなり、数年で心身が蝕まれてしまうというのです。
こうなってしまっては手の施しようがないと告げる依織に、アレンとアンは本当に方法はないのかと縋ります。
依織は苦い表情を浮かべますが、アレンとアンの必死な様子を見て、問いかけました。
「……仲間のために命張れるか?」
夏準の精神世界
BAEのパフォーマンスが途中で終わってしまい、そのまま待たされている会場からはブーイングの嵐が……。
依織と善が会場の様子を窺っていると、北斎、玲央、紗月がやって来て、自分たちも元より急性侵食のようなメタルの危険性を知っていて、命を張る覚悟はできているのだと宣言します。
弟たちの強い想いを受けてステージに上がった依織は、後攻だった悪漢奴等が先にパフォーマンスをすると会場に伝えました。
――先刻。
アレンとアンの覚悟を受け取った依織は、他者の精神世界に侵入することで救う方法があると告げました。
かつて武雷管の修羅がやってのけたという話が伝説として残っているだけで確証はないものの、対象のメタルと接触することで、その精神世界に入り込めるのだといいます。
もしかしたら現実に戻ってこられなくなり、共倒れになる可能性もある危険な方法でしたが、アレンもアンもすでに心は決まっており、迷わず夏準の精神世界へダイブしました。
二人がそこで見たのは、幼少期の夏準……。
かつて夏準がトラップ反応の時に見ると語っていた、血の繋がらない両親に「いらない子」と言われる場面でした。
その場面を目の当たりにしたことで夏準の心の痛みを直に感じた二人は、自分たちもメタルに侵食されながら、幼い夏準を救おうと手を差し伸べます。
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Fabulous!
アレンは「お前はいらない子なんかじゃない」、アンは「僕らの大切な人」だと穏やかに告げ、メタルの侵食に耐え忍んでいた夏準の苦悩に寄り添おうとします。
しかし、「言ってくれれば……」とアレンに話しかけられた夏準は、「言えないよ!」と声を潤ませました。
さらに、いらない子にならないためなら何だってする、どんなつらいことだって耐えられると呟き、こう続けます。
「……愛しているから! 愛している人にいらない子だって捨てられるのは、死ぬより怖いことだから」
夏準のつらい言葉を聞いたアレンとアンは一瞬顔を歪めますが、自分たちの精神世界にも恐怖が棲んでいるのだと優しく語りかけました。
アンは、魔法をかけて人形にしようとする怖い魔女が棲んでいる、と。
アレンは、地獄の炎で燃やそうとする怖い魔王が棲んでいる、と。
それらが心の中から消えずに傷付けられたとしても、自分で選んで、外へ出て行けるのだと……。
夏準はアレンとアンに手を引かれ、自ら二人に身を寄せました。
「僕はもう、いらない子なんかじゃない」
そう思えた次の瞬間、三人は目を覚まします。
その時、ちょうど悪漢奴等のパフォーマンスが終わり、会場から歓声が聞こえてきました。
アレンとアンが棄権を選んだと聞いて慌てる夏準でしたが、「夏準がいないBAEなんてBAEじゃない」と言われ、目を見開いて驚きます。
――BAEは三人で舞台裏へ向かい、悪漢奴等が温めてくれたステージへ。
「僕はいつも完璧ですから」
いつもの夏準の台詞を聞いたアレンとアンは微笑んで、その後ろ姿に続くのでした。
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アニメ『Paradox Live THE ANIMATION』第8話まとめ
いかがだったでしょうか。
ずっと一人で苦しんでいた夏準がトラウマを乗り越え、アレンとアンとの絆を信じられるようになった第8話。
命を懸けて仲間を守る覚悟をしたBAEと、その気持ちを新たにした悪漢奴等が舞台裏で向き合うシーンは、それぞれの絆のかたちが垣間見えました。
また、前回に引き続き特殊EDの演出があり、BAEが歌う『F△Bulous』のライブ映像が流れました。
アニメだけでなく、コンテンツ自体ますます盛り上がっているParadox Live。
めでたく4周年を迎え、POP-UP STOREの開催やYouTubeでの24時間配信が行われました。
配信内では、1年をかけて行われていたバトル「Road to Legend FINAL “REVOLUTION”」の優勝チームが発表され、ついに頂点に立ったBAE。
アニメ内での活躍はもちろんですが、今後もParadox Liveを盛り上げていってくれそうですね。
次回、第9話も楽しみです。